「よろしいですか」の例文・使い方・言い換え・回答の仕方|敬語

ビジネススキル

「よろしいですか」の例文は?

「よろしいですか」は、どういう人に対し、どんな時に、どのように使えば良いのでしょうか。以下、例文を見ていきます。

ちょっとよろしいですか

「ちょっとよろしいですか」は、親しい間柄の先輩などに使う表現となります。見知らぬ人に道を尋ねる時にも「すみません、ちょっとよろしいですか」といった聞き方が良いのではないでしょうか。

取引先や上司、お客様など目上の人には「ちょっと」という言葉も「よろしいですか」という言葉も不適切です。「少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか」といった、かしこまった表現が望ましいでしょう。

逆に、道を尋ねる時に「少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか」とかしこまって聞いたら、聞かれた方は驚いてしまうでしょう。相手との関係性を考えて、かしこまった表現が適切か、かしこまりすぎたらおかしい場面かの判断をするのが賢明です。

「よろしいですか」の敬語での使い方は?

「よろしいですか」は、敬語ではどのように使えば良いのでしょうか。

丁寧語

「よろしいですか」は、丁寧語にすると「よろしいでしょうか」となります。ビジネスシーンでは主にこの「よろしいでしょうか」という表現が使われます。「よろしいですか」は親しい先輩や同僚にならば使えますが、普段から「よろしいでしょうか」を使っておいた方が、いざという時にうっかり口をついて「よろしいですか」が出てしまうことは少ないでしょう。

「よろしいでしょうか」は、細かく言ってしまうと敬語ではなく丁寧な表現に分類されます。しかし、目上の人にも使える表現ですので、覚えて使えるようにしていきましょう。

「よろしいですか」の使い方は?

「よろしいですか」は、どのように使えば良いのでしょうか。ビジネス会話とメールでの使い方について見ていきましょう。

ビジネス会話

「今、お時間よろしいでしょうか」

「少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか」

ビジネス会話では、「よろしいですか」ではなく「よろしいでしょうか」を使うようにしましょう。前述したように、「よろしいですか」は目上の人には使えません。

一つ目の例文は、こちらから電話をかけた時に相手がどのような状況で電話に出ているかわからないので、本題に入る前に必ず聞くようにしましょう。相手の状況を想像し、心配りができるかどうかは、ビジネスだけでなく人間関係においてとても重要です。

二つ目の例文は、店頭に置いていない商品についてお客様から聞かれ、在庫確認に向かう際などに使います。電話の最中に何か確認するのであれば、すぐ調べられること以外はかけ直す方が無難です。何度もかけ直すことにならないよう、他に調べることがないか考えてから電話を切りましょう。

メール

「〇〇の件について打ち合わせをしたいと考えておりますが、いつがご都合よろしいでしょうか」

メールでも、「よろしいですか」ではなく「よろしいでしょうか」を使うようにしましょう。メールでは上記のような文章で使われます。

メールで日程を決める場合は、「いつがご都合よろしいでしょうか」と相手の都合を漠然と聞くのではなく、3つほど候補日をこちらから提示するのが望ましいです。相手が提示してきた日にこちらの都合が合わないとなると、やりとりが長くなってしまうからです。できるだけメールのやりとりが少なくてすむように、また相手方が返信に困ることのないように心がけましょう。

「よろしいですか」への回答の仕方は?

「よろしいですか」と聞かれた時には、どのように回答すれば良いのでしょうか。「問題ありません」「構いません」「差し支えありません」について見ていきます。

問題ありません・構いません

「よろしいですか」への回答としては、「問題ありません」「構いません」という表現が使えます。相手はこちらに対して、許可や確認を求めているので、「問題ない」「構わない」「大丈夫」といった回答になります。

しかし、「問題ありません」「構いません」といった表現は少し語感がきつい印象を受けませんか。上から目線に聞こえてしまうことも考えられます。近い立場の人や部下には使えますが、目上の人に使う場合は気をつけた方が良いでしょう。

差し支えありません

「よろしいですか」への回答としては、「差し支えありません」という表現が使えます。先ほどの「問題ありません」や「構いません」よりも、目上の人に使うのであれば「差し支えありません」を選んだ方が無難だと言えます。

また、回答として使う以外にも「よろしいでしょうか」の代わりに「差し支えありませんでしょうか」と聞くことができます。「差し支えなければ」と前置きに使うこともある表現ですので、「差し支えありません」や「差し支えなければ」は覚えておくとビジネスシーンで重宝する言葉だと言えるのではないでしょうか。

「よろしかったですか・いいですか」との違いは?

「よろしいですか」と「よろしかったですか」「いいですか」の違いはどこにあるのでしょうか。以下、見ていきましょう。

よろしかったですか

「よろしかったですか」という表現は、日本語として間違っています。よく飲食店などで注文確認の際に「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」という聞き方をされます。耳に馴染んでいる言葉と言えるのではないでしょうか。しかし、これは誤用です。

注文をしているのは今現在であり、注文確認をしているのも今現在であるにも関わらず、「よろしかった」と過去形にするのは日本語として成り立っていません。正しくは「よろしいでしょうか」となります。

言葉は時代とともに変わっていきますし、接客業などでは「そういうもの」として認知されつつあります。ただビジネスシーンでは正しい日本語、正しい敬語が良しとされる傾向にありますので、「よろしいでしょうか」を使うくせをつけましょう。アルバイトで「よろしかったでしょうか」が染みついてしまった人は特に要注意です。

いいですか

「いいですか」は、「よろしいですか」と同じ意味です。「いい」を丁寧な表現にすると「よろしい」になります。「いいですか」は「です」がついているので丁寧語ではありますが、ビジネスシーンで使われることはまずありません。

「よろしいですか」の言い換えは?

では「よろしいですか」の言い換えには、どのような表現があるでしょうか。

いかがでしょうか

「よろしいですか」は、「いかがでしょうか」と言い換えられる場合があります。メールで日程を決める場合に「〇月△日、●月▲日、◎月□日のいずれかで打ち合わせをしたいと考えておりますが、ご都合はいかがでしょうか」という聞き方ができます。「よろしいでしょうか」を使うのであれば、「いつがご都合よろしいでしょうか」となります。

日にち指定をした上で「ご都合よろしいでしょうか」と聞くと、こちらの都合を押し付けている形となってしまいます。「よろしいでしょうか」を「いかがでしょうか」に言い換える場合は、全体的に少し表現を変える必要があり、間違えると失礼に当たる場合もあるので注意しましょう。

正しく日本語を使おう!

「よろしいですか」や「よろしかったでしょうか」など、日本語には似たような表現が多く存在します。どれが正しくてどれが間違いかを覚えるのは、なかなか骨が折れるでしょう。しかし、ちょっとした言葉のミスで取引先に不信感を持たれてしまってはもったいないのではないでしょうか。

アルバイトの時は許されていたことでも、社会人としては許されないということも出てきます。そのうちの一つが言葉遣いでしょう。日本語の間違いもそうですし、敬語も使いこなすまでは大変です。こつこつと地道に覚えていくしかありません。

言葉をしっかりと使っている人は「きちんとしている人だろう」という印象を与えます。地道な努力は必ず力になります。あなたもきれいな日本語が使える人を目指してみませんか。

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