「お目にかかる」の意味と使い方・敬語・類語・例文|年賀状

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「お目にかかる」の意味と使い方は?

手紙などで使うことが多い、お目にかかる、という言葉は、どのように使うのが日本語として正しい使い方なのでしょうか。簡単なようで意外と難しい、お目にかかる、という言葉は、間違って使われている場合も多く見られます。

お目にかかる、という言葉は尊敬語、謙譲語、どちらにあたるのでしょう。尊敬語と謙譲語の知っているようで知らない意味や使い方の違いも含めて、お目にかかる、という言葉の意味と使い方を見ていきましょう。

「お目にかかる」は謙譲語?

お目にかかる、という言葉は、会う、という言葉の謙譲語になります。ですから、目上の人に対して、山本さまにお目にかかりましたか、と聞くような使い方はしません。目上の人に使う場合は、山本さまにお会いになりましたか、という使い方をします。

ビジネスの場などで、自分は部長より下の地位にいて、部長は山本さまにお目にかかりましたか、と自分から部長に聞くのは、お目にかかるという言葉の間違った使い方です。部長を怒らせてしまう事態になりかねません。気を付けましょう。

「お目にかかる」の意味は?

お目にかかるは、会う、という言葉の謙譲語ですが、お目、は他人の目の尊敬語です。かかるは、他人の目にとまる、他人から見られるを意味しています。

お目、が他人の目の尊敬語であるために、お目にかかる、という言葉自体を尊敬語だと勘違いして使っている人がいますが、それは間違いです。

お目にかかる、は謙譲語に当たるので尊敬語と間違えてはいけません。謙譲語は自分の側がへりくだり、相手に対して、こちらの身分が下だということを示す言葉で、相手への敬意を表しています。お目にかかる、は謙譲語ですから、もちろん主語は自分にしましょう。

年賀状での「お目にかかる」の使い方は?

年賀状だけのお付き合いになってしまっている目上の人に、年に一回出す年賀状の中に書く言葉として多いのは、またお目にかかれますことを楽しみにしております、でしょう。

お目にかかれますことを楽しみにしております、という言葉の中には、お互いの関係が発展していくことを楽しみにしている、という気持ちが込められています。

親しい友人にはかしこまった感じがするので、お目にかかるという言葉ではなく、またお会いしましょう、などもっと気軽な言葉でも大丈夫です。丁寧に書いたつもりで、お目にかかる、という言葉を使うと、人によってはよそよそしい感じを受ける場合があるので気をつけましょう。

手紙の中での「お目にかかる」の使い方は?

今ではめっきり出す機会が減ってしまった手紙ですが、SNSやメールとは違って、やはり文体は少しかしこまったフォーマルな文体になることが多いでしょう。出す相手も、メールなどでは失礼になってしまう目上の方へ出すことが多くなります。

手紙の中では、お目にかかることができること楽しみにしています、お目にかかることができ光栄です、などの言葉で相手への尊敬を表すことができます。相手が自分に会ってくれること、会ってくれたことへの感謝を込めて、お目にかかるという言葉を使いましょう。

ビジネスシーンでの使い方は?

年賀状や手紙などに使うことが多い、お目にかかる、という言葉ですが、ビジネスのシーンでも同じように多く使われます。

しかし、中には間違った使い方をしてしまい、上司から指摘される人もいるでしょう。ビジネスシーンでは、お目にかかるという言葉はどのように使うのが正しいのか見ていきましょう。

会社の受付などではどう使う?

初めて訪問した会社の受付などで、約束している相手の名前を伝える場合などに、お目にかかるという言葉を使います。使い方としては、山本さまにお目にかかりたいのですが、というように受付の方に伝えて使いましょう。もちろん自分の名前、約束している時間、要件なども忘れずに伝えてください。

初めて会った取引先の人に挨拶する場合は?

ビジネスシーンで、初めて会う相手との挨拶の場面では、お初にお目にかかります、山本花子と申します、などと切り出すのがスマートでしょう。

ビジネスシーンでは最初の印象が大切ですから、お目にかかるという言葉を使い正しい挨拶ができれば、きちんとした人としてあなたの評判も上がり、その後の商談もうまくいくでしょう。

ビジネスメールではどう使う?

友達とのメールではないので、お目にかかるという謙譲語は正しく使えるようにします。ビジネスメールではそのほかの尊敬語、謙譲語も使い分けられるようにしましょう。

近いうちにお目にかかりたいと思うのですが、いつ頃がご都合よろしいでしょうか、や、来週お目にかかれた際に詳しくお伝えできればと存じます、などという文を使うことができれば、相手との交渉もうまくいくでしょう。仕事ができる人、としてあなたの評判も上がるでしょう。

「お目にかかる」は敬語?

お目にかかる、のような敬語には、尊敬語、謙譲語、丁寧語の三つの言葉があります。知っているようで、間違った使い方をしていることも多い敬語をきちんと理解するために、まずは、尊敬語、謙譲語、丁寧語の違いから見ていきましょう。

大人として敬語を正しく使いこなせる人は、ビジネスシーンで恥ずかしい思いをすることも減り、仕事もうまくいくようになります。何だかいつも商談が上手くいかない、と感じている人は、一度自分の言葉遣いを見直してみましょう。

尊敬語の使い方は?

尊敬語とは、相手、若しくは聞き手や話題になっている人の動作や持ち物など、相手に関わる物事について使い、動作主に対する敬意を表します。

例えば、校長先生がお書きになる、という文では、お書きになる、が尊敬語で、動作主は校長先生です。

お客さまがいらっしゃいます、という文では、いらっしゃる、が尊敬語で、動作主はお客さまです。

また、御社、ご担当の方、など、相手を指す言葉は尊敬語に分類されます。

謙譲語の使い方は?

前に書いたように、お目にかかるは謙譲語にあたります。自分や自分の身内、もしくは話し手の動作や持ち物に使い、動作を受ける人に対する敬意を表します。

例えば、明日伺う予定です、という文の中では、伺う、が謙譲語となり、動作主は自分です。

女王陛下にお目にかかる、という文の中では、お目にかかる、が謙譲語となり、動作主は自分です。

拝見してもいいですか、という文では、拝見し、が謙譲語で、動作主は自分になります。

弊社の担当が参ります、という文のように、自分の身内に対しても使います。

丁寧語の使い方は?

丁寧語とは、丁寧な表現を使って、相手に敬意を表す言葉です。文末につける、です、ます、ございます、などがその言葉です。日常会話でもよく使い、相手を問わずに使うことができます。

例えば、明日は遠足です、という文の、です、が丁寧語にあたります。

ここが私の家です、という文では、です、が丁寧語にあたります。

「会う」の敬語は「お目にかかる」なの?

会う、という言葉を敬語である尊敬語と謙譲語にそれぞれ換えてみると、尊敬語はお会いになる、お会い下さる、会われる、となります。謙譲語は、お目にかかる、お会いする、となります。

尊敬語、謙譲語ではそれそれ使い方が違いますので、目上の方に使う場合は特に気を付けましょう。謙譲語のお目にかかる、と共に、会うの尊敬語である、お会いになる、会われる、お会い下さる、も正しく使えるようします。敬語をきちんと使える人は、人々から尊敬されるでしょう。

間違えやすい敬語はあるの?

私たちが普段使っている言葉の中には、敬語として間違った使い方をしている言葉があります。敬語を使っているつもりでも、相手に失礼な言い方になっていたとしたら、大変なことになるでしょう。

お目にかかる、のように、うっかり間違えた使い方をしてしまう言葉をいくつか見てみます。
自分も間違えて使っていることがないかを、確認してみましょう。

「ご一緒します」は?

相手と一緒に行くときに使う、ご一緒します、という言葉は、丁寧語と普通語が混ざっており、しっくりしない言葉です。ご一緒、と使いたい場合は、ご一緒させてください、ご一緒させていただきます、というように使うのが正しいでしょう。

相手を誘う場合に使う、ご一緒しませんか、は間違ってはいませんが、ご一緒にいかがですか、よろしければご一緒にいかかですか、というだけでより丁寧な言い方になります。

「とんでもございません」は?

とんでもございません、という言葉は、敬語としては間違っている言葉です。とんでもない、で一つの言葉であるので、それを、とんでも、と、ない、に分けて、ない、をございませんという表現に変えることはできません。

正しい言い方は、とんでもないことでございます、となります。この言葉が使いにくかったら、恐れ入ります、という言葉に換えて使うのがいいでしょう。

「お体をご自愛くださいませ」は?

この言葉は、会話で出てくることはありませんが、手紙など文章の中でよく目にします。お体をご自愛くださいませ、という使い方は正しいのでしょうか。

自愛という言葉の中には、体を大切にする、という意味が入っていますから、正しくは、ご自愛くださいませ、となります。ご自愛ください、は手紙やメールの最後の方で、時候を表す言葉に続いて結びの言葉として使われることが多いでしょう。

「今お時間よろしかったでしょうか」は?

今、時間的余裕があるかどうかの確認をする言葉ですが、よろしかった、という過去形を使うことが間違っています。

今お時間いただいてもよろしいですか、というように現在形にして使いましょう。同じことが、このご注文でよろしかったですか、などの表現にも言えます。過去形ではなく、現在形で、このご注文でよろしいですか、と言います。

「お名前を頂戴できますか」は?

お名前をうかがってもよろしいでしょうか、や、お名前をお聞きしてもよろしいですか、という文章が正しい使い方です。

頂戴する、は、もらう、受け取るの謙譲語になるので、名前をもらうという意味になり正しい使い方ではありません。

「了解しました」は?

了解、という言葉は友人、同僚もしくは、目下の人に対して使う言葉です。しました、と付いているので丁寧語になりますが、了解、という言葉が尊敬語ではないので、目上の人や、お客さまには使わないようにしましょう。了解しました、では失礼になりますから、承知しました、を使うようにします。

「お目にかかる」の類語は?

お目にかかる、という目上の人に会う時に使う類語は、数多くあります。いくつか見てみましょう。

まみえる、拝謁する、お会いする、お目見えする、面会するなどが類語です。もっと、難しい類語としては、謁する、拝顔の栄に浴する、お目どおりする、拝眉する、拝顔するなどがありますが、普段使うことは少ないでしょう。

目上の人に会いに出向く、という意味では、参上する、見参する、お訪ねする、伺候するなどがあります。

お目にかかるという言葉を使わずに、同じ意味の表現をしたい時には、それぞれの言葉の持つ感じ方を考えて使うようにしましょう。

「お目にかかる」の例文は?

お目にかかる、の例文をご紹介しましょう。

・山本さまにお目にかかることができて大変光栄です。

・お目にかかることができまして大変うれしく存じます。

・お初にお目にかかります。山本花子と申します。

・また、お目にかかれたらうれしく存じます。

・山本さまには、一度お目にかかりたいとおもっておりました。

・近いうちにお目にかかりたいと存じますが、いつ頃がご都合よろしいでしょうか。

・山本部長にお目にかかりたいのですが、いらっしゃいますでしょうか。

いろいろなシーンで使うことができるので、使い方をマスターしておくと礼儀正しい人という印象を持たれることでしょう。

楽しみにしておりますに続く例文は?

楽しみにしております、という言葉は、お目にかかる、という言葉に続いて使われることが多い表現です。それではいくつかお目にかかる、を使った例文をあげていきましょう。

・お目にかかれる日を楽しみにしております。

・私共一同、山本さまにお目にかかれますこと、楽しみにしております。

などがあります。シーンに合わせて、上手に使いましょう。

日をに続く例文は?

日を、と続く例文は、楽しみにしております、に続く例文と重なるものが多いでしょう。

・再びお目にかかれる日を楽しみにしております。

・お目にかかれる日を心待ちにしております。

・お目にかかれる日が来ることを今から楽しみにしております。

などがあります。相手に対して尊敬の気持ちを表し、会える日を楽しみしている事がよくわかる表現となります。

「お目にかかれる」をマスターしよう!

謙譲語のお目にかかる、という言葉を間違えて目上の人に使ってしまったら大変なことになるでしょう。相手は気分を悪くするでしょうし、あなたの評判も下がってしまいます。

謙譲語、尊敬語そして丁寧語の使い方や、例文をマスターしておけば、ビジネスの場でも、学校でも、親戚関係でも困ることは少なくなります。

とっさの時に、慌てなくて済むように、今一度お目にかかる、という言葉の正しい使い方や、そのほかの敬語の使い方を確認して、大人として失礼のないようにしておきましょう。

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