指示を仰ぐときの方法とは?
仕事をする上で必要になってくるのが、「指示を仰ぐ」という事です。特に新人のうちは上司や先輩に指示を仰ぐというのは仕事をする上で不可欠です。
しかし、忙しい上司や先輩に指示を仰ぐ時に失礼があってはいけません。そこで今回は指示を仰ぐ時に相手に失礼のない方法をご紹介しますのでご参考にしてみてください。
メールで指示を仰ぐのはOK?
基本的にはメールで指示を仰ぐという方法はOKです。急ぎの場合には電話や直接の方が良いですが、そこまで緊急性のない場合には相手も自分の都合の良いタイミングで指示を出すことができるのでおすすめです。
しかし社風や、その上司の考え方があまりメールでの対応を快く考えていない場合にはおすすめはできないので、一番最初にメールで指示を仰ぐ事がOKなのかNGなのかを確認すると良いでしょう。
しかし、メールはあくまでも急ぎではない場合の手段となり、緊急性を要する場合にはなるべく電話や直接指示を仰ぐことが大切です。ただし、もしも客先などで電話に出てもらえない場合には補助的な手段としてメールを入れておくという方法は良いです。臨機応変に使い分けることが重要です。
指示を仰ぐときの例文が知りたい!
それではここで実際に指示を仰ぐメールを送る際の例文をいくつかご紹介していきます。指示を仰ぐメールの文章を考えるのが苦手な人やまだ慣れていないという人はこういった例文をテンプレートとして使用し、自分の仕事の内容に都度書き換えて利用するというのもおすすめですのでご参考にしてみてください。
例文その1
鈴木部長 お疲れさまです。○○商事の△△様より商品についてのお問い合わせがあったのですが、私では分かりかねる部分があったので返答についてご指示を仰ぎたく存じます。
・商品Aの見積もり価格について、もう少し値下げをすることは可能かどうか。とのことでした。△△様としてはできれば¥○○○-までには抑えたいとのことでした。一旦確認してから追ってご連絡する旨は伝えています。
基本的にはお値下げには対応しないという事で、鈴木部長にはご指示をいただいていますが、最重要顧客でもある○○商事からのお問い合わせだったので念のため確認したくご連絡しました。
お忙しい所恐れ入りますがご指示を仰ぎたく、お願い申し上げます。加藤
例文その2
柴崎様 お疲れさまです。先ほどご連絡いただきました会議室の予約の件についてご相談がございます。7月18日終日で会議室Bを予約するようにというお話でしたが、空き状況の確認をしたところ既に別件での予約がされてしまっていました。
同日で終日空きのある会議室が現状AとDのみなのですが、いかがいたしましょうか。会議室のキャパやレイアウトを考えるとDの方がBに近いと考えられますが、私だけでは判断できかねるので、ご教示いただけると幸いです。
以上 よろしくお願い申し上げます。加藤
シーン別指示を仰ぐときの方法とは?
こちらではシーン別に指示を仰ぐときの方法についてご紹介していきます。ご参考にご覧ください。
ビジネスシーンでの指示の仰ぎ方とは?
指示を仰ぐシチュエーションの多くはビジネスシーンです。そこでこちらではビジネスシーンで指示を仰ぐ場合に使える便利なフレーズをご紹介していきます。ビジネスメールやビジネスでの会話を普段やり取りしている人であれば基本的な言葉使いはマスターしているので、これから紹介するフレーズを上手く取り入れて指示を仰げば問題ありません。
指示を仰ぐのに便利なフレーズはこちらの4つです。「ご指南いただけますでしょうか。」「ご教示ください。」「お教えいただきたく思っております。」「ご指示を仰ぎたく存じます。」どれも同じような意味なので、状況や相手、話の流れに応じて上手に使い分けるのがおすすめです。
基本的な敬語+このフレーズを使用することで、指示を仰ぐ際に失敗することはあまりないので覚えておくと良いです。
PTAや自治会などで指示を仰ぐ場合
ビジネスシーン以外で指示を仰ぐというシチュエーションで考えられるのが、PTAや自治会などの集まりなどで何かをする場合などが可能性としては多くあります。
基本的にはこれらの場面でも、ビジネスシーンと同じように指示を仰げば失礼はなく間違いないのですが、集まりの雰囲気などによっては堅苦しくなりすぎる場合もあります。あまり上下関係がはっきりとしていない場合や、和気あいあいとした雰囲気の場合はそこまで堅苦しくなりすぎずにライトな敬語使いくらいでも良いです。
例えばビジネスシーンでは「お教えいただきたく思っております。」だったところをもう少しフランクに「教えていただけますか。」くらいでも大丈夫です。ただしあくまで友達同士ではないので、フランクになりすぎずに適度に敬語を使った方が無難です。
敬語で指示を仰ぐときの伝え方とは?
指示を仰ぐ場合の多くは基本的に目上の人に対して行われることが多いです。そこで敬語をしっかりと使用するというのが重要になってきます。そこでこちらでは敬語で指示を仰ぐときの伝え方についてご紹介していくのでご参考にご覧ください。
尊敬語を使う!
指示を仰ぐ際に、「ご指示を仰ぎたく存じます。」などと「指示」の前に「ご(お)」を付けます。これが尊敬語です。
尊敬語を使わずに「指示を仰ぎたく存じます。」としてしまうと、少し失礼な印象を与えてしまうので、指示以外でも「ご指南」「ご教授」「お教え」と忘れずに尊敬語に言い換えて指示を仰ぐようにすることが大切です。
丁寧語でいいの?
丁寧語を用いて指示を仰ぐ表現を2つ例としてあげます。「ご指示を仰ぎにそちらに伺ったのですが、留守だったようなので先に帰宅しました。」「ご指示を仰ぎたいと希望しております。会ってください。」
こちらの2つの例はそれぞれ後半部分が丁寧語となっています。例文を見るとあまり良い印象ではなく、指示を仰ぐ場合には丁寧語はあまり適していないことがわかります。
指示を仰ぐ場合は謙譲語!
指示や判断を仰ぐ場合には、自分をへりくだった謙譲語である必要があります。そこで先ほどの2つの例文を全て謙譲語にした場合の例をあげます。「ご指示を仰ぎにそちらに伺ったのですが、お留守でしたので先に帰宅させていただきました。」「ご指示を仰ぎたいと希望しておりますので、一度お会いしていただきたく存じます。」
これで先ほどの丁寧語の例文に比べても印象が良くなりました。指示を仰ぐ場合には謙譲語が良いと覚えておくことをおすすめします。
社内・社外別指示を仰ぐ時の方法とは?
ビジネスシーンで指示を仰ぐ場合には大きく分けて2つのシチュエーションがあります。1つは社内で上司や先輩に指示を仰ぐパターンで、もう1つは取引先などの社外の人に指示を仰ぐパターンです。
こちらでは、社内・社外別にそれぞれの指示を仰ぐ時の方法についてご紹介していくのでご参考にしてみてください。
社内の場合は?
社内の場合でもいくつかのパターンがあります。こちらではそのパターン別に指示を仰ぐ方法をご紹介していきます。
同じフロアに相手がいる場合
同じフロアに指示を仰ぎたい相手がいる場合には、基本的に社内やその相手との取り決めがない限りは直接指示を仰ぎに行くのが良いです。直接話せる環境にある場合には、直接の会話でやり取りをする方が細かいニュアンスまで伝わりやすいのでおすすめです。
ただし、言った言わないなどのトラブルが発生しないように細かくしっかりとメモを取る必要があります。また、聞いたのに内容を忘れてしまっては相手に失礼な上に二度手間をかけてしまうことになるのでメモはしっかりと取る事が大切です。
また、相手が忙しい場合などもあるので、必ず話しかける前に「お時間よろしいでしょうか?」「今大丈夫でしょうか?」などと相手の都合を確認してから話を始めることも重要です。
フロアが違う場合
指示を仰ぎたい相手が、部署が違う人の場合などフロアが違う場合には緊急度によってメールか社内電話を使い分けるのがおすすめです。どうしても直接でないといけないような重要な話の場合には先に電話などでアポイントを取ってから相手の元へ行くのが良いです。
基本的には緊急度が高い場合には、電話をしてしまう方がレスポンスが早いので良いですが、どうしても聞き逃しなどが出てきてしまう場合もあるので複雑な案件についてや、後々に文面で残しておきたい場合などはあえてメールで指示を仰ぐのもおすすめです。
急ぎの場合には、メール送信後に電話で一方入れておくと相手の見逃しのリスクも減るので良いです。
相手が外出・出張中の場合
指示を仰ぎたい相手が、外出中や出張中の場合急ぎでなければメールを入れておき、帰社後に直接話をするかメールでの返信という形が基本です。急ぎの場合は電話でも良いですが、出先の場合どうしても意識が外に向いてしまいがちなので、先にメールで内容を送ってから電話をかけるというのがおすすめです。
超緊急の場合にはそうも言っていられないので、電話で良いです。また、あまりメールを見てくれないタイプの人の場合には電話をかけてしまって良いので、臨機応変に相手や状況に応じて使い分けるのがおすすめです。
社外の場合は?
社外の取引先の人などに指示を仰ぎたい場合には、基本的にはメールがおすすめです。ただし、相手の会社の状況などによっても違ってくるので、あらかじめ話をする機会があった場合には指示を仰ぎたい場合などの連絡手段について希望を聞いておくと良いです。
相手の都合や状況、希望に合わせた方法で指示を仰ぐのが結果として一番レスポンスが早いです。昔からある会社の方の場合などはメールではなくファックスを希望する方などもいます。ファックスの場合には送信して数分後に念のため着信の確認を電話でするのがおすすめです。
ファックスはどうしても紙ベースになるので、届いていてもどこかにまぎれてしまっていたり、送りたい相手の手元に届かない可能性もあるので、電話で着信の確認をして、できれば相手のデスクなどに置いてもらうようにお願いすると行き違いも減り確実です。
トラブルを減らすには?
どんなシチュエーションでも指示を仰いだ場合に言った、言わないという問題が出てきてしまうことがあります。こういったトラブルを減らす方法についてご紹介していくのでご参考にご覧ください。
基本はメールで文章に残す
言った、言わないというトラブルを無くすためにはメールでのやり取りが一番確実です。送信・受信の履歴がしっかりと残るので聞き間違いや聞き逃し、言い間違いや言い忘れのトラブルを最小限に留めることができます。
また、メールをプリントアウトすればTODOリストとしてそのまま使うこともできるのでとても便利です。急ぎや一言二言で終わる指示でない場合には基本的には履歴の残るメールでのやり取りがおすすめです。
口頭の場合はしっかりとメモを取る
基本中の基本ですが、指示を仰ぐ場合にはしっかりとメモを取る事で聞き逃しも防ぐことができます。また、重要点については相手の言ったことをオウム返しして再確認することも大切です。
聞き間違いや勘違いなどでミスをしてしまっては良くないので、指示をもらった後にも最後に要点をまとめて「〜ということでよろしいですね。」と再確認するのもおすすめです。要点をまとめることによって自分の理解も深まり、誤解している部分がないかを最終確認することもできるので最後の確認の癖をつけると良いです。
電話の場合は都度復唱!
聞き間違いが最も多いのが電話での指示です。携帯電話でのやり取りの場合には電波状況やまわりの音なども気にする必要があります。とは言え、状況によってはそのようなシチュエーションでも指示を仰ぐ必要がある時には、なるべく相手の言った言葉は都度復唱して確認するのがおすすめです。
指示の内容がよくわからなかった場合は?
指示を仰ぎ、返答があったものの意味がいまいちわからなかった場合や、望んでいた事に対する回答ではなかった場合など、自己判断で進めてしまうのは危険です。基本的には不明点があった場合には理解できるまでしっかりと確認することが重要です。
相手が目上の人の場合どうしても躊躇してしまいがちですが、それでミスをしてしまっては余計に迷惑がかかるので不明な点があった場合には躊躇せずに再度確認するのが良いです。
指示の内容が不信な場合は?
もらった指示の内容が、本当にそれで正しいのか疑問に感じた場合には念押しの意味も込めて相手に再度確認することをおすすめします。その際はなるべくメールなどの文章に残る物を使用するのが良いです。
慣れてしまえば怖くない!
最初はどうしても指示を仰ぐのも、緊張してしまいます。正しい敬語は使えているのか、相手に失礼はないか、何か間違えていないか、と入社して間もない時期だと余計に不安に感じてしまう人も多いです。
しかし新人の時ほど指示を仰ぐことをしなくては、仕事を進めることができません。慣れてしまえば指示を仰ぐこともそこまで緊張することもなくなってきます。まずは慣れることを目標に正しい敬語を使いながら指示を仰いでみてはいかがでしょうか。