「お迎えにあがります」の意味と使い方・敬語・「参ります」の違い

ビジネススキル

「お迎えにあがります」の意味と使い方は?

「お迎えにあがります」は、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。しかし、「お迎えにあがります」は、敬語としては正しくありません。意味としては、「これからお迎えにいきますよ」を丁寧にした敬語のようですが、実際はどうなのでしょう。

ビジネスの場合

ビジネスシーンの場合、「お迎えにあがります」はよく使われます。しかし、「お迎えにあがります」は間違っており、正しくは「お迎えに参ります」です。間違って覚えているビジネスマンも多いですので、正確な言葉を使いましょう。

特に敬語は、取引先やお客様とのコミュニケーションに必要不可欠です。敬語を正しく使えなかったら評価が下がり、仕事の成否に関わってくることもあります。きちんとした敬語を身に付けましょう。

メールの場合

メールで相手に送る場合も、「お迎えにあがります」と言う表現は間違っています。友人知人同士で使う分には全く問題はありませんが、仕事で上司や取引先とメールする際には、「お迎えにあがります」ではなく「お迎えに参ります」と書くようにしましょう。

ビジネスメールを書く際の注意

ビジネスメールには、基本的な書き方があります。本文には、メールでの用件と別に、あいさつ・名乗り・結びの文章が必要です。特に挨拶と名乗りは、本題に入る前に必ずつけるようにしましょう。初めてメールする際や、久しぶりのメールの際は、挨拶を工夫することも大切です。その季節や状況にあったあいさつ文を使いましょう。

電話の場合

電話の場合も「お迎えにあがります」ではなく、「お迎えに参ります」を使います。しかし、メールと違い顔が見えませんので、場所を伝える際には、FAXなどを使って地図を送信するか、お互いが知っている場所や目立つ場所での待ち合わせをするようにしましょう。

漫画の場合

執事が登場する漫画などで、「お迎えにあがります」という表現を使う事がありますが、漫画はあくまでもフィクションですので、敬語表現として間違っていても問題はありません。

しかし、一部の漫画では海外の人向けに翻訳されるため、日本語の時点で正しい表現を使っている場合もあります。

「お迎えにあがります」の英訳は?

「お迎えにあがります」は間違いですので、「お迎えに参ります」の英訳になります。「明日7時にお迎えに参ります」の場合は「I’ll pick you at 7p.m. tomorrow.」になります。ただし、こちらは車でお迎えする場合ですので、駅などに迎えにいく場合は「I’ll go to meet you at the station.」になります。

「お迎えにあがります」の正しい敬語はどんなの?

前述のとおり「お迎えにあがります」は、敬語として間違っています。

では、正しい敬語として使うには、どのようにすれば良いのでしょうか。実は、尊敬語か謙譲語の違いで正しいか正しくないかが変わってきます。まずは、尊敬語と謙譲語の場合について解説します。

尊敬語の場合

尊敬語は、動作の主体である人物の行動を、高めて表現する時に使用します。つまり「お迎えにあがります」の場合、お迎えするのは自分です。お迎えに行く自分を高める必要はありません。どちらかと言えば、来てくださってありがとうございますになりますので、謙譲語を使うのが正解です。

どうしても尊敬語にしたい場合は、「迎えにいらっしゃいます」と使いますが、迎えにいく相手によっては失礼にあたることもありますので、確認が必要です。

謙譲語の場合

前述のとおり、「お迎えにあがります」で自分を高める必要はありません。「お迎えにあがります」が謙譲語表現になるのが正しい使い方です。謙譲語は、動作の主体である自分をへりくだり、相手を持ち上げる表現です。「お迎えにあがります」ではなく「お迎えに参ります」が正解です。

例外として

ビジネスシーンでは、自分ではなく上司や会社の社長が出迎え、それをメールなどで伝える場面も出てきます。その際は、自分が主体ではありませんので、「社長がいらっしゃる」や「部長がおいでになる」などの表現を使います。

「お迎えにあがります」はいずれにせよ正しい敬語ではありませんので、使用しないようにしましょう。

そもそも敬語とは?

尊敬語・丁寧語・謙譲語の3つを敬語といいます。尊敬語は、目上の人を敬う言葉で、丁寧語は物事を丁寧につたえる言葉で、謙譲語は、自分がへりくだって相手を立てる言葉です。

「お迎えにあがります」は、元々「迎えに行く」が変化したものだと考えられますが、「行く」の尊敬語は「いらっしゃる」、丁寧語は「行きます」、謙譲語は「参る」です。実は「あがります」は「飲む・食べる」の尊敬語になりますので、元々の使い方から間違っています。

「お迎えにあがります」と「参ります」「伺います」

「お迎えにあがります」と「参ります・伺います」は、どう違うのでしょうか。前述のとおり、「お迎えにあがります」正しい敬語ではありません。「お迎えに参ります」が正しい言葉になります。「お迎えに伺います」は、自分ではなく訪問先の相手をたてる表現になります。

「お迎えにあがります」はどう返す?

「お迎えにあがります」は、敬語として正しくありませんが、ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。後輩や部下が使っている時には上司・先輩として「お迎えに参ります」という正しい表現を教えることも重要です。

上司や社長、取引先のお客様など、自分より目上の人が使っていた場合は、無理に正しい表現を教えないこともビジネスシーンではよくあることです。逆に、教えたことで感心されて取引がまとまったというケースもあります。ビジネスの現場では、常にアンテナを張って臨機応変な対応をするようにしましょう。

「お迎えにあがります」の例文

「お迎えにあがります」は、残念ながらビジネスマン・社会人として使ってはいけない言葉の一つです。また、正しいと勘違いしてしまっている人が多い言葉でもあります。知っているのと知らないのとでは、大きな差が出てきます。元の言葉である「迎えに行く」にはどのような表現があるのでしょうか。例文と一緒に解説します。

「迎えにいく」の例文

「迎えにいく」は、「子供を保育園にむかえにいく」や「家族が退院する日なので迎えにいく」など、友人知人と話をする際に使うことが多いです。自分が上や相手が上ということもなく、同じ目線での会話になります。

「お迎えに参ります」の例文

「お迎えに参ります」は、「迎えにいく」の敬語表現になります。例文としては「最寄りえきまで、お迎えに参ります」「お迎えに参りますので、その場でお待ちください」のように使います。ビジネスシーンでも使えますが、尊敬語や謙譲語を使い、言葉全体を綺麗な表現で相手が聞き取りやすいよう気をつけましょう。

基本的に

人の行動を表わす動詞の場合、尊敬語と謙譲語の違いをきちんと把握しておくことが大切です。自分の行動については、自分を謙遜する謙譲語を使い、立場が上の人に対しては尊敬語を使うことで相手を敬っていることを示せます。基本的な動詞の謙譲語と尊敬語を把握しておくことは、社会人としてのルールです。

「お迎えにあがります」と言われたら

「お迎えにあがります」と言われたら、敬語表現が間違っていますと指摘してしまそうになりますが、取引先のお客様・社長や上司が使っていた場合には、やんわりと間違いを正すか、そのままスルーしましょう。ビジネスシーンでのルールも必要ですが、ビジネスにおいて必要なのはそれだけではないからです。

誰かが自分のために迎えに来てくれると言うのは、相手が自分のために時間を作ってくれることに他なりません。間違いを正すよりも、相手が迎えに来てくれたことに対して感謝の意を伝えましょう。そして、間違った使い方だと理解したならば、自分が使う際に正しい使い方ができるようにしましょう。

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