「ご活躍を」を正しく使えますか?
ビジネス敬語を使う時に迷うことはありませんか。ビジネスシーンで良く使われるフレーズの1つに「ご活躍を」があります。できるビジネスマンになるためには、ビジネス敬語を上手に使えるようにならなければなりません。「ご活躍を」の意味を聞かれて正しく答えられるビジネスマンは決して多くありません。
立派なビジネスマンとして見られる「ご活躍を」を上手に使えるようになるために、「ご活躍を」の使い方を場面や例文を交えて解説します。
「ご活躍を」の敬語とは?
「ご活躍を」は「活躍」を丁寧に表現したフレーズになります。ということは、「活躍」の意味から正しく知る必要がありそうです。では、「活躍」の意味から考えてみましょう。
「活躍」の意味とは?
「活躍」には、ビジネスで使用することの多い「めざましく活躍すること」と心の描写の動く様子を意味する「勢いよく躍りはねること」、これら2つの解釈ができるフレーズです。
特にビジネスで使用することの多いあなたは「めざましく活躍すること」を十分に理解する必要があります。「活躍」の意味がわかると「ご活躍を」の使い方が気になるのではないでしょうか。ここからは相手の立場にあわせた「ご活躍を」の使い方を説明します。
[名](スル)1 めざましく活動すること。「社会の第一線で活躍する」2 勢いよく躍りはねること。
「ご活躍」は目上の人にも使って良い?
ビジネスで「活躍」は、仕事の成果を上げるために活動する意味で使われます。では、「ご活躍」は上司や部下という立場を気にせず使って良いものなのでしょうか。
一部の解釈では「ご活躍」を目上の人には使うものではないとしています。これは「活躍」が上から目線の印象を抱かせる可能性があるからです。「頑張れよ」というニュアンスみたいです。ただし上記の解釈は一部であり、「ご活躍」は「活躍」を丁寧にしたフレーズなので上司に対して使っても一般的には全く問題ありません。
「ご活躍」を部下に使うのは?
「活躍」を丁寧にしたフレーズならば、「ご活躍」は部下に使うのは適していないと感じませんか。結論からいうと「ご活躍」を部下に使っても問題ありません。これは「ご活躍」を使用する状況で部下に使うのが適しているかを判断する必要があります。
「ご活躍」を部下に使うのに適している状況は、異動などのメッセージや激励するスピーチなどがあてはまります。心から部下の活躍を期待する表現として使うのであれば、あなたが部下のことを思う気持ちが伝わりやすくなります。
「ご活躍」は状況で使い分けるのが大事!
「ご活躍」は上司や部下に対して使用しても問題ないフレーズであることがわかりました。「ご活躍」を使うフレーズを使う状況を良く判断して使うことで、あなたの気持ちが伝えやすくなります。特に部下に対して「ご活躍」を上手に使えるようになると、部下がみるあなたに対する信頼感を高められるのでとても効果的です。「ご活躍」を使う状況を上手に利用しましょう。
「ご活躍を」で良く使う7つの例文
「ご活躍を」はメールや手紙などを書く時に多く使われます。また、話す時でも目上の人に対して、もしくは、大勢の人達に対するスピーチの締めに「ご活躍を」を使うことが考えられます。「ご活躍を」は人に対して使うフレーズということになります。
企業に対して使うフレーズは何?
「ご活躍を」が人に対して使うフレーズということは、企業相手に使うフレーズもあるはずです。企業相手に使うフレーズには「ご発展」や「ご盛栄」、「ご清栄」などがあてはまります。人に対して使う「ご活躍を」を、企業に対して送るスピーチやメールでは使わないように気を付けましょう。
「ご活躍を」を間違えて使うと評価が下がる
書くことでは「ご活躍を」を間違って使ってしまうと記録が残ることになります。目上の人と話したり、大勢の人へのスピーチで「ご活躍を」を間違った使い方をすると、常識がないとあなたの評価を下げかねません。これらの状況になるのはあなたも望まないでしょう。
そこでここからは、「ご活躍を」とセットで良く使う5つのフレーズを交えた例文をもとに説明を進めていきます。5つのフレーズは「ご活躍を」と交えて使うケースが多いものになります。
「ご活躍を」+「お祈り申し上げます」
「ご活躍を」と「お祈り申し上げます」を使うケースを考えてみましょう。ビジネス敬語では人と企業に使用するものでわけられます。
では「ご活躍をお祈り申し上げます」を使用するのは人と企業どちらにあてはまるでしょうか。「ご活躍をお祈り申し上げます」は、人に使うビジネス敬語です。また、「ご活躍をお祈り申し上げます」を話すことと書くことでわけると、書くことで使うことがわかります。
つまり「ご活躍をお祈り申し上げます」は、個人にあてたメールやハガキで使用するものとなります。
「益々の」+「ご活躍を」
「益々のご活躍を」というフレーズもビジネスでは良く使います。ここでの疑問は「上司や目上の人に使っても良いフレーズなのか」ではないでしょうか。「益々のご活躍を」は上司でも部下でも使用できるフレーズです。問題は「益々のご活躍を」の後に続く文章がポイントになります。
上司や目上の人に対して「益々のご活躍を期待しています」は使えません。「期待しています」は、同僚や部下に使うフレーズです。上司や目上の人に使うのであれば、「益々のご活躍をお祈り申し上げます」が適しているフレーズになります。
「今後の」+「ご活躍を」
「今後の」と「ご活躍を」を組み合わせたフレーズは、上司や目上の人に使うのであれば「今後のご活躍をお祈り申し上げます」や「今後とも益々のご活躍をお祈り申し上げます」などが適した表現です。同僚や部下であれば「今後のご活躍を期待しています」が良いでしょう。「今後のご活躍を」も後に続くフレーズで使い分けることができます。
「ご活躍を」+「応援しております」
ここでは「ご活躍を」に続くフレーズについてピックアップします。「ご活躍を」と「お祈り申し上げます」は、上司や目上の人に使っても良いフレーズでしょうか。ここまでの流れを見直すと、上司や目上の人に使うフレーズは「お祈り申し上げます」でした。応援は同僚や部下に対して使うフレーズになり、上司や目上の人に対しては不適切な表現といえます。
上司や目上の人には「ご活躍をお祈り申し上げます」で、同僚や部下には「ご活躍を応援しております」がビジネスで適した表現となります。
「ご活躍を」+「祈念」
「ご活躍を」と「祈念」もビジネスで良く使うフレーズです。あなたの頭の中はすでに「上司?」「部下?」の発想になっていることでしょう。では「ご活躍を」と「祈念」の正解を説明します。「ご活躍を」と「祈念」を組み合わせたフレーズの完成形は、「ご活躍を祈念しております」です。
「祈念」とは?
では「祈念」の意味を考えましょう。「祈念」は、神様などに心から目的などの達成を祈ることを意味します。「しております」の「おります」は謙譲語です。「ご活躍を祈念しております」は、「ビジネスでの成功を心から祈っております」という解釈ができます。このフレーズは純粋に成功を祈っている気持ちが良く表れています。
「ご活躍を祈念しております」は、上司や部下などの立場は関係なく使えるフレーズです。
「ご活躍を」+「心より」
「ご活躍を」と「心より」を組み合わせると、送る相手に対してより丁寧な心がこもった表現として読み取ることができます。「お祈り申し上げます」が続くのであれば上司や目上の人に対して使い、「応援しております」が続けば部下や同僚に対して使うのが適した表現です。「ご活躍を」を送る相手にあなたの気持ちをより一層丁寧に伝えたい時に付け加えましょう。
「ご活躍を」+「期待」
「ご活躍を」と「期待」を話し言葉にすると、「これから頑張れよ」になります。
この表現からもわかるように、いくら「ご活躍を期待しております」と謙譲語を交えても、上司や目上の人に使うフレーズには適していません。「期待」が立場の上に位置する人が使う表現だからです。「ご活躍を」と「期待」を組み合わせるのであれば、部下や同僚に使うフレーズと認識してください。
「ご活躍を」状況別の目上の人への使い方
「ご活躍を」の使い分けがだいぶ理解できてきたことでしょう。ここからは異動や退職などで「ご活躍を」使うことの説明に入ります。
あなたがビジネスで使う「ご活躍を」は、異動や退職で相手に伝えることが多いはずです。異動や退職というシチュエーションで、上司や部下への「ご活躍を」の使い方も気になります。まずは上司に対しての「ご活躍を」の使い方から入ります。
上司の異動や退職で良くあること
大きな会社であれば数年周期で上司が変わることは良くあることです。大きな会社であればあるほど上司は取引先の挨拶でとても忙しい状況になります。
社内の部下達に声を一言かけたいところですが、かなりタイトなスケジュールのため部下達へのアクションが一番最後に回されます。そこで上司が部下達に使う最終的なアクション方法として社内メールが良く活用されます。上司から異動や退職の知らせがメールできた時のコツも含めて設枚します。
上司から異動や退職のお知らせメールが届いたら
あなたが朝出勤していつものようにパソコンの電源を入れメールを確認する作業をすると、上司から異動(または退職)のメールを受信しています。メールの送信時間は深夜で、上司のスケジュールが詰まっていることがわかります。
さあ電話をしたほうが良いのか、メールで返信したほうが良いのか、あなたは朝一番で悩むことになります。本来であれば顔を会わせて挨拶をしたいところですが、メールの送信時間からもわかるように会う時間はなさそうです。
あなたの朝一番の決断は、上司のスケジュールを考え負担にならないようにメールを返信することです。メールの返信ボタンをクリックして返信しようとした時に頭によぎるのは、失礼のない返信の仕方があるのでは、ということでした。早速返信メールを閉じてインターネットで検索します。
上司の異動や退職の返信する3つのコツ
これから先のことを考えると上司に対しての返信はものすごく気を使います。上述したフローは誰でも経験したことがあり、あなたが特別というわけではありません。でも上司に返信する上手な方法を調べるのは、1度で済ませたいと考えるのが普通です。ここからは、上司に返信する時の3つのコツを紹介します。ぜひ参考にしてください。
上司へ返信のコツ1:お礼
まず上司が忙しい中メールであっても遅くに送信してくれた挨拶です。返信メールの一番最初に、挨拶を送ってくれた上司にお礼の1行を必ず入れましょう。「そんなのあたり前」と感じているあなた、実はお礼の1行が意外と抜けてる人はかなり多いです。お礼の1行が入っているかいないかで、受け取る上司の印象は大きく変わります。
上司へ返信のコツ2:エピソード
あなたの上司とのやり取りの中で、叱咤激励されたエピソードが浮かぶはずです。上司にあたる人の能力に差はありますが、エピソードが何もないことはありえません。上司が部下から返信されたメールを確認できるのは、異動先でのあいさつ回りが落ち着き少し時間がたってから確認することも良くあります。
少し落ち着き一つ一つのメールに目を通しながら、部下との思い出に浸れる上司にとってはちょっとほっとする時間です。返信メールに2~3個の思い出エピソードが添えられていると、「こんなこともあったな。でもあいつあれから随分と成長したな。」なんて考えながらじっくりと読んでいきます。
部下から添えられるエピソードってすごくオーソドックスですが、上司に印象付ける効果は非常に高いです。実際に私も部下からもらった返信メールを確認しながら、次の人事配置を考えた経験が良くあります。上司とのエピソードは必ず書きましょう。
上司への返信のコツ3:「ご活躍を」
上司への返信の締めに必ず「ご活躍を」の1行を添えましょう。ここでは「ご活躍をお祈り申し上げます」に、「益々の」や「心から」を付け加えるとさらに良い返信メールになります。締めがない返信メールは、上司の心配を抱かせる原因になりかねません。せっかく上手にエピソードまで添えられたのですから、最後の締めを忘れないようにしましょう。
後輩への「ご活躍を」の使い方
あなたの後輩が異動や退職することも考えられます。引継ぎなどで忙しく挨拶がメールでくることも稀なことではありません。顔も見せずにとムッとするのではなく、あなたが異動するとしたらと立場を置き換えて考えるようにしてください。優しい一言があなたの信頼をより大きなものにします。
基本的に後輩であっても上司へ返信するコツと変わりません。後輩への返信メールの締めの1行が「益々のご活躍を期待しています」に変わるだけです。心温まる返信メールを作ることを意識してください。
「ご活躍を」を上手に使おう!
いかがでしたか。ここまで「ご活躍を」をテーマに、あなたのビジネスで役立つ内容を説明してきました。「ご活躍を」はメッセージを送る相手の目標達成を願うことです。
丁寧に心をこめて対応をしましょう。あなたが「ご活躍を」を受け取る立場になった時に、あなたがどういう対応をしてきたかわかります。あなたが「ご活躍を」を受け取る時に、多くの心温まる挨拶が貰えるようになっていると日頃の対応が間違っていなかったと確認できます。