お打ち合わせのお願い方法
方法や準備、日取りなど前もって行う相談事のことを打ち合わせと言います。打ち合わせの由来は「雅楽」からで、打楽器などでリズムを合わせるため、拍子を取ることを打ち合わせと言いました。これが転じ、物事をうまく合うようにすること、物事を前もって相談することを「打ち合わせ」というようになりました。
打ち合わせは、同僚や同じ会社内でも行いますが、お客様との間でされることもあります。打ち合わせを依頼する際には相手に失礼のないように、言葉遣いや態度に気をつけましょう。
依頼するときは疑問文にして柔らかく
打ち合わせを依頼する際には、柔らかい表現を心がけます。打ち合わせは相手に時間を取ってもらうことから始まります。そのため「打ち合わせをしたいので時間調整をお願いします」では、少々固く、いい印象は受けません。
打ち合わせを依頼する時には、「恐れ入りますが、打ち合わせを行いたいので、お時間をいただけませんか」など疑問の形にし、クッション言葉などを用いて、柔らかい印象を心がけましょう。
ビジネスメール
ビジネスメールでも、柔らかな印象を心がけましょう。日程調整をする際には、いくつか候補をあげると丁寧です。また、返答期限を設けることで相手も予定が立てやすくなります。自分の方が特に予定がなく、相手に合わせられる場合には本文にその旨を記載し、後日日程を取り決めてもいいでしょう。
メールを送る際に押さえたいこと
打ち合わせの依頼をしたい場合には、打ち合わせをする日程、内容などをしっかりと伝えましょう。日程は、1、2週間後程度まで提案するのがベストです。
〈打ち合わせ依頼メール〉
件名:〇〇に関する打ち合わせのお願い
株式会社〇〇 〇〇様
いつもお世話になっております。
△商事の〇〇です。
さて、〇〇の開発につきまして打ち合わせをお願いしたくご連絡します。下記日程候補のいずれかで実施したく存じますが、ご都合はいかがでしょうか。
①候補日程
・◯月◯日AM
・◯月⬜︎日PM
・◯月△日AM
②内容
開発状況の報告
仕様の最終確認
打ち合わせには1時間程度かかる予定です。いずれの日程もご都合が悪い場合にはご連絡ください。
それでは、恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
「お打ち合わせ」の敬語
打ち合わせはそのまま用いられるべき言葉で、「お」をつけて敬語表現にする、という種類の単語ではありません。由来からわかるとおり、元々は雅楽のリズムを合わせる「打ち合わせ」からきており、打楽器を「打って」リズムを「合わせる」ことです。それが転じて「物事をうまく合わせること」「うまく合わせるために相談すること」となりました。
しかし、「お打ち合わせ」という表現は、一般的に浸透していてメールにおける定型分として定着しつつあります。中には「お打ち合わせ」というと慇懃無礼に感じ、目上の人の中には立腹する人もいます。丁寧に接したいという気持ちから出てしまう「お打ち合わせ」は、逆に相手を不快にさせてしまうこともあります。注意しましょう。
打ち合わせを敬語表現にしたいのならば
お打ち合わせは、ていねい語と勘違いされがちですが、これは間違いです。打ち合わせはそのまま「打ち合わせ」として使うべき言葉ですので、「お打ち合わせ」という表現を使わないに越したことがありません。
どうしても丁寧に言い表したい時には、「お打ち合わせ」などとは使わずに、へりくだった表現を用います。もともと打ち合わせなどの面談は、相手に時間を割いてもらって行います。そのため「面談をさせていただきたく」や「ご意見を伺いたく」とした方が違和感のない文章になります。
しかし、現在「お打ち合わせ」は打ち合わせの丁寧な形として、主にビジネスメールでは定型分とされています。臨機応変に対処をしましょう。
「お打ち合わせ」のお礼方法
お礼状はメールでも電話でも、「貴重な時間を割いていただきありがとうございます」と、現段階での進捗状況などを簡潔に報告します。後につながるメールまたは電話をすることを心がけましょう。
お礼の時に使いたい文章
お礼の時には、相手方の時間を打ち合わせに割いてもらったことを考えて、「貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました」の一文を入れると良い印象です。打ち合わせの時に相手からもらった案件の進捗状況を報告します。
例文
〈お礼文の例〉
お世話になっております。先日は打ち合わせに際しまして貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。さて、面談の際にご依頼いただいた件に関しまして進捗状況をご報告いたします。
・開発は順調に進んでおります。懸案事項だったAにつきましても、代替え案であるBでも対応可能ということです。
・追加される仕様Cにつきましても、システム上特に問題はないですので、そのように進めております。
またお気づきの点などございましたら、ご一報いただけますようお願い申し上げます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
「お打ち合わせ」の例文
お打ち合わせはメールなど文章で用いられます。
お打ち合わせの上
相手に事前に準備をしてほしい場合に用いる文面です。「〜上で」は、前提条件や順序を明らかにし、事前に〜してほしいということを依頼しています。「お打ち合わせの上」は会合や会議に参加する時に、事前に下相談してきて欲しい時や意見の統合を行ってきて欲しい時に使用します。
〈お打ち合わせの上を用いた例文〉
・◯月◯日に、創業◯年◯祭りに向けた企画会議を行います。つきましては各事業所お打ち合わせの上、企画会議にご参加くださいますようお願い申し上げます。
お打ち合わせさせて
「お打ち合わせてさせていただきたくお願い申し上げます」というような文面になりますが、丁寧な形にした「お打ち合わせ」とへりくだった表現の「させていただく」はあまりにも丁寧すぎるため、「お打ち合わせ」とせずに「打ち合わせ」にした方がよりシンプルでわかりやすい文面になります。
〈打ち合わせさせてを用いた例文〉
◯月◯日に、創業◯年◯祭りに向けた企画会議を行います。つきましては◯月△日に打ち合わせをさせていただきたくお願い申し上げます。
お打ち合わせの件
「お打ち合わせの件」はメールの件名でよく用いられる文章です。お打ち合わせの件よりも打ち合わせの件とした方がシンプルで内容も把握しやすいでしょう。失礼のないよう丁寧にしようという心意気は感じられますが、過剰な丁寧語は逆に相手を不快にさせる可能性もあります。
件名で丁寧に「お打ち合わせ」にしなくても、文面で丁寧な正しい敬語表現を用いれば、失礼には当たりません。
「お打ち合わせ」という言葉に違和感があるか
打ち合わせに「お」をつけた「お打ち合わせ」は敬語の表現ではありません。お打ち合わせはビジネスメールなどのテンプレートとして定着していますが、違和感を感じる人も少なくありません。
お打ち合わせは、丁寧な物言いにしようという気持ちから生まれた言葉で、いわゆる「美化語」に分類されます。しかし聞きなれない言葉であるのと、打ち合わせは「お」をつけて敬語にする類の言葉ではないため違和感が生じます。中には、不快に感じる人もいるので使い方には注意しましょう。
メールで「お打ち合わせありがとうございます」と使いたい場合には、「貴重な時間をいただきありがとうございます」や「ご教唆いただきありがとうございます」と言い換えた方がスマートな印象になります。
しかし、すでに定型文として定着している「お打ち合わせ」も、状況に応じて使っても問題はありません。臨機応変な対応を心がけましょう。
お打ち合わせは違和感があるけれど定着しつつある
お打ち合わせと言われると少し違和感を感じますが、最近では20代30代の若い年代のサラリーマンの間に、定型文として定着しつつあります。しかしそれ以上の年代には、違和感を与え、また慇懃無礼な印象を与え兼ねません。
由来からもわかるとおり、「打ち合わせ」は、本来「お」をつけない言葉です。お打ち合わせと聞いて違和感を感じるのはそのためで、用いない方が良いですが、定型文として定着しつつあることを鑑み、臨機応変に対処をしましょう。