「所望」の例文・使い方・読み方・類語|敬語/所望する/ご所望

ビジネススキル

「所望」の読み方は?

「所望」の読み方は「しょもう」です。「望」を「ぼう」と読んで「しょぼう」にならないようご注意ください。特に口頭で使う場合において「しょぼう」と言ってしまうと恥ずかしい思いをすることになるので、しっかり理解した上で使うようにしましょう。

「所望」の意味は?

きちんとした「所望」の意味を知らなくても、漢字を見れば何となく想像がつくでしょう。「所望」の意味を知らなかった方は、これを機会に正しい言葉の意味を覚えるようにしてください。

「所望」という単語に「望」という漢字が入っていることから「望み」を指します。「所望」とは「望み願うこと、欲しいと願うこと」で、要するに「こうしてほしい、これが欲しい、そうなってほしい」と願うことを意味しています。

「所望」を名詞として使う場合には「所望の品」というように使用し、動詞として使う場合には「所望する」という表現になります。

「所望」の使い方は?

「所望」の使い方についてご説明します。前述したように、名詞として使う「所望」と、動詞として使う「所望する」の2パターンが存在します。

「ご所望」の使い方は?

「ご所望」とは、名詞「所望」に接頭辞「ご」を付けた表現で、相手に対して使われる際には尊敬語になります。尊敬語である「ご所望」は目上の人に対して使う場合に用いられ、「彼は○○をご所望です」「ご所望の品をお持ちしました」などと表現します。

尊敬語とは、目上の人に対して敬意を払った敬語表現ですので、自分自身のことを表す際には使いません。「私は○○をご所望です」は間違った使い方ですのでご注意ください。上司や先輩、取引先企業やお客さまなど、自分より年齢や身分が上の人に対しては「ご所望」を使います。

以上のことから、自分が何かを希望する際には「ご」をつけずに「所望」、目上の方が何かを望んでいる場合に「所望」に「ご」を付けて尊敬語である「ご所望」を用いましょう。

動詞「所望する」の敬語表現はどうする?

敬語には尊敬語、謙譲語、丁寧語の3種類が存在します。「所望する」をそれぞれの敬語で表現する場合、「する」の部分を敬語表現に置き換えれば良いだけですので、そこまで難しくはないでしょう。「する」の尊敬語は「される、なさる」で謙譲語は「いたす」、丁寧語は「します」です。

したがって、動詞として使われる「所望する」を敬語表現する場合、尊敬語だと「所望される」「所望なさる」、謙譲語は「所望いたす」、丁寧語は「所望します」になります。

敬語について復習しよう!

ここで少し敬語についておさらいをしましょう。中学校で習ってる内容なので、すでにご存知の方も多いでしょうが、その理解が正しいのかどうかも含めて、ぜひ復習してみてください。

前述で触れましたが、敬語には「尊敬語」と「謙譲語」、「丁寧語」の3種類の敬語が存在し、それぞれで使い方や表現の仕方、誰に対して用いる言葉なのか、それぞれにルールがあります。

では、以下で詳しくご説明します。

尊敬語は目上の人に対して使う

尊敬語とは、相手に対して敬意を払った表現で、目上の方に対して使われます。主に目上の方の行動を表す際に用いられ、目下(もしくは自分と同等)には使いません。「お(ご)〜なさる」「〜される」の型に当てはめるものと、単語が変形した非定型型のタイプのものがあります。

たとえば、型に当てはめるタイプのものでしたら、「聞く」の「お聞きになる」や「読む」の「お読みになる」などが挙げられ、「所望する」もこの型に当てはめて「所望される(ご所望なさる) 」と表現できます。

また、型に当てはめないものには「食べる」の「召し上がる」や「来る」の「いらっしゃる」があります。この単語が変形するタイプのものは数はそんなに多くはないので、覚えるのも難しくないでしょう。

謙譲語とはへりくだった表現

謙譲語とは、自分を下に置くことによって間接的に相手を高めた表現の敬語です。「へりくだった表現」とも言われます。自分の行動を目上の方に向かって述べる際に用いられる(謙譲語Ⅰ)だけでなく、話を聞いてる人や文章を読んでいる人に対して敬意を払う場合(謙譲語Ⅱ)にも用いられます。

謙譲語も「お(ご)〜する」「お(ご)〜いたす」の型に当てはめるタイプのものと、単語が変形するタイプの2種類があります。たとえば、「連絡する」は「ご連絡する」、「待つ」は「お待ちする」になり、単語が変形するタイプには「行く」の「参る」や「言う」の「申し上げる」が挙げられます。

丁寧語は文末に「です・ます」

丁寧語は文末に「です」「ます」や「ございます」が付け加えられたもので、丁寧を表す敬語です。多くの人が自然と使っている敬語ではないでしょうか。一番馴染みのある敬語と言えるでしょう。

自分の敬語に不安がある人は勉強しよう!

自分の敬語に不安を覚える人は、ぜひ敬語の勉強をしてみてください。上司や先輩に敬語の使い方について聞いてみるのも一つの手です。人に聞いて教わる方が手っ取り早く一番効率的に勉強できます。

しかし、中には人に聞くのが恥ずかしかったり、自分が敬語が使えないことを近しい人に知られたくないと感じる人もいるでしょう。そのような誰かに敬語を教わることをためらっている人は、本を購入して勉強することをおすすめします。

通勤時間やちょっとした空き時間に活用するのも良いですし、カバンに入れておいていざという時に取り出せるようにしておくのも良いでしょう。

「そのまま使える敬語ハンドブック」

こちらの「そのまま使える敬語ハンドブック」という本は、基本中の基本の敬語について書かれています。実例が載っているので、本のタイトルどおり「そのまま」使えるハンドブックになっており、敬語初心者の方や、基礎から勉強を始めたい人におすすめの一冊です。

そして、よく耳にするけど実は間違った敬語表現も載っていますので、自分の使ってきた敬語が正しいのかどうかのチェックも行えますので、敬語初心者〜中級者向けの本と言えるでしょう。

以下、口コミをご紹介します。

「本当の基本の基本から敬語表現が確認出来ます。その分やや、本としては底が浅いところもないではないが、リーズナブルなので、コストパフォーマンスは良い様に思います。さくさくっと敬語表現を確認したいときのお供にオススメです。」「名前の通り、そのまま使えるので、会社の机の引き出しに入れた使用しています。」「価格、品質のバランスが取れた素晴らしい商品でした。特に非を打つところがなく、必要に迫られることがあれば、再び購入しようと思います。お世話になりました。ありがとうございました。」「いままで正しいと使っていた言葉が実は大変に失礼であったとは、目から鱗でした。」

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「所望」を使った例文!

次は「所望」を用いた例文をいくつかご紹介します。

「所望」とは「こうなってほしい、こうしてほしい」という望み願うことを意味します。言葉の意味を理解した上で、以下の例文をご覧ください。

「ご所望」を使った例文

「ご所望」とは「所望」に接頭辞「ご」が付いた言葉で、尊敬語になります。そして尊敬語は、目上の方に対して使われる敬語です。したがって、「ご所望」は目上の方に向かって述べる際に用いられる言葉なので、目下の人や自分に対して使わないようご注意ください。立てる必要のない相手に尊敬語を用いるのは、敬語のルールとして誤りなので覚えておきましょう。

では、「所望」を用いた例文をご紹介します。

「部長はどちらの商品をご所望でしょうか」

「鈴木様のご所望の品は、明日我が社に到着予定です」

「田中商事様ご所望のサンプルをお持ちいたしました」

「ご所望の方がいらっしゃいましたらお申し出くださいませ」

このように、上司や取引先企業、お客さまなど、自分より上の人に対して「ご所望」を使いましょう。間違っても自分や目下の人に対して用いないよう注意してください。

「所望する」を使った例文

「所望」は名詞ですが、これに「する」を付け加えると動詞の働きをします。誰かが何かを欲している場合や、何かを願っている場合に「所望する」を使います。詳しくは後述しますが、尊敬語は「所望される」、謙譲語は「所望いたす」、丁寧語は「所望します」です。

以上のことを踏まえ、例文をご紹介します。

「今日はとても暑いので、私は涼し気な食べ物を所望します」

「お客さまは水を所望されています」

「そろそろ夏なので、近場のデパートにてお中元用のカタログを所望した」

「恐れ入りますが、私はAのサンプルを所望いたします」

このように「○○を希望する」「○○が欲しい」ということを表す場合には「所望する」を用いましょう。

尊敬語「所望される」の例文!

「所望する」の尊敬語は「所望される」です。前述したように、尊敬語とは目上の人の動作について述べる場合に使われます。したがって、目上の人が何かを欲しいと願っている場合に用いられるのが尊敬語の「所望される」になります。

以下、例文をご紹介します。

「社長が所望されていたスケジュールで調整できそうです」

「お客さまはコーヒーのおかわりを所望されています」

「佐藤様は結婚式用のドレスのカタログを所望されています」

「鈴木様はこちらの商品の使用を所望されました」

これらのように、上司やお客さまなど、目上の方が何かを望んでいる場合に「所望される」を用いましょう。

謙譲語「所望いたす」の例文!

前述したように、謙譲語は自分の行動について、目上の方に向かって述べる場合に用いられる敬語表現です。したがって、謙譲語「所望いたす」は、上司やお客さまなどの目上の方に向かって、自分自身が何かを望んでいることを述べる場合に使われます。

以下、例文をご紹介します。

「私はこちらの化粧品のサンプルを所望いたします」

「妹は温かい飲み物を所望いたしました」

「来月、有給休暇の取得を所望いたします」

「山田は食後にデザートの配膳を所望いたしました」

このように、自分や目下(もしくは自分と同等)の人の動作を目上の人に向かって述べる際に「所望いたす」を用いましょう。

丁寧語「所望します」の例文!

丁寧語の「所望します」は目上の方でも目下の人でも、誰に対して用いてもOKな敬語です。ビジネスシーンにおいては、尊敬語と謙譲語をしっかり使い分ける方が好まれますが、普段の日常生活を送る上では「所望します」も敬語なので問題はありません。

以下、例文を挙げます。

「ギフトの購入にあたって、カタログや広告を所望します」

「冷たいお茶を所望します」

「ココアの温め直しを所望しました」

「所望」の類語は?

「所望」とは、「何かを望み願うこと」を意味しますので、これと同じような意味を持つ単語が「所望」の類語と言えます。

以下、類語の例を挙げます。

・希望
・念願
・志望
・欲求
・願望
・用命
・要求

「所望」と「要望」「志望」の違いは?

「所望」とよく似た言葉で「要望」「志望」がありますが、これらの違いは何でしょうか。どの単語も「望み願う」という意味においては同じですが、実はニュアンスや使わうシーンが異なります。

以下で詳しくご説明します。

「所望」と「要望」の違いは?

「要望」も「望む」という意味では同じですが、「所望」との違いは「望む対象」と「範囲」です。

「所望」が物質的な要求をしているのに対し、「要望」は「手段や方法」を要求する場合に用いられることが多いです。また、「要望」は抽象的であったり範囲が広い要求に対して使われますが、「所望」は狭い範囲でピンポイントでの要求の場合に用いられます。

たとえば、「所望」が「水を所望する」「所望の品」のように、ある物の要求であったりピンポイントでの要求であるのに対し、「市民の要望」のように範囲が広い漠然とした要求の際に「要望」が用いられます。

「所望」と「志望」の違いは?

「志望」も「望む」という意味は同じですが、「自分がこうなりたい」ということを述べる場合に使います。「私は獣医を志望する」「彼は○○大学を志望する」のように、誰が、何になりたいのか、または望む内容を表す場合に「志望」を用います。

したがって、「水が欲しい」というような場合には「志望」は使いません。

「所望」を他の語に言い換えた表現は?

「所望」は他の語に置き換えることはできるのでしょうか。前述した類語のように、「所望」と同じような言葉を用いれば言い換えることが可能です。

「希望」「望み」に言い換えられる?

「希望」は「こうなってほしい、なってほしいと願うこと」です。ニュアンスとしては「○○になったら良いのにな」という実現を望むニュアンスが強く、物事の実現を願う場合に用いられるため、「所望」の物質的な要求(「水を所望する」など)の場合にはあまり使いません。

「望み」も「こうなれば良い」という意味を持つため、「所望」に置き換えた表現が可能です。「お客さまは水をお望みです」のような物質的な要求の場合にも使えます。

このように、「希望」「望み」は「所望」と同じような使い方はできるため、言い換えることは可能ですが、厳密に言うと、物質的な要求の場合は「希望」は使えないので「望み」を用いるようにしましょう。

「用命」「注文」に言い換えることもできる!

「用命」は「用事を人に命じること」、「注文」は「こうしてほしいと人に依頼すること」を意味しており、「望み願うこと」の意味を持つ「所望」と少し意味合いが似ていますが、使い方に若干の違いがあります。

「所望」は物質的な要求の場合や、狭い範囲(ピンポイント)の要求で使われるのに対し、「用命」は誰かに要求を言いつける場合に用いられます。また、「注文」は「要望」のように範囲の広い要求に対して使われる他、自分の希望すること・ものを人に依頼する場合に用いられます。

したがって、「用命」や「注文」は「○○してほしい」という内容で使われている「所望」と言い換えることが可能です。

正しい言葉遣いを心がけよう!

「所望」は何かを望み願う場合に用いられる言葉で名詞の役割を持ちますが、「所望する」と表現すると動詞の役割になり、尊敬語にすると「所望される」、謙譲語は「所望いたす」、丁寧語は「所望します」です。

特にビジネスシーンにおいては尊敬語と謙譲語の使い分けがしっかりできる方が好まれますので、できるかぎり使い分けできるようにしておきましょう。もし、自分の敬語に不安を覚えるなら、今からでも遅くありませんので、敬語の勉強をすることをおすすめします。

正しい敬語や言葉遣いができる人は、相手からの印象が良くなり、仕事も円滑に回るようになるため、しっかり身につけておきましょう。

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