シーン別「ちなみに」の敬語での使い方
「ちなみに」という言葉を敬語で使う場面とはどのような場面でしょうか。
「ちなみに」は、文章内容について補足して紹介したい場合に活用される言葉です。言葉の意味などを踏まえて解説します。
ビジネス
そもそも「ちなみに」という言葉は、文法上では「接続詞」となっています。前の文章に続いて、後から補足的に文章を付け加える時に使う言葉です。
ビジネスシーンでも、良く「ちなみに」という言葉を使って会話する事もできます。ひととおり要件を伝え終わった後から「ちなみに、~~~の案件についても考えておいてください。」という具合で使います。
敬語を使った会話
「ちなみに」という言葉は、普段の敬語として活用しても問題なく活用することができる言葉です。内容を相手にひととおり伝えて、後から付け加えて伝えたい事がある場合などに便利です。
単刀直入に伝えてから、後から「ちなみに」として詳細について解説するのも良いです。「ちなみにこの先、右の道は通行止めです。左折して下さい。」という具合で使用します。
ちなみにという時の注意
会話の内容で、文頭はシンプルにわかりやすくしたい場合に便利です。しかし、念を押して伝えたいという時にも活用できます。伝える場の雰囲気によっては、少々ぶしつけというか、威圧的に感じる場合もあるため気をつけましょう。できるだけ「ですね。」「お願いします。」などという言葉を併せて、やわらかい文末にすると好印象です。
付け加える時に使いやすいものの…
「ちなみに」という言葉を覚えると便利ですが、しかし使いすぎてはくどい会話に聞こえてくるため気をつけましょう。
やむを得ず活用する場合は「なお」「ついでに言いますが」などという類語をあわせて活用します。言葉は、繰り替えし使いすぎると相手に悪印象を与える場合もあるため、単調にならないように注意します。言葉を使う前に、普段から聞き手に配慮した使い方を考えておきましょう。
「ちなみに」の敬語での類語
「ちなみに」という言葉の類語には、「ついでながら」「関連して」などという言葉もあります。
「ちなみに」という言葉の使い方を覚えると確かに便利ですが、あまり何度も繰り返すとくどい印象になります。ここでは「ちなみに」という言葉以外の便利な言葉をご紹介しましょう。
ついでながら
「ついでながら」「ついでですが」「ついでに」という言葉で、文章を繋ぐ事もできます。「ちなみに・・・ですのでお願いします。ただ、ちなみに・・・です。」などとならないように、複数の接続詞で繋ぎたい場合は「ついでながら」という言葉を織り交ぜて活用する事もできます。誰にでもわかりやすい言葉ですので、使いやすい類語のひとつです。
会話でも文章でもそうですが、同じ言葉を連続させて使うのは好ましくありません。退屈でワンパターンな会話にならないようにするためにも、「ちなみに」という言葉の代用として「ついでに」という言葉の使い方を覚えておきましょう。
関連して
「関連して」「関連した事ですが」「それに関して」という言葉で置き換える事も可能です。上記の「ついでに」という言葉と比較するとやや堅い言葉になります。
少しかしこまった場面やビジネスシーンなどで活用すると、文章が引き締めやすくなるでしょう。手紙だけではなく、口語調で活用することもできます。
なお
「なお」という言葉を使う場合は、ビジネスシーンや敬語での会話に限られます。「なお、◯◯日は予定が空いていません。」などと敬語を使って友達と会話すると、少し距離を置いた印象を受けます。
あまり親しくない仲間同士での会話か、あるいは職場での会話、上司との敬語での会話などに限定されるでしょう。ですがビジネスでは「ちなみに」という言葉の類語として覚えておくと便利です。また、この「なお」という言葉は、話題を変える時に活用することもできる便利な言葉です。
詳しく紹介できる「ちなみに」
会話の後から、ちょっとした事を付け加えたい「ちなみに」という言葉は、相手の注意を惹きつけることもできる便利な言葉です。ただし、こまめに何度も使っていると「またか」という印象を持たれやすくなってしまいます。会話がマンネリ化してしまわないように注意して使うと、周囲からの評価も高くなるでしょう。
「ちなみに」という接続詞を、会話の間に挟むことで、会話に脈略を付ける事ができます。聞き手をひきつけて、親しみやすい話にする事ができるため、敬語で会話する時は機会があれば使ってみてコツを覚えましょう。
「ちなみに」の敬語での使い方
「ちなみに」という言葉を敬語で使う時には、どのような敬語の使い方にすると、より丁寧な敬語メッセージにできるのでしょうか。ここでは「ちなみに」とした敬語の作り方について文例を用いて紹介しています。
メール
メールで「ちなみに」と書き加える場合には、「ちなみに、30日は午後から出張先での作業をしているため、その日の会議へは参加できません。」という書き方にします。その後に「あしからず御了承願います。」「よろしくお願い致します。」などと付け加えましょう。
メールで要件を伝える時には、敬語を使いながらも、できるだけ手身近に案件のみ伝え、わかりやすい内容にしましょう。パソコンでのメッセージ交換に慣れていない担当者も少なくはないため、相手に配慮したメッセージのやりとりをおこないます。
履歴書
履歴書で、「ちなみに」という表記をする場合も、メールと同様ですが注意点があります。履歴書ではできるだけ手短にした方が、丁寧でわかりやすくなり、印象が良くなります。ところが「ちなみに」という言葉を使うと、くどい印象を与えがちですので注意が必要です。
履歴書ではどうしても伝えたい事がある場合などに限って使い、なるべく使わないようにするのが無難です。履歴書では長文を書いて伝えるための用紙ではなく、経歴などをわかりやすく簡潔にまとめている書類です。
記載する文章は敬語ですが、志望動機枠以外の部分はできるだけ簡潔にまとめましょう。志望動機部分には文章を記入しますが、ここでも「ちなみに」という接続詞は適さないため、使用を控えた方が無難です。
上司との敬語での会話
上司との会話では敬語を用いて「ちなみに」という言葉を活用する事もできます。普段の仕事での場面で積極的に使っても問題ありませんが、敬語として相手に配慮した形で、くどい内容にならないように使います。
ただし、その職場での作業に慣れてきて、やや親密な関係になった場合に使いましょう。あまり親しくない上司に対して「ちなみに」などというと、態度が大きく感じられてしまう可能性もあるため気をつけましょう。なお、敬語を使うのが慣れておらず難しいと感じる場合は、無理に使う必要もありません。よくわからない敬語なら使わない方が無難です。
目上の人との会話は敬語を用いて
普段の会話でも、目上の人との会話では敬語を用いて活用する事ができます。親しい目上の人に限って「ちなみに◯◯ですので、お願いします。」など、やわらかい印象でまとめます。
文末に「お願いします」「御了承ください」という言葉がないとぶしつけのように感じられやすいため注意しましょう。敬語を用いて、相手へ配慮した伝え方で活用します。
使い方に注意すればとても便利
敬語での使い方が少し難しい「ちなみに」ですが、慣れるととても使いやすく便利な言葉です。しかしこれまで紹介してきたように、ややぶしつけのように感じられないような使い方を心がけましょう。
慣れないうちは「職場の同僚向けに使う言葉」として割り切って、慣れてきたら「目上の人に使う」のもおすすめです。この方法なら、敬語を間違って目上の人へ失礼な印象を与えずとも済みます。言葉の使い方を覚えて、スムーズな敬語を活用できるようにしましょう。