ビジネスではよく使う!「お願いしたく・・・」
「お願いしたく」というフレーズ、皆さんは日常でどれくらい使いますか。普段の何気ない生活の中では、それほど使用頻度は高くないでしょうが、お仕事の際は使う場面も多いのではないでしょうか。
ビジネスな場面での敬語ってなかなか難しいです。よくよく考えるとこの「お願いしたく」というフレーズ、どういうように使えばスムーズなのか、そもそもこの表現は失礼に当たらないのかなど、気になることもあるとおもいます。そんな方はこの記事で、疑問を解決していきましょう。
「お願いしたく」の例文
それではまず初めに、「お願いしたく」を用いた表現をいくつか紹介します。
存じます
まずご紹介するのは「お願いしたく存じます」というフレーズです。このフレーズは平たく置き換えると、「お願いしたいと思う」というものになります。つまり、「思う」という部分を「存じます」という謙譲語に変換している表現となります。
おそらく、「お願いしたく」というフレーズに続く言葉としては最もポピュラーな言い回しです。相手に対して依頼がある際には「○○をお願いしたく存じます」という具合に使えます。先ほども述べたとおり謙譲語でのへりくだった表現になりますので、目上の人に対する少し改まった表現として押さえておくのが良いでしょう。
申し上げます
続いては、「お願いしたく申し上げます。」というフレーズです。「申し上げます」という敬語は「言う」の謙譲語表現になりますので、こちらも丁寧な言い回しになります。
しかし、形としては「したく」という言葉に対して「申し上げます」が続くのはスマートではないので、「申し上げます」を後ろにつなげる場合には「お願い申し上げます」としたほうがスムーズな文章になるでしょう。
つきましては
例としては最後に、「つきましては」を使ったフレーズをご紹介します。この「つきましては」は、今までの説明などを踏まえたうえで改めて話を要約するときに使われます。この言葉に「お願いしたく」を合わせた場合の言い回しとしては、「つきましては、○○についてお願いしたく~」といった形が広く一般的です。
依頼をするときの文章としては、最初に依頼にあたっての経緯を説明することも少なくないですから、最終的になにが言いたいのかを切り替える際にこの「つきましては」は非常に便利です。「お願いしたく」の相棒的存在として押さえておくと良いでしょう。
基本的な例文チェックはできましたか?
ここまでが「お願いしたく」の言い回しについての基本的な例文になります。知っているフレーズ、知らないフレーズの確認はできましたか。続いては、使うシーン別に使いかたをご紹介していきます。
「お願いしたく」の連絡での使い方
ここからは「お願いしたく」の連絡での具体的な使い方について紹介していきます。メールと電話での使用例についてご紹介します。
言葉は文章で書く場合と口で話す場合ではそれぞれ適した形というものが存在します。いわゆる、「書き言葉」と「話し言葉」です。私たちは自然にこれらを使い分けていますので、それほど気を張って使い分けるほどのものでもありませんが、しっかり使いこなせるようになるとちゃんとした大人の印象を持ってもらいやすくなります。
メール
それではまずメールでの使用例から紹介します。メールでは文章のやり取りになりますので、相手の顔や雰囲気が全く分からない状況での情報のやり取りとなります。そこで意識するポイントは、あまり遠回しな言い方や曖昧な表現をしないことです。
「お願いしたく」というフレーズを使うということは、相手に何か依頼することがある場合です。お願いすることは何なのかをはっきり相手に伝えなければなりません。先ほど、「つきましては」という言葉をご紹介しましたが、メールでこそこの言葉を利用しない手はありません。
メールでのコツは?
簡単にメールで依頼文が作成できるコツをまとめます。
①基本的な挨拶「いつもお世話になっております。○○です。」
②なぜメールをしたのか、また依頼にあたっての経緯「この度~というプロジェクトを進めるにあたりまして、お力添え願えないかとご連絡いたしました。」
③具体的な依頼内容「つきましては、△△をお願いしたく~」
といった流れで文章を作成すれば、わかりやすくスマートな依頼メールが作成できます。
電話
続いては電話での使用例です。電話では、メールと同じく相手の顔を見ることはできませんが、相手の声を聴いてリアルタイムでやり取りができますので、場の雰囲気に合わせることが可能になります。
ですので、メールよりもいくらか砕けた表現でお願いすることが可能でもあります。また反対に、文章での目に見えた情報のやり取りではなくなりますので、簡潔に言いたいことはなんであるのかを相手にしっかり伝えることは、メールとはまた違ったアプローチで必要になります。
電話でのコツは?
電話でのコツも基本はメールとほとんど変わりません。ただ、ここで気を付けなければならなくなるのは、声のトーンや話す速度です。普段よりも少し明るめを意識し、相手に伝わるように早口は避けましょう。
依頼の仕方については、電話をかける場合も、①挨拶②要件は何か③具体的な依頼といったメールと同じ流れで問題ありません。ただ、ここでは相手の雰囲気を掴みつつのやり取りとなりますので、相手との関係の度合いによっては「つきまして」の部分などを「それで」「そういうわけで」といったように多少フランクにしても良いでしょう。
「お願いしたく」の敬語
ここからは「お願いしたく」の敬語についてご紹介していきます。冒頭で敬語については少し触れましたが、ここではもう少し詳しく見ていきます。
丁寧語
「お願いしたく」の丁寧語ですが、「お願いしたく」は「お願いしたい」という願望を表す表現を、後に文が続くような言い回しにした言葉になります。
つまり、「お願いしたく」といった文そのものに丁寧語といったものは存在せず、しいて言うのであれば「お願いしたい」という文末に「です」を付けた「お願いしたいです」が丁寧語表現と言えるでしょう。
「お願いしたく」という文は相手に依頼するときに使う言葉なので、基本的に丁寧に言う場合は後に続く表現を謙譲語表現にするのが一般的です。冒頭で触れたものについても、「存じます」「申し上げます」共に謙譲語表現でした。このポイントを押さえておくと「お願いしたく」が使いやすくなります。
「お願いしたく」は失礼なのか
ここまで「お願いしたく」の敬語などについても触れてきましたが、そもそもこの表現、仕事上で上司や取引先の人に使って失礼に当たらないのかなどの不安を抱えている方もいるでしょう。そこで、さらに柔らかい言い回しなども含め、いくつかの表現を紹介していきます。
前後のつなぎ方に注目
そもそも、「お願いしたく」自体の言い回しが失礼に当たるというのは、言葉自体が目上の人にとって失礼に当たるかというよりも、使う状況の方に左右されるでしょう。また、失礼かどうか不安な場合は、前後のことばのつなぎ方にも注意してみると良いです。
例えば、「お願いしたく」の前に「すみません」という意味の語(お手数ですが・申し訳ありませんが)をつけるだけでも、かなり印象が違ってきます。それでも不安なときは、語尾を「できますでしょうか。」という形に変更するという手もあります。
あなたも交渉上手に!
さて、ここまで「お願いしたく」という言葉について多数の言い回し、使い方をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。ビジネスで使う言葉は敬語など気を付けるポイントが多く、難しいでしょう。
ましてや、依頼の際に使う言葉は特にこちらの依頼を受けてもらえるように気を使わなければならないこともあり、なおさらのことでしょう。しかし、一度苦手意識を克服できれば仕事もスムーズに進めやすくなります。ぜひ「お願いしたく」をマスターして、交渉上手になりましょう。