「人望が厚い」の意味と使い方とは?
「人望が厚い」とは「真面目で信頼が厚く誰からも慕われ望まれる人」のことで、「彼は、社内でも人望が厚い」のように使います。
人望が厚い人は、誰にでも分け隔てなく接することができ、客観的に物事を判断し、全体を見渡せるようなリーダー的存在です。
また、人望の厚い人は陰口や悪口もいいませんし約束や時間も守ります。このような人はあなたの周りにもいませんか。自分も人望の厚い人と呼ばれるにはどのような行動や思考が必要なのでしょうか。今回は「人望が厚い」について詳しく紹介します。
「人望が厚い」の例文は?
それでは「人望が厚い」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。
・彼女は人望の厚さが評価され、女性で最年少のチームリーダーに抜擢されました。
・私の祖父は村長でしたが、とても人望が厚い人でした。
人望が厚い人の共通点には、以上のよに誠実であることが挙げられます。
敬語表現で「人望が厚い」は使えるか?
敬語表現で「人望が厚い」は使えます。では、人望が厚いということを、嫌みにならずに相手に伝えるにはどうのように表現したら良いのでしょうか。
敬語表現する相手によって、丁寧語・尊敬語・謙譲語の使い分け方はどうでしょうか。それぞれ、例を挙げて説明してみましょう。
丁寧語での敬語表現
丁寧語とは、つまり「ですます言葉」のことです。
あなたの周りに友達がとても多い人はいませんか。そんな人を褒めるには「あなたは、友達が多くて素晴らしいです」などと数の多さだけを褒めることはよくあります。
友達が多いのには、その人の人柄が良いからといった理由を含めて「あなたに友人が多いのは、人望が厚いからです」といった褒め方をしてはいかがでしょうか。
人望の代わりに「人徳」を使って「あなたに友人が多いのは、人徳があるからです」と褒めても良いでしょう。
尊敬語での敬語表現
尊敬語とは「相手を尊敬し高める言葉」のことです。
上司などの自分より上の人に対して「人望が厚い」を尊敬語として使うことはできます。「わたしは部長を尊敬しています。部長は人望が厚い人でいらっしゃいます」と使えば良いでしょう。
ちなみに、上司に向かって「頑張る」や「努力」は使ってはいけません。頑張るや努力は、自分や自分と対とうにある人、または目下に使う言葉です。
謙譲語での敬語表現
謙譲語とは「自分をへりくだる言葉」のことです。
人望が厚いことを褒めるには「あなた様が人望の厚い方だと存じておりました。お目にかかれて光栄です」や「あなた様のような人望の厚い方にお会いでき、とても光栄に存じます」が良いでしょう。
「人望が厚い」の類語はある?
「人望が厚い」の類語はあります。おなじような意味の言葉や、連想される言葉には次の言葉があります。
・信望が厚い(しんぼうがあつい)
・人気がある
・声望が高い(せいぼうがたかい)
・徳望が高い(とくぼうがたかい)
・名望を集める(めいぼうをあつめる)
・信頼を集める
人望が厚い人の特徴は?
人望が厚いひとは、誰からも慕われ尊敬を集める人です。人望が厚い人の一般的な特徴をピックアップしてみましょう。
・時間や約束を守る
・誠実で正直である
・考え方が一貫してぶれない
・客観的な物の見方ができる
・悪口、陰口を言わない
・他人にこびない
・聞き上手である
・ほめ上手である
・話しやすい
・面倒見が良い
・グループ全体を見渡すことができる
・自慢しない
・コミュニケーション能力が高い
・気配りができる
・話しが分かりやすい
・けして偉ぶらない
・誰にでも平どうに接することができる
・協調性はあるが信念があり自分の意見を述べることができる
・ミスが少ない
・行動力がある
・責任感がある
・志が高い
・的確に助言ができ不必要なことは言わない
・愚痴をはかない
・笑顔が素敵
・感謝の気持ちを持ち言葉で伝えることができる
人望が厚い人は?有名人の名前
それでは、具体的に有名人で「人望が厚い人」の名前を挙げてみましょう。
・美輪明宏さん
・ビートたけしさん
・明石家さんまさん
・笑福亭鶴瓶さん
・中居正広さん
・桑田佳祐さん
・天海祐希さん
・樹木希林さん
・石原裕次郎さん
・丹波哲郎さん
・桂歌丸さん
など、他にもたくさんの有名人がいらっしゃいます。
人望がない人の特徴は?
人望が厚い人とは真逆な「人望がない人」の特徴をまとめてみましょう。こんな人にはなりたくないという意味で再確認してみることをおすすめします。
・時間や約束を守らず不誠実
・他人の悪口陰口を言う
・余計なおせっかいをしがち
・強い人にはこびて弱い人はさげすんだりバカにしたりする
・自分の話しばかりして他人の話をろくに聞かない
・自己中心的で自慢話が多く客観視できない
・口ばかりで行動しない
・考えがころころ変わり一貫性がなく信念もない
・愚痴ばかり言って感謝がない
・適切な助言などできず主観的な意見で余計な発言をする
・私利私欲で計算高い
人望が厚いことを自己PRする方法は?
人望が厚いかどうかは本人が判断するものではありません。「人望が厚い」と判断するのは自分以外の人なので「わたしは人望が厚いです」と自らいわない方が良いでしょう。
では、どのように自己PRをしたらよいのでしょうか。
履歴書の自己PRの書き方は?
履歴書に「自分は人望が厚い」と書く人はまずいないでしょう。まず、自分の強みを見つけてください。今までの成功体験でも良いです。
応募先の学校や企業にとって「この人に来て欲しい」と思われるような、その団体にとってメリットとなるような内容にアピールポイントを絞って書くことをおすすめします。
あれもこれもできますと書くよりも、例えば資格を持っているならばその資格を取ろうと思ったきっかけや理由、具体的なエピソードを書いた方が良いでしょう。
また「コミュニケーション能力が高いです」と書くよりも、実際に問題を解決した時のエピソードを交えて「本音を聞き出すことが得意」や「論理的に解決することができる」などと書くこともおすすめです。
面接での自己PRは?
面接は、入室してから20秒で決まってしまいます。面接官は多くの面接を経験しているので、見た瞬間にその人がわかるといいます。ですから、普段からの行いが大切です。
言葉での自己PRだけでなく、声の大きさやトーン、表情や視線、姿勢、髪型、服装や靴など全体を見られていますので、それら全てが自己PRです。
わざわざ「人望が厚い」ことを自己PRすることもなく、面接をパスするかどうかは第一印象で決まってしまいます。面接の時だけ頑張っても面接官には見抜かれますので、日常からの生活態度に気を使いましょう。
ちなみに、都立高校の集団討論では自分の意見ばかりを発言するのではなく、他のメンバーの意見を引き出したりまとめたりする能力も見られると言います。これは、都立高校の受験のみならず社会人にも求められるスキルです。
人望が厚い人になるためにおすすの本はある?
人望が厚い人になるためにおすすめの本はあります。あなたも「人望が厚い人」になって成功したいのならば、書籍を読んで参考にするのも良いでしょう。
人望が集まる人の考え方
この本は、人間関係で失敗しないためのスキルを身につける教科書といって良いでしょう。人生で成功するか失敗するかは「人間関係による」といっても過言ではありません。
アメリカの心理カウンセラーである「レス・ギブリン氏」の著書で、世界中でロングベストセラーになっています。
各章、部分的にはみかけたことがある内容が含まれている。が、これだけ網羅的にヒューマン・スキルを扱った本は珍しい。営業職や管理職の人、近く管理職になる予定の人に特におススメの本。
「人望」とはスキルである
心理学者の伊東明氏の著書で、人望とはけして難しいものではなく生まれつき備わっているものでもないという持論を展開しています。
人望は、自ら学び実践することで磨くことのできるスキルだと述べており、チームリーダーなど上に立つ立場の人におすすめの一冊です。
本書では「ほめる」だけでなく、「しかる」「(人を)動かす」「励ます」「目標となる」ための心理学的テクニックが詳しく書かれていて、非常に参考になりました。
「人望力」の条件 歴史人物に学ぶ
この本では、歴史に名をのこした人物から「人望力」を五つの要素に分けて学ぶことができます。現代においても、リーダーになる人には参考となる書物です。
歴史好きの人に、職場でも役立てたい人におすすめです。
秀吉、西郷、松陰、家康などの著名人物の人たらしとしてのエピソードがことこまかく書かれており、現代社会、職場にも活用できる風に出来上がっている。友達にもあげた一作です。
あなたも人望が厚い人になれます!
人望が厚いといわれる人たちは、何ともいえないオーラがあったりカリスマ性があったりする人が多く、生まれつき備わっている物だという人もいます。
確かに元の性格も全くないとはいえません。しかし「人望が厚い」は後からいくらでも身につけることのできるスキルです。ただ、今日明日すぐに「人望が厚い」人にはなれません。
信用は、日々の積み重ねでできていきます。あなたも、今から人間力を身につけて「人望が厚い」といわれる人になりましょう。