タイトなスケジュールとは・意味と使い方・例文・類語・敬語

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タイトなスケジュールとは・意味と使い方

ビジネスシーンなどでよく使われる言葉の一つに「タイトなスケジュール」があります。何となくどういう意味なのかは頭の中ではわかっていても、いざ意味を説明しようとすると難しい言葉です。それでは「タイトなスケジュール」というのは、どういう意味で、どういうシーンで使うべき言葉なのかを説明してみます。

「タイトなスケジュール」の意味

タイトというのは英語の「tight」ことです。意味は「ぴったりとしている」「きつい」様子であることを言います。身体にピッタリとしたシルエットのスカートを「タイトスカート」呼びますが、時間的なことや金銭的なことなど、目に見えない状況に関してもタイトという言葉を使います。

「タイトなスケジュール」とは時間的、金銭的に余裕がないスケジュールのことを言います。ハードスケジュールや過密スケジュールとは似ていますが、意味合いは異なりますので使い方には注意しなければならない言葉です。

ハードスケジュールとの違い

「タイトなスケジュール」という言葉は、それほど昔から使われていたわけではありません。昔は「きつい」スケジュールは、どのようなきついのかは関係なく、全て「ハードスケジュール」と言っていました。今では「ハードスケジュール」は肉体的、精神的に厳しいスケジュール、「タイトなスケジュール」は時間的、金銭的にきついスケジュールのことを言います。

似た言葉ではありますが、微妙にニュアンスが異なりますので、状況に応じた使い分けをすることが大切です。

ビジネスシーンでの使い方

ビジネスシーンで「タイトなスケジュール」という言葉をよく耳にします。主に時間的に余裕がない状況で使われていることが多いです。たとえば作業量の多さに対して納期が短いスケジュールの場合に「スケジュールがタイト」であるという具合に使っています。また仕事の量に対して金銭的または人員的な余裕がない場合にも「タイトなスケジュール」を使います。

ハードスケジュールとはニュアンスが異なりますが、タイトなスケジュールであるということは精神的・肉体的な負担も生じますので、「タイトなスケジュール」や「ハードスケジュール」とも考えられます。

タイトなスケジュールの例文

それでは具体的に「タイトなスケジュール」はどういうシーンでどういう風に使われるのか、具体的に例文をあげてみましょう。

申し訳ありません

タイトなスケジュールで仕事を発注する側は相手に負担をかけることにもなるので「タイトなスケジュールで申し訳ございません」と「申し訳ございません」とセットにして使うことが多いです。週末の金曜日に週明け月曜日が納期の仕事を依頼する場合、依頼する側からは「申し訳ございません」の一言があれば、引き受けてもらいやすくなります。

逆に引き受ける側から発注側に対して「スケジュールがタイトですね」と言ってしまうと、角が立ってしまう場合があります。相手側がタイトなスケジュールとは言っていないにもかかわらず、受けるほうから一方的にタイトなスケジュールと言ってしまうと失礼に当たることもあるので注意が必要です。

余裕がないので断りたい場合も「申し訳ございません」の一言があれば、印象も変わってきます。

「タイトなスケジュール」の類語・言い換え

ビジネスの場ではカタカナを使うことが多いのですが、「タイトなスケジュール」には、状況に応じてわかりやすく言い換えることができます。なるべくカタカナを並べたくない場合は類語を使ってわかりやすく言い換えてみましょう。

きつい

「タイトなスケジュール」というのは日程的、金銭的、人員的にきつい状態のスケジュールです。「きつい」という言い方は相手をけん制する場合に使うことが多く、目上の相手に対して使うと失礼になることがありますので、注意しましょう。

引き受けたいのはヤマヤマだけれど、他にもスケジュールがあって調整できれば引き受けることができる場合に使うとけん制の意味で効果があるでしょう。「お引き受けしたいのですがスケジュール的にきついです。2日位ずらすことができれば何とかなるのですが」と伝えると、スケジュール調整して欲しいというニュアンスが伝わることでしょう。

厳しい

相手が「タイトなスケジュールで申し訳ございませんが」と依頼された仕事が日程的に難しくて間に合うかどうかわからない場合は「ちょっと厳しいですが、がんばってみます」または「今回は時間的に厳しいのでお引き受けすることは難しいです」という風に、引き受ける場合にも断りたい場合にも使うことができます。

仕事を受ける側からは、カタカナで「タイトなスケジュール」と言うよりも「時間的に厳しい」、「厳しい日程」というほうが仕事を発注する側に伝わりやすいことがあります。

余裕がない

「タイトなスケジュール」とは、いろいろな意味でスケジュールに余裕がないことを表しています。納期が短い、金銭的に厳しい、人手が足りないなど、余裕がない場合に「タイトなスケジュール」と一括りにして表してしまいがちです。

「タイトなスケジュール」を「日程に余裕がない」「金額的に余裕がない」と言い換えると、当事者同士は何に余裕がないかがわかりますので、より具体的な言い回しになってきます。

「タイトなスケジュール」の敬語

「タイトなスケジュール」という言葉は、少しビジネスライクな表現で、丁寧であるとは言い難いです。それでは「タイトなスケジュール」を丁寧に言いたい場合は、どういう言い回しにすればいいのか、上記の例文を参考にして、改めて丁寧な言い方を考えてみましょう。

丁寧語

「タイトなスケジュール」という言い方は、ビジネスシーンではありがちなシチュエーションなので、つい簡単に使ってしまいがちです。しかし決して丁寧な言い方であるという印象を受ける言葉ではありません。冒頭に「恐縮ですが」と添えると、少し丁寧な言い回しになりますが「タイト」という言い方が少し強い印象があります。

「タイトなスケジュール」とは「時間がない」というシチュエーションのことが多いのですが「時間がない」という言い方も強くて丁寧ではありません。時間がないけれども、何とかお願いしたいということを丁寧に言いたい場合は「余裕がない日程で誠に恐縮ですが、何とぞよろしくお願いいたします。」とすると、かなり丁寧な印象になります。

「タイトなスケジュール」の対義語

「タイト」というのは、もともとは「きつい」「ぴったりとした」という意味であり、そこから時間的、金銭的に余裕がないスケジュールのことをタイトなスケジュールというようになりました。それではその対義語はどのようにして使うのか、対義語を見てみましょう。

ルーズ

「タイト」の対義語は「ルーズ」になります。衣類でもタイトとルーズはよく使います。日本語で「ルーズ」というと「だらしない」というイメージがあり、あまり良い印象を受けないことが多いです。「時間にルーズな人だ」というと、時間にだらしがない人のことを言い、決してほめる言葉ではありません。

ビジネスの場でスケジュールがタイトではない場合は「ルーズ」を使わずに「余裕があるスケジュール」や「日程に余裕がある」という使い方が無難です。

何気なく使っている「タイト」の意味を再確認

ビジネスの場で、時間的、または金銭的、人員的に余裕がないスケジュールのことを「タイトなスケジュール」と表現することがあります。時間的に厳しいスケジュールは、ありがちなシチュエーションなので、つい気軽に誰にでも使ってしまいがちな言葉です。

しかし仕事を受ける側が「スケジュールがタイトですね」と言ってしまうと、相手をけん制する意味にもなってしまうので注意が必要です。またタイトなスケジュールはハードスケジュールと混同されがちですが微妙に意味が異なりますので、使うときには注意して使うようにしましょう。

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