「結構」の意味と使い方・例文・類語・敬語表現・由来|結構です

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「結構」の意味と使い方は?

はじめに、「結構」の意味と使い方について、見てみましょう。

「結構」という言葉は、副詞・形容動詞・名詞といった3つの品詞を持っていまして、品詞によって意味や使い方が全く異なります。

ですので、品詞別で意味と使い方について紹介します。

副詞の「結構」

まず、副詞の「結構」について、意味と使い方を見てみましょう。

副詞の「結構」の意味は、「完全ではないが、それなりに十分であるさま」「非常にとまでは言わないが、相当に」といった意味となります。

・「今日友人に誘われて初めてテニスをやってみたけど、結構面白いから、続けてみようかな」

・「わたしはあの作者が書く小説が結構好きなので、よく読みます」

・「先週から上映されている○○の最新作を観に行ったけど、結構良かったよ」

・「このあいだ駅前にオープンしたケーキ屋さんのケーキ、結構おいしかったから、今度一緒に食べに行こう」

形容動詞の「結構」

次に、形容動詞の「結構」について、意味と使い方を見てみましょう。

形容動詞の「結構」の意味は、「すぐれていて欠点のないさま」「満足なさま」「必要のないさま」といった意味となります。

「すぐれていて欠点のないさま」という意味の「結構」は、下記のように使用します。

・「桜は満開の時期は過ぎていましたが、風に舞っていてそれはそれで結構な眺めでした」

・「あなたは今日の試験に向けて頑張って練習していたので、結構な出来ばえでした」

「満足なさま」という意味の「結構」は、下記のように使用します。

・「お勧めしていただいたそちらのお料理で結構です」

・「来週の会議につきましては、資料を必要部数だけ印刷していただければ、それで結構です」

「必要のないさま」という意味の「結構」は、下記のように使用します。

・「すぐに失礼しますので、お気遣いは結構です」

・「調べていただいている中恐縮ですが、時間がないので、これ以上は結構です」

名詞の「結構」

次に、名詞の「結構」について、意味と使い方を見てみましょう。

名詞の「結構」の意味は、「構造や組み立て、構成」「もくろみ、計画」「準備、支度」といった意味となります。

名詞としての「結構」は、古い時代に作られた文学作品の中で使用されていますが、現代では使用されていません。

「結構」の例文を見てみましょう

次に、「結構」を使用した例文をあげてみます。「結構」の使い方がよくわからない方は、参考にしてみてください。

「結構です」

まず、「結構です」という言葉を含んだ例文をいくつか紹介します。

・「先日○○様からご提案いただいたとおりに進めていただければ結構です」

・「急ぎの用件ではありませんので、○○様の帰社後にご連絡をいただければ、それで結構です」

・「送付書は無くて結構ですので、早急に資料のFAXを送っていただきますようお願い申し上げます」

・「コーヒーのおかわりはもう結構です」

「結構な」

次に、「結構な」という言葉を含んだ例文をいくつか紹介します。

・「駅から会社までの道にあるイタリアンレストランは、安くて美味しいし店内もお洒落なので、結構な頻度で行きます」

・「結構な量の荷物がありますし、目的地まで距離もあるので、やはり徒歩ではなく車で行きましょう」

・「山の頂上から見た景色は、天気が良くなかったとはいえ、結構な眺めでした」

・「近くに用事があったので久しぶりに覗いてみたら、結構な数の新しいお店ができていたので、帰りに寄ってみようと思っています」

・「あそこのうどん屋さんは、どのメニューも結構なボリュームがあるから、たくさん食べる人にはおすすめだよ」

「結構なお品」

次に、「結構なお品」という言葉を含んだ例文をいくつか紹介します。

・「結構なお品をいただきまして、誠にありがとうございます」

・「この度は、お中元のご挨拶ならびに結構なお品を賜りまして、厚く御礼申し上げます」

・「結構なお品をご恵贈いただきまして、大変感謝いたしております」

・「ご丁寧にも結構なお品を頂戴いたしまして、誠にありがたく、厚く御礼申し上げます」

「結構なお点前で」

次に、「結構なお点前で」という言葉について、紹介します。

「結構なお点前で」という言葉は、お茶会などでお抹茶をいただいた時に、点てた人へ「素晴らしいお点前です」と伝える際に、使用される言葉です。

「結構好き」

次に、「結構好き」という言葉を含んだ例文をいくつか紹介します。

・「気を遣わなくて良いし好きなことができるので、1人で過ごすことがわたしは結構好きです」

・「わたしはあの人の撮る写真が結構好きですので、今回開かれる個展にも行くつもりです」

・「あの中華料理屋さんの料理は人によって好き嫌いが分かれるけど、わたしは結構好きです」

・「わたしは結構好きな歌手でしたので、引退することがとても残念です」

・「店の内装がとても可愛く店員さんも親切な方ばかりでしたので、わたしは結構好きな店です」

「結構」の類語は?

次に、「結構」という言葉と似た意味を持つ類語について、見てみましょう。

「結構」という言葉は、前述しましたが、副詞・形容動詞・名詞といった3つの品詞によって、持っている意味が異なりますので、品詞別に類語を紹介します。

副詞の「結構」

まず、副詞の「結構」の意味と似た意味を持つ言葉を紹介します。

副詞の「結構」は、「完全ではないが、それなりに十分であるさま」「非常にとまでは言わないが、相当に」といった意味です。

この意味と似た意味を持つ言葉は、下記のようなものがあります。

・「ある程度」

・「わりと」

・「なかなか」

・「ずいぶん」

・「かなり」

・「相当」

・「とても」

形容動詞の「結構」

次に、形容動詞の「結構」の意味と似た意味を持つ言葉を紹介します。

形容動詞の「結構」は、「すぐれていて欠点のないさま」「満足なさま」「必要のないさま」といった意味です。

この意味と似た意味を持つ言葉は、下記のようなものがあります。

「すぐれていて欠点のないさま」という意味の類語

・「それなりの」

・「相当の」

「満足なさま」という意味の類語

・「良いです」

・「問題ありません」

・「構わないです」

「必要のないさま」という意味の類語

・「お断りします」

・「遠慮します」

・「気持ちだけいただきます」

名詞の「結構」

次に、名詞の「結構」の意味と似た意味を持つ言葉を紹介します。

名詞の「結構」は、「構造や組み立て、構成」「もくろみ、計画」「準備、支度」といった意味です。

この意味と似た意味を持つ言葉は、下記のようなものがあります。

「構造や組み立て、構成」という意味の類語

・「構造」

・「組み立て」

・「構成」

・「建築」

・「構造」

・「組織」

「もくろみ、計画」という意味の類語

・「もくろみ」

・「計画」

・「企画」

・「プラン」

「準備、支度」という意味の類語

・「準備」

・「支度」

・「用意」

「結構」の敬語表現は?

次に、「結構」という言葉の敬語表現について、見てみましょう。

「結構」の丁寧語は?

まず、「結構」という言葉や似た意味を含んだ丁寧語の文について、紹介します。

丁寧語とは、相手が自分の目上でも目下でも関係なく、丁寧に話す言葉のことです。

・「ここのパン屋さんのサンドイッチは、わたしは結構好きです」

・「あのタワーから見る夕陽は、結構な眺めですので、よろしければ一度行ってみてください」

・「先ほど店員さんにおすすめしていただいた料理で結構です」

・「今回は結構です」

「結構」の尊敬語は?

次に、「結構」という言葉や似た意味を含んだ尊敬語の文について、紹介します。

尊敬語とは、相手に敬意を表すことで相手を立てる、相手が主体となる言葉です。そのような言葉ですので、「結構」という言葉や似た意味の言葉を含んだ文を尊敬語として使用することはしません。

次に、「結構」という言葉と尊敬語について、紹介します。尊敬語とは、相手を敬うことで相手を立てる、相手が主体となる言葉です。「結構」という言葉には、尊敬語は存在しません。

「結構」の謙譲語は?

次に、「結構」という言葉や似た意味を含んだ謙譲語の文について、紹介します。

謙譲語とは、自分がへりくだることで相手を立てる、自分が主体となる言葉です。

・「来週の会議の資料を作成しましたので、お手すきの時で構いませんので、ご確認いただきますようお願い申し上げます」

・「今回のプロジェクトに関する打ち合わせの日時ですが、○○様のご都合のよろしい時で構いません」

・「申し訳ありませんが、また次の機会にお願いいたします」

・「せっかくお誘いいただいたのに申し訳ありませんが、今回はお気持ちだけいただきます」

次に、「結構」という言葉と謙譲語について、紹介します。謙譲語とは、自分がへりくだることで相手を立てる、自分が主体となる言葉です。「結構」という言葉には、謙譲語は存在しません。

「結構」の由来は?

次に、「結構」という言葉の由来について、見てみましょう。

「結構」は漢語から来ています。その漢語の「結構」の意味は、建築物や文章などの「組み立て」「構成」というような意味でした。その「結構」という言葉が日本に伝わり、「支度」「計画」「準備」という意味も持つようになりました。

そしてその「支度」「計画」「準備」についての評価である「十分である」「満足である」という意味としても使われるようになりました。

「結構です」を使用する時の注意点は?

次に、「結構です」という言葉を使用する際に、注意すべきことや気を付けることについて、紹介します。

目上の人に対して使用するのは避けましょう

「結構です」という言葉は、肯定的な「満足なさま」の意味でも、否定的な「必要のないさま」の意味でも、目上の人に使用することは避けましょう。

それは、目下の人が目上の人に「結構です」と使用すると、「失礼」や「上から目線」というような印象を与えてしまうからです。

「満足なさま」「必要のないさま」と目上の人に伝えたい場合は、「結構です」ではなく、「満足なさま」の場合は「良いです」「問題ありません」「よろしくお願いいたします」、「必要のないさま」の場合は「お気持ちだけいただきます」「また次の機会にお願いいたします」というように、目上の人に対して失礼のない言葉に言い換えましょう。

肯定語か否定語を併せて使用し、意味を明確に

「結構です」という言葉は、「満足なさま」といった肯定の意味も、「必要のないさま」といった否定の意味も、持っている言葉です。

そのため、「結構です」のみで使用すると、自分の気持ちが相手に正しく通じなく誤解が生じたり、言われた側も相手がどちらの意味で「結構です」と言っているのかわからないと混乱してしまう可能性があります。

ですので、自分の気持ちや意見は、曖昧な表現を持つ言葉だけで伝えずに、明確な言葉を使用し伝えることが大切です。

誤解が生じることを防ぐにはどうしたら良いの?

たとえば、「結構です」という言葉に、肯定か否定かを明確に表す言葉を使用することも、誤解が生じることを防ぐ1つの方法です。

例をあげますと、「結構です」の前に「はい」「いいえ」を付けて、「はい、結構です」「いいえ、結構です」という肯定と否定を表す言葉を使用することで、誤解を生じることを防ぐことができます。

また、「結構です」を使用せずに、「結構です」に似た意味を持つ、肯定か否定かを明確に表すことができる言葉を使用することも、誤解が生じることを防ぐ1つの方法です。

例をあげますと、肯定を表したい場合は「良いです」「問題ありません」「よろしくお願いいたします」、否定を表したい場合は「遠慮します」「お気持ちだけいただきます」「お断りします」というような曖昧さのない明確な言葉を使用することで、誤解を生じることを防ぐことができます。

「結構です」と「大丈夫です」の違い

次に、「結構です」と「大丈夫です」という言葉について、見てみましょう。

「結構です」と「大丈夫です」という言葉は、言葉の意味や使い方も似ていて、意味については「満足なさま」といった肯定の意味と「必要ないさま」といった否定の意味を持っているという特徴やその際の注意点も同じですので、違う部分は少ないです。

「結構です」「大丈夫です」を使用する際は、単体で使用せずに、「はい」「いいえ」などの肯定か否定かを明確に表す言葉を併せて使用すること、または、「結構です」「大丈夫です」そのものを使用せずに、似た意味を持つ、肯定か否定かを明確に表すことができる言葉を使用することが、使用する際の注意点です。

しっかり理解して使用してみましょう

いかがでしたでしょうか。

今回は、「結構」という言葉について、意味や使い方、言い替えることのできる似た意味を持つ言葉、敬語などを紹介しました。また、品詞によって意味や使い方が全く異なることや、「結構です」に関しては使用する際は注意が必要ということなど、頭の片隅に入れておくと少し役に立ちそうなことも紹介しました。

しっかり理解するほど使うことも楽しくなりますので、ぜひ今回の記事も参考にしてみてください。

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