「念のため」の意味と使い方・敬語表現・類語・例文・ビジネス

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「念のため」の意味と使い方は?

まずはじめに、「念のため」という言葉の意味と、どのように使用するのかを、紹介します。

「念のため」の意味は?

「念のため」という言葉の意味は、「いっそう注意するため」「確認のため」「信用してはいるがいっそう確実にするために」という意味です。

「念のため」という言葉は、家族や友人との日常会話やビジネスシーンなど、さまざまな場面で使用することができる言葉ですので、意味を知っている方も多いです。

「念のため」の使い方は?

「念のため」という言葉は、主に、相手に連絡や報告をする時や、相手に確認をする時、依頼をする時に、使用します。

家族や友人との会話の中での「念のため」の使い方は、「雨が降りそうだから、念のため傘を持っていった方が良いよ」「もらったプリントが見当たらないから、念のためコピーさせて」というような形で使用します。

ビジネスの場面での「念のため」の使い方は、「資料をお送りしますので、念のためご確認ください」「ご連絡先を念のため伺ってよろしいでしょうか」「○○につきまして念のためご連絡いただきますようお願い申し上げます」というような形で使用します。

このように「念のため」という言葉はとても使用しやすい言葉ですので、たいていの人は一度は聞いたことや使用したことがある言葉です。

「念のため」の類語は?

次に、「念のため」という言葉と似ている意味を持つ言葉について、見てみましょう。

「念のため」の意味が「不測の事態のために準備する」というニュアンスを含んでいる場合には、「大事をとって」「万一に備えて」「万全を期して」「念押しとして」「念には念を入れて」などが類語となります。

「念のため」の意味が「忘れを防ぐため」というニュアンスを含んでいる場合には、「念押しとして」「釘を刺す」「確認する」などが類語となります。

「念のため」の意味が「安心することができないので」というニュアンスを含んでいる場合には、「用心するに越したことはない」「石橋を叩いて渡る」などが類語となります。

このように、「念のため」という言葉は、さまざまな言葉に言い換えることができますので、相手の立場や状況によって、一番適している言葉をその都度使用できることが望ましいです。

「念のため」の敬語表現は?

次に、「念のため」という言葉を敬語で表現する場合はどのようにするのかについて、見てみましょう。

「念のため」という言葉ですが、言葉そのものの敬語というものは存在しません。ですので、「念のため」を敬語で使用したい場合は、「念のため」や「念のため」と似た意味を持つ言葉を含む文章を敬語表現にすることで、「念のため」を敬語で表現する役割を果たすことができます。

「念のため」の丁寧語は?

まず、「念のため」や「念のため」と似た意味を持つ言葉を含む文章を丁寧語で表現した場合の、いくつかの例文を挙げましたので、見てみましょう。

・「万一の場合に備えて、防犯グッズは常に身に付けています」
・「体調が悪いので、大事をとって、本日は早めに帰ります」
・「相手に不安や不信感を与えないよう、万全を期します」

「念のため」の尊敬語は?

次に、「念のため」や「念のため」と似た意味を持つ言葉を含む文章を尊敬語で表現した場合の、いくつかの例文を挙げましたので、見てみましょう。

・「天候も悪くなるとのことですので、万一の場合に備えまして、早めに出張先へ向かわれた方がよろしいかと存じます」

・「ご体調が優れないようですし、大事をとりまして、本日はお帰りになった方がよろしいのではありませんでしょうか」

・「セキュリティ面を考え、万全を期しまして、新しいもののご購入を検討されるのはいかがでしょうか」

「念のため」の謙譲語は?

次に、「念のため」や「念のため」と似た意味を持つ言葉を含む文章を謙譲語で表現した場合の、いくつかの例文を挙げましたので、見てみましょう。

・「万一の場合に備えまして、先方の来週の予定も伺っております」

・「体調が優れなく、明後日よりプロジェクトが動き出しますので、明日は大事をとりまして、休ませていただきます」

・「今回のプロジェクトにつきましては、先方への連絡や報告を密に行い、万全を期して参ります」

「念のため」の例文は?

次に、「念のため」という言葉を実際どのように使用するのか、例文を見てみましょう。

「念のために」

まず、「念のために」という言葉を使用した例文を挙げます。

・「明日の会議で使用する資料ですが、念のために、2部多く作成しました」

・「議題内容の点から会議の時間が延長する可能性がありますので、念のために、この日はアポイントは入れないようにしてください」

・「念のために、先方の会社へ行く前に、最寄りのカフェで打ち合わせをしましょう」

・「不要かとは思いますが、念のために、こちらの資料も当日持参します」

「念のため確認させてください」

次に、「念のため確認させてください」という言葉を使用した例文を挙げます。

・「先日注文しました書籍20冊ですが、発注が完了しているかどうか、念のため確認させてください」

・「購入する商品に不備がないかどうかを、念のため確認させてください」

・「先方の都合で金曜日の打ち合わせが来週に延期になる可能性があるので、○○さんの来週のスケジュールを念のため確認させてください」

・「お客様のお名前とご連絡先を、念のため確認させてください」

・「先日ご依頼いただきました製本の納期を、念のため確認させてください」

「念のためお知らせします」

次に、「念のためお知らせします」という言葉を使用した例文を挙げます。

・「来週は私は出張のため不在にしておりますことを、念のためお知らせします」

・「○○会社の○○様から退職したとのご連絡をいただきましたので、念のためお知らせします」

・「先日一斉メールにて連絡いたしましたが、明日のミーティングは開催いたしませんことを、念のためお知らせします」

・「明日は会社の創立記念のため、全社員がお休みをいただきますことを、念のためお知らせします」

「念のためご報告まで」

次に、「念のためご報告まで」という言葉を使用した例文を挙げます。

・「私が受け持っております○○様の案件ですが、今月末までには一段落つくかと思っております。念のためご報告まで」

・「○○様に提案しておりました件ですが、提案の通りで構わないと先ほどご返答をいただきました。念のためご報告まで」

・「取引先の○○様は明日から金曜日まで休暇をとられるため連絡のとれるのは来週月曜日以降とのことです。念のためご報告まで」

ビジネスシーンでの「念のため」

次は、ビジネスシーンでの「念のため」の使用について、詳しく紹介します。

ビジネスシーンでの使い方は?

はじめに、「念のため」という言葉をビジネスシーンで使用する場合の、使用手段と相手について、見てみましょう。

使用される手段としましては、直接会ってでの会話の時に使用されるよりは、メールや電話でのやりとりの際に使用されることが多いです。

会話の相手は、上司や後輩など社内の人の場合でも、取引先など社外の人の場合でも、使用することのできる言葉です。

「念のため」が使用されるビジネスの場面

次に「念のため」という言葉は、ビジネスシーンではどういった場面で使用されるのかを、見てみましょう。

また、場面別の例文も紹介しますので、「念のため」の使用方法がわからない場合は参考にしてみてください。

上司や後輩など社内の人との間で使用する場面としましては、仕事の現在の状況や、取引先との打ち合わせの内容、相手の耳に入れておきたいことなどを連絡する時や報告する時に、よく使用されます。また、作成している資料やデータの内容に間違いがないかを確認してもらう時などにも、使用します。

取引先など社外の人との間で使用する場面としましては、自分が送った書類やメールを確認してもらえたかどうか相手に確認する時や、資料やデータの内容に間違いがないかを確認してもらう時などに、使用します。

1.連絡、報告

「念のため」という言葉は、誰かに連絡する時や報告する時の言葉の中で、よく使用されます。

自分の受け持っている仕事の現在の状況を社内の人に伝える場合や、連絡や報告の必要はないが相手の耳に入れておきたいことを伝える場合に、「念のため」という言葉を前置きします。

たとえば、下記のように使用します。

「○○様から取引のことでお電話がありまして、帰社後の対応で構わないとのことでしたが、念のため内容を連絡いたします」

「○○様の取引の件でございますが、昨日報告したものから多少動きがありましたので、念のため報告いたします」

2.確認

また、「念のため」という言葉は、何かを確認する時の言葉の中でも、よく使用されます。

相手から聞いたことに変わりがないか確認する場合や、自分が送った書類やメールを相手が確認したかどうかを確認する場合などで、「念のため」という言葉は使用されます。

たとえば、下記のように使用します。

「明日の研究会につきまして、15:00よりご出席いただけるとのことで、よろしいでしょうか。念のため確認したく連絡いたしました」

「先日お送りしましたメールはご確認いただけましたでしょうか。念のため確認させていただきたく存じますので、お忙しい中申し訳ございませんが、ご返事いただきますようお願い申し上げます。」

3.依頼

また、「念のため」という言葉は、誰かに何かを依頼する時の言葉の中でも、よく使用されます。

たとえば、下記のように使用します。

「作成しています会議の資料でございますが、先日ご指摘いただいた箇所を訂正いたしましたので、念のため再度ご確認の程お願い申し上げます」

「確認しまして折り返し連絡いたしますので、念のため、お名前とご連絡先をいただいてよろしいでしょうか」

「領収書の発行をご希望される方は、参加費振込受領書を念のためお持ちいただきますようお願い申し上げます」

「ご注文いただいたものと中身がお間違いないかどうか、念のためご確認をお願いいたします」

仕事時に「念のため」を使用する際の注意点は?

次に、ビジネスシーンで「念のため」という言葉を使用する際、注意すべきことについて、見てみましょう。

曖昧な表現はしない方が良い

ビジネスシーンでは、曖昧な表現をすることで言葉の意味が正確に伝わらない可能性があるため、曖昧な表現はしない方が良いとされています。

言葉の意味が相手に正確に伝わらなければ、相手が間違った解釈をしてしまい、自分と相手のコミュニケーションがうまくできなくなったり、本来スムーズにいくものもそうできなくなります。

また、曖昧な言い方をすることで、相手に不信感を与え、相手の自分に対する信用性も薄くなってしまう可能性もあります。

そういったことから、ビジネスシーンでは、相手に自分の伝えたいことを正確にわかってもらえるよう、曖昧な表現ではなく明確な表現でをすることが、大切です。

「一応」ではなく「念のため」を

「念のため」と似た意味を持つ言葉に、「一応」という言葉がありますが、この「一応」という言葉は、ビジネスシーンで使用することは避けた方が良いとされています。

「一応」という言葉は、意味は「念のため」と似ていますが、日常生活の中で話し言葉として使用されているため、幼稚なイメージを与える可能性のある言葉となります。

このようなことから、ビジネスシーンで「一応」という言葉を使用することは適切ではないとされていまして、似た意味を持つ「念のため」を使用することが好まれています。

その他の曖昧な表現をする言葉

「一応」のようなビジネスシーンに適切ではない曖昧な表現をする言葉は他にどういった言葉があるのか、ビジネスシーンでの使用に適していない言葉を適している言葉に置き換えた際どのような言葉になるのか、について紹介します。

ビジネスシーンに適切ではない曖昧な表現をする言葉には、「一応」「多分」「できるだけ」「取り敢えず」などがあります。

これらの言葉は、「一応」と同じくビジネスシーンでの使用に適切ではない言葉、ビジネスシーンで使用することは避けましょう。

これらの持つ意味をビジネスシーンで使用したい場合は、「一応」を似た意味の「念のため」に置き換えるように、「多分」「できるだけ」「取り敢えず」も似た意味の言葉に置き換えて使用します。

「多分」は「おそらく」

「できるだけ」は「可能な限り」

「取り敢えず」は「まずは」

といった形に置き換えることができます。

改まった内容の場合は曖昧な表現はしない

このように、曖昧な表現をする言葉でビジネスシーンに適したものとそうでないものを紹介しましたが、やはり曖昧な表現をすることはビジネスシーンでは適切ではありません。

特に、改まった内容の電話やメール、書面の場合は、曖昧な表現を使用することは避けましょう。

「念のため」は使用しやすい言葉!

いかがでしたでしょうか。今回は、「念のため」の意味や使い方、敬語や類語、ビジネスシーンでの使用方法などについて、紹介しました。

日常生活でもビジネスシーンでも使用することができますし、意味としても使用しやすい言葉ですので、ぜひ使ってみてください。

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