「至急」の意味と使い方
ビジネスシーンにおいて「至急、返信願います」のように、「至急」という言葉を使うことは多いです。この「至急」という言葉は、どういった意味で、どのように使う言葉なのでしょうか。ここでは「至急」についての意味、使い方、例文などをみていきます。
「至急」の意味
「至急」とは「しきゅう」と読み、「至」とは「いたる」、「急」は「いそぐ」と読むように、以下の意味があります。
1.非常に急ぐこと、大急ぎ
2.大急ぎで他より優先的に行うべきこと
「至急」の使い方
「至急」は、誰かになにかしらのことを急いで頼む場合に使用します。例えば、「至急、ご連絡ねがいます。」とか「至急、提出よろしくお願いします。」のように、相手に何かを急いで行うよう依頼する場合などに使われます。そのため、たいして急いでもいない事柄に対しては「至急」を使わないように気を付けましょう。
何かと「至急」を多用していると、本当は急いでないのに「至急」を使うと相手から判断され信用を失うことにつながります。本当に急いでいる、急を要する場合にのみ使うようこころがけた方が良いです。
メール
「至急」という言葉は、メールでもよく使われる言葉です。例えば、提出期限がある場合にどうしても相手からの資料が必要だという場合には、「至急、○○の資料をご提出願います。」というように使います。
また、かなりの緊急を要する場合には、「至急」よりもっと急いでいることを表す「大至急」という言い方もあります。「至急」という言葉は、動詞を修飾する言葉ですので、「○○してください」「○○願います」のような希望や意思をあらわす言葉とともに使われることが多いです。
メールで使用する場合にも、何を急いでいるのかきちんと相手に伝わるように「至急」を使うようにしましょう。
「至急」の類語
「至急」の意味には、「急速な動きで行う」という意味と「全く遅れがない様子」という意味があります。「至急」のそれぞれの意味における類語が以下のようになります。
1.至急:急速な動き
(類語)「さっと」「みるみる」「迅速」「素早く」「早速」「たちまち」
2.至急:全く遅れのない様子
(類語)「猶予なく」「いち早く」「早々に」「すぐに」
「至急」の敬語
大急ぎで相手に何かを要求する場合に使われる「至急」という言葉ですが、「至急」の敬語表現とはどのようになるのでしょうか。「至急」は、「至急○○願います。」「至急○○までご連絡くださいませ。」というように語尾を丁寧な言い回しにすることによって目上の人に使用しても失礼にはあたりません。
そのため、取引先や顧客に使用しても良い言葉ですが、より丁寧に相手に伝えたい場合には、以下のような表現も良いでしょう。
(例文)
「恐縮ですが、至急ご返信お願いいたします。」
「大変恐縮ではございますが、至急ご提出いただきますようお願い申し上げます。」
「至急」の例文
「至急」という言葉は、ビジネスシーンはもちろん日常的にもよく使われます。以下に「至急」を使った例文をご紹介します。
「至急」を使った文例
以下が「至急」を使った例文になります。
(例文)
1.「至急の用事が入ったため、欠席させていただきます。」
2.「本日中に回答する必要があるため、至急ご連絡ねがいます。」
3.「至急、この資料を課長に届けてください。」
4.「お届けした商品に欠陥があるとのこと、大変申し訳ありませんでした。至急、代替品をお送りさせていただきますので、もうしばらくお待ちくださいませ。」
助けてください
「至急」という言葉は、大急ぎでという意味です。そのため、何かしらのことを頼み、また急いで助けてもらいたいという場合にも使います。
(例文)「緊急事態が発生しました。現在、命の危険があります。至急、助けてください。」
こういった使い方は、例えば救急隊員へ助けを呼ぶ場合などが考えられます。大けがをしたり、命に危険が及ぶような場面では「至急」という言葉はよく使用されます。
お金が必要
「至急」という言葉は、大急ぎで、早急にという意味で、ただ急いでという意味よりも緊急を要する場合に使用します。そのため、例えばお金がどうしても緊急で必要な場合などに、「至急」は以下のように使われます。
(例文)「至急お金が必要になりました。○○円をすぐに口座に振り込んでください。」
お金が緊急で必要だという場面は、意外に多くあります。例えば、入学金振込が遅れてしまうとせっかく合格したのに入学できませんし、欲しい住宅を買おうとして一部を支払って押さえておくという場合にも期日が決まっている場合があります。そういった、緊急でお金が必要だという場合には、「至急」という言葉を使用します。
「至急」と「早急」の違い
「至急」と似た言葉に「早急」という言葉があります。「早急」とは「そうきゅう」または「さっきゅう」と読み、「急いで早くする」という意味です。「至急」と同じような意味ではありますが、「至急」の場合は大急ぎでという意味ですので、「早急」の方が「至急」ほどは急いでいない場合につかわれます。
「至急」の英語表現
「至急」という言葉の意味と使い方をみてきましたが、では「至急」を英語で表現するとどのようになるのでしょうか。ここでは、「至急」の英語表現についてみていきます。
「至急」の英語表現と例文
「至急」という言葉を英語で表現すると、以下のようになります。
1.as soon as one can → 「その人ができる限り早く」
2.as soon as possible → 「できるだけ早く」
3.as quickly as possible → 「至急に」
4.hurry-up → 「至急の」
5.urgently → 「至急に」
「至急」を使った英語例文
以下に「至急」という意味を含む英語例文を紹介します。
1.please reply to me ASAP.→「至急、お返事をください。」
2.This is an urgent work by today.→「これは今日中の至急の仕事です。」
至急にあたる英語は複数あり、至急とはこの英語というはっきりとした文はありません。文脈によって「至急」と訳せるものですので、前後の文脈によって理解するようにします。
「至急」「迅速」「早急」の使い分け
「至急」の類語表現に、「早急」「迅速」「緊急」などがあります。これらの言葉はどういった使い分けをすれば良いのでしょうか。
まず、意味をみていくと、「至急」は前述のように、「大変急いでいること」を意味します。そして、「早急」は「非常に急いでいること」、「迅速」は「大変早い様子」、「緊急」は「重大に急ぐ必要があること」を意味します。これらの意味を比較していくと、急ぐスピード的に最も早くしてほしい場合は、「緊急」です。
「緊急」という言葉を使った言葉に「緊急オペ」があるように、重大な事態になるために急いでいるという意味が込められています。その次に急いでいるものには、「至急」が来ます。この場合にも非常に急いでいるという意味があります。
また、早急は急ぐものの至急まではいきません。迅速に関しては、急ぐという意味よりも早く行うという意味があります。
「至急」の意味と使い方を覚えましょう
いかがでしたか。「至急」という言葉は、「大急ぎで」「早急に」という意味で、ただ「急いで」という意味よりも、より急がなければならないという緊急性の高い言葉であるということがわかりました。そのため「至急」という言葉は、本当に緊急性がある場合にのみ使うべき言葉です。
また、動詞にかかる言葉ですのでどの動詞に対して使っているかも意識しましょう。ビジネスシーンにおいて、緊急性を要する場合や、医療現場で命の危険があったり何かしらの時間的制約がある場合、緊急でお金が必要な場合などに「至急」という言葉は使われます。
「早急」よりもより緊急性がある「至急」という言葉の意味と使い方を知って、「早急」や「緊急」「迅速」などと、きちんと使い分けて使うように心がけましょう。