「お加減はいかがでしょうか」の目上の人への使い方
「お加減はいかがでしょうか」の中の、「加減」という言葉は、温度や料理などの度合いを確認するときに、「塩加減はどうですか」「お湯加減は大丈夫です」と、使います。ですが、「お」が付いて「お加減」となると、意味が変わり、主に健康状態を表します。
文章中の「名詞」を丁寧な表現し、「お」をつけることがあります。
気をつける点は、相手が健康な場合は使わないことです。相手の体調に不具合があることを、心配しているときになどに使います。
上司
「お加減はいかがでしょうか」を口語に言い換えると、「加減はどうか」となります。「いかが」は「どう」の丁寧な言い方で、「でしょうか」は「どうか」の丁寧語です。
「お加減はいかがでしょうか」は、上司に使って問題ないでしょう。使う相手は、得意先の担当者や、学生時代の恩師など、目上の人が対象になります。
上司が健康上の問題を抱えている場合、体調を案じていること、回復を願っている気持ちを伝えために使いましょう。
「お加減はいかがでしょうか」の敬語
敬語とは、相手を敬うための言葉です。「尊敬語」と「丁寧語」と「謙譲語」がありますが、
ここでは、その中の2つについて触れます。
「尊敬語」と「丁寧語」の違いとともに、「お加減はいかがでしょうか」を考えましょう。
尊敬語
「尊敬語」は敬語のひとつです。人物、その動作・状態などを、敬うものとして表現する単語や。言い方です。「お加減はいかがでしょうか」を元の文章にすると、「加減はどうか」です。「尊敬語」にすると、「お加減はいかがなさいますか」「お加減はいかがなさいましたか」となります。
話し言葉で使うと、不自然感じがあるので、「お加減はどうなさいましたか」と使うのがいいでしょう。
丁寧語
「敬語」のひとつの「丁寧語」は、相手対し敬意を表して、直接的に丁寧にいう言い方です「動詞」に「です」や「ます」をつけることが多いです。「お加減はいかがですか」と、さらに丁寧な言い方で「お加減はいかがでしょうか」の2つの「丁寧語」があります。
相手を敬う度合いが高いのは、「尊敬語」です。「丁寧語」は自分以外の人には、ほぼ使えるの言い方です。「お加減はいかがですか」は、少し気軽な相手にも使えます。「お加減はいかがでしょうか」は、目上の人使うのが適切でしょう。
「お加減はいかがでしょうか」の使い方
では、実際に「お加減はいかがでしょうか」を目上の人、上司などに使う場合、方法、ツールはどうなるのか、方法ツールの使い方など具体的に考えてみましょう。職場環境で使う場合を以下に整理しましたので、参考にしてください。
ビジネス
具体的な場面として、病気療養後の上司が久しぶり出勤したところに、あなたが居合わせたと想定してください。上司に声をかけて話す時は「口語」、つまり「話し言葉」です。あまり、かしこまり過ぎない言い方にしましょう。
「お加減はいかがでしょうかお大事になさってください。」が適切でしょう。さらに、丁寧な印象を与えたいときは、「くれぐれもお大事になさって下さい」もおすすめです。
肩の手術後、無事に職場復帰した仕事先の担当者には、「肩のお加減はいかがでしょうか」と問いかけて、「ご無理なさらないでください。」など付け加えるといいでしょう。
年賀状
長期で療養をしている相手には、季節の挨拶を兼ねて、年賀状や暑中見舞いハガキなどを送りに、短めのメッセージを付け加えるといいでしょう。
療養中の人には、封書の手紙を受け取ることは、嬉しいけれど、負担になることもあります。ハガキは気軽さがあるので、おすすめです。メッセージの内容で気をつける点は、「全快の希望を損なわない」「過大な同情の表現をしない」「暗い印象を与えるようない」「長すぎない」などです。
メッセージ例として、「お加減はいかがでしょうか。一日も早いご回復をお祈り申し上げます。」や「お怪我の具合はいかがでしょうか。年の改まりますのと共にお加減も快方へ向かわれることと信じております。」季節のご挨拶に添えてみましょう。
メール
休職中の上司にのお見舞いに会いにいけない時や、お見舞いするほど重篤な状態でない場合などは、メールで気持ちを伝えることがいいでしょう。相手に余計な気遣いをさせず、気楽に受け取ることができます。
文例
<件名> ○○様 お加減はいかがでしょうか(□□□□より)
<宛名>◯◯様
<書き始め>その後、お加減はいかがでしょうか。
<締めくくり>寒い日が続きますが、くれぐれもお大事になさってください。
<署名>□□□□
メールの件名で、内容と差出人がわかるようにします。
書き始めの文章は、体調をたずねるものにし、締めくくりは、相手を思いやっている、回復を願っていることを伝えます。なるべく簡潔な文章にし、相手の負担になることは書かないようき、配慮をしましょう。
「お加減はいかがでしょうか」の例文
「お加減はいかがでしょうか」の例文をご紹介します。
怪我
怪我の程度、入院しているのかなどによって、アレンジします。
入院した場合
○○様
突然のご入院と承り、心よりお見舞い申し上げます。骨折の手術の経過は良好とのこと、まずはほっといたしました。その後、お加減はいかがでしょうか。お仕事のことなど何かと気がかりでしょうが、この際ゆっくりとお休みになってご静養くださいますようお願いいたします。近々お見舞いに参上いたしますが、まずはとり急ぎお見舞いまで。
○年○月○日□
□□□□より
自宅療養の場合
○○様
その後、お加減はいかがでしょうか。
お見舞いに伺いたいとは思いながら、なかなか伺えずお許しください。
一日も早いご全快を心からお祈り申し上げております。
○年○月○日
□□□□より
軽度の怪我で自宅で療養していている場合、入院したばかりで状況がハッキリしない場合など、相手がどういう状態かリサーチした上で、文面を考えましょう。
病気
病気による入院の場合は、こちらからは、病状の全てを把握できない場合が多く、重篤な状態もあります。慎重に言葉を選びましょう。自宅療養中の場合も、同じです。
○○様
このたびはご入院されたと伺い大変驚いております。
その後のお加減はいかがでしょうか。
ご無沙汰ばかりでお見舞いが遅れてしまいましたこと深謝申し上げます。
この機会に、焦る事無く十分に治療され一日も早く全快されますよう心からお祈りしております。機会をみてお見舞いに伺いたいと存じますが、取り急ぎ書中にてお見舞い申し上げます。
○年○月○日
□□□□より
自宅療養の場合
○○様
突然のご病気との報に接し、大変驚いております。その後のお加減はいかがでしょうか。どうかご無理をなさいませんよう、この機会に十分ご静養されてください。
取り急ぎ、書中にてお見舞い申し上げます。
○年○月○日
□□□□より
風邪
風邪が命に関わるような重症になる場合は、ほとんどないでしょう。
軽い風邪で、相手が出勤していれば、「お加減はいかがでしょうか。ご無理なさらないようにしてください。」、と声をかけるのがいいでしょう。まれに、念のための入院することもありますが、多くは自宅療養をします。
ツールは手紙よりメールがおすすめですが、相手がメールを扱えない場合は、ハガキやお見舞いの品に添えるメッセージカードでもいいでしょう。
○○様
体調を崩されたとお聞きし、大変驚きました。その後、お加減はいかがでしょうか。
一日も早くご回復されて、お会いできます日を楽しみにしております。
○年○月○日
□□□□より
比較的簡潔にし、文章が重くならないようにしましょう。
いろいろ使える「お加減はいかがでしょうか」
「お加減はいかがでしょうか」は、使える言葉です。相手への尊敬だけでなく、思いやりや優しさも使えることができます。
相手に対する尊敬度合いを気にすることなく、全般的に使えます。また、相手の病状や怪我の程度を詳しく知らない場合でも、「お加減いかがでしょうか」とたずねれば、相手が嫌な気持ちになることは少なく、スムーズに会話が成り立ちます。説明しなくても、一言で相手を案じていることも伝わります。
使う側、使われる側のどちらにも負担にならない、素敵な言葉です。