「訪問」の敬語・使い方・例|謙譲語/メール/アポイント/お礼

ビジネススキル

そもそも「訪問」ってどんな意味がある

訪問の意味は、文字どおり、人を訪ねることや他人家などを訪れることです。家庭訪問や会社訪問などのように、一般的によく使われる言葉です。また、介護の業界では、訪問介護や訪問看護といったシステムがあります。これは、利用者のお宅に訪問して、介護をしたり看護をしたりするサービスの事です。

「訪問」の敬語ってどんなのがあるの

ここでは訪問の敬語について解説します。敬語とは、謙譲語・尊敬後・丁寧語の3つに分類されます。

謙譲語は、自分がへりくだる事で相手を立てる敬語で、尊敬語は相手の行動に対して使います。丁寧語は、その言葉そのものを丁寧に表現する敬語です。訪問という言葉にも、それぞれの表現がありますので、順番に解説します。

謙譲語

謙譲語とは、自分の行うことに対して使うことが基本の敬語で、自分をへりくだって言う時に使い、自分がへりくだる事で、相手を立てます。「訪問」の謙譲語は、「ご訪問する」「ご訪問いたす」「伺う」「参る」「参上する」「お訪ねする」「お訪ねいたす」などがあります。

あくまでも、謙譲語の対象は自分ですので、上司や目上の人がいる際には、謙譲語ではなく他の敬語を使うようにしましょう。

尊敬語

尊敬語とは、第三者にあたる人物の行動や、その人物そのものについて、敬意を表わして表現する敬語です。「訪問」の尊敬語は、「訪問される」「訪問なさる」「お訪ねられる」「お訪ねになる」などがあります。時々使われる言葉として、「お訪ねになられる」がありますが、こちらは間違った敬語ですので、使わないようにしましょう。

丁寧語

丁寧語とは、相手に対して丁寧に表現する敬語です。「訪問」の丁寧語は、「です・ます」を使うだけでいいので、「訪問します」と表現します。

実際に「訪問」の敬語を状況別に使ってみよう

「訪問」と言う言葉は、いろいろな状況で使われる言葉です。また、敬語表現の「訪問」もビジネスシーンや目上の人に対して使う事が多い言葉です。ここでは、状況別に「訪問」の敬語表現を実際に使ってみます。訪問という言葉を使う際の参考にしましょう。

メール

メールで訪問することを伝えるのは、会社であれば、自分が訪問するか、自分の上司が訪問するか、自分の同僚や部下が訪問するかのどれかになります。自分や同僚や部下が訪問する際は、「よろしければ、貴社に伺いたく存じます」または「明日に伺ってもよろしいですか」など、謙譲語の表現を使います。その際に、誰が訪問するのか明記しておきましょう。

上司や目上の人が訪問する際は、「〇〇がご訪問なさいます」「〇〇がお訪ねになります」という尊敬語や丁寧語を組み合わせて使います。メールは文章が相手側にもこちら側にも内容が残りますので、恥かしくないようにきちんとした表現を使いましょう。

アポイント

アポイントで訪問することを伝える際には、なるべく手短に、いつの時間に誰が行くのかを伝える必要があります。また、時間は一方的にこちらが決めるのではなく、相手の都合を考慮しなければいけません。「明日の〇時ごろ、伺ってもよろしいですか」というように相手を窺うことも大切です。

アポイントそのものは、メールや電話で大丈夫ですが、急ぎの場合や早い時期に訪問したい場合は、電話にてアポイントをとるようにしましょう。また、訪問後は、「先日は貴重な時間をいただきありがとうございました」など、訪問させていただいたことに対するお礼をメールなどで伝えましょう。

会社

会社に訪問する際には、まずアポイントを取り、会社の担当者の業務に支障が出ない時間帯を選ぶ必要があります。また、直接訪問した際には、受付にて訪問させていただきたい旨を伝え、大丈夫であれば、訪問します。その際、どの部署の誰に、何と言う名前の者が訪問に来たのかを受付に明確に伝えなければいけません。

基本的に、丁寧語と謙譲語で伝えますが、目の上の人と一緒の際は、目上の人の訪問を伝える際には、丁寧語と尊敬語を使いましょう。また、次回訪問の際には、「先日の訪問時には大変お世話になりました」などの言葉を添えるようにしましょう。

お礼

お礼も兼ねた訪問をする際は、お礼状と言う形で、訪問する意志を伝えます。基本的に、電話やメールでアポイントをとりますが、ビジネスと言うよりは、ただお礼を言いたいという場合も多いので、「もしいらっしゃればお伺いします」のように、気軽さを込めた内容にするようにしましょう。

あくまでも、お礼はこちら側が感謝の気持ちで行うものですので、お礼に行くことそのものが、相手の負担にならないようにしましょう。また、お礼する事が相手の負担になっては本末転倒ですので、お礼をしても良いのかどうかを訪問時に見極めましょう。

手紙

手紙で訪問を伝える場合には、少なくとも1週間以上の期間が必要になります。手紙の場合は、会社や家族に関係なく、丁寧な表現で書くのが一般的です。そのため、訪問の意志を伝える際は、「〇月〇日に、お伺いするよう予定しております」と言うように、万が一相手が不在であっても大丈夫という意志を伝えておきます。

実際に不在でも、また行く機会があるのなら、「後日、改めてお伺いします」と言う内容の手紙を送っておきましょう。

「訪問」の敬語の例を紹介

前述のとおり、「訪問」という言葉には、敬語表現があります。ここでは、「訪問」の敬語の例について解説していきます。「訪問」という言葉を使う際の参考にしてください。

来る

「来る」という言葉は、訪問される側が使う言葉です。敬語表現では、「来ます。」「来られる」「来ていただく」などがあります。例えば、会社に誰かが来て下さり、それを上司や目上の人に報告する際、「〇〇先生が〇時に来ていただけるそうです。」などのように使います。

また、方言によっては、来ると言う言葉をこれから行く訪問の意味で使うこともあります。大抵は、方言で敬語表現にはなりませんが、「来ます」だけは、方言でも丁寧語でもありますので、一般的に使われることがあります。

伺う

「伺う」は、「訪問」の謙譲語で使われる表現です。「明日の〇時に伺います」のように、自分が訪問する際、相手よりへりくだって言う際の敬語表現になります。また、ビジネスシーンでは、自分だけではなく、同僚や後輩が訪問する際に使う事もありますので、状況に応じて使い分けていきましょう。

「後ほど、うちの会社の〇〇がお伺いしますので、よろしくお願いいします」「今度私の後輩が、〇時にお伺いします」などのように使用します。

受ける

「受ける」は、訪問する際に、相手側から了解がでた際に使われます。敬語表現としては、「お受けする」「承りました」「お受けいたします」などがあります。

受ける側からすれば、訪問する方はお客になりますので、上司や先輩に報告する際は、「いらっしゃる」「おいでになる」などの敬語を使う場合もあります。「〇時に〇〇さんがいらっしゃいます」「〇〇先生がおいでになります」という表現を使います。

「訪問」をうまく使っていろいろな人に会ってみよう

訪問する際には、相手の状況や立場が重要になってきます。訪問したい人が誰で、どこに訪問して、どんな用事で訪問するのかなど、気にかけておかなければいけません。しかし、訪問することで、いままでになかった取引先や会社の人とつながり、人脈も広がります。

また、訪問をとおして、今まで見たことや聞いたことのない世界に足を踏み入れることもでき、自分のスキルアップにもつながります。訪問の方法をしっかりマスターして、たくさんの人と出会っていきましょう。

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