「結構です」の敬語の言い換え表現・上司への使い方|肯定/否定

ビジネススキル

「結構です」を敬語で言い換えて表現しよう

「結構です」という言葉は、許可や、否定と断ると言う意味で使える便利な言葉です。丁寧な表現の助動詞「です」を付けますが、敬語表現として使うには難しいでしょう。

「結構です」は断定的な意味合いを含むので、はっきりと言い切ると冷たい感じがします。もっと婉曲な表現をするようにし、直接的な物言いを避けた方がいいと考える方も多いです。

特に、敬語表現として使うなら「結構です」を他の言い方に変換して、失礼のないようにする必要があるでしょう。また、敬語表現を使う前に、ワンクッション他の言葉を置いて使うと強い言い方になりにくく、相手に怒りや嫌悪感を起こさせることがありません。

年が近く中の良い先輩や同僚、後輩の方には気兼ねなく使えますが、上司や顧客相手に「結構です」と言わないように、他の敬語表現が使えるように気を配りましょう。また、たとえ部下であっても年上の方に使う場合にも配慮が必要です。

「構いません」は敬語ではない

「構いません」は許可を求められた時に、何も問題がないというように、肯定するという意味で使えます。また、何か相手に面倒をかけられて謝罪を受けた時に、気にしないという意味合いでも用いられます。

丁寧語を表す助動詞「ます」に、否定の「ぬ」の連用形が付くことから、「結構です」の敬語表現として使えるのではと考える方もいるでしょう。

しかし、「構いません」も「自分にとって問題ありません」とか「自分としては許可をしてもいいです」とか「全然気にならないですよ」という意味になります。

上の立場の人が部下などの目下の人に対して使う表現の言葉となり、敬語としては非常に不適切になります。特に、目上の方や客先では使うのに相応しくありません。「結構です」の言い換えにならないばかりか、大変な失礼をすることにもなりかねません。

「気にならない」という表現も相手に関心がないことにもつながり、印象が悪くなる恐れもあるでしょう。

「結構です」の敬語の意味と使い方とは?

「結構です」という言葉は、相手の提案を断る際の返答や、許可を得られるかという問いかけの答えに問題ないという意味で使われることがあり、否定でも肯定でも使われる傾向があります。

とても便利な言葉ですが、外国の方やビジネスやフォーマルな改まった場所で使い慣れていない方の場合は、使い方に戸惑うこともあると言われています。敬語として使うために「結構です」から他の言葉に言い換えるのも難しいと感じる方も多いです。

「結構です」の意味を正しく把握し、敬語に言い換えて使うにはどのようにしたら良いか考える必要があるでしょう。

「断る」という意味で使う敬語表現

上司や先輩、取引先の方にランチや飲み会に行かないかというお誘いや、出先で料理のおかわりなどを勧められるとか、目上の方からお見合いの話を持ってこられるなど、立場が上の方に断らなくてはならないことはかなり多いです。

断りを入れる時に「結構です」と返答すると、素っ気なく上から目線で断られたように感じて相手の気分を害してしまうこともあります。

「結構です」の代わりに、「せっかくですが」と言う言葉で始めて、「遠慮いたします」とか「お気持ちだけ頂戴いたします」、「ご容赦ください」という自分の立場を低める謙譲表現を使った敬語での言い換えがお勧めです。

「先約がありますので」とか「もう既にたくさんいただいたので」「お付き合いをしている方がいるので」と簡単にでもいいので、理由を言うとより丁寧に感じられるでしょう。面倒だと感じても、相手の立場を考えた言葉遣いをした方がいいです。

「大丈夫」という意味で使う敬語表現

トラブルがあった時に相手からの気遣いに対して大丈夫という意味で「結構です」とか、相手から援助の申し出が合った場合に、「大丈夫」という意味合いの言葉を返して、助力が必要ないと示す場合があります。

「構いません」も「大丈夫です」とほぼ同じ意味で使われることがありますが、これらは敬語とはならないので、他の言葉に言い換えをする必要があるでしょう。

相手からの気遣いに対しては、「結構です」ではなく、「お気遣いありがとうございます」というように、御礼を述べて「どうぞご心配なく」と言うだけでも敬語として問題ないでしょう。

助力を遠慮する場合は、断りを入れる時と同じように「遠慮いたします」と言うのもいいでしょう。

もしくは、「お力添えいただきたいのはやまやまですが、お手を煩わせるのが申し訳ありませんので今回はご遠慮させていただきます」と言うと、より丁寧な敬語表現となります。

「結構です」上司に敬語で使うなら

いくら気の置けない上司でも、そのまま「結構です」と伝えるのは敬語の表現が十分でありません。あまり相応しくなくても、普段からフランクに接してもらえる上司に使う場合は、丁寧な言い方を心がけて敬語の表現の代わりに使うこともできます。

それでも、「結構です」の代わりに尊敬や謙譲の表現を含む敬語を使って、類語での言い換えをした方が丁寧でしょう。例を挙げて説明します。

「結構です」を否定で使うなら

あまり気兼ねなく普段から話ができる上司であれば、ワンクッション置いた言葉を前に付けて軽い尊敬表現にしても構わないでしょう。

堅苦しい尊敬語を使うと、親しまれていないのかとがっかりするタイプの方もいるので、臨機応変に考えてください。「申し訳ございません、結構です」、「どうぞお気遣いいただけませんよう、十分頂戴いたしましたので結構です」と言うこともできます。

「どうぞお構いなく」、「またの機会にお願いいたします」といった言葉をつかうこともできるでしょう。

「お願いいたします」を使う

書類や仕事の確認を上司から尋ねられた場合、肯定する意味で「その内容で結構です」と返すと上司に対して上から目線で答えている印象になります。

「結構です」の代わりとして、「はい」と返事をした後に「差し支えありませんので、お願いいたします」と丁寧語の敬語で答えることをおすすめします。

「結構です」の敬語表現は肯定でも否定でも使えるか

「結構です」は肯定的な意味でも、否定的な意味でも使える便利な言葉ですが、使い方を間違えるとどちらの意味が分からなくなってしまうこともあります。

敬語で類語を使って表現する場合には、どちらの意味で使うか注意して用いるようにしてください。

肯定の表現で使うなら

相手の持ち物などを褒める時に「結構ですね」と言ったり、それで良いかと聞かれた時に、「はい、結構です」と返答したりすることもあります。気の置けない仲であれば、そのような使い方で問題がありません。

しかし、目上の方と話をする場合には、敬語が使われていないので配慮に欠けた表現になると考えられます。褒める時には「素敵なお品物ですね」とか「○○さんに良くお似合いですね」と、丁寧な表現に気を配りながらシンプルな言葉で褒めると相手に伝わりやすいです。

それでいいとか、構わないという意味で「結構です」を使うのであれば、「問題ございません」とか「差し支えございません」というように、尊敬語のございませんを付けて、何の問題もないとか、支障がないということを伝えるといいでしょう。

否定の意味で使うなら

「結構です」の言い換えができる表現としては、「十分間に合っております」とか「差し支えありません」、「遠慮いたします」という言葉が尊敬を含む意味で使えます。

援助や手助けを申し出た場合に「結構です」を敬語表現に言い換えるなら、「今回は十分間に合っておりますので」、「遠慮させていただきます」と言うこともできますし、確認の意味で聞かれた場合にも「差し支えありません」と伝えられます。

「結構です」の敬語表現をメールで使うには

メールは、手早く連絡をするために必要な通信手段ですので、手紙のような堅苦しい尊敬表現を使う必要はありません。どのようにメールで「結構です」を尊敬の表現に置き換えて使ったらよいか紹介します。

社内メールの返事には「結構です」を

主に、社内の連絡事項やスケジュール管理で問題があるかと問われた場合に「結構です」と使っても構わないでしょう。特に、メール以外のチャットやグループソフトなどは、急ぎで確認を取る際に使われることも多く、長々しい文章は嫌われる傾向にあります。

同僚や先輩なら「拝見しました。その内容で結構です」とか、上司なら「差し支えありませんので、そのまま勧めていただけますか」というように短く丁寧な言葉を使うようにしましょう。

外部の方へのメールで用いるには

お客様や取引先の方にメールを出す時には、やはり外部の方ですので「結構です」をそのまま使う訳にはいきません。他の尊敬語への言い換えが必須です。

メールや書類の確認の場合は、「お手数をかけました。送付された内容で差し支えございませんので、お願いいたします」と言うように、上司に返答するよりもさらに丁寧な表現を心がけるといいでしょう。

「結構です」を使う前に

「結構です」を丁寧な言い方だと感じて、目上の方に間違えて使っている方も多くすぐに直すのは難しいと感じる方もいるでしょう。

大切であるのは相手への尊敬の念を忘れないことです。前後にワンクッションを置いた丁寧な言葉を心がければいいと考える方もいます。しかし、目上の方や社外の方に使うのは失礼に当たるため、言い換えの尊敬語や類語を覚えることをおすすめします。

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