「ご無沙汰」の意味と使い方・例文・目上の人への使い方・敬語

ビジネススキル

「ご無沙汰」の本来の意味とは

日常会話によく使われる「ご無沙汰」とはどんな意味があるのでしょうか。長い間、会ったり、話したりしていない人など、久しぶりに会った相手に対して使うことばが「ご無沙汰」です。「ご無沙汰」はどちらかと言えば若者やより年配の方が使う言葉になります。

「ご無沙汰」を何も考えずに使っていますが、「ご無沙汰」には本来どんな意味があるのでしょうか。まず「ご無沙汰」を分解しますと「沙汰」には決定したことなどを知らせることの通知と命令・指示・便り・知らせ・音信・消息といった意味があります。

「無」はないことの意味を持っているので「無」と「沙汰」が組み合わされば音信がないこと、便りがないこと、通知がないことというのが「無沙汰」が持つ意味です、その言葉をに丁寧にするために「ご」をつけたのが「ご無沙汰」になります。

「ご無沙汰」の意味と使い方

では日常会話で挨拶として使う「ご無沙汰」の意味を考えると、通知や手紙などの便りを出さずに申し訳ありませんといった相手に対して謝る気持ちと相手への敬意を示すといった意味になります。では年賀状や手紙などではどんな使い方をすればよいのでしょうか。

年賀状でのご無沙汰の使い方

年賀状には賀正・迎春・新春・寿春・頌春などの目下の人向けと謹賀新年・恭賀新春・敬頌新禧など目上の人向けの賀詞を使うなどと「新年」と「あけまして」のニつの賀詞を使うことはNGなど年賀状としてのマナーがあります。

では「ご無沙汰」を年賀状で使うときにはどんな点に注意すればよいのでしょうか。 「ご無沙汰」を年賀状に使うときには、注意とまでは言いませんが、年賀状は一年間会ったことのない人に出すことが多くなるため、年賀状の文面に「ご無沙汰」の言葉を入れることをおすすめします。

年賀状でのご無沙汰の例文としては「あけましておめでとうございます。ご無沙汰しておりますが、お元気でお過ごしでしょうか。」などがあります。

手紙でのご無沙汰の使い方

手紙に「ご無沙汰」を使うときには、出す相手に対して近況報告などを盛り込んだ内容にするようにしましょう。例えば「大変ご無沙汰しております」の後に長い間手紙や電話などでの連絡をすることができなかった理由や現在の自分の近況報告をすることで相手に誠意が伝わります。

また長い間連絡をとっていなかった人に手紙を出すときには、「ご無沙汰しております」の後に「お元気でいらっしゃいますか」とか「いかがお過ごしでしょうか」などの言葉をつけることで相手に気にかけて心配している気持ちが伝わる手紙になります。

また同じ「ご無沙汰しております」の言葉でもメールなどの機械的な文章よりも手書きの手紙の方が気持ちが伝わりやすくなるので、特に長く間連絡をとっていなかった人にメールではなく手紙でのご無沙汰にしましょう。

手紙で使う箇所

「ご無沙汰」を手紙やはがきなどで使う箇所はどこになりますか。 「ご無沙汰」を手紙で使う箇所としては、拝啓久しくご無沙汰いたしておりましたが、前略ご無沙汰していますがなど、前略・拝啓の手紙の頭にあたる頭語に続いて用いる使い方と手紙やはがきなどの文章の結びに用いる「敬具」「敬白」の前に使用する使い方があります。

文章の結びに用いる場合は「ご無沙汰を心よりお詫び申し上げます。」といった文章になります。また「さわやかな秋晴れの今日この頃」といった季語の後に使われることもあります。

こんな言葉と一緒に

「ご無沙汰」の言葉は「すっかり」「久しく」「日ごろは」「大変」「長いこと」「しばらく」などのワードを頭につけて用いる使い方があります。「すっかり」の例文としては「すっかりご無沙汰いたしまして申し訳ありません。」があります。

「しばらく」の例文は「しばらくご無沙汰しておりますが、お元気ですか?」となり、「大変」の例文としては「大変ご無沙汰しておりますが、いかがお過ごしですか?」、日ごろは「日ごろはご無沙汰 いたしまして、誠に申し訳ございません」といった例文です。

ビジネスでの「ご無沙汰」とは

ビジネスで使う「ご無沙汰しております」とはどんな意味があるのでしょうか。ビジネスで使う「ご無沙汰しております」の意味は、長い間便りや連絡をしていない相手に対して詫びを入れる言葉として使われるのが「ご無沙汰しております」です。

この「ご無沙汰しております」は取引先の相手などに敬意を表しながら長く連絡していなかったことを詫びるなどビジネスシーンでよく使われています。また、上司や年上の人にはこの「ご無沙汰しておりますを使いますが、相手が同僚・同期などの場合は「ご無沙です」とか「お久しぶりですといった使い方をします。

ご無沙汰の類語

ご無沙汰の類語にはどんなものがあるのでしょうか。 ご無沙汰の類語には、お久しぶり・しばらく・久方ぶりなどがあり広義では息災でしたか・お元気でしたかなども入ります。 お久しぶりです ・ お元気でしたか ・ 息災でしたかは長い間音信不通だった人に連絡するときの相手の健康を気遣う挨拶として使います。

また挨拶するのが適切であるのに、挨拶のないことや、久しく便りをしないことを意味する「無音(ぶいん)」もご無沙汰の類語です。

「ご無沙汰」の例文

ここでは「ご無沙汰」の例文をいくつか紹介します。ご無沙汰の言葉に続く例文を下記に示します。

・長らくご無沙汰しておりますがいかがお過ごしでしょうか。

・長らくご無沙汰しておりますがその後の体調はいかがでしょうか。

・ご無沙汰しており本当に申し訳ありません。

・ご無沙汰しており心よりお詫び申し上げます。

・仕事が忙しいとはいえご無沙汰しておりますこと、深くお詫び申し上げます。

・しばらくご無沙汰しておりますが、お変わりございませんか。この度引越しをしましたので連絡いたします。

以上のようにご無沙汰を手紙やはがきの文章と使う場合は自分の近況報告をするとき、相手の体調を気にしているときや、長く連絡をしていなかったときの詫びの言葉として使います。

ご無沙汰しております

ご無沙汰しておりますの例文は前項の「ご無沙汰」の例文で紹介したように「しばらくご無沙汰しておりますが…この度引越しをしましたので連絡いたします」などの自分の近況報告、体調はいかがですか・体を大事にしましょうなど相手の体調を気にする例文があります。

またご無沙汰いたしておりますには、「しております」「いたしております」といった表現と「ご無沙汰してしまいました」といった表現をすることもあります。

ビジネスで使われる「ご無沙汰しております」

ここでは、ビジネスで使われる「ご無沙汰しております」の例文を紹介します。

・「長い間、ご無沙汰しております。この度は、こちらの無理な要求を快諾していただきありがとうございます。」

・「ご無沙汰して申し訳ありません。」

・「ご無沙汰していて失礼いたしました」

以上のように、「ご無沙汰しております」は、単に長く連絡をとっていない人に対する挨拶だけではなく、連絡をとっていなかったこと謝罪する気持ちが込められた言葉として使われるなどコミュニケーションがスムーズに行く言葉でもあります。

「ご無沙汰」の目上の人への使い方

「ご無沙汰」の目上の人への使い方で注意する点はありますか。 「ご無沙汰」の目上の人へに限らず使い方で注意する点としては、長い間連絡をとっていなかったときに使う言葉がご無沙汰ですが、このご無沙汰には期間があることを知った上で使うようにしましょう。

例えば1年ほど連絡をとっていない目上の人にご無沙汰を使うと失礼になってしまうことがあります。ご無沙汰の使える期間は2か月から3カ月とされていて、その期間以上連絡をとっていない目上の人へは使わないのが一般的です。

こんな使い方はNG?

ご無沙汰は厳密な期間は決まっていませんが、連絡をとっていない期間が1カ月ほどの場合はご無沙汰を使わうと少し違和感があるで使わないようにしましょう。さらにご無沙汰だけでも相手に敬意を表す敬語になっています。

しかし、ご無沙汰のあとに失礼いたしましたといった言葉を付け加えるとより丁寧な印象を受けるので目上の人に使うことをおすすめします。さらに無沙汰の頭に敬語を意味する「ご」の言葉がついているからといって「ご無沙汰です」といった使い方は目上の人に失礼にあたりますので注意が必要です。

良く使われますがこれは正しい?

ご無沙汰の言葉でよく使われる「ご無沙汰ですが、いかがお過ごしでしょうか?」、「大変なご無沙汰しております、ご連絡いただきありがとうございます」、「ご無沙汰をして大変申し訳ありません」「ご無沙汰してましたね」などのフレーズは正しいのでしょうか。

「ご無沙汰ですが、いかがお過ごしでしょうか?」を文法的に考えるとご無沙汰とは自分が長い間手紙やはがきにメールなどで連絡していない状態や行動を表す動詞になり、過ごすは動詞であることから少し違和感のある文章と言えます。

「ご無沙汰してましたね」とは

次に「ご無沙汰してましたね」について考えてみます。ご無沙汰とは自分が長い間手紙やはがきにメールなどで連絡していない状態や行動のことなので、「ご無沙汰してました」に「ね」をつけることは相手も連絡していないといった失礼にあたることがありますので、「ご無沙汰してました」の後に「ね」は入れないように注意しましょう。

ビジネスシーンでのご無沙汰の使い方

ビジネスシーンでご無沙汰を使うときには、手紙やはがきにメールはもちろんですが直接会って挨拶するときにも同僚や同期なら「ご無沙汰」といって手を上げたり「ご無沙汰です」で問題はありません。

しかし、取引先や上司などに言葉を交わす時には「ご無沙汰」とか「ご無沙汰です」ではなく「ご無沙汰しております」とか「ご無沙汰しています」といった相手に敬意を表す言葉を使うように注意が必要です。

久しぶりの相手にご無沙汰を使うとき

ビジネス関係で久しぶりの相手に手紙やはがきにメールを送るときの使い方について説明します。特にビジネスメール場合はまずは最初に「お久しぶりです。」や「ご無沙汰してしまい、失礼いたしました」、「ご無沙汰しております。」といった書き出しの挨拶の後に用件・氏名・社名といった自分が誰かを伝えるようにしましょう。

また以前どこかで会っていた相手には、○○の社外研修会でお話させていただきましたなどどこで会ったのかを相手がわかるように伝えることも大事です。

ご無沙汰しておりますの単語

「ご無沙汰しております」を意味する英語の単語にはlong time no see・Gobusatashiteorimasu・ long time since ・Long time・been keepingなどがあります。

こんな表現もあります

しばらくぶりに会うねといったことを英語にするとLong time no see.になり、お久しぶりと表現するにはIt’s been a long time.お久しぶりといった意味を含む表現のまた会えてうれしいよにはNice to see you again.といったフレーズが使われます。

「ご無沙汰」と「お久しぶり」の違い

ご無沙汰しておりますとお久しぶりにどんな違いがあるのでしょうか。ご無沙汰しておりますとお久しぶりの違いとその例文をご紹介しましょう。同じような意味を持つ「ご無沙汰しております」と「お久しぶり」の違いは、手紙やはがきなど出す相手によって違いがあります。

ご無沙汰しておりますは相手を敬うときに使うもので、ビジネスで言えば上司や取引先への挨拶になります。一方で、お久しぶりはご無沙汰しておりますよりも柔らかいイメージがあるのでどちらかと言えば友人・知人・後輩といったフランクに付き合える人に使います。

「ご無沙汰」と「お久しぶり」の期間

「ご無沙汰」と「お久しぶり」の期間はどちらも2か月から3カ月ほどあっていない人や手紙やはがきにメールなどで連絡をしていない人への謝罪を含んだ挨拶の言葉です。使う相手によって「ご無沙汰」と「お久しぶり」を使い分けるのがベストです。

「お久しぶり」とは

「お久しぶり」と使うときには、以前会ってから長い期間会ていなかった人に再会したときに使われる挨拶の言葉です。「ご無沙汰」は少し硬いイメージがありますが「お久しぶり」は地位や名誉など気にすることなく使える挨拶の言葉になります。

お久しぶりの例文

お久しぶりの例文を下記に示します。

・お久しぶりでございます。おからだに変わりありませんか。

・お久しぶりにお手紙をいただき、懐かしく拝見いたしました。

・お久しぶりですが、お元気ですか、今度遊びに行きます。

「ご無沙汰」の敬語

「ご無沙汰しています」は無沙汰に敬語を意味する「ご」が頭についているのでこの「ご無沙汰」の言葉だけでも十分敬語と言えますが、「ご無沙汰」をさらに敬語で表現すると「ご無沙汰しております」になります。「しています」の敬意を表す言葉が「おります」となり「ご無沙汰しています」の敬語は「「ご無沙汰しております」となります。

「ご無沙汰」をよく理解して使うようにしましょう!

日常会話やビジネスシーンでよく使われる「ご無沙汰」の意味や「ご無沙汰」の正しい使い方に「ご無沙汰」の例文などを紹介してきましたが、「ご無沙汰」の意味や使い方が理解できたでしょうか。

取引先の相手や上司に目上の人に「ご無沙汰」を使うときには、「ご無沙汰です」といった表現はしないで「ご無沙汰しております」または「ご無沙汰しています」といった相手に敬意を表す言葉にするように注意が必要であるこも理解できました。

今回説明した内容に紹介したことなどを参考に「ご無沙汰」をよく理解して使うようにしましょう。

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