「予定・参加を断る」の敬語での使い方・例文|シーン別/理由別

ビジネススキル

シーン別「断る」時の敬語の使い方

最近では、飲酒運転の取り締まりが強化され、また年代による付き合い方の違いなどから、会社での付き合いが疎遠になっていると言われています。しかし、仕事の付き合い上どうしても参加しなければいけない飲み会や、社内行事はなかなか断ることができない人も少なくはありません。上司から業務命令だと言われることもあるでしょう。

今回は、上司や取引先、先輩や目上の人に誘われた、または依頼された時に使える、丁寧な敬語で断る言い回しをご紹介していきます。

社内飲み会「断る」時の敬語の使い方

年末年始など毎年恒例の飲み会以外に、月1ペースで行われるような、親睦会と名した頻繁にある集まりに、参加を強要される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

何度も社内の人間と親睦を深めてもと、密かにあまり気が進まないと思っている方や、仕事とプライベートは分けておきたいという方もいらっしゃるでしょう。

しかし、最終的には上司に断ると言えなかったために参加することになったり、場の空気を読んでノーと断ることができないといった状況も、背景にあると考えられます。

上司に敬語で「断る」時の伝え方

頭ごなしに上から物を言うような上司でも、普段から近寄りがたい雰囲気のある上司でも、一般常識は通用しやすい傾向があります。天邪鬼な上司も存在しますが、きちんと伝えることができれば社内行事であれ、断ることはできます。

ただ、断るには断り方も重要ですが、理由が必要になってきます。いくら丁寧な敬語で断ったとしても、頻繁に同じ理由を伝えると、あまり良い印象は与えない可能性があります。そのため、いつも断るのではなく柔軟に対応していくことも社会人としては必要だと言えるでしょう。

「断る」理由と丁寧な敬語の使い方

敬語には、丁寧な言い回しに聞こえる敬語と、冷たい印象やきついイメージを与える敬語が存在します。また、言葉は、言い方ひとつで相手を怒らすことも、笑わせることもできます。

例えば「して下さい」ですが、これは「する」の敬語にあたります。前後の文章によっては命令口調に聞こえたり、命令形と捉えられる場合もあります。

断るには理由も重要ですが、相手への伝え方が肝心であると言えるでしょう。

都合が悪い時に断るための敬語

最も断りやすいのが、突然のお誘いです。いくら上司からのお誘いでも、急には応えられない方が多いです。

そのため、用事があってもなくても、「予定が入っています」だけで納得してもらいやすい傾向があります。声をかけた方もダメ元で声を掛けている場合があるからです。ですが中には「付き合いが悪い」といってくるような方もいるので、上司や目上の方へは、一般的な敬語を使って、丁寧にお断りしましょう。

忙しいことを理由に断る敬語

予定どおりに仕事が進まず、飲み会に参加している時間がないような方は、ありのままの状況を素直に上司に伝えましょう。相手が重役や取引先、お客様でなければ、丁寧に話せば伝わります。

もし、仕事の都合上、断ると後々まずい相手であれば、日時を変更してもらうことができるか相談してみましょう。相手の都合が調整できず、どうしてもという場合は、目の前にある仕事は放置して、付き合いを優先する選択肢もビジネスには必要です。慌てず対処法を考えましょう。

「参加を断る」の敬語での使い方

多人数で開かれる集まりなどの企画を行う場合、参加者を募ります。まずは、ハガキや手紙、FAXやメールなどでお知らせや案内を送付し、出席や欠席人の確認をします。返信された内容を基に参加人数の確認をするのが一般的ですが、案内方法によって断る方法も変わってくるので、注意が必要です。

案内方法による断り方をまとめましたので、参考程度に一読してみて下さい。

書面で参加を断る時の敬語の書き方

ハガキや手紙、FAXなど、手書きで参加の出席や欠席の返事をする場合は、口頭ではないため、理由は特に必要ないのが一般的です。

出席するか欠席するか、該当する方を丸で囲みます。これだけで問題はありませんが、丸で囲んだ該当する方の後に、敬語で「いたします」と一言加えておくと、より丁寧な返事となります。該当しない方は二重線で消しておきます。横書きでも縦書きでも同じ書き方です。

書面でお誘いを断る時にも、丁寧に対応するよう心掛けましょう。

メールで参加を断る時の敬語の書き方

メールで案内が来た場合は「出張のため参加できかねます」など、断る原因となる理由を付けて返信しましょう。ダラダラとした具体的な理由は必要ありません。

また、「申し訳ございませんが」などの謝罪の言葉に加えて、「次回は参加させていただきます」など、今後についての対応を伝えておくことで、相手に不快感を与えにくく、気持ちが伝わりやすくなります。

電話で参加を断る時の敬語

案内が文書やメールできても、電話で返事をすることに問題ありません。むしろ一報入れて断ることは、より丁寧な対応となります。

電話で伝える時の注意点としては、会社によっては部署ごとに窓口が設けられていたり、担当者がいることがあります。担当者は面識や聞き覚えのない人が窓口となっている場合や、必ず年下や部下にあたる人であるとは限りません。誰が対応しても失礼のないように、敬語や尊敬語などをうまく組み合わせて、丁寧に断るようにしましょう。

「予定を断る」時の敬語の使い方

ビジネスで断る場面は、飲み会や親睦会などだけではありません。例えば、営業であれば仕事の案件や要望、人事なら採用も「断る」を使います。また、断るにも現在のことを断る場合もあれば、未来のことを断る場面もでてくるため、状況に応じた敬語や丁寧語、尊敬語を使い分けることが必要だと言えます。

今、現在の目の前にある課題の断り方と、これから予定されている未来についての断り方の違いをまとめています。

予定していたことを断る時の敬語

既に、予定していたことを断る場合は、飲み会などの参加とは少し違います。内容や規模にもよりますが、相手も予定に合わせてスケジュールを組んでいるため、断ることで迷惑をかけることに繋がる場合があります。

敬意を払って真摯に謝罪し、丁寧に断るようにしましょう。

予定されていることを断る時の敬語

これから行われるであろう予定は、正式にはまだ決まっていない予定です。そのため、断わりやすい状態であると言えます。

しかし、断りやすいからといって「予定はなしになりました」など中途半端に敬語を組み合わせた表現にならないように注意しましょう。せめて「予定はなくなりました」もしくは「見送ることとなりました」など、最低限の敬語を用いた対応をしましょう。

「申し出を断る」時の敬語での使い方

申し出とは謙譲語です。申し出の中には、軽いお誘いや仕事での提案、人事での推薦などがあります。そのため、相手の心使いや気遣いに配慮して、敬意を払い丁寧な敬語を用いてシチュエーションごとに断る言葉を使い分けるようにしましょう。

申し出のお誘いを断る敬語

お誘いにもノリでのお誘いや、軽いお誘いなどさまざまあります。いずれにしても、声を掛けてくれるということは好意や関心があってのお誘いだと考えられます。そのため、相手の気持ちに応えて断るようにしましょう。

たとえば「せっかくのお誘いですが」や「お誘いいただき大変光栄ですが」など誘ってくれたことに、感謝と敬意の気持ちが相手に伝わるように断りましょう。

申し出の提案を断る敬語

ビジネスでは、依頼や要望、要求などの仕事上の申し出を断る場面が多くあります。

取引先やお客様へお断りする時は「誠に不本意ではございますが」や「誠に申し訳ございませんが」といった丁寧語を使用しましょう。

また、謝罪だけではなく、相手が納得できる理由も必要です。そして、最後に「今後とも」のようなこれからの付き合い方に変わりはないという想いも伝えておきましょう。

「断る」の敬語での使い方

「辞退する」「遠慮する」「欠席する」「見送る」「いたしかねる」などはすべて「断る」時に使用される言葉です。これらは相手や場面、状況に応じて敬語や謙譲語、丁寧語に言い換えて相手に伝えます。

どれもビジネスでは一般的な文言ですが、「辞退させていただきます」や「ご遠慮させていただきます」など後に「させていただきます」を付ける場合は、過剰な敬語は慇懃無礼だとマイナスに捉えられることもあるので注意しましょう。

上司にメールでお誘いを断る時の敬語

上司にメールで食事のお誘いや休日のゴルフに誘われた時は、「お疲れ様です」などの労いの言葉をまず伝えましょう。そして、誘ってもらったことに対する御礼や感謝の気持ちと、理由と謝罪の気持ちを伝えましょう。

ただ、あまりにも過剰な敬語を使用すると、社交辞令だと思われたり、不快にさせてしまう可能性もあるので、直上の上司であれば普段どおりに返信する方が伝わりやすいと言えます。

ビジネスメールで依頼を断る時の敬語

メールで「断る」時は、文章のみの表現になるため、特に言葉の表記に注意が必要です。間違った敬語を使用すると、命令口調だと感じるような文面になったり、冷たい印象を与えてしまうこともあります。

文章だけで伝えるのですから、誤解して相手を怒らせてしまわないように注意しましょう。今後、取引ができなくなるような事態が起こることもあります。

口頭で伝えるより丁寧に、細心の注意を払って、誠心誠意、気持ちが伝わる文面を考える必要があると言えるでしょう。

「断る」敬語には法則がある

ビジネスシーンで「断る」時は、まずは御礼や謝罪の言葉をかけましょう。そして「断る」こととなった経緯や理由を伝えましょう。その際には相手を不快にさせたり怒らせたりしないように、正しい敬語を使用し、言葉の表現の仕方には、特に注意することが大切だと言えるでしょう。

相手に上手く気持ちを伝えることができれば、お互いに気持ちよく過ごすことができます。ビジネスではそういった相手に対する配慮や気配りができると同時に、正しい言葉の使い方ができるということが必要で、それらは基本であると言えるでしょう。

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