「お願い」の敬語での使い方・例文|シーン別/箇所別/相手別

ビジネススキル

「お願い」の敬語での使い方

「お願い」という言葉を敬語で活用する時の使い方について、場面ごとに紹介していきます。この「お願い」という言葉は普段の会話でも良く使う言葉です。

他人へ頼みごとをする場合等に使う言葉ですが、どのように使うのが丁寧なのでしょうか。詳しく解説していきます。

メール

メールで「お願い」という言葉を使う場合には、学生の仲間同士などであれば「お願い」「頼むよ」などでも良いでしょう。ただ、社会人同士のコミュニケーションの場合、あまり上記のような言葉は使ったりせずに「お願いいたします」という言葉を使います。「お願い致します」「お願いいたします」「お願いします」でも、いずれの表現でも構いません。

いずれも敬語表現ですが、「お願い致します」は、目上の方などに対する敬語、「お願いいたします」は少し崩してやさしい表現として使います。そして「お願いします」というのは、同僚や目下の方などに対する表現として使います。

手紙

手紙で「お願い」という表現を使う場合には、取引や法律関連でのやりとり、親族同士ではちょっとした頼みごとを依頼する時に使います。現在では、ちょっとしたお願いなどをする時にはメールや電話でする事もできます。手紙を使う場合にはかなりかしこまった印象を受けるやりとりとなるでしょう。

法的なやりとり、パワハラ、嫌がらせを受けて困っている場合などの場合にも有効ですが、かなり重い内容の手紙になります。あくまで自分の意向を押し付けすぎてしまったりしないように注意します。

電話

電話でお願いをする時には、プライベートなお願いであれば、割と誰にでもあることではないでしょうか。「◯◯の事で、あなたからも一言伝えてくれないかな?お願いできる?」という内容の会話です。

こうしたプライベートなお願いであれば、手紙やメールなどだととかく重い内容になってしまいがちです。電話であれば、ちょっとしたお願いをしたい時などに、わかりやすくとても有効です。

ビジネス

ビジネスシーンでは、メール、手紙、電話、いずれの手法においても、この「お願い」という言葉を活用してやりとりされる事があります。やはり電話はちょっとしたお願いを伝えたい時に活用するのが有効です。電話だけのお願いでは口頭のみで伝える内容なので、後々証拠などが残らず、お願いする方としても気軽にお願いする事ができるでしょう

一方、見積り依頼などといった大切なお願いをする時には、電話でも構いませんが、メールや手紙を活用しても手続きを間違いにくく、伝わりやすい時もあります。最近では、見積り依頼をする時にもインターネットでのメールを活用する人が増えてきています。

シーン別「お願い」の敬語での使い方

「お願い」という言葉を敬語で使う場合には、どのような場面が考えられるのでしょうか。この見出しでは、シーン別に「お願い」という言葉を敬語で使いたい場合に便利なフレーズを紹介していきます。言葉の使い方についても、併せて詳しく解説していきますので参考にしてください。

借りる

何かの物や、お金などを借りたい時に、「お願い」という言葉を使ってお願いする事があります。子供同士の場合でも「三輪車を貸して、お願い」などと言いますが、大人の場合も敬語に置き換えた表現で、同じく意向を伝えたい時に使います。

「バイクを貸していただけませんか、お願いします。」「お金を貸していただけませんか、今日中にお支払いします。お願いいたします。」などという使い方が無難です。同年代の場合や、相手が目下の場合は「お願いします。」でもかまいませんが、相手が目上の場合や、シリアスなお願いをする場合には「お願い致します。」を使うのが丁寧な表現です。微妙なさじ加減ですが、敬語の使い方ひとつで印象が変わるので、使い方を工夫してみましょう。

ご依頼

何かを依頼する時に「お願い致します」「お願いします」といった内容の敬語表現を使う場合があります。例えば「送料はいくらになりますか?できれば、明後日までに連絡をお願いいたします。」という場合に使います。

インターネットオークションや、フリマアプリなどで、送料の見積りを確認したい時に便利な表現方法のひとつです。他にも仕事を依頼する場合に「この案件の仕事について、いくらで作業していただけますか?」という使い方をする事もできます。

注文する時

飲食店で注文する時にお願いする場合の敬語の使い方としては、「すみません、ちょっといいですか?」などとウエイトレスさんに伝えます。」何かの部品などを発注する場合には「ちょっとお尋ねしたいのですが、◯◯部品を100個ほど発注したいのですが、どのように手続きすればいいでしょうか?」という具合に伝えるのがいいでしょう。

いきなり「◯◯が欲しいのですが」と言われても、聞き手としても何をどうすればいいのかなかなかわからない事があります。そんな時には「ちょっとお尋ねしたいのですが」という表現を使って、どうやって注文したらいいのかを聞き出すのがいいでしょう。先方も話しやすくなり、手続きをスムーズに進めやすくできて便利です。

指示する時

誰かに、作業指示をお願いしたい時の敬語表現としては、「お願いできますでしょうか?」という表現を活用してみましょう。この表現なら、作業できるかどうか、忙しくないかどうかなどについて事前に聞いて情報を引き出す事ができます。

突然「◯◯の作業について、期日までにお願いいたします」というと、少し強引な表現になり、状況や立場などによっては先方から敬遠されてしまう事もあります。あまり誤解されないようにするためにも、「◯◯という作業について、お願いできますでしょうか?」という表現をして、相手の状況を尋ねてからにするのもいいでしょう。

箇所別「お願い」の敬語での例文

では、今度はメールの件名など、箇所ごとにさらに細かくお願いという敬語表現について紹介していきます。

お願いという表現を使う時にはどのような内容で件名を表記するのが良いのでしょうか。詳しく解説していきます。

件名

何かのお願い事を伝えたい場合の、メールや書類で件名を作成する時には「◯◯の件につきまして(お願い)」などとする事もできます。もちろん、(お願い)を省略する事もできますが、上記の件名であれば一見しただけでメール本文の内容を大まかに推察する事ができます。

大抵、多くの人はメールの内容を知りたいときに件名を見て、内容を判断するのが一般的です。(お願い)と付け加えられている件名の内容であれば、うっかり軽く見られて読み飛ばされてしまうリスクも防ぐ事ができます。

敬語を使わない普段のメール

敬語を使わない普段のメールでは、「◯◯についてお願いしたいのだけど。」という表記でもいいでしょう。もし、活用方法のバリエーションを知りたい時には、インターネット検索で「お願い」と検索してみましょう。

「栽培方法を教えてください。お願いします。」「料理本の通りにしても、コゲついてしまうためご教示お願いします。」という活用方法で、聞き手から情報を引き出す事ができます。インターネット掲示板では、まったくの他人へ宛てられているメッセージであるため、敬語表現を学ぶのに便利です。

敬語を使ったビジネスメール

敬語を使ったビジネスメールで、何かの物事についてお願いする場合には、「お願い致します。」「ご教示のほど、お願いします。」という表現が適切です。同僚同士では「お願いします。」という表現を活用する事もできます。

ただ、不特定多数にメッセージを配信する場合や、あるいは目上の方に対してメッセージを宛てる場合には「お願い致します。」という表記を活用しましょう。「お願いします」と伝えるよりも、さらに適切な敬語表現となっており、好感が持てます。ただし、謙りすぎる場合にはややくどく感じられてしまう事もあるため、工夫して活用する事が大切です。

敬語での「お願い」のポイント

敬語で「お願い」する場合には、できれば相手の意向を聞いてから、こちらの意向を受け入れる事ができるかどうかについて尋ねてからにしてみましょう。面倒でも、最初はまず自分の意向を伝えようとしたりせずに一度相手の事情を伺ってからにします。そして次に、こちらの意向を伝えるようにしてみましょう。

このようにワンクッション置いてから伝えるようにすると、相手に配慮している事になるため丁寧なコミュニケーションが可能となります。ビジネスでの敬語表現だけでなく、普段友人とのプライベートな会話をする時にも活用する事ができる便利な方法です。

相手別「お願い」の敬語での使い方

異なる相手別に敬語でお願いする場合にはどのような敬語を用いて伝えるのが良いのでしょう。また相手が目上の人、目下の人、同僚とで若干対応が異なりますが、敬語の使い方に違いがあるのかについても、あわせて詳しく解説していきます。

お客様

相手がお客様や、取引先である場合には、一般的には尊敬語と呼ばれている敬語を活用するのが無難です。あまり難しい表現にこだわったりせずに、まずはお店での店員のコミュニケーション対応を見てみるのが良いでしょう。基本は相手へお願いするのですから、「お願いできる事」と「お願いできない事」とがある事を、まず知っておく事が大切です。

極端に言えば、顧客に対して「お金を貸していただけないでしょうか?」というのは、よほど親密な関係でなければ難しいでしょう。「こちらの商品は現在品切れですので、入荷までもう1週間お待ちいただけますでしょうか?」という具合でまとめます。最初に店側(自分の立場)の事情を話してから、後から意向を伝えるのが良いでしょう。

上司

相手が目上の方であったり、上司にお願いをする時にも、やはり顧客や取引先に対する敬語表現と同じで尊敬語として対話します。親しい上司の場合には敬語を使う事もできますが、普段の場合には一般的な尊敬語を活用するようにしましょう。

せっかく気に入られて入社、入部などをしたのですから、上司や目上の先輩にはなるべく嫌われないような表現をマスターしておきましょう。

「来週の日曜日にゴルフの勉強をしたいと思っています。◯◯さんが使っていないゴルフクラブセットでいいので、もしお持ちでしたら貸していただけませんでしょうか?もちろん、お持ちでなければ結構ですので、よろしくお願いします。」という具合で連絡を取るようにします。

敬語を使う場面での「お願い」

社会人になると、敬語を使う場面でお願いをする機会はたくさんあります。例えばクルマを購入する時に見積書を作成してもらう場合がありますが、この時見積書の作成のため連絡をする必要があります。

中古車業者へ見積り書の作成をお願いする場合には

「突然のメッセージ失礼いたします。貴社の店頭で販売されていた価格70万円の軽自動車について購入を検討をしております。つきましては諸費用込みでの、引き渡しいただける際の見積り価格を教えていただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。」

という具合で、メールなどで連絡するのが無難でしょう。なお、年配者はメールやメッセージに慣れていない人も少なくはないため、できるだけ短文・簡潔にまとめるようにすると好感が持たれやすいです。

敬語を使っていいかわかりにくい時

例えば、入社後に後輩が入ってきて、「自分は立場的に上、相手は年上の後輩」である場合など、その相手へどう敬語を使って良いのかわかりにくいという場合があります。

こうした場面においては、できればまずは敬語を使って、尊敬語でやりとりを行うようにするのが無難でしょう。万が一、相手が年下であったとしても、年上であったとしても、普段から敬語でやりとりしていれば後々気まずい思いをする事なくスマートなやりとりを行う事ができます。

もちろん、相手が年上の後輩であった時には、そのまま謙った表現で伝えるのも良いでしょう。まれに相手が謙遜しているとでしゃばって、親しくなると態度が大きくなるマナーが悪い人もいます。このような場合には、先輩の立場ですから事情を堂々と上司へ相談するようにして、注意してもらうようにします。

お願いする時の敬語の使い方に慣れよう

敬語の使い方は、普段から他者(あるいは他社)とのコミュニケーションを何度もこなすようにすると、上手になってきます。最初は緊張して、うまく話すことができなくて後悔したりする事も少なくありません。

しかし相手もかつてそういう道を歩んできた先輩であるなら、その大変さがわかるでしょう。何度失敗しても恥ずかしくないのですから、できるだけミスをしないように配慮を心がけるようにします。言葉も大切ですが、できれば気持ちの面でも同じくらいに謙遜を心がける事ができれば一番理想です。

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