「大丈夫です」の意味
「大丈夫です」という言葉の意味は「問題がないこと」や「確実に間違いがないこと」などを指し、特に「○○をしても差し支えがないこと」を指す意味合いで使われます。
またこの他にも「心配ないこと」や「安心を促す言葉のニュアンス」としても使われることがあるため、ただ単に「大丈夫です」と言った場合にはこれらの2つのニュアンスをそのまま相手に伝えることになります。
間違いがないこと
先述のように「大丈夫です」の意味は「間違いがないこと」をそのまま指す場合があり、これは主にビジネスシーンで使われる場合の意味合いになります。しかし、ビジネス用語としてこの「大丈夫です」という言葉は基本的に敬語表現としては認められない傾向が強く、代わりの敬語表現を使うことが強いられます。
・かしこまりました
・承知いたしました
・承りました
このように、「大丈夫です」という言葉だけでは十分な敬語表現として認められない場合の「埋め合わせ的な代用語」を使うことが多く見られ、基本的に「大丈夫です」という言葉はビジネス上の敬語としては使わないことがマナーとなります。
許容できる範囲でのこと
「大丈夫です」と相手に伝える際には、一般的には「その人にとってその物事は許容範囲に含まれる物事」として扱われる場合が多く、「それをしても問題はない」といったような、「受容される範囲内の物事・できごと」を指す場合に使われる表現となります。
この場合も、敬語表現としては認められず、「大丈夫です」の内に含まれる「です」という丁寧語表現だけが敬語として扱われ、「大丈夫」の部分は普通に使われる一般的な語句として受け取られます。
曖昧な表現になりがち
「大丈夫です」とただ単に言った場合、それは「確実にそのことが間違いないこと」か「それをしても(わたしは)問題ありません・許容範囲の物事です」という内容を相手に伝えることになるため、その相手にとっては「どちらの意味合いで使われた言葉なのか」がわからない場合が見受けられます。
そのため、意志表示をしっかり明示しなければならないビジネス用語では、「大丈夫です」というのは敬語表現としてもビジネス用語としても不適合な言葉・表現として扱われ、先述しました代用の敬語表現を使うことが前提となります。
「大丈夫です」と「結構です」
「大丈夫です」と「結構です」という表現は、正しい敬語表現の使い方としても「曖昧な表現」としてもよくピックアップされる表現となります。「結構です」という言葉の意味も「大丈夫です」と同じように、「わたしはそのようにされても問題ありません」という意味と「いや要らないです」という意味の、2種類の意味合いを兼ねそろえることになります。
このため、ビジネス用語ではこの「結構です」という言葉も基本的には「大丈夫です」と同じく避けるべき表現とされており、「不要です」や「対応いたし兼ねます」などと、別の敬語表現を使うことが望ましいとされています。
「大丈夫」は「とても丈夫なこと」を示す
「大丈夫」という言葉を少々品詞分解してその意味を推察する場合、「大」という字と「丈夫」という字の2つの言葉の意味合いによって成立していることがわかります。つまり、「丈夫です」という意味合いにさらに「もっと丈夫です」という意味が付け加えられる形となり、「普通の丈夫の状態よりもさらにもっと丈夫な状態」を示す形になります。
「大丈夫です」は「心配ないこと」を表す
一般的に使われる「大丈夫です」という言葉の意味は、「問題ありません」や「心配ないです」という、相手に安心を促すための表現として使われることが多いです。
この場合は、「了解しました」や「承知しました」などの「承る」という意味合いではその意味が使われず、飽くまで「自分にとってその物事が差し支えない」とした主観的な活用によってその意味が受け取られます。
「大丈夫です」の敬語での使い方
先述のように、「大丈夫です」という言葉はビジネス用語では敬語表現として扱われないため、別の言葉をもって敬語表現にします。その場合の代用語をしっかり把握・インプットしておき、状況や場面に合わせて「的確な敬語表現」を使い分けることができるようにしておきましょう。
・かりこましました
・承知いたしました
・承りました
・差し支えございません
・感謝いたします(感謝申し上げます)
・問題ございません
・ご対応させていただきます
上記のような敬語表現は多くのビジネスシーンで使われており、いずれも「大丈夫です」という言葉の代わりに使われる敬語表現になります。
メール
ビジネスメールでも「大丈夫です」の代わりに先述しました敬語表現が普通に使われ、特にメールの場合は「相手にその文面の一部始終」が見えるため、確実に間違いのない、また失礼のない体裁にしておくことが大切です。
この場合でも「承知いたしました」や「差し支えございません」などの「問題ない」という意味合いを持つ代用語を使うことができ、やはり「大丈夫です」という表現は避けることに配慮しておきましょう。
電話
電話連絡の場合はメールの場合と違い、口調や話の流れなどで「相手の言葉のニュアンス」を同時に伝えることができるため、場合によっては「大丈夫です」という言葉が「問題ありません」の代わりに(敬語表現として)使われることがあります。
しかし、ビジネスシーンではやはり「誰に対しても失礼のない、的確な敬語表現」を示すことが大切であるため、「問題ない」という意味合いと「結構です」の意味合いを持つ曖昧な表現として見受けられる「大丈夫です」という表現は、あらかじめ使わないよう心掛けておくことが肝心です。
状況別「大丈夫です」の敬語の使い方
もちろん「大丈夫です」という言葉が使われる場面でも、その用途によっていろいろな場面・状況で使い分けられることがほとんどです。ビジネスシーンにおいても、先述しました「メールと電話での用件のやり取り」に際し、「大丈夫です」の使い方が微妙に違ってくる場合があります。
しかし、基本的にビジネスシーンで使われる言葉は正しい敬語表現を含め、「2つ以上の意味合いに派生してしまう表現・敬語表現」を使うことは避けることがマナーであるため、「大丈夫です」という表現は使わないことが賢明となります。
日程
面接などで「○月○日は大丈夫ですか」と会社側から聞かれることがありますが、就活生としては「はい、大丈夫です」と答えることは基本的にNG表現になります。会社側は雇用する側となるため基本的に「失礼な表現」とならず、そのまま丁寧語による敬語表現として通用しますが、就活生の場合は「正確な敬語表現ができるかどうか」が確認されます。
・はい、問題ありません
・ぜひ、そのご予定でよろしくお願いいたします
・どうぞよろしくお願いいたします。
基本的に就活生の場合は、日程の返事をする際には上記のように「大丈夫です」という表現は使わず、「ありがとうございます」や「よろしくお願いいたします」などといった、感謝の気持ちを示す形で「OKサイン」を出します。
「構いません・結構です」の敬語の違い
先述でもご紹介しましたが、「大丈夫です」という言葉がなぜ「曖昧な表現・敬語表現」となるかについて言えば、「肯定表現」と「否定表現」の両方を兼ねそろえていることに起因します。
これは「構いません・結構です」の場合も同じく、「よろしくお願いします」という意味合いと「いや要りません(それをしたくないです)」などの否定の意味合いを持つこととなるため、相手にとってはその返答の意味の判別が付かなくなります。
「○○しましょうか」と相手に言われて「大丈夫です」や「結構です」と答えた場合、相手にとっては「はいお願いします」という肯定の意味と「いや要りません」という否定の意味の2つの受け答えができてしまいます。こうした曖昧な表現を避けるためにも、「大丈夫です」という言葉はビジネスシーンではほとんど使われません。
「大丈夫です」の敬語の例文
日本語をはじめ世界各国の言葉を学習する際には、覚えるべき言葉を実際に使って覚えるという「実践的な学習方法」によってそれぞれの言葉の意味合い・用法をインプットすることが効果的です。
・「○月○日に面接させていただくということでよろしいでしょうか」「はい、どうぞよろしくお願いいたします(大丈夫です)」
・「A事業プランを採用するということでよろしいでしょうか」「はい、差し支えございません」
・「資料を送らせていただくことになっておりますが」「かしこまりました」
一般的には「どうぞよろしくお願いいたします」や「差し支えございません」、「かしこまりました」などの言葉をすべて「大丈夫です」に置き換えることもできますが、ビジネスシーンでは例文のように、「大丈夫です」に代わる敬語表現が主に使われます。
お客様に対する敬語表現
お客さまに対して使う「大丈夫です」の敬語表現は、特に注意が必要です。場合によっては「大丈夫です」という表現が稚拙な受け答えになってしまうこともあるため、それによってクレームに発展することがあるので注意しましょう。
・かしこまりました
・承っております
・承りました
・問題ございません
・はい、どうぞよろしくお願いいたします
・感謝申し上げます
これらの言葉が「大丈夫です」の代わりの敬語表現として使われやすく、それなりの信頼関係が構築されていない以上は、「大丈夫です」という言葉はほとんど使われない場合が多いです。
差し支えございません
「差し支えございません」という敬語表現についてですが、この「差し支えございません」の意味は基本的に「本当はもっと良い方法でしてほしいのですが、まぁ、それをしても問題はありません」といった、一段食い下がったニュアンスを持つ言葉として認められます。
そのため、場合によっては「相手に対して失礼な表現」となってしまうため、特にお客さまや上司に対して使う場合には、別の敬語表現が当てられることが多くあります。
「大丈夫です」の敬語・目上の人への使い方
ビジネスシーンにおいて、上司・目上の人に対して「問題がないこと」を伝える場合、「大丈夫です」と言うのはほとんどNG表現になります。これは日常生活でも同じことが言えますが、特に日常生活では普通に「大丈夫です」が使われる傾向にあるため、かえってそれがビジネスシーンでも「使って大丈夫」と誤認されることがよくあります。
・承知いたしました
・お聞きいたしております
・承っております
・賜っております
・問題ございません
・ありがとうございます
・感謝申し上げます
このように、「大丈夫です」の代わりに敬語表現として認められる言葉を活用することが大切です。
「大丈夫です」は上から目線になる
先述でも少しご紹介しましたが、「大丈夫です」という言葉の意味には「差し支えございません」や「了解しました」などのニュアンスの意味合いが含まれるため、敬語表現として使う際には「上から目線に構えてしまうこと」がよくあります。
「別にそれをしても大丈夫」、「本当はこうしてほしかったけど、あなたがそうしたいならそれでもかまわない」といったニュアンスを相手に突き付けてしまうため、場合によっては失礼な表現・敬語表現として受け取られることがあります。
「大丈夫です」の意味は「問題ない」という意味
「大丈夫です」という言葉の意味には「いや結構です」などの否定を示す場合がありますが、それでも一般的には「問題ありません」という肯定の意味を指す場合が多く見られます。
・「○○してもかまいませんか」「はい、大丈夫です」
・「○月○日に面接をさせていただいてかまいませんか」「はい、大丈夫です」
・「資料を送らせていただいてよろしいですか」「はい、大丈夫です」
これらの例ではすべて「問題ありません」という意味合いになり、相手に「許容」や「OK」を示す形になります。
「大丈夫です」は敬語表現ではなるべく避けること
先述では「大丈夫です」の意味は「問題ないこと」を一般的に示す言葉・表現としてご紹介しましたが、それでも「大丈夫です」の意味には「結構です・要りません・間に合ってます」などの否定的なニュアンスの意味合いを含むため、曖昧な表現として認められます。
そのため、できるだけビジネスシーンでは「はっきりとした言葉・表現」をもって自分の意志を明確に伝える姿勢を持つようにしておき、相手に誤解を招かない形での言葉遣いを徹底するようにしましょう。
「大丈夫です」の英語表記と意味
「大丈夫です」という言葉を英語に直す場合、英単語に含まれるそれぞれの意味・用法に配慮する上で、以下のようにピックアップされます。
・no problem(問題ありません、大丈夫です)
・ok(了解しました、大丈夫です、わかりました)
・all right(大丈夫です、それでいきましょう、問題ありません)
・thank you(ありがとう、よろしくお願いします、大丈夫です)
・it is good(かまいません、大丈夫です)
・welcome to(大丈夫です、かまいません)
・nice(素晴らしい、良好です、大丈夫です)
「大丈夫です」の英語表現と意味(1)
先でご紹介しました「大丈夫です」の意味を参考にして、「大丈夫です」の意味合いを含めたいくつかの英語の例文をご紹介します。
・Today, you are welcome to visit us.
「今日、お伺いしていただいても大丈夫です。」
・It is okay to submit the paper.
「その論文を提出していただいても大丈夫です。」
・That way of solving the problem is okay with that.
「問題解決の方法はそれで大丈夫です。」
「大丈夫です」の英語表現と意味(2)
先述しました「大丈夫です」の英語表現に引き続き、さらに具体的な「大丈夫です」の例文をご紹介します。
・Thank you very much for your cooperation this time. Also in the future, it is okay to submit a design plan based on each business plan.
「この度はいろいろなご協力をいただき、誠に感謝申し上げます。また今後におきまして、それぞれの事業計画に基づく設計案をご提出していただいても大丈夫です。」
・She is okay if she takes enough water and can climb especially on hot summer days.
「彼女は水分を十分に摂っていれば大丈夫で、特に夏場の暑い日には登山をすることもできます。」
「大丈夫です」の英語表現と意味(3)
先述の具体的な「大丈夫です」の英語表現に引き続き、今度はいろいろな場面で使われる「大丈夫です」の例文をご紹介します。
・The word “I am OK” is recognized as a particularly ambiguous honorific expression, so it is avoided to use it as a business term.
「「大丈夫です」という言葉は特に曖昧な敬語表現として認められているため、ビジネス用語として使うことは避けられています。」
・Instead of the word “I am OK”, honorific expressions such as “I am sorry” or “There is no harm” are substituted.
「「大丈夫です」という言葉の代わりに「承知いたしました」や「差し支えございません」などの敬語表現が代用されます。」
「大丈夫です」の正確な意味と用法を覚えましょう
いかがでしたか。今回は「大丈夫です」の敬語の敬語での使い方・「構いません」の違い・例文と題して、「大丈夫です」の敬語の敬語での使い方・「構いません」の違い・例文についての詳細情報のご紹介をはじめ、「大丈夫です」のいろいろな敬語表現についてご紹介しました。
「大丈夫です」という言葉は基本的に「問題ありません」という肯定的な意味合いと、「いや結構です・間に合っています・要りません」などの否定的な意味合いの2種類の意味合いを兼ねそろえる形で持っています。
そのため、ビジネス用語では適切な表現・敬語表現として認められておらず、「大丈夫です」の代わりの敬語表現を使うことが勧められます。状況・場面に合わせて、的確な敬語表現をすることを心掛けましょう。