「送る」の敬語の敬語での使い方・「送付・送迎」の違い|謙譲語

ビジネススキル

「送る」の敬語での使い方

「送る」という言葉は、男女問わず大人から子供までたくさんの人が活用する動詞です。送るという言葉は、日本語では良く使われる言葉ですが、どのような場面で活用されるのでしょうか。まず各場面における敬語での使い方から紹介していきます。

書類

手紙、あるいは申請書などの書類に「送る」という言葉を使用して書く時には、「お送りいたします」が無難です。手紙や申請書などを送ると、受け取り手やその近親者など不特定多数の方が閲覧される事もあります。

インターネットまでは至りませんが、色々な方が見る可能性も考えられる文章です。色々な人の目を通す書類ですので、できれば模範的な文章が望ましいでしょう。文筆は一般的に使う行書体で、少しくずした字体を使いながら丁寧な敬語で執筆します。

請求書

請求書を送る時「請求書をお送り致しましたので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。」という一文は、ビジネスメールでの定型句です。どんな仕事でも少なからずお金の流れが生じていますので、毎月の料金請求の際には上記のような文章を活用し、請求書の発送を連絡する企業が一般的です。

近年では電子メール、電子証明といった、インターネットを活用した認証技術が進歩しています。そのため、請求書の送信を行う時にも、インターネットのメールにPDFファイルを添付して送受信する事があります。

この場合は「メールに請求書を添付いたしました。ご確認のほどよろしくお願い致します。」と「送る」の形を変えて連絡文を伝えます。

荷物

荷物の発送を連絡する場合には「発送いたしました」という言葉を使います。あるいは「発送させていただきました」という表現を活用するのもいいでしょう。

せっかく丁寧な言葉で会話しようとおもっているにも関わらず、回りくどい表現として受け取られては元も子もありません。普段から間違いやすい敬語は練習して、イメージトレーニングをしておくのがいいでしょう。

FAX

FAXを使って連絡をする時も、メールや手紙と同じ敬語を活用しましょう。「これからFAXを送信いたしますので、よろしくお願いします。」と、取引先へ一報連絡を入れてから送信します。

最近ではメールでのやりとりが増え、FAX専用回線を使わず、電話線と兼用している個人事業主も増えています。これからFAXを送ります、との旨を伝えて送信すれば、受け取り手側にも配慮できるためスマートです。

郵便

手紙などの書類を郵送で発送する場合には、「送りました」「送らせていただきます」「配送いたしました」「送付いたしました」という表現がいいでしょう。状況や場面に応じて使い分ける事ができるようにしましょう。

手紙を差しだしした側の人が、受け取り手へ向けて「送りましたので」と伝える場合はあまりくどくならない敬語です。「送付いたしました」という場合は、ビジネスシーンなどで見かける内容の文章です。

「送る」と「送付・送迎」の敬語の違い

今度は「送る」という言葉の敬語や、バリエーションについて紹介していきます。敬語にするとどのような形に変わるのか、送付や送迎といった、送るという言葉と類似する言葉との違いについて解説していきます。

「送付」の敬語

「送付いたします。」という表現でメールを発送するのも敬語表現ですが、より丁寧な謙譲語では「ご送付いたします。」という表現もあります。反対に、一番形を崩しているタイプの敬語表現の場合は「送付します」という表現になっています

形を崩す敬語表現の場合には、普段一緒の職場で仕事をしている同僚などに宛てましょう。反対に「ご送付いたします」という表現の場合、取引先の目上の方に対してメールする場合などに活用します。

「送迎」の敬語

送迎という意味は車などを使って、人を送ったり迎えたりする事を言います。例えば、イベント会場などでは「送迎バス」という単語を目にすることがありますが、これは会場まで直行する専用バスという意味です。

「送迎」を使った敬語表現の例としては「駅まで送迎させていただきます。」「宴会場まではバスでの送迎となります。」という使い方になります。良く忘新年会や、懇親会といった集会でバス送迎やタクシーでの送迎が行われますが、そうした場面で活用されやすい言葉です。

「送りましょうか」

「飲食店まで送りましょうか?」などと質問形で使う場合が考えられます。敬語表現の場合は「お送りしましょうか?」あるいは「お送りいたしましょうか?」という表現も考えられるでしょう。

いずれの表現もビジネスシーンなどで活用される表現となっていますが、「送りましょうか」は、かなり崩した表現と言えるため、目上の方へ使うのはあまり適さないでしょう。

できれば丁寧語や謙譲語である「お送りしましょうか?」「お送りいたしましょうか?」というやわらかい表現としてまとめるのが無難です。

この言葉は名詞を省略して、ただ「お送りしましょうか?」だけでも活用できる便利な言葉ですが、名詞を省くと意味が伝わりにくくなるため、できるだけ「◯◯へお送りいたしましょうか?」という表現にします。

「お送りいたします」は敬語でNG?

「お送りいたします」という表現は、ビジネスシーンで良く活用される敬語表現のひとつです。実際に発音をしてみると「お送りします」という表現と比べると、やや回りくどい印象を受ける人もいます。

社会人の中には、あまり堅苦しい敬語を使わずにストレートな表現を好む人も少なくはありません。このような気質の方の場合には「お送りします」という、キッパリした表現の方が好まれる場合もあるため、場面に応じて使いわけるといいでしょう。

敬語の間違いに注意

「送る」という敬語表現にもさまざまなものが表記されており、敬語の間違いに注意しましょう。例えば上記で解説した「送付」という表現ひとつを取り上げても、「ご送付いたしました件につきまして」という文章は間違いです。

このような敬語表現は、普段から使い慣れていればスムーズなのですが、慣れていないと「しどろもどろ」してしまいがちです。スピーチや会見、プレゼンテーションなどの前には、できれば一度紙に書いてみて何度か練習をしてから本番に望むのがいいでしょう。

「送る」の敬語

送るという言葉の敬語について紹介します。送るという言葉を活用する場合には、どういった敬語表現で活用するのが正しいのでしょうか。紹介していきます。

「送る」の丁寧語

丁寧語は、多様な敬語表現の種類があるうち、一般的に使われている敬語です。プライベートなどでも、一般的にはこの丁寧語での表現が活用される機会が多くなっています。「送迎」の場合は「送迎する」、「お連れする」とか、あるいは「お迎えに上がる」という形になります。

また、「メールを送る」という意味の場合には、そのまま「送ります」「送付いたします」という敬語表現になっています。「荷物」を送る時には「送らせていただきます」「お送りいたします」という形になります。

「送る」の尊敬語

尊敬語とは、相手に対して丁寧な表現をする敬語で、一般的な敬語よりも相手の立場が上である場合に活用します。尊敬語の場合には、「相手の立場に立って表現する形の敬語」です。

少し使い方が難しくなりますが「お送りになる」という形が適しています。例えると「専務が公園までお送りになるそうです。」「駅まで◯◯さんがお送りになるとの事でした。」という使い方をするのが無難な表現となるでしょう。

「送る」の謙譲語

「御社へ、当社担当が参りますので」あるいは「こちらから伺います」といった、ビジネスシーンで良く耳にする敬語表現が「謙譲語」の表現となっています。

送るの謙譲語を使った表現としては、「送らせていただきます」とか「お送りさせていただきます」といった表現になっています。

あるいは、荷物をこちらから発送する場合には「発送させていただきます」という表現が適していると言えるでしょう。少し難しいですが、形が限られているため、普段からフレーズを覚えてシチュエーションを想像して練習する事が大切です。

「送る」という言葉を使う対象に注意

「人を送る場合」、「メールや手紙を送る場合」、そして「荷物を送る場合」とに分けられる事を覚えておきましょう。「送る」という言葉を使う場合の尊敬語、丁寧語、あるいは謙譲語は、言葉を使う対象が異なると形が変わるため注意が必要になります。

送るという言葉は「人」「メールや手紙」「物品」この対象が異なるだけで、敬語の活用方法が変わってくるため注意が必要になります。基本的には伝えたい標準語となる言葉を丁寧にしたものが敬語となっていますので、伝えたい言葉を大切にするようにします。

状況を間違えないように注意

細かい部分ですが、敬語の使い方を間違って活用してしまうと相手に対して失礼な態度となってしまう事があり、場の空気を濁してしまいます。わからない時には普通の敬語でも十分ですので、「送ります」というニュートラルな状態の敬語を使いましょう。

どもってしまったり、失礼な事を言ってしまうより、最低限の敬語での表現を伝えておけば、ほとんどの場面では問題がありません。

活用する状況や場面を間違ってしまわないように何度も経験を重ねる事も大切ですが、状況やシーンに応じて敬語の適切な使い方を考えておくようにもしましょう。

「送る」の上司への敬語の使い方

「送る」という言葉を上司へ使う場合の、使用例についてご紹介します。状況によって敬語の活用形が変化する「送る」という言葉ですが、具体的にどのように活用するのがいいのでしょうか。詳しく解説していきます。

親しい上司への敬語

親しい上司への敬語は、一般的な敬語を活用します。普段一緒の相手である場合には、あまり丁寧すぎる敬語を使うと回りくどいと感じられてしまうからです。

いつも一緒の上司である場合には、「送ります」「送付いたします」などの敬語を使うのが適しているでしょう。くれぐれも、ナアナアになって相手への配慮を失ってしまう事が無いように十分注意するようにします。

不慣れな職場での敬語

まだ良く慣れていない会社で一般的な上司へ「送る」という言葉の敬語を使う時には、尊敬語の敬語を活用するようにします。尊敬語を使う事で、自然と自分が立場的にへりくだった表現をする事ができるためです。

普段から尊敬語を使って、相手へ配慮した表現をしていればコミュニケーションもスムーズにまとめやすくなります。まだ不慣れな職場で敬語を使う時には、自分がへりくだって尊敬語を活用するようにしましょう。

特別な相手へ配慮した敬語

特別な相手へ配慮した形での敬語は「尊敬語」や「謙譲語」を活用するようにします。尊敬語や、謙譲語の敬語については、普段の生活であまり使われる機会が少ない敬語表現となっています。

このような敬語表現を扱う時には、事前に言葉の意味や使い方を調べて練習するのが良いでしょう。

特に尊敬語の「送る」の表現については「◯◯さんが取引先までお送りになられるそうです。」といった形になるため、状況が複雑になりがちです。注意して活用するようにしましょう。

店舗などでの顧客への敬語

店舗などでの顧客への敬語を使う時には、謙譲語を活用します。「お預かりしたお荷物は、当日中に発送させていただきますのでよろしくお願いいたします。」という「送る」の表現を活用します。

新しく入社した会社などでこれから働く場合には、主に先輩がこうした表現を活用して来客対応している時をチェックしておきましょう。またマニュアル管理されている場合には、基本的にマニュアルに従って対応を行うようにします。

プライベートでの敬語

まだ親しくないご近所さんなどとプライベートで敬語を使う時には、一般的な敬語表現を使うようにします。あまり丁寧すぎると、やはり回りくどい表現として適さないと感じる人も少なくはないからです。

「お送りします。」「発送しておきますので、よろしくお願いします。」といった表現で十分でしょう。こちらもやはりナアナアな表現や、雑なコミュニケーションとなってしまわないように注意が必要です。

最初からうまく使える人はいない

「送る」に限らずどんな敬語表現でもそうですが、最初から上手に正しい敬語表現を使いこなせる人はいません。そのためには練習するのが一番ですが、やはり何度もコミュニケーションを取り、間合いなどを察しながら対話を深めるのが一番です。

実践的に使う前にも、まずはインターネットのコミュニティなどを活用して練習するのも良いでしょう。「まったく見ず知らずの相手だから」と言っても、失礼な敬語表現を使うときちんと指摘してくれる方も少なくはありません。周囲との関係を大切にするためにも、適切な対話表現を知っておくようにする事が大切です。

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