「お手数をおかけして」の例文・類語・敬語|ビジネス/申し訳

ビジネススキル

「お手数をおかけして」の意味

「お手数をおかけして」は仕事を行っている時に使われていて、日常的には使われません。そのため知らない人も多いと言っても間違いないでしょう。

日常会話で使わないからといっても年齢を重ねれば仕事以外でも使う可能性があるので、その場合には知らないでは済まされないケースも出て来るので、意味や使い方を知っておく意義はあると言えます。

では「お手数をおかけして」という言葉にはどんな意味があり、その使い方はどうなっているのでしょうか。

「お手数をおかけして」の意味とは

「お手数をおかけして」は自分のために、相手に手間をかけさせることを意味します。この手間というのはほとんどが行動であり、僅かな時間で解決する場合であっても手間と判断されます。

「手数」というのは「てすう」と読みますが意味的には「てかず」の方がわかりやすく、自分が使う手の数というのは手を使うということなので、本来は行わなくていい動作が増えたということです。

この「手数」はそれが本業で行っている仕事であっても該当しているため、必ずしも私的な行動というわけではありません。

「お手数をおかけして」の例文

日常生活ではあまり使用しない言葉というのは、例文を用いて覚えるといいでしょう。「お手数をおかけして」は日常生活ではあまり使われていないため、その使い方を知らない場合もあります。

使い方がよくわからない言葉というのは例文を用いて覚えるという方法が最適であり、特に「お手数をおかけして」はビジネスやかしこまった状況で利用するケースが多いため、正確に覚えていなければ困る事態になるでしょう。

申し訳ございません

例文は「お手数をおかけして申し訳ございません」となります。「お手数をおかけして」と言った時点で相手に対して迷惑をかけていると本人が考えていることになるため、謝罪の言葉を付け足すのは一般的になっています。

ただしこの使い方では相手に迷惑がかかっていない場合でも使われているため、一種の儀礼的な挨拶の一文で定着している部分も否めません。

人間が社会生活を営む上で重要になるのは相手に対する敬意であり、そのためには「お手数をおかけして」というような言葉が必要になります。

申し訳ございませんでした

例文は「お手数をおかけして申し訳ございませんでした」となります。一見すると「申し訳ございません」と同じように考えなれますが、厳密にはその意味が異なっているので注意が必要です。

「お手数をおかけして申し訳ございませんでした」は複数の相手に対して何かの迷惑をかけたような状況で使われていて、迷惑かどうか区別ができないような場合には使われません。

その迷惑も軽くはないケースがほとんどであり、本当の謝罪という意味で使われています。

しております

例文は「お手数をおかけしております」となり、儀礼的な挨拶でよく使われています。儀礼的なので本来ならば謝罪する必要がないような軽微な手間であっても使用されていて、ビジネスではよく使われている言葉です。

儀礼的なので相手先からの確認の連絡など業務の一環で行われる行動に対しても用いられていて、電話や対面で相手と対応する際には第一声でこの言葉は頻繁に利用されています。

「お手数をおかけして」という言葉そのものが本当の手数があるかどうかをあまり必要としていないため、このような使われ方が一般的となっています。

ありがとう

例文は「お手数をおかけしておりますが、対処していただきありがとうございます」です。謝罪ではなくお礼の言葉を付け足す場合は、相手がこちらの手間の部分を行ってくれたことになるので感謝の言葉は当然に付けます。

この手間の部分についてはどんなに小さくても関係がなく、良好な関係を継続していくためには礼節を尽くすのは最低限のマナーだと言えるでしょう。

相手が特に何もしていなくても手間になる部分について対応は必要ないと告げても同じことになり、「お手数をおかけして」という言葉を使う時点で礼節が大切になっていくので、感謝の気持ちについても相手に伝えなければいけません。

恐縮

例文は「お手数をおかけして恐縮です」となります。「恐縮」というのは相手に迷惑をかけていることを自覚した謝罪の意味を含めた言葉であり、単に相手に謝るといった軽いものではありません。

「恐縮」というのはかしこまった場面で使われるため日常生活での謝罪の言葉とは言えず、そのためにビジネスなどでしか使われないと言えます。

「恐縮」というのは「恐ろしくて縮まる」という状態を示したものであり、それほど相手に対して自分の非を認めるという意味です。

「お手数をおかけして」の類語

言葉にはその状況に適した使い方があり、一つの言葉だけでは対応できないことがあります。「お手数をおかけして」というのは謝罪を意味しているので、その状況に合わせた最適な言葉遣いをしなければいけません。

「お手数をおかけして」は広い意味で利用可能なのでこの言葉だけを覚えていればそれでもいいのですが、やはり状況によって使い分ける方がいいでしょう。

では「お手数をおかけして」という言葉には、どのような類語が存在しているのでしょうか。

ご迷惑をおかけします

「お手数をおかけして」を簡単な言い方にしたのが「ご迷惑をおかけします」です。「手数」という言葉は相手に迷惑をかけることを代弁しているため、その状態を率直な表現方法で述べています。

「ご迷惑をおかけします」は一般的な生活においても使われていて、その意味は広く知られているという特徴を持っているので使いやすいのは間違いありません。

このような使いやすい言葉はかしこまったような場面では軽すぎて使えないものが多いのですが、「ご迷惑をおかけします」はあらゆる場面に使える万能な言葉と言えます。

お手を煩わせる

「お手を煩わせる」は相手に手間をかけて面倒な作業を行わせてしまうという意味です。この言葉は謙譲語のような使い方になっていて、手間がかかるようなことでなくても使用されています。

自分のために相手が何かをしてくれるような場合には言葉を添えるのは当然であり、その場合にはやってもらうことに感謝する意味や謝罪のような言葉を使うのが通常です。

「お手を煩わせる」は謝罪的な意味を含んでいて、最後に謝罪の言葉である「申し訳ありません」と締めくくる形式が多く取られています。

お手間を取らせます

「手数」と「手間」、「取らす」と「かける」は類語なので同じ意味の言い換えの言葉です。「お手数をおかけして」よりも敬語の表記は少し低くなりますが、あまりかしこまる必要のない相手に使うには問題ありません。

「お手間をおかけします」は使用頻度があまり高くない言い方であり、意味そのものは知られていても頻繁に使われているわけではなく、無理に使う必要はない部類の言葉とも言えます。

「お手数をおかけして」の敬語

謝罪を相手に行う場合には敬語は必須であり、多くの使い方を習得した方がいいでしょう。それは相手によってその対応方法が違って来るため、敬語についても変えなければならないケースがあるからです。

特に敬語というのは使い方を間違えてしまうと相手に嫌悪感を与えてしまうため、使うのであれば正確に使い方と意味を覚えておかなければいけません。

ビジネスなどでは使うことが多い「お手数をおかけして」ですが、その敬語にはどのようなものがあるのでしょうか。

お手数をおかけして誠に申し訳ありません

「お手数をおかけして誠に申し訳ありません」は最も多く使われている敬語表記です。「お手数をおかけして」という言葉を使う場合には「申し訳ありません」がセットになっていて、「誠に」は「「大変」に言い換えてもいいでしょう。

「申し訳ありません」は相手に対して強い謝罪の意思を伝えていて、相手と自分の立場の違いに関係なく使えるので便利に使えます。

注意点としては「申し訳ありません」は頻繁に使われるために特別な言葉ではなく、相手の立場が桁外れに上であったり強い責任が生じている場合には別の言葉を使って下さい。

お手間を取らせてしまい陳謝いたします

「陳謝」は個人と個人の謝罪ではあまり使われず、複数の人や組織などに対して使われます。そのため「お手間を取らせてしまい陳謝いたします」を使う場面というのは限られていて、使い方は注意しましょう。

この「陳謝」というのは謝罪を表現する言葉の中では上級の部類に該当しますが、一対一で対面している相手に使うのは悪くはありませんが印象が少しおかしくなります。

「陳謝」を使いたいのであれば組織や団体などの個人ではない場合や、一度に大勢の人に謝罪するような状況で使うのが適切です。

ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません

「お手数をおかけして」の敬語では最適な使い方であり、よく使われる表現方法です。「手数」という言葉よりも「迷惑」の方が広く認知されているので、「手数」を無理に使うよりは「迷惑」に言い換えた方がいいでしょう。

「お手数をおかけして」というのは相手に迷惑をかけてしまっていることを言い換えているため、そのようなことをせずに素直に言った方が相手に伝わりやすくなります。

この言い方にすると謝罪する気持ちを相手に強くアピールする格好になるため、軽く謝罪すればいいという状況でなければこの表現方法を使う方が適切です。

お手数をおかけしてすみません

「すみません」は日常ではよく使いますが、ビジネスではあまり使われません。「すみません」も立派な謝罪の言葉であるのは間違いありませんが、謝罪を表現する言葉ではあまりに軽すぎてしまうからです。

ビジネスなどのかしこまった状況での謝罪というのはプライベートでの場合とその責任の度合いが全く違っていて、相手からも謝罪する側の誠意を疑念してしまう傾向が強くなるでしょう。

ビジネスでは品格も重要視されるため、言葉遣いも状況に適した言葉を使わなければ相手を不快にするだけになってしまいます。

「お手数をおかけして」のビジネスでの使い方

ビジネスは日常生活とは異なり、その言葉遣いが特別な言い方に変化します。それは相手がよく知っている間柄であっても敬意を払う必要があるからで、常に敬語に触れている環境にあるからだと言っても間違いありません。

敬語というのは日本人でも使い方に苦慮する言葉であり、相手や立場によって使い方が異なってしまうのも簡単に使えない理由になっています。

一定の年齢に達すれば誰でも関わり合いを持つのがビジネスなので、知らないでは済まされない問題になるので機会がある時に覚えてみて下さい。

ビジネスで「お手数をおかけして」を使う場面は

ビジネスでは相手に利益をもたらす依頼でも、相手に手間をかける場合には使われます。それはビジネスの世界はいつでも相手に敬意を払わなければいけないという礼儀が存在しているからで、その手間の形式は関係ないからです。

「お手数をおかけして」は相手方に対して何かしてもらったり迷惑をかけると使われるため、この言葉を用いる機会はとても多くなってくるでしょう。

ビジネスでは相手に何も言わないのは大変な失礼に該当し、どんな軽微な内容であっても礼節に努めることが重要になってきます。

礼儀こそ対人関係を良好にする最適な行動

人間関係には礼節はとても大切であり、怠ると簡単に人間関係は悪化してしまいます。それがビジネスになると利益に関係してしまうため、単なる礼儀と軽く考えることはできないでしょう。

「お手数をおかけして」は相手がある場合によく使われますが、それはどのような立場であっても相手に礼節を尽くしている証拠であるからです。

言葉というのは人間関係を繋ぎとめる最大の表現方法なので、正しい使い方を知って良好な関係を継続できるようにして下さい。

タイトルとURLをコピーしました