「ご承諾」の意味と使い方・例文・「ご快諾」との違い・敬語・類語

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「ご承諾」の意味と使い方

ご承諾は、普段、会話やメール、文書でよく使われる言葉です。ご承諾は「承諾」に「ご(御)」の接頭語がついていますので、言葉単体でも承諾の丁寧語に分類される敬語です。

承諾の「承(うけたまわる)」は相手の意向を受け入れるという意味で、「諾(うべなう)」は承知するという意味ですから、ご承諾は「相手の意見・要求などを受け入れる」という意味になります。

ご承諾は、敬語のなかでも「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の3種類の表現をもっています。どういう相手や場面で使うのか自分の頭のなかで整理整頓をして、状況に応じて適切な使い方をするようにしましょう。

「ご承諾」の例文

ご承諾の言葉を用いた例文を取り上げてみます。今まで些細な誤解をしていた場合は正して、これから用いる時、より相手にとって適切な表現になるように整理しておきましょう。

いただき

ご承諾に「いただき」を用いる場合の例文です。「いただき」は「いただくの連用形」ですから、「もらう」の謙譲語に分類される敬語です。

・「ご承諾いただき、ありがとうございます。」
・「ご承諾いただき、感謝申し上げます。」
・「ご承諾いただき、誠に恐縮です。」

「ご承諾」+「いただき」は、上司や取引先などの相手が、こちらからの意見や要望などを受け入れてもらったときに、感謝を表現する場合に用います。また、「いただき」を「いただきまして」と表現すると、相手により丁寧な印象を与えます。

ください

ご承諾に「ください」を用いた例文は、相手に自分の意見や要望を受け入れてもらいたいときに使います。

・「なにとぞ、ご承諾ください。」
・「これはとてもよい案件です。ぜひ、会議で発表することをご承諾ください」

ご承諾に「ください」は、謙譲語になり、相手に意見や要望を受け入れてもらいたい気持ちがよく分かります。また、語句は、「下さい」ではなく「ください」のほうが適切な表記です。パソコンなどの変換に気を付けましょう。

いただけますよう

ご承諾に「いただけますよう」を用いた場合は「ください」と同じ表現になりますが、「ください」よりも丁寧な表現になります。

・「ご承諾いただけますようお願い申し上げます。」
・「私の提案をご承諾いただけますようご理解下さい。」

ご承諾に「いただけますよう」は、会話や文章で表現すると丁寧な表現になりますが、相手へ伝えたい気持ちは強いでしょう。

申し上げます

ご承諾に「申し上げます」を用いた言葉は謙譲語になり、自分が相手の意見や要望を受け入れる時の敬語として用いられます。

・「御社の新商品を販売することをご承諾申し上げます。」
・「弊社で議論した結果、御社のプロジェクトをご承諾申し上げます。」

ご承諾に「申し上げます」は、自分が相手の意見や要望に対して、謹んで受ける表現をするときに用いられることが多いでしょう。

「ご承諾」と「ご快諾」の違い

ご承諾の意味と似た言葉に「ご快諾」があります。「ご快諾」の意味とご承諾との違いをみてみましょう。

言葉は安易に用いると相手に誤解を招く恐れがあります。とても似ている言葉だからこそ、ご快諾の意味とご承諾との違いを理解して、頭の中で整理しておきましょう。

「ご快諾」の意味と使い方

ご快諾の意味は、「快」の文字があるとおり、「相手の意見や要求などを快く受けれる」という意味です。

ご快諾を受動的に使う時は尊敬語になります。例文としては「ご快諾に対して御礼申し上げます。」という表現をします。

また、ご快諾を能動的に使う時は謙譲語になります。例文としては「御社のご提案を快諾させていただきます」という表現をすることができます。自分が目上の方の意見などを受ける場合「ご快諾」より「快諾」を用いる方が自然でしょう。

第三者の立場で使う時は丁寧語になりますから、ご承諾と同じく尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類の敬語表現をもっている言葉です。

「ご承諾」と「ご快諾」どのように使い分ける?

ご承諾とご快諾はどのように使い分けると相手に対して自分の真意が適切に伝わるでしょうか。

使い分けるのに困ったとき、ご承諾とご快諾を使い分ける目安としては、対象になっている事柄がどの程度困難であるのかを考えるとよいでしょう。

例えば、対象になる事柄が相手方に苦渋の判断を強いた結果として受け入れてもらえたならばご承諾を使う方が自分の謝意が伝わるでしょう。ご快諾を使うと、相手に軽々しく感じ取られ、相手の苦労を労う表現になりません。

また、相手が「二つ返事」のような事柄に対してはご快諾を使ったほうが適切な表現になります。

「ご承諾」の敬語

ご承諾の敬語ですが、ご承諾の言葉自体が丁寧語にあたる敬語です。さらに相手への敬意を高める表現としては、ご承諾の前後に「何卒」を付けたり、「ご承諾のほど」という言葉を使うと相手に対してより敬意が伝わるでしょう。

また、例文でも触れましたが、相手の行為に対しては尊敬語、自分の行為に対しては謙譲語になります。

「御(お・ご)」について

ここで接頭語である「御(お・ご)」について触れてみます。「御(お・ご)」の接頭語は、尊敬語・謙譲語・丁寧語、全て表現することができます。

一般的に丁寧語を表現する付けかた
・「お」→訓読みの言葉に付けられます。(お手紙・お名前・お食事)
・「ご」→音読みの言葉に付けられます。(ご心配・ご住所・ご感想)

また、慣用的に使われている言葉として「ごはん・お盆・おはようございます」などがあります。

「御(お・ご)」を付けない言葉

全ての言葉に「御(お・ご)」を付けていいわけではありません。以下、「御(お・ご)」を付けない言葉です。

・公共物(学校・市役所・電車・病院 など)
・動植物(犬・猫・バラ・ひまわり など)
・外来語(トイレ・ビール・コーヒー など)
・自然現象(台風・自身・雷 など)
・「あ」「お」で始まる言葉(頭・応接室 など)

敬語の分類 3種類

敬語について整理しておきます。敬語は執筆の時は確認しながらできるため間違いは少ないですが、電話や会話では咄嗟にでた敬語が不適切になることがあります。

特に、尊敬語と謙譲語は逆になってしまうことへの注意が必要ですので、電話や会話の咄嗟の時のためにきちんと整理して備えてておきましょう。

相手を高める「尊敬語」

尊敬語とは、目上の人の動作や行為を高めることで相手への敬意を表現する敬語です。

自分をへりくだる「謙譲語」

謙譲語とは、自分の動作や行為をへりくだることにより相手を高め、相手に対しての敬意を表現する敬語です。

表現を美しくする「丁寧語」

丁寧語とは、ていねいな言葉を遣うことで話して(書き手)が聞き手(読み手)に対して敬意を表現する敬語です。

いつも使う語句の敬語は?

主な表現を敬語の種類別にみてみしょう。以下の語句は代表的な言葉ですから、今一度、他の言葉も調べてみるとよいでしょう。

語句尊敬語謙譲語丁寧語
するされる・なさるいたしますします
いるいらっしゃるおるいます
言うおっしゃる申し上げる言います
聞く聞かれる拝聴する聞きます
見るご覧になる拝見する見ます
行く行かれるうかがう行きます

敬語とは?大切なのは「心の表現」

敬語の種類についてみてきましたが、では、なぜ敬語が必要なのでしょうか?

敬語は目上の人に対しての敬意を表現する言葉です。目上の人を敬うことで敬語が心から自然発生的にでてくるのが本来の敬語でしょう。相手に敬意を払い、結果、相手から慕われることこそが人間関係で大切なことです。

ただ、目上の人ではないから汚い言葉を遣っていい訳ではありません。社会では、同僚や部下にたいしても、せめて丁寧語を遣う心掛けをもちたいです。

「ご承諾」の類語

ご承諾の類語をみてみます。当然ですが、ご承諾の類語には受け入れるという意味合いを含んでいる言葉になります。

「賛成」・「合意」・「申し合わせ」・「取り決め」・「承知」・「同意」・「合点」・「約定」・「承認」・「合致」・「協定」・「了解」・「納得」など数多くの類語があります。

「ご承諾」よく考えた結果を表現するのでしょう

ご承諾は「相手の意見や要望などを受け入れること」であることであり、快諾の意味も同じ意味合いですが注意しなければいけなことも分かりました。

また、敬語にも触れ、敬語の種類の復習や日常生活における敬語に対する心構えにもふれ、言葉は大切なコミュニケーションの手段であることを再認識しました。

承諾は、普段、会社などでは口語対の「賛成します」や「同意します」などの類語を使った表現をすることが多いはずです。「賛成」や「同意」などの類語と「承諾」を比較すると、目上の方への印象も違ってくるでしょう。

ご承諾が意味する大切なことは、自分と相手が「よく吟味をした結果」、お互いが納得したうえで発せられることです。

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