「ご回答ありがとうございます」の意味を理解しよう
よく「ご回答ありがとうございます」という言葉を使いますが、一体どんな時に使えばいいのか疑問に思った事は一度はあるでしょう。
もちろんビジネスシーンやメール、アンケートなどでも使い方や意味の取り方は違ってきますし、一体どんな時にどう使えばいいのか、今回は例文や使い方を紹介します。
そもそも「ご回答ありがとうございます」の意味は?
まず使い方や例文を紹介する前に、「ご回答ありがとうございます」とは一体どんな意味があるのかについて知っておく事が必要です。
ここでは、例文や使い方を紹介する前に「ご回答ありがとうございます」の意味について紹介していきます。
相手に問い掛けて答えるという意味
そもそも「ご回答」という言葉の意味は、相手に何かを問い掛けてからこちらで答えるという意味です。ですから、要は「答えて下さい」とお願いをしています。
そして「ありがとうございます」はそのままの意味ですから、そのまま繋げていくと「回答してくれてありがとう。」となります。ですがそれだけではありません。
よく考えてみるとそのまま「回答してくれてありがとう」という捉え方の他にも「回答してもらいありがとう」と言う解釈もあります。
しかし、相手に問い掛けて答えると「回答してもらい」では相手と自分の他に第三者がいるように聞こえます。
そう考えると「回答してくれてありがとう」と言う意味が正しいでしょう。
自分が謙る時に使うのが通説
「ご回答ありがとうございます」という言葉を使うのは、アンケートを取ったときによく使います。ですがよく考えると、ビジネスなどで使うとなると、案外難しいです。なぜかと言うと、「ご回答ありがとうございます」という単語自体が言い換え表現だからです。
「答えること」はビジネスでは「回答」と使います。一方「ありがとうございます」についてはプライベートでも仕事でも使い方は変わりません。
ですから敬語や目上の人に対して使う修飾語である「ご」を足して「ご回答ありがとうございます」と言う単語になります。
そう考えると主にこちらが謙っている時に使うという認識で正しいでしょう。
「ご回答ありがとうございます」の例文とは?
では一体「ご回答ありがとうございます」という一文は、一体どう使うのでしょうか?今回は例文を用いて、いくつか紹介していきます。状況によってどう違っていくのか、比べてよく見てみましょう。
「ありがとうございました」という時に使う場合は?
よくクライアントや契約先の会社の方に「ありがとうございました」と言う時に、この「ご回答ありがとうございます」という単語はもちろん使います。
ではどう使っていくのかというと、意外と難しいもので、大体「ご回答ありがとうございました」と率直に使うこと自体が稀です。
回答は「答えてくださり」と言い換え、「ありがとうございました」はそのまま使うので、「今回はプロジェクトについて貴重な意見を答えてくださり、ありがとうございました。」となります。
ですから、そのまま使うとすれば「この度はアンケートの方にご回答ありがとうございます。」といったような使い方となるでしょう。
「ご回答ありがとうございます」の敬語とは?
では実際「ご回答ありがとうございます」という言葉を敬語にしてみた時は一体どうなるのでしょうか?
今回は敬語で使うにあたって、「回答くださいまして」と「回答いただきまして」の違いも関係してくるので、その二つの場合は一体どうなるのかについても紹介します。
「くださいまして」と「まして」で使い方が違う
そもそも「ご回答くださいまして」と「ご回答いただきまして」では意味がまた違ってきます。
どう違うのかというと、「ご回答下さいましてありがとうございます」とは、「回答してくれてありがとう」という意味です。一方「ご回答いただきまして」の意味は「回答してもらいありがとう」という意味です。
つまり「くださいまして」では、直接回答した相手に伝えますが、「まして」だと第三者が回答を聞いた人にありがとうと言っています。
ですから、この意味の違いによって、使い方も大きく変わっていきます。
「ご回答くださいまして」の場合
「ご回答くださいましてありがとうございます」は「回答」を元に「してくれる」の尊敬語で「ご回答くださる」となります。
そこから丁寧語の「です・ます」と「ありがとうございます」を足して「ご回答くださいましてありがとうございます」という成り立ちです。
ではどう使うかというと、これはよくメール文で使う敬語で、回答者に謙った態度で接する時に使います。
ですから、メール文で「この度は当企画のアンケートにご回答くださいましてありがとうございます」といったように使うのが通例です。
「ご回答いただきまして」の場合
「ご回答いただきまして」は元の「回答」に「~してもらう」の謙譲語である「ご」と「いただく」を足します。そこから丁寧語の「ます」を付け足して「ご回答いただきましてありがとうございます」となります。
「くださいまして」の場合だと尊敬語でしたが、「まして」の場合だと謙譲語になりますが、これも「ご回答くださいまして」と相手に謙っている表現からです。
しかし、謙譲語と敬語である「ご」を足しているので、どちらを使っても違和感はありません。ただ「ご回答いただきまして」の方が「いただき」と「ます」を分けて使う事もできるので、汎用性は「ご回答いただきまして」の方があります。
「ご回答ありがとうございます」の正しい使い方
「ご回答ありがとうございます」の敬語が分かったところで、実際ではどう使うのか分からなければ意味がありません。
ですから、ビジネスシーンだけでなく、メールの他にもアンケートでは一体どうやって使っていくのか、それについても紹介します。
ビジネスで使う場合は言い換えが多い
ビジネスシーンで「ご回答ありがとうございます」と使う時はそのまま使うよりも、言い換えて使う場合が多いです。
言い換えと言うと難しく聞こえますが、簡潔に言うと分割して使います。ですから、「ご回答」と「ありがとうございます」の間に何か別の言葉が入るように使われます。
例えば「ご丁寧な回答をいただき、ありがとうございます。」や、もっと省略して表現するならば「ご回答」の「ご」を「お」に言い換えて表現する場合もあります。
普段ビジネスで使う場合 | 省略して言い換える場合 |
---|---|
ご丁寧な回答をいただきありがとうございます | さっそくのお返事ありがとうございます |
メールの場合は「いただく」を間に挟む
ビジネスシーンでは、その場その場に合わせて使う「ご回答ありがとうございます」と言う言葉ですが、メールではそのまま使った方が、相手に好感を持たれます。
それもメールはお礼よりも、用件を言う事が重要です。そしてなにより、あまり長々と書き過ぎると、「一体何が言いたいんだ」となってしまいます。
ですから、メールで「ご回答ありがとうございます」という言葉を使う時は「いただく」と一緒に使いましょう。
例えばですが、何かを依頼した後にお礼のメールを送る時に使う時は以下のように使います。あくまでもメールなので、あまりにも堅苦しい言い回しを使うのは控えましょう。
依頼した後にお礼のメールを送る時 |
---|
ご多忙の中、先程の件につきましてご回答いただきありがとうございます。 |
アンケートで使う時は率直に使う
アンケートで「ご回答ありがとうございます」という言葉を使う時は、「回答」と「ありがとうございます」の間に何も挟まずに率直に使いましょう。
なぜかと言うと、アンケートを取る場合は相手が目上であろうと、一般人でも平等に扱うというのが通例です。
別に「ご回答いただきありがとうございます」でも通じますが、アンケートのように短く答えて欲しい時に長く表現をしても、逆に鬱陶しいです。
ですから、アンケートなどでは、そのまま率直に「ご回答ありがとうございます」と表した方が好感度は高いでしょう。
「ご回答ありがとうございます」の上司への使い方
ビジネスやメールなどで言葉を使いこなすのは社会人としては当然ですが、その前に目上の人や上司に使えなければいけません。
上司から「こいつは大丈夫なのか」と疑われないように、上司に対して「ご回答ありがとうございます」とはどう使えばいいのかも紹介します。
正しい目上の人への使い方とは?
目上の人に「ご回答ありがとうございます」と使う場合には、前述にある「ご回答くださいましてありがとうございます」や「ご回答いただきましてありがとうございます」という言い方がベストです。
もちろん敬語は目上の人や上司に使うものですから、率直に「ご回答ありがとうございます」と言うよりも、「~くださいまして」と言い換えた方が、こちらが謙っているように聞こえます。
しかしあまりにも堅苦しいと思うのであれば、「ご回答いただき」と言い換えても失礼にはあたりません。
正しい日本語を使ってビジネススキル向上へ!
よくアンケートで耳にする「ご回答ありがとうございます」という言葉ですが、やはり意味や状況に合わせて使い分ける事はとても重要です。
そもそもビジネスシーンでは言い換える事の方が多いと言うのは、自然と無意味に使っているのではないのでしょうか?
ですから、もう一度自分が普段どう日本語を使っているのかを振り返り、さらなるビジネススキル向上を目指しましょう。