「したい」の敬語の使い方
自分の意思をはっきり相手に伝えないと、コミュニケーションはうまくいきません。友人関係や恋愛関係でコミュニケーションがうまくいかないと、誤解から絶交や破局に至ってしまうことがあります。ビジネスシーンでは、重要な契約を失敗してしまいかねません。丁寧な言葉遣いで、そんな事態を上手く避けましょう。
今回は「したい」の敬語について詳しく説明します。しっかりと理解して、ビジネスシーンでうまくコミュニケーションできるようにしましょう。
メール
普段の会話では表情や声のトーンで自分の気持ちを伝えることができますが、メールは文字だけで会話します。ですから、向き合って会話するよりもメールのほうが誤解を生みやすくなってしまいます。
メールでコミュニケーションする場合は、言葉遣いに慎重にならなければなりません。適切な敬語を使って、相手の顔が見えない分さらに丁寧な文章を心がけましょう。また、自分の文章に自信がない場合は、送信する前に同僚に文章を見てもらいましょう。
打ち合わせ
面識のない相手との打ち合わせ日程のメールはとても重要です。まだ会ったことがないのなら、メールの文章があなたの印象を大きく左右します。さらには、契約結果にも影響してしまいかねません。
打合せ前のメールでは、日時と場所をはっきりとしておく必要があります。あらかじめ候補日を何個か挙げて、相手に選んでもらうのがベターでしょう。ちゃんと敬語を使って、相手への敬意をしっかりと伝えましょう。
「したい」と「されたい」の敬語の違い
敬語には尊敬語、謙譲語、丁寧語の三種類があります。「誰が」話すのか、「誰に」話すかによって敬語を使い分ける必要があります。丁寧になりすぎるとわざとらしくなったり、フランクになりすぎると相手が見下されているように感じてしまいます。
TPOに合わせて敬語を使いこなすことで、円満な関係を築いていきましょう。
敬語の種類 | 何に対して |
---|---|
謙譲語 | 自分の行為 |
尊敬語 | 相手の行為 |
丁寧語 | 何でもok |
「したい」の謙譲語
「したい」の謙譲語を使うのは、自分が何かを「したい」ときです。「したい」の謙譲語は「~させていただく」「~していただきたい」です。例えば、「召し上がっていただきたく存じます。」「拝見させていただきます。」というように言うことができます。
謙譲語を使うと、とても謙虚に聞こえます。謙虚な姿勢で相手への敬意を示したいときは、ぜひ謙譲語を使いましょう。
「したい」の尊敬語
「したい」の尊敬語を使うのは、相手が何かを「したい」ときです。「したい」の尊敬語は「されたい」です。例えば、「お休みされたいですか?」「月曜日に到着されたいそうです。」というように言うことができます。
尊敬語は自分を卑下せずに、相手を高める敬語です。謙譲語と違って、尊敬語は自分のそのままのポジションで会話することができます。ですから、謙譲語よりは柔らかい敬語表現です。
「したい」の丁寧語
「したい」の丁寧語は、どんなものにでも使えます。「したい」の丁寧語は「したいです」です。例えば「休憩したいです。」「旅行したいです。」というように言うことができます。
丁寧語は相手をどんなものにでも使える便利な一方で、尊敬語や謙譲語に比べると弱い敬語になります。ですから、自分よりとても位が上の人には丁寧語だけでなく尊敬語や謙譲語をうまく組み合わせて使いましょう。
「したい」と「されたい」の敬語の違い
以上で説明したように「されたい」は「したい」の尊敬語です。「されたい」と聞くと受け身の言葉に聞こえますが、これは尊敬語の一つなんです。「~される」という表現を使うと、尊敬語になります。
尊敬語の特有の単語はたくさんありますが、普通の言葉を受身形にするだけで尊敬語になるので簡単です。ぜひ覚えてください。
「したい」の敬語の例文
これまで「したい」の敬語について説明してきました。ここから「したい」の敬語の使い方を目的別に詳しく説明します。今までの敬語の説明ではイマイチ理解できなくても、例文をイメージしながら読み進めることで、使い方がわかるでしょう。
キレイな言葉遣いだと、あなたの品格が高まります。美しい言葉遣いとともに、プロフェッショナルな仕事をしましょう。
是非
「是非」という言葉を使うときは、自分が喜んで何かをしたいときです。自分が行うことにたいして敬語を使うので、この場合には謙譲語か丁寧語を使います。例としては、「是非、イベントに行きたいです。」「是非、お食事にご一緒させていただきたいです。」というように言うことができます。
「是非」を使うと、とても前向きな姿勢で「したい」ように聞こえます。相手がとてもいい気持ちで、あなたと一緒に仕事ができるでしょう。
どうしても
「どうしても」という言葉を使うときは、絶対に何かをしたいときです。主語が自分になるので、この場合も謙譲語か丁寧語を使います。例としては、「どうしても来週お休みをいただきたいです。」「どうしても移動したいです。」というように言うことができます。
「どうしても」を使うのは、絶対に自分の要求を通したいときです。強めの表現なので、できるだけ丁寧に伝えるといいでしょう。
確認
私たちは人間なので、常に完ぺきでいるのは不可能です。でも、確認をすることでその失敗を未然に防ぐことができます。確認は自分がする場合と、誰かに頼んでする場合があります。例としては、「ご確認していただきたいのですが。」「部長が確認されたいそうです。」というように言うことができます。
仕事上のミスを減らして、信用を勝ち取りましょう。
相談
私生活でのトラブルや、仕事で行き詰まったときは誰かに相談して解決策を探しましょう。相手に時間を割いて相談に乗ってもらうので、謙虚な姿勢て謙譲語を用いてお願いしましょう。例としては、「次回のプレゼンについて、相談させていただきたいことがあります。」「ちょっとトラブルがあって相談したいです。」というように言うことができます。
協力
どんな仕事でも、チームワークはとても重要です。一人だけでできる仕事はありません。協力をお願いするので、謙譲語を使いましょう。「ご協力」は「お力添え」と言い換えることができます。
例としては、「お力添えしていただきたいです。」「ご協力させていただきたいです。」というように言うことができます。
適切な言葉遣いでチームワークを円滑に進めていきましょう。
参加
チャンスは待っているだけではつかめません。自分から色んなことにチャレンジして、経験を積みましょう。「参加」の敬語の例文は、「プロジェクトに参加させていただきたいです。」「課長にも参加していただきたいです。」というように言うことができます。
色んな事に顔を出しておくことで、知り合いが増えて新しい仕事を任されるチャンスが来ます。また同僚との仲を深めることで、仕事がやりやすくなります。
「したい」の敬語を使いこなそう
今回は「したい」の敬語の使い方を紹介しました。相手や自分の要望をはっきりとさせておくことは重要です。そうすることで、不満を解消して円満な関係を築き上げることができます。
この記事を読んでもらったら、もう「したい」の敬語の使い方はバッチリです。丁寧な言葉遣いで、自分の「したい」ことをしっかり伝えられるようにしましょう。