「ご丁寧にありがとうございます」の使い方・敬語
社会人としてビジネスシーンや公の場でコミュニケーションを取る場合は、丁寧かつ相手に失礼のない言葉遣いや対応をする必要があります。相手に失礼な感覚や不快感を与えずにやり取りしてこそ、一人前の社会人だと言えるでしょう。
そのため社会人は、挨拶やワンクッションを入れるフレーズなども、上手く使いこなす必要があると言えそうです。「ご丁寧にありがとうございます」というフレーズもまた、その1つだと考えられます。
そこで今回は、「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しをテーマにして、使い方や敬語表現などについて、考察・ご紹介していきます。
「ご丁寧にありがとうございます」の使い方
まずは、「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しの、基本的な使い方について考察していきます。
「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しは、ビジネスシーンでは比較的頻繁に使われる言い回しの1つですが、具体的にはどのような場面で使われるのか、気になるところです。この機会に、「ご丁寧にありがとうございます」という言葉の使い方や、使用するシチュエーションについて、確認しておきましょう。
電話
「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しを使用するシチュエーションの1つとして、電話でのやり取りが考えられそうです。相手からわざわざ連絡をもらったり、詳細な報告の電話をもらったりした際などに、「ご丁寧にありがとうございます」というフレーズを使用することもあります。
また、より丁寧に表現したい場合は、「ご丁寧にご連絡いただき、ありがとうございます」といった言い回しへと、言い換えて使用することもあると考えられます。
就活
就活においても、「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しを使用するシーンがあると考えられます。特に、企業から丁寧な対応をしてもらった時などに、「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しを使用すると考えられそうです。
しかし、就活では、より丁寧な言動が求められるケースもあります。そのような場合は、言葉を付け加えるなどし、「この度は、大変ご丁寧なご対応をしていただき、ありがとうございます」などの言い回しへ、言い換えた方が良いケースもあるでしょう。
「ご丁寧にありがとうございます」の敬語
冒頭でも述べたように、社会人は敬語や丁寧な言葉遣いでのやり取りが、必須だと言われています。そのため、「ご丁寧にありがとうございます」というフレーズについても、敬語や丁寧な言葉遣いへの言い換えをする必要があると言えるでしょう。そこで続いては、「ご丁寧にありがとうございます」の敬語への言い換えについて、考察していきます。
結論から言うと、「ご丁寧にありがとうございます」という表現も、十分丁寧な言い回しだと言えそうです。しかし、より丁寧に表現したい場合は、「ご丁寧に」と「ありがとうございます」の間に、何に対してのお礼の言葉なのか、相手にしてもらったことなどを入れることをおすすめします。
その際に、「ご連絡をいただきまして」や「お電話をいただきまして」といった言葉を敬語で付け加えることで、「ご丁寧にありがとうございます」を敬語で使用することができると考えられそうです。
目上の人への使い方
続いては、目上の人に対して「ご丁寧にありがとうございます」を使用する場合の、使い方について考察していきます。
目上の人に対して、「ご丁寧にありがとうございます」という言いまわしを使う場合も、上記でご紹介したような、敬語表現や丁寧な言い回しを心掛けることをおすすめします。
また、「ご丁寧に」ではなく、「ご丁寧な○○、ありがとうございます」といった表現にした方が、より丁寧かつ感謝の気持ちが伝わりやすいという見解もあります。一例としては、「大変ご丁寧なご指摘、ありがとうございます」「ご丁寧なアドバイスをいただき、ありがとうございます」といった言い回しが考えられそうです。
「ご丁寧にありがとうございます」の類語
ここまで、「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しの使い方に注目して、さまざまな視点から考察してきました。「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しは、ビジネスシーンでもそのまま使えることが多い上に、使用できる範囲が幅広い、大変便利な言い回しです。
しかし、便利だからと言って「ご丁寧にありがとうございます」を多用していると、会話ややり取りがワンパターンになり、マンネリ化の原因となることもあるでしょう。
そこで続いては、言い換え表現として使える可能性もある、「ご丁寧にありがとうございます」の類語をご紹介していきます。
わざわざ
「ご丁寧にありがとうございます」の類語の1つとして、「わざわざありがとうございます」という言い回しが挙げられます。
「わざわざありがとうございます」という言い回しは、相手の労力や行動などに対して、労わるようなニュアンスが含まれている言い回しだと考えられ、単純に「ありがとうございます」と述べるよりも、相手への気遣いが伝わりやすい言い回しであるとも言えそうです。
しかし、言い方や使い方によっては、「わざわざ」の部分が嫌味のように感じられる可能性もあると言われています。ですから、使い方に注意するべき言い回しでもあると言えるでしょう。
あたたかいご対応
「あたたかいご対応、ありがとうございます」という言い回しも、「ご丁寧にありがとうございます」と似たような意味やニュアンスを持つ言い回しだと、考えられそうです。
「あたたかいご対応ありがとうございます」という言い回しには、相手の対応や言動に対する、お礼の意味が込められています。ですから、「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しを、相手の言動に対する感謝の言葉として使う場合は、「あたたかいご対応ありがとうございます」もまた、類語に含まれると考えられそうです。
「ご丁寧にありがとうございます」の返信方法
続いては、「ご丁寧にありがとうございます」という言葉を、自分ではなく相手が使ってきた場合、自分からはどのような返事や返信をすれば良いのか、考察していきます。
「ご丁寧にありがとうございます」と言われた時の返し方がよくわからないという方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
お役に立てたなら幸いです
「ご丁寧にありがとうございます」と言われた場合、「どういたしまして」と返すことには抵抗があるという方も、いらっしゃるでしょう。上記のような場合は、「お役に立てたようで幸いです」「○○様のお役に立てたなら幸いです」といった返事の仕方もあります。
「ご丁寧にありがとうございます」が、何に対してのお礼の言葉なのかにもよりますが、上記のような返し方であれば、目上の人に対して使用することも可能だと考えられそうです。
また何かございましたら
相手から「ご丁寧にありがとうございます」と言われた時の返し方の1つとして、「また何かございましたら、お申し付け下さい」といった返し方もできると、考えられそうです。
上記でご紹介したパターンと同様に、「ご丁寧にありがとうございます」という言葉が、どのような行為に対しての言葉なのかにもよりますが、自分の対応や言動に対しての言葉だった場合は、「また何かございましたら、仰ってください」などの言い回しで返事をすることも、可能となっています。
「ご丁寧にありがとうございます」は嫌味なのか
「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しは、丁寧な言い回しだと言われています。しかし、人によっては、嫌味や皮肉だと受け取る方もいらっしゃるでしょう。
そこで続いては、「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しが、嫌味なのかどうか、考察していきます。
言い方
言い方や状況、態度によっても、「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しが嫌味になるのかどうかは、変わると考えられます。
例えば、相手の指摘やアドバイスに対して、深々と頭を下げたり、しっかりと相手の目を見て話したりしながら、「ご丁寧にありがとうございます」を使用した場合は、嫌味だとは思われにくいでしょう。
一方で、相手の指摘などに対して、不機嫌そうな口調や不満そうな態度で「ご丁寧にありがとうございます」と言えば、嫌味や皮肉として受けとられてしまいがちです。
ですから、「ご丁寧にありがとうございます」を使用する場合は、言い方や態度に注意する必要があります。
「ご丁寧な」と言い換える
先述でも触れましたが、「ご丁寧に」という言葉を、「ご丁寧な」と言い換えると、嫌味や皮肉になりにくいと言われています。
ですから、「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しを使用すると、嫌味や皮肉だと受け取られてしまいそうな可能性がある状況では、「ご丁寧な○○、ありがとうございます」といった言い回しへと、言い換えて使用した方が良いケースもあると言えそうです。
「ご丁寧にありがとうございます」は便利な挨拶
いかがでしたでしょうか。今回は「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しをテーマにして、使い方や類語、返信方法などについて、考察・ご紹介しました。
「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しは、使用できるシーンが大変幅広く、さらに丁寧な言い回しとなっているため、便利なフレーズだと言えます。しかし、言い方や使い方次第では、皮肉や嫌味に受けとられる危険性もあるため、使い方をよく考える必要がありそうです。
この機会にぜひ、「ご丁寧にありがとうございます」という言い回しの使い方などを理解して、適切に使えるようにしておきましょう。