「ご相談させてください」の使い方・返信方法・敬語|ビジネス

ビジネススキル

「ご相談させてください」の使い方

「ご相談させてください」とは、相手に本当に相談することがある場合に加え、頼みごとがあるときや、許可を得たいときなどに使われます。「ご相談させてください」は丁寧語なので、目上の人を含め、「丁寧に対応した方が良いと考えられる人間関係」の人に対して使います。

友人や後輩、身内の人間に対しては、「相談させてほしいことがある」という程度の言葉遣いでも構いません。また、「ご相談させてください」は目上の人に使っても、失礼にはあたりませんが、ある程度親しい関係の人に限った方が無難です。

ビジネス

「ご相談させてください」は、ビジネスの会話でもよく使われています。本当に相談する必要がある場合もあれば、相手とのネゴを取りたい、交渉をしたいという場合にも使われます。「ご相談させてください」は丁寧語なので、目上の人に使うこともできますが、付き合いの浅い取引先あいてなどに対しては、あまり使わない方が良いでしょう。

「ご相談させてください」は、ビジネス上、少し困ったことが起きたときに、相手の判断を仰ぎたいときなどに使われます。例えば納期が間に合わない場合、正式な申し出の前の事前交渉として、以下のように申し出ることがあります。

「ご相談させてください」を使った例文

〇〇様にまず、ご相談させてください。実は、お約束の納期が先の震災の影響でどうしても守れそうにありません。鋭意努力はしておりますが、お約束の日に8割納品させていただき、翌日残りの2割を納品という形にさせていただくことは、可能でしょうか。」

この例文では、会社としての正式な申し入れをする前に、取引先担当者に事前の根回しをしておきたいという状況を想定しています。「ご相談させてください」としながらも、相談内容のあらすじを描いたうえで申し入れています。

メール

メールの文面で「ご相談させてください」を使う場合も、会話の場合と同じく、相手はある程度親しい間柄である必要があります。会社を代表してメールするような正式文書には、「ご相談させてください」は相応しくありません。会話の場合と同じく事前のネゴを必要とするような場合に、担当者レベルで申し入れをする際に「ご相談させてください」という形で申し入れます。

「ご相談させてください」という文言は、申し入れる内容の直前に記載します。「ご相談させてください」と申し入れている通り、相手からの回答を促す文章も必要となります。「〇日までに回答をいただきたい」と記載するのが一般的です。

「ご相談させてください」を使ったメール例文

ご相談させていただきたい事案が発生してしまいました。
先日の打ち合わせで決定した作業手順ですが、一部手配の間に合わない材料があり、手順の入れ替えが必要となっております。
〇月〇日に予定していた作業と翌日に予定していた作業を入れ替えさせていただければ、作業全体の遅れは発生せずに済むことが判明しております。
貴社の立ち合い予定も、〇月〇日と翌日の担当の方を変更していただかなければなりません。この手順変更で同意いただけるか、別の対応策を検討すべきか、お手数をお掛けしますがご教示いただけますようお願いいたします。

「ご相談させてください」の返信方法

「ご相談させてください」と記載されたメールを受け取った場合、本当に相談を持ち掛けられていることもありますが、多くの場合は判断を委ねられている内容になっていると考えられます。

判断を委ねられているメールの場合は、「Yes/No」で回答できる内容になっている場合が多いので、自分の回答として相手の提案を受け入れられるか、否か、もしくは妥協点があるのかを返信します。

「ご相談させてください」から始まる、本当の相談メールだった場合は、相談内容に真摯に応えてあげましょう。

返信の際の注意事項

「ご相談させてください」とされるメールに返信する場合は、「新規メール」としてではなく、メールソフトの「返信」機能を使って返信しましょう。メールソフトの設定にもよりますが、一般的には「返信」機能を使うと、もとのメール本文が引用される形でメールの文中に残ります。

引用メールの先頭に「以下の件については、特に問題ありません」とか「以下の件は、弊社としては受け入れがたいので、再度調整が必要です」のように回答すれば、受け取った相手も、何の件について回答を受けたのか明確に判断できます。

返信時の「件名」は変えないのがマナー

返信メールの「件名」は、「返信」機能で自動的に設定される内容のままにしましょう。「件名」を任意の件名に変えてしまうと、メールを受け取った側がスレッド管理として、元メールに関連する返信を一元管理しようとしている場合に、一元管理が自動ではできなくなってしまいます。

ビジネスメールの返信では、「ご相談させてください」という件に限らず、「返信」機能で自動付与される「Re:」と元の件名のまま、件名を変えないのがマナーになっています。

「ご相談させてください」の敬語

「ご相談させてください」は、丁寧語表現なので敬語の一種です。元の言葉は「相談する」です。「ご相談」というのは、「相談」に謙譲表現としての「ご」を付加した言葉であり、目上の人に対し、自分が相談するという行為を謙譲表現にした言葉です。「ご相談」に続く「させてください」は敬語の中の尊敬語の表現になります。

「相談するという自分の行為」を「相手がさせてくれる」という構成になっており、謙譲語+尊敬語の構成で正しいことになります。

謙譲語

「ご相談させてください」の「ご相談」は謙譲表現であり、自分の行為を目上の相手に伝える際の活用として正しい使い方といえます。謙譲表現を使わない場合は、「相談させてください」となります。相手が親しい相手の場合は謙譲表現を使わない表現でも、相手としても違和感は覚えないでしょう。

目上の相手でも、身内や友人に近い先輩などの場合は、謙譲表現を省いて「相談させてください」とした方が、すっきりと聞こえる場合もあります。

丁寧語

「相談させてください」の「させてください」は、「させてくれる」の尊敬語とされています。しかしながら、「ください」という言葉が丁寧語として用いられることも多いことから、「させてください」では尊敬語として受け取れないという人も少なからずいます。

堅い言い回しをした方が相応しいと考えられる、あまり親しくない目上の人に対しては、「相談させてください」ではなく、別の尊敬語を使った方が無難です。「相談させてください」を別の尊敬語に活用するのではなく、別の言葉に言い換えて使うのも良いでしょう。

ご相談があります

「ご相談させてください」の代わりに「ご相談があります」と言っても、表現したい内容は変わりません。「ご相談があるのですが」と口火を切るのも一つの方法です。この場合、「ある」が目上の人に対して使うのにふさわしくないと気になるようなら、「ある」の部分を尊敬語に変換しましょう。

「相談がある」の敬語表現

「相談がある」ことを伝える際には、「ご相談にあがりたいのですが」や「ご相談したいことがございます」などが使えます。ただし、日ごろから気心が知れている人ではない目上の人に、何かの申し入れを行う場合は、「ご相談」というあいまいな表現自体があまり相応しくありません。明確に「ご検討いただきたいことがございます」などと伝えた方が適切です。

「ご相談させてください」は正しい日本語なのか

「ご相談させてください」は、先にご紹介したとおり、敬語としての構成も日本語の文法として正しく、日本語として破たんしているところはありません。

「ご相談させてください」が日本語として正しいのか不安に感じる人は、「謙譲語」と「尊敬語」の組み合わせに違和感を感じているか、通常「相談」として使っている言葉に「ご」という接頭辞を付けることに違和感があるのでしょう。

「ご相談させてください」を上手く使おう

「ご相談させてください」は、相談内容や打診しようとしている提案内容を伝える前の、クッション言葉の一種としても使える、会話を進めやすくできる言葉です。特に目上の人などは「相談がある」と言われると、頼られている気がするので、悪い気はしません。

交渉を円滑に進めたい場合などに、「ご相談させてください」をうまく使って効果的にビジネスを進めましょう。

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