覚えておこう!「お心遣いいただき」の正しい使い方
「お心遣いいただき」というフレーズは、ビジネスシーンや公の場でのコミュニケーションにおいて、頻繁に使われる言い回しだと言えるでしょう。そのため、「お心遣いいただき」という言い回しを使用したことがある方や、見聞きしたことがある方も、少なくないと考えられます。
しかし、「お心遣いいただき」という言い回しの、正しい使い方について、理解していると自信を持っている方は、意外と少ないと予想できます。身近な表現であるからこそ、曖昧な理解のまま、放置してしまいがちです。
そこで今回は、「お心遣いいただき」という言い回しをテーマにして、基本的な使い方や目上の人への使い方、敬語への言い換えや例文などを、考察・ご紹介していきます。
「お心遣いいただき」の使い方
「お心遣いいただき」という言い回しは、どのようにして使えば良いのか、使い方に自信がないという方も、少なくないでしょう。
そこでまずは、「お心遣いいただき」という言い回しの基本的な使い方について、考察していきます。
メール
「お心遣いいただき」という言い回しは、メールの挨拶などでも、使われることが多い言い回しの1つです。
「お心遣いいただき」という言い回しをメールで使用する場合は、相手が何らかの気遣いを自分に対してしてくれたり、相手から心遣いを受けたりした際に使用されることが多いと考えられます。
一例としては、体調を心配された場合や、日程やスケジュールなどを気にしてもらった場合などに、「お心遣いいただき有難うございます」といった言い回しで使用すると考えられそうです。
ビジネス
冒頭でも述べたとおり、「お心遣いいただき」という言い回しは、ビジネスシーンでよく使用される言い回しです。そこで続いては、ビジネスでの使い方について、考えていきます。
ビジネスで使用する場合は、特に目上の人や敬意を払うべき相手に、気遣ってもらった場合に使用するケースが多いと考えられます。
一例としては、上司などに家庭や体調、プライベートのことなどを気遣ってもらった場合や、クライアントなどにスケジュールについて心配してもらった場合などが挙げられます。
「お心遣いいただき」の例文
続いては、「お心遣いいただき」の例文をご紹介していきます。例文を確認することで、「お心遣いいただき」という言い回しの、より具体的な使い方を学ぶことができるでしょう。
また、「お心遣いいただき」の言い回しや使い方のバリエーションが広がる可能性もあります。「お心遣いいただき」を使用した例文を確認して、より実践的な使い方を覚えましょう。
ありがとうございます
「お心遣いいただき」という言い回しとともに使われるフレーズとして、最もメジャーなものの1つに、「ありがとうございます」という言い回しが挙げられます。「お心遣いありがとうございます」という言い回しは、相手の気遣いや心配りに対する、感謝を表現したい場合に使われることが多いと考えられそうです。
・日程の件、お心遣いいただき、ありがとうございます。
・お心遣いいただき、ありがとうございます。お蔭さまで無事に納品することができました。
・お心遣いいただき、ありがとうございました。
恐縮です
「恐縮です」という言い回しもまた、「お心遣いいただき」とともに使用されることが多い言い回しの1つです。「恐縮です」という言い回しは、目上の人などに対して使われることが多い言い回しだと考えられ、有り難いものの畏れ多いときなどに、使われるとされています。
・私の体調までお心遣いいただき、恐縮です。
・こちらのスケジュールにもお心遣いいただき、恐縮です。
・お心遣いいただき恐縮ですが、誠に有難うございます。
感謝いたします
「ありがとうございます」という言葉を、より丁寧な表現へと言い換えると、「感謝いたします」という言い回しになると言われています。そのため、目上の人などに、より丁寧に気遣いに対する感謝を述べたい場合は、「お心遣いいただき感謝いたします」という言い回しで使うこともできると考えられます。
・この度は、お心遣いいただき、感謝いたします。
・スケジュールについてお心遣いいただき、感謝いたします。
・家庭の事情についてお心遣いいただき、感謝いたします。
「お心遣いいただき」の敬語
敬語でやり取りすることは、社会人のマナーと言えるでしょう。そのため、「お心遣いいただき」という言い回しも、上司や目上の人などに対して使用する場合は、敬語にする必要があります。
そこで続いては、「お心遣いいただき」という言い回しの敬語表現について、考察していきます。
「お心遣いいただき」はそのままでも丁寧な表現
「お心遣いいただき」という表現は、そのままでも十分丁寧な表現だと言えるでしょう。
「お心遣い」という言葉は、「心遣い」という言葉に、丁寧な意味を持つ「お」が付け加えられた形だと考えられます。また、「いただき」という言葉も、「もらう」などの言葉の謙譲語だとされています。
そのため、「お心遣いいただき」という言い回しは、既に敬語表現の1種であると言えそうです。
前後の文章を丁寧にする
上記では、「お心遣いいただき」という言い回しは、言い換えなどしなくても、既に十分丁寧な表現であるとご紹介しました。しかし、前後の文章が丁寧なものや敬語でないと、完全に丁寧な表現であるとは言えないでしょう。
「お心遣いいただき」の前後に繋がる文章を、敬語や丁寧な表現にすることで、上司や目上の人が相手でも通じる、丁寧な言い回しになると言えそうです。
「お心遣いいただき」の目上の人への使い方
続いては、目上の人に対して、「お心遣いいただき」を使用したい場合、どのように使用すれば良いか、考察していきます。
上司や取り引き相手、クライアントやお客様などは、敬意を払うべき相手だと言えます。そのため、正しい言葉遣いや丁寧な言葉遣いで接することがマナーだと言えるでしょう。ですから、「お心遣いいただき」という言い回しの、目上の人に対する使い方についても、覚えておくことをおすすめします。
心配されたとき
目上の人に対して「お心遣いいただき」というフレーズを使用するシチュエーションの1つとして、目上の人や上司から、自分のことを心配されたときが挙げられます。
仕事の進捗やスケジュール、体調やプライベートのことなどについて、目上の人が心配したり気遣ってくれたりした時に、「お心遣いいただきありがとうございます」といった形で、感謝の気持ちを伝えることが可能です。
また、相手との間柄や相手の地位によっても、使用する感謝の言葉は変わってくると考えられます。気心が知れた上司であれば、「お心遣いいただきありがとうございます」という言い回しを使用した方が、自然なやり取りができるでしょう。
しかし、より地位の高い相手や敬意を払うべき相手に対しては、「お心遣いいただき、誠にありがとうございます」「お心遣いいただき、御礼申し上げます」といった言い回しの方が良いケースもあると考えられそうです。
提案されたとき
目上の人に対して、「お心遣いいただき」という言い回しを使用するケースとして、相手から自分の身を案じた提案をしてもらったり、自分のためになることを提案されたりした時も、考えられます。
目上の人が、自分のためになることを提案したり、自分のことを心配した提案をしたりした時は、相手の心遣いに対して、「お心遣いいただき、ありがとうございます」といった言い回しで、感謝の気持ちを伝えることもあるでしょう。
「お心遣いいただき」は丁寧で便利な言い回し
いかがでしたでしょうか。今回は、「お心遣いいただき」という言い回しをテーマにして、基本的な使い方や例文、目上の人への使い方や敬語表現などについて、考察・ご紹介しました。
「お心遣いいただき」という言い回しは、丁寧な言い回しとなっており、目上の人や敬意を払うべき相手に対しても使用できる、大変便利な言い回しです。目上の人などが、自分のことを心配してくれたり、気を遣ってくれたりした際に、感謝を伝える言葉として使用されることが多いと考えられます。
ですから、「お心遣いいただき」という言い回しの意味や使い方などをこの機会に覚えておき、正しく使えるようにしておきましょう。