「平素よりお世話になっております」の意味と使い方・敬語・例文

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「平素よりお世話になっております」の意味や使い方

「平素よりお世話になっております」というフレーズが使われながら挨拶されているのを誰もが一度は聞いたことがあるはずです。それでも「平素よりお世話になっております」にどんな意味があるのか正しく理解していなければ、間違った意味で挨拶してしまう可能性があります。

そんな失敗を避けるためにも「平素よりお世話になっております」にどんな意味が含まれているのか詳しく紹介します。わかりやすく理解すると「平素よりお世話になっております」を「平素より」と「お世話になっております」の二つの部分に分解して考えてみましょう。

「平素より」の意味

「平素よりお世話になっております」の初めの部分である「平素より」という言葉には「常日頃から」という意味が含まれています。ちなみ「常日頃から」という言葉の類義語に「いつだって」や「いつも」というフレーズがあります。

そのため「平素より」という言葉で、日常的に何かをしていたり、いつも何かを感じていたことを表現するのにふさわしいことがわかります。それでも「いつだって」と言われるよりも「平素より」と言われた方があらたまった形でで考えが表現されているように感じます。

「お世話になっております」の意味

「平素よりお世話になっております」の後半部分である「お世話になっております」には直訳すると「面倒を見ています」という意味があることになります。なぜなら、お世話には「面倒を見る」おりますには「います」という意味が込められているからです。

しかし、基本的には「お世話になっております」という表現は、継続的に相手と自分との関係が続いている場合に用いられることが多いです。つまり「お世話になっているので感謝しています」という意味が「平素よりお世話になっております」の背後にあることがわかります。

ちなみに「いつも、お世話になっております」も「平素よりお世話になっております」もほとんど同じ意味を伝えています。それでも「平素よりお世話になっております」のほうが、改まった雰囲気や特別感を生み出すことができます。

メールの文頭で使う

メールの中でも「平素よりお世話になっております」というフレーズを上手に取り入れることができます。例えば「平素よりお世話になっております。この度は、営業時間の変更に伴い、改めてご連絡差し上げます」という文章を作成することができます。

メールを送っている相手と普段から良い関係を築いていて、これからも良い関係を築きたいと望んでいる時に「平素よりお世話になっております」を最初に使うと非常に効果的です。「普段からお世話になっています」という意味を文頭に含めて、普段の相手の対応に対する感謝を含めた文章だからです。

手紙の中の使い方

手紙で「平素よりお世話になっております」というフレーズを使いたいのであれば、かなり重要な内容を本文に書く場合にする必要があります。取引先の人に何らかの不都合によって迷惑をかけてしまった時に、手書きの手紙を送りたいとします。

本文は非常に重要な内容のため文頭の部分で「平素よりお世話になっております」と書き記すことによって、取引先の人に対する心からの感謝の気持ちを伝えることが大切です。その後謝罪の文章を取引先の人が読んでいる時にも、謝罪文を受け取りやすく感じてくれるからです。

社内ではあまり使わない

基本的には社内のメールや電話をしている時に「平素よりお世話になっております」を使うことはほとんどありません。非常に堅苦しいイメージを与えてしまいかねないからです。もちろん、間違った文章を使っているわけではないものの「なんでこんなに堅苦しいんだろう」と周りの人に違和感を与えてしまう文章になります。

そのため、もし社内の人へのメールや電話で「平素よりお世話になっております」と同じ意味を伝えたいのであれば「お疲れ様です」や「こんにちは」などの普通な挨拶を使用することをおすすめします。

例外として、大きな会社の他の部署に所属している、あまり信頼関係が構築されていない人に対してメールや電話をしているのであれば「平素よりお世話になっております」と言ったとしても、それほど違和感はありません。

「平素よりお世話になっております」の敬語とは

「平素よりお世話になっております」は既に敬語が使用されているため、他の敬語に言い換えるのは難しいとされています。それでも「平素よりお世話になっております」の他の敬語での言い方を習得すれば、語彙を増やすことにつながります。

「いつもお世話になっております」

「平素よりお世話になっております」よりも少しだけ親しみ深い言い方として「いつもお世話になっております」というフレーズがあります。「平素より」を「いつも」という言葉に言い換えただけです。しかし、それだけでも聞いている人は、親しみ深い印象を持ってくれます。

敬語で話さなければならないものの、堅苦しいイメージを相手に与えたくない時に「いつもお世話になっております」という挨拶から会話始めると良いです。自然な敬意を相手に示しながら本題に入ることができるからです。

「おります」で深い敬意が示される

「平素よりお世話になっております」であったとしても「いつもお世話になっております」であったとしても文の最後の部分に「おります」が使用されているため、敬語が成立します。「おります」は「います」の敬語です。

ただの「います」でも確かに敬語が使われているものの「おります」で、より深い敬意を相手に対して示すことが可能になります。かなり目上の人と会話をしている時には「おります」を使用することを忘れないように注意しましょう。

「平素よりお世話になっております」の例文とは

「平素よりお世話になっております」の含まれている例文をマスターすれば、自分の会話や文章の中に自然と「平素よりお世話になっております」を取り入れることができるようになります。ビジネスマナーを守った言葉遣いができるようになるために「平素よりお世話になっております」の使われた例文について詳しく紹介します。

拝啓と一緒に使う方法

ビジネスメールを送る場合に限って「拝啓」と「平素よりお世話になっております」を一緒に使うことをおすすめします。そもそも「拝啓」には「謹んで申し上げる意」という意味が含められています。

そのため、手紙の一番最初の部分に「拝啓」という文字を書くことによって、相手に対する深い敬意を示すことが可能になります。「拝啓」で正式な挨拶をした後に「平素よりお世話になっております」を使えば、挨拶+普段の感謝を敬意を込めながら示せています。

お客様に対して

お客様に対して「平素よりお世話になっております」を使えるようになるのは非常に大切なことです。普段自分の会社が提供しているサービスや製品を使っているお客様に、深い感謝の気持ちを伝えることができるフレーズだからです。

直接面識がなかったとしても、自分の会社の商品を愛用している人は、普段からお世話になっている人とみなすことができます。そのようなお客様に対して「平素よりお世話になっております」で正式に感謝を示せば、相手も快く感じるに違いありません。

「平素よりお世話になっております」の言い換え表現

「平素よりお世話になっております」を言い換えた表現を使えるようになれば、自分が感じていることを的確に表現することができるようになります。相応しい敬意を込めながら円滑なコミュニケーションを取るためにも「平素よりお世話になっております」の言い換え方を知るのは大切なことです。

平素より大変お世話になっております

「平素よりお世話になっております」を「平素より大変お世話になっております」というフレーズに言い換えることができます。お気づきのとおり「平素よりお世話になっております」の文章の間に「大変」という言葉を加えただけです。

しかし「平素より大変お世話になっております」で「普段から本当にお世話になっております」という普段から抱いている感謝の気持ちを強調することが可能になります。いつも頻繁にやり取りをしている取引先の人に対して効果的に使用することのできるフレーズです。

平素よりご愛用いただき誠にありがとうございます

「平素よりご愛用いただき誠にありがとうございます」でも深い感謝を示すことができます。しかし、この場合は「ご愛用」していただいている、つまり、自分の会社の製品を相手が使っている場合に限って使用することのできるフレーズです。

「平素よりお世話になっております」よりも、相手に感謝をする理由を明確にしているため、話を聞いている人もなんで感謝されているのか理解しやすいフレーズです。

「平素よりお世話になっております」で敬意を示す

普段からお世話になっている人に対して感謝をすることのできるフレーズは数え切れないほどあります。しかし、深い敬意を示しながら感謝をするのは難しいことです。使い慣れていない言葉を使用しなければならないからです。

「平素よりお世話になっております」を上手に会話の中に取り入れれば、品格と感謝の両方を一つの文章で表現することができるようになります。普段からお世話になっている取引先の人、お客様に対して相応しい敬意を示すことができる大人になれます。

「平素よりお世話になっております」や紹介された例文を上手に使って、緊張する場面でも上手なコミュニケーションを取れるようになりましょう 。

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