「考える」の敬語
「考える」という言葉の敬語表現について、「思う」という敬語表現との違いや類語、例文などをご紹介します。「考えるという言葉の敬語について考える前に、敬語表現とはどのようなものなのかを考えてみましょう。
敬語とは、話している相手が目上の人の場合などに「相手を立てる」時に使う表現になります。敬語の種類には3つの要素があり、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」というようにわけて使われていることが多いです。
「尊敬語」は目上の人を立てるために使われ、「謙譲語」は自分がへりくだる表現として使われています。「丁寧語」は相手に対して丁重に「です」「ます」を使って述べる表現方法です。
では「考える」という言葉の敬語表現について、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の要素に分けて、それぞれ考えてみましょう。
謙譲語
「考える」という言葉の「謙譲語」の表現にはどのようなものがあるのでしょうか。「考える」という言葉の「謙譲語」表現として適切なものはありませんが、「考える」という意味を「謙譲語」にして表現することはできます。
「謙譲語」とは敬語の中でも、自分をへりくだらせて相手を立てるという表現方法ですのでポイントを抑えておくと良いでしょう。
「考える」という事を「謙譲語」表現にする時は「検討いたします」「拝察する」といったように使うと良いのではないでしょうか。
尊敬語
「考える」という言葉の「尊敬語」の表現にはどのようなものがあるのでしょうか。「考える」という言葉を「尊敬語」にする場合、相手を立たせるために使う表現であるという事を覚えておきましょう。
「考える」という言葉を相手の方に置き換えて使う場合に「尊敬語」は用いられます。
「考える」という事は「尊敬語」に置き換えると、「お考えになる」「ご高察くださる」といったように表現されます。相手に考えて欲しいという場合は「考える」という言葉を使わずに、「ご検討ください」というように使うと良いのではないでしょうか。
丁寧語
「考える」という言葉の「丁寧語」の表現にはどのようなものがあるのでしょうか。「考える」という言葉を「丁寧語」にする場合は、「です」や「ます」をつけることで表現することができます。
「考える」という事を「丁寧語」にすると「考えます」となりますので、他の敬語表現よりも難しく考えることなく「丁寧語」に置き換えることができるのではないでしょうか。ビジネスシーンなどでは、基本的な話し方として「です」「ます」を使った表現が多くみられます。「丁寧語」表現も大切ですが、その他の表現方法についても考えると良いでしょう。
「考える」の類語
「考える」という言葉には、置き換えても使用することができる類語がいくつもあります。
「考える」という言葉を敬語で表現する際には、「考える」以外の言葉も知っておくことで、敬語表現の幅も広がりますし、さまざまな場面で使う事ができるため、覚えておくと良いのではないでしょうか。
「考える」の類語についてご紹介しますので、どのような使い方や意味があるのかを参考に、「考える」という言葉について考えてみましょう。
思う
「考える」の類語として、「思う」という言葉があげられます。「思う」とは、ある事柄に対して感情をを抱いたり、意識を持つという事を意味しています。「思う」という言葉と「想う」という言葉は似ていますが、「想う」を使う場合はある対象に対して頭の中でイメージする事であり、慕っている相手を求めるような場合に使われます。
慮る
「慮る」は、「あれこれと思いをめぐらす事」や「考慮する」といった意味で使われる言葉です。相手の事や周囲への影響などを考え合わせるなどを「慮る」という言葉で表現します。「考える」という言葉よりも、もう少し深く心情などを絡めて使うといった言葉といえるのではないでしょうか。
考案
「考える」の類五として、「考案」という言葉があげられます。「考案」という言葉には、「工夫をこらして考え出す」といった意味があります。
ただ単に「考える」という言葉で表現するようなものではなく、発明やデザインなどを「考える」という場合には「考案」という言葉を使うと良いでしょう。
発想
「発想」は「考える」の類語として使われる場合があります。「物事を考えだす」という事を意味している「発想」は、「考える」という言葉でも表すことができます。ただ「考える」というのではなく、新しい思いつきなどをした場合は「発想」という言葉で表現してみましょう。
推しはかる
「考える」の類語表現として、「推しはかる」というものがあります。「推しはかる」という言葉は、物事に見当をつける時に使うのが一般的で、「推測」と同じように使われる言葉です。「推しはかる」という事も「考える」という事の一種であり、類語として置き換えることもできるのではないでしょうか。
企む
「企む」も「考える」の類語表現といえるのではないでしょうか。「計画する」という意味も含んでいますが、良くないことを計画するということでも「企む」という言葉は使われています。「よくないことを考えている」という場合には、「考える」ではなく、「企む」という表現を使っても良いでしょう。
思案
「思案」も「考える」という言葉の類語表現として使うことができるのではないでしょうか。「考えをめぐらせる」事を「思案」といいますが、基本的には「心配する」という事や「物思い」などのような表現にも「思案」という言葉は使われています。
案じる
「案じる」という言葉には「さまざまな事を考える」といった意味もありますので、「考える」の類語表現といえるのではないでしょうか。その他の意味には「思い悩む」や「心配する」などといった相手に対して「考える」事が含まれています。
着想
「着想」とは、「物事を遂行するための考え」などのような意味があります。「アイデア」や「思いつき」といった意味でも「着想」という言葉が使われていますので、「発想」と似たような意味で使われることの多い言葉といえるでしょう。
「考える」と「思う」の敬語の違い
「考える」と「思う」の敬語表現の違いについて考えてみましょう。二つの言葉は類語ではありますが、敬語表現になると少し違った使い方をする場合があります。そのような時の敬語表現の違いをしっかりとマスターしておきましょう。
「考える」の敬語表現の場合は、尊敬語、謙譲語、丁寧語、の順に「お考えになる」「拝察する」「考えます」となり、「思う」の場合は、順番に「お思いになる」「拝察する」「おもいます」となっています。
「考える」の敬語を使った例文
「考える」の敬語を使った例文にはどのようなものがあるのか考えてみましょう。
前向きに
「前向きに」を使った「考える」の敬語表現の例文はどのように使われているのでしょうか。「考える」という言葉を「検討する」という言葉に置き換えて「前向きに検討いたします」というように表現することができます。
再度
「再度」という言葉を使うという事は、一度断られていることも考えられますので、強い気持ちを込める事も大切です。「再度ご検討賜りますようお願い申し上げます」というように使ってみましょう。
「考える」の敬語の意味がある熟語
「考える」の敬語表現として使われている熟語にはどのようなものがあるのでしょうか。「考える」という言葉を置き換えた熟語には「検討」や「考慮」「拝察」などがあり、尊敬語表現では「ご検討ください」のように使われることが一般的です。
「考える」の敬語の使い方
敬語の「考える」という言葉は、口頭とメールでは使い方が異なります。どのような違いがあるのかご紹介しますので、「考える」の敬語表現を知るための参考にしてみてください。
口頭
口頭での「考える」の敬語表現にはどのような言い方があるのかご存知でしょうか?「どのようなお考えをお持ちですか」や「もう一度ご検討いただけないでしょうか」というように話し言葉の場合は使われています。
メール
メールでの「考える」の敬語表現は話し言葉とは異なっていますので注意しましょう。「~の件につきましてはご高察のとおりかと存じます」や「お喜びのことと拝察し、心よりお祝い申し上げます」などといった文面で使われています。
「考える」という言葉について深く知ろう
「考える」という言葉の敬語表現についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。「考える」という言葉ひとつにさまざまな表現が含まれています。敬語表現をする場合、「考える」という言葉を置き換えて使われているため、敬語の表現方法を多く知ることは重要なことといえるでしょう。
ビジネスシーンなどでも敬語表現は使われる機会の多いものですので、自分の思いを伝えるための敬語表現やマナーなどを、今回の記事を身につけると良いのではないでしょうか。