「お誘い」の使い方
「お誘い」という言葉は実に多くの場面で使われる慣用句的な表現であり、特にビジネスシーンでも多くの場面で使われ、それぞれの場面において適切な敬語表現を使って相手に示すことが求められます。
「お誘い」という言葉の意味はもちろんその字面のとおり、「自分の特定の事情によって相手を誘うこと・自分の用事に付き合ってもらうこと」などを指しますが、この場合の誘い方にもいろいろな表現方法がうかがえます。
「お誘い」が使われるタイミング
先述しましたように、「お誘い」という言葉が使われる主なタイミングとしては、「相手を自分の用事に付き合わせる形で誘うこと・呼び掛けること」などを指し、特に「相手の事情に配慮した上で失礼のないようお誘いすること」が課されます。
この場合はまず「いかがでしょうか」などとその語尾において「相手の事情へきちんと配慮する言葉掛けをすること」が大切で、主にビジネスシーンではこの相手への細かな配慮の有無によって、その人の社会的マナーが問われるため注意しておきましょう。
メール
電子メールで相手へのお誘いをすることも非常に多くの場面で見られます。いわゆる「お誘いメール」というもので、この場合も必ず「相手の事情・用事にきちんと配慮する形で伝えておくこと」が大切になります。
また、逆にお誘いされた場合でも「相手の事情」に配慮しておき、特にお断りする際には「相手に失礼のないようしっかりフォローする文言を入れておくこと」が大事です。
敬語
「お誘い」という言葉をよく見てみると、すでに「御(お)」という尊敬語・謙譲語に冠される接頭辞が付けられているため、この「お誘い」という言葉は普通にビジネスシーンでも使うことが可能です。
基本的に「御(お)」という接頭辞は尊敬語表現において使われることが多いですが、この「お誘い」の場合に付けられる「御(お)」の場合は「自分の相手の立場をさらに一段上に見立てる際に使われるへりくだりの姿勢」によって付けられているため、謙譲語表現として十分通用します。
ビジネス
ビジネスシーンでこの「お誘い」という言葉が使われる際には、先述しましたように、まず「相手の事情への配慮」を先に伝えておくことが大切になります。いきなり「行きませんか」という形で相手に要求する場合には、その相手によっては「やや強制的な要求」として捉えられる場合があるため、事前の事情確認が必ず大切になります。
・本日のご予定はいかがでしょうか。もしよろしければ、今夜にでも○○レストランへご一緒しませんか。
・今夜のご予定を教えていただけますでしょうか。もしよろしければ喫茶店にでもご一緒しませんか。
・今週末のご予定がもし空いておられれば、ぜひ○○博物館へ一緒に行きませんか。
このように、先に相手の事情に配慮した文面を入れておき、相手にそれなりの安心を与えた上で「自分の要求」を伝える方法がベターになります。
手紙
先述で「メール」の場合での「お誘い」の用例をご紹介しましたが、この手紙の場合でもその基本的な内容・ルールは変わりません。「お誘い」の旨を伝える際には必ず「相手の事情への配慮」を先にしておき、その上で「自分の要求」を語り掛けるようにしましょう。
・今度の会議にはぜひご一緒したいのですが、ご予定などはありますでしょうか。
・もしよろしければカラオケにお誘いしてもよろしいでしょうか。
・来月のスケジュールが空いておられましたら、○○ゴルフカントリークラブへお誘いしたいのですが。
「お誘い」の例文
さて、先述でも「お誘い」に関する例文・用例をご紹介してきましたが、ここではさらに具体的な「お誘い」という言葉を使った例文をいくつかご紹介します。お誘いする・される際の状況を想定して、その際にどのように対応をするかを十分考慮しておきましょう。
・せっかくお誘いでしたが、その日はあいにくスケジュールが入っております。誠に申し訳ございません。
・もしご予定がないようでしたら、皆さんとご一緒しませんか。
・もし可能でございましたら、喫茶店にお誘いしたく存じます。
お誘いいただき
「お誘いいただき」という表現も「お誘い」を使う際には非常に多く見られる表現として認められます。
・この度はお誘いいただき、誠に感謝申し上げます。
・この度はゴルフにお誘いいただきまして、とても楽しいひと時を過ごさせていただきました。
・兼ねてよりお誘いいただき、今でも常々感謝しております。
お誘い受ける
「お誘いを受ける・お受けする」という言葉・用言も、この「お誘い」という言葉を使う際には非常に多くの場面で使われています。
・この件につきましてお誘いをお受けいたしますことは、まったくわたしにとって光栄であります。
・このようにお誘いをお受けいたしまして、感激しております。
・先日にお誘いをお受けいたしました映画の件ですが、本日はやむにやまれぬ事情がございまして、誠に申し訳ございせんが後日に改めさせていただいてかまわないでしょうか。
「お誘い」の類語
日本語を勉強する際にはその「覚えるべき言葉・表現」の関連語をワンセットで覚えることが実に効果的です。その関連語の類には類義語や対義語が含まれており、特に類義語の方を先に覚えておくことによって「いろいろな場面で柔軟に表現を使い回すこと」ができるでしょう。
招聘(しょうへい)/招き/お招き/招待/ご招待/お呼び/招致/招来(しょうらい)/誘惑/呼応/呼ぶ/ご一緒する/随行する/手招く/勧誘する/誘導する/呼び寄せる
上記の言葉が「お誘い」の類義語として一般的にピックアップされますが、どの言葉の意味合いにも「相手を自分の事情によって呼び寄せる・随行させる」などの姿勢が含まれます。
「お誘い」と「お招き」の違い
「お誘い」と「お招き」の違いについてですが、言葉の用途を眺める上ではどちらの言葉も「一方の人が他方の人の所へ行く」という意味合いをもって、同じ意味合い・用法の言葉として認められます。
しかし、「お招き」という言葉の意味合いには「お招きいただきまして」などの用法をもって「自分が相手の所へ行く」という意味が強く含まれる場合があり、この場合では「お誘いする」という「相手が自分の方へ来る」という意味とは真逆の意味合いとして認められます。
「お誘い」の英語表記と意味
「お誘い」という言葉を英語に直す場合、それぞれの英単語の意味合い・用法に配慮した上で以下のようにピックアップされます。
・invite(誘う、招き入れる、お誘い)
・bid(誘う、招く、呼ぶ、お誘い)
・beckon(招致する、招く、呼ぶ、お誘い)
・call out(呼ぶ、呼び出す、お誘い)
・summon(招集する、招く、お誘い)
・entice(お誘い、誘い掛ける、呼ぶ)
・solicit help(誘う、募集する、お誘い)
・ask(尋ねる、依頼する、お誘い)
・request(要求する、誘う、お誘い)
・call in(呼び入れる、招く、お誘い)
「お誘い」の英語表現と意味(1)
先でご紹介しました「お誘い」の英語表記を参考にして、「お誘い」の意味合いを含めた英語の例文をいくつかご紹介します。
・Next week, I would like to invite you to an amusement park if I am free.
「来週ですが、もしお暇でしたら遊園地へお誘いしたく存じます。」
・Can I invite you to a movie if you are free tomorrow?
「明日、お暇でしたら、映画にお誘いしてもいいですか。」
・I would like to invite you to the restaurant if you have any schedule today.
「本日におきまして、ご予定が空いておりましたらレストランにお誘いしたいのですが。」
「お誘い」の英語表現と意味(2)
先述しました「お誘い」の英語表現に引き続き、さらに具体的な「お誘い」の例文をご紹介します。
・If you are free, I would like to invite you to an amusement park, but if the schedule of tomorrow or the day after tomorrow is available, I would be pleased if you could contact us today.
「もしお暇でしたら遊園地にお誘いしたいのですが、明日か明後日のご予定が空いておりましたら、本日中にご連絡いただければ幸いです。」
・I am sorry that I have not been able to attend the meeting since I was invited.
「せっかくのお誘いをいただきましたのに、ご一緒できなくて申し訳ございません。」
「お誘い」の正確な意味と用法を覚えましょう
いかがでしたか。今回は「お誘い」の使い方・例文・類語・お招きとの違い|メール/敬語と題して、「お誘い」の使い方・例文・類語・お招きとの違い|メール/敬語についての詳細情報のご紹介をはじめ、いろいろな場面で使われる「お誘い」の用例についてご紹介しました。
「お誘い」という言葉・表現はビジネスシーンや日常生活において多くの場面で使われており、ほとんどの人にとって日常用語として認められる慣用句的な表現となるでしょう。しかし、よく使われている言葉であるからこそ「適切な表現」を忘れてしまう傾向が見られるため、日頃から「日常用語」の適切な敬語表現を練習しておくことが大切です。