「読んでください」の敬語を知ろう
「読んでください」は普段の会話の中で数え切れないほど使うフレーズの1つです。しかし、たくさん使うフレーズであれば、正確な使い方ができていないと「読んでください」を間違った仕方で使用してしまう可能性があります。
そんな失敗を避けるためにも「読んでください」の正しい敬語表現についてこれから詳しく紹介します。
尊敬語
「読んでください」を尊敬語に言い換えるためには、後半部分に使用されている「ください」を他の表現に変える必要があります。「ください」は「くださる」にして、尊敬語を作ることができるため「読んでくださる」が尊敬語になることがわかります。
もちろん「読んでください」では、相手が読むように命令をしている文章です。そのため「読んでくださいませんか」という質問を使うことによって同じような意味を持たせることができます。
どちらであったとしても、相手に特定の文章を読んでもらうことができるように促している文章のため、同じような場面で使用することができます。
丁寧語
「読んでください」の丁寧語を作成するのは非常に簡単です。というより「読んでください」がすでに丁寧語が使われているため、何も変更させる必要はありません。正しい敬語なので、心配することなく使用することができます。
しかし、一般的に丁寧語よりも尊敬語や謙譲語の方が敬意を示すことができるため、かなり目上の人と会話をしている時には丁寧語よりも尊敬語や謙譲語を使うことを心がけると良いです。
しかし、普段からかなり親しい関係のある職場の上司にと会話をしているのであれば「読んでください」をそのまま使ったとしても何の問題もないはずです。むしろ、堅苦しすぎるイメージを与えずに済むので非常に便利なフレーズです。
謙譲語
「読んでください」の謙譲語がなにかを理解するのは非常に難しいことです。なぜなら「読んでください」の「ください」の謙譲語だと言い切れる言葉が、あまりないからです。 しかし「読んでください」また「読んでくださる」よりも深い敬意が示すことのできるフレーズを見つけることができます。
それは「ご一読ください」です。「読んでください」と違う点は「読む」という動詞が「ご一読」に変えられていることです。「ご一読ください」は誰もが理解する言葉であるものの、この言葉を聞いている人は自分に対して深い敬意が示されているのを感じることができます。
もし、普段の生活から会社の社長や上司と会話をすることが多いのであれば「ご一読ください」というフレーズを取得しておく必要があります。そうすれば、相手の立場にふさわしい敬意で表現することができるようになるからです。
「読んでください」の使い方
「読んでください」の正しい敬語について理解することができていても、使い方に精通しているとは限りません。なぜなら、状況によって「読んでください」の使い方が微妙に変わってくることがあるからです。
ビジネス
特にビジネスの場面での言葉遣いは非常に重要です。「読んでください」を使用しようとしても、一緒に使用することのできる文章を迷ってしまったり「この言葉は取引先の人にとって失礼にならないかな」と心配になってしまうこともあるからです。
ビジネスでの「読んでください」の使い方を紹介します。
後半に他の文章を使用する
「読んでください」をビジネスの場面で使用するためには工夫をしなければなりません。「読んでください」だけだと相手を上から目線で指示をしているようなイメージを与えてしまいかねないからです。
例えば「ご一読いただければ幸いです」のように、後半の部分に 他の文章を使用することをおすすめします。もちろん「ご一読ください」だけでも正しい敬語が使われているため、相手が不快になることはほとんどありません。
それでも「ご一読いただければ幸いです」のように回りくどい言い回しではあるものの、最後に自分の気持ちを含めて相手を強制しているようなイメージを与えなくて済みます。
手紙
これから「読んでください」を手紙の中でどのようにして使用することができるのかについても紹介します。手紙のような書き言葉にすると相手が理解する意味と自分が伝えたい意味が異なってしまうことがあるため十分注意が必要です。
お読みいただければと存じます
手紙の中であったとしても「読んでください」を使用することはできます。でも「お読みいただければと存じます」の方がはるかに深い敬意が示されていて、手紙を受け取った人も違和感なく手紙の内容に集中することができます。
「お読みいただければと存じます」を使用しながら手紙を受け取った人が特定の文章を読むように促すことが可能です。
しかし、時間がある時に読んでほしいと感じているのであれば「お手すきの際にお読みいただければと存じます」というフレーズを使用して、無理のない仕方でお願いをすることが大切です。
「読んでください」の言い方
「読んでください」の言い方について理解することは大切です。言い方を少し変えるだけでも相手に優しい印象を与えることができるからです。これから「読んでください」の言い方について詳しく紹介します。
質問に変えると良い
「読んでください」をかなり強い口調で言われたとしたらどんな気持ちになりますか。ほとんど全ての人が「怒られている」「命令されている」という印象を受けるはずです。自分が会話をしている目上の人がそのような気持ちにならないためにも「読んでください」を質問に変えると非常に良いです。
例えば「読んでくださいませんか」「読んでいただけませんでしょうか」のような質問の敬語表現に変えることができれば、相手は命令をされているような気持ちになりません。質問をすることによって選択肢を提供することができているからです。
「読んでください」の言いかえ方法
「読んでください」を会話の中で使うことに抵抗があるのであれば、言いかえ方法についても理解しておく必要があります。「読んでください」をどのようにして他のフレーズに言いかえることができるのか詳しく紹介します。
目を通す
「読んでください」という直接的な言い方がされるよりも「目を通してください」のような言い方をされた方が敬意が深く示されているようなイメージを受けます。なぜなら「目を通す」で「読む」と同じような意味を伝えることができているものの、比喩的な表現が使われているからです。
すぐに読んでもらうために命令をしなければならないとしても「目を通してください」や「目を通していただけませんか」のような言い方をすれば、相手も快く読んでくれることでしょう。
「読んでください」の言い回し
「読んでください」の言い回しを変えるだけでも相手に与える印象が異なってきます。「読んでください」をどんな言い回しにしたらよいのか詳しく紹介します。
ご一読くださいませ
「読んでください」は「ご一読ください」と言い換えられることをすでに紹介しました。 そして「ご一読ください」の言い回し方を少しだけ変更して「ご一読くださいませ」というフレーズを作成することができます。
お客様と会話をしている時にも「ご一読くださいませ」と言えば、深い敬意を示すことが可能になります。しかも、なぜか「ませ」を文末につけるだけで「いらっしゃいませ」のようにお客様に対してふさわしい接し方をしている印象を与えることができます。
接客業に従事している人にとって欠かすことのできないフレーズが「ご一読くださいませ」です。いざという時に使うことができるようにしっかり覚えておきましょう。
「読んでください」の敬語でお願いする
部下に対してお願いするのは簡単であったとしても、職場の上司やお客様などの目上の人に対してお願いをするのは非常に気を使うことです。
それでも、この記事の中で紹介された「読んでください」の正しい敬語表現を会話の中に取り入れることができれば、相手に不快な気持ちを与えることなくお願いをすることができるようになります。
普段から上司とのやり取りが多かったりお客様とのコミュニケーションが多い人にとって「読んでください」の敬語は習得しておくべき表現になります。
では「読んでください」の敬語表現を自然に自分の会話の中に取り入れることができるように工夫していきましょう。