「一報」の意味
「一報」という言葉の基本的な意味合いは「簡潔に伝えられる報せ」や「短文で伝える内容」のことなどを指し、長々と書かれた内容や、とても多くの情報を指す際には使われません。
しかし現代ではこの「一報」と言う場合でも、「それなりに長い文面」を指したり、あるいは「まとまった文書内容・情報」を指して言う場合があるため、従来の使われ方とはその用法が変わってきている傾向が見られます
簡潔な報せのこと
先述でもご紹介しましたように、基本的に「一報」という言葉の意味は「短い、簡潔に伝えられる報告・情報」のことを指して言われます。
しかし、時代が経つにつれて「言葉の使われ方やその意味合いに変化が訪れている」という言葉そのものの使われ方の変遷が見られるため、言葉を覚える際には時流に沿った覚え方が必要になるでしょう。
「一報」の読み方
「一報」の読み方についてですが、これはそのまま「いっぽう」と読んでかまいません。
日本語には当て字や造語などのように、「むずかしい読み方をさせる漢字・熟語」などが散見されることがあるため、1つ1つ言葉や表現を覚える際には「その言葉の読み方を正確に覚えること」が大切になります。
「一報」の例文
日本語を覚える際にも外国語を学ぶ場合でも、それぞれの言葉や表現を実際に使って覚えるという「実践的な学習方法」がとても大切になります。
その際には例文を使って覚えたり、あるいは会話表現においてそれぞれの言葉の活用方法を学んだりすることが大切で、それによって1つ1つの言葉をスムーズにいろいろな場面で使い分けることができるようになるでしょう。
一報入れる
「一報を入れる」という言葉・表現は「一報」が使われる際に非常によく使われる慣用句的な表現として認められており、そのため非常に多くの場面でこの「一報を入れる」という表現を見ることができるでしょう。
・過去の記録をお知らせするために、○○さんへ一報を入れておきました。
・今週末の会議について、○○氏へご一報を入れておいてください。
・論文作成方法について、今度のゼミナールでご紹介しますので、ぜひお友だちにもご一報をよろしく入れておいてください。
一報ください
「一報ください・ご一報ください」という表現も、「一報」を使う際には非常に多くの場面で見られる言葉になります。この場合は言葉どおりに「話者が一報を受け取る側」になります。
・その件につきまして、可能でありましたら、明日中にご一報ください。
・新しい事業計画につきましては、本日中にご一報ください。
・家庭訪問の期間につきまして、今週中にご一報くださると幸いです。
一報する
「一報する」という表現は、話者がその行動の主格となるため、「何らかの特定の報告を相手に伝える」という内容がメインとなります。
・会議録の作成の件について、○○氏にご一報する必要があります。
・事業プランとそのプロセスについて、ぜひ彼に一報する検討をしてください。
・あらゆるできごとについてA機関に一報することは、どんな場合でも大切なことになります。
一報まで
「一報まで・ご一報まで」という表現も「一報」が使われる際には非常に多く見られる言葉であり、この場合は「とにかく、その件についての一報だけは入れてください」というやや強い期待・希望や、「一報を入れてくれればそれでよい」とする姿勢が隠れています。
・その件の変更に際しましては、とりあえずご一報までよろしくお願いいたします。
・その件につきましては、このアドレスへのご一報まで、よろしくお願いいたします。
・とりあえず、明日の会議への出席のご一報までよろしくお願いいたします。
一報を伝える
「一報を伝える」という表現は「一報」という言葉をまず名詞扱いにした上で、「その一報をそっくり相手に伝える」という表現になります。
・その件につきましての一報をお伝えしておきました。
・彼が本日休むという一報を伝えておいてください。
・運動会が中止になった件について、どうぞご一報をお伝えください。
「一報」の使い方
先述でもご紹介しましたように、この「一報」という言葉の活用方法は場面やその(一報する)対象によって、さまざまな形に分かれてきます。
この「一報」という言葉の表現方法は主に「場面・場合・相手によってその表現方法が変わる」という性質を持つため、それぞれの場面において適切な表現方法を身に付けておく必要があります。
メール
電子メール・ビジネスメールにおいてこの「一報・ご一報」という言葉を伝える場合でも、基本的に先述でご紹介しました「一報・ご一報」の扱い方・用法と変わりません。
・その件につきましてご一報いただければ幸いです。
・ぜひ、会議録の内容につきまして、明日中にご一報ください。
・もし予定を変更されるようでしたら、その折りにご一報ください。
このように、「一報」という言葉は「何らかの特定の機会があれば、そのときに知らせてください」などと使われることが多く、この場合は「教えてください」という意味合いで使われる形になります。
敬語
「一報」という言葉を含む表現をそのまま敬語表現に置き換える際には、まず「御(ご)」という接頭辞を付けて「ご一報」という形で表現するのが一般的です。この場合の「御(ご)」というのは尊敬語・謙譲語のどちらにでも使える敬語表現となるため、非常に多くのビジネスシーンでも普通に使われる敬語表現となります。
・ご一報ください
・お教えてください
・ご連絡ください
・ご一報くださると幸いです
・ご連絡いただければ幸いです
・お知らせください
基本的には「ご一報」を含め、「一報」の敬語表現は上記のように使われやすく、どの場合でも「知らせてください」という意味内容を持ち合わせます。
ご一報
先述でご紹介しましたこの「ご一報」ですが、「一報」という言葉が使われる際に最も多く置き換えられる敬語表現はこの「ご一報」となるでしょう。
・ぜひ、その件につきましてご一報ください。
・ご一報いただきましたら、すぐにお迎えに参ります。
・その企画につきましては、○○さまからご一報いただく手筈になっております。
ご連絡
「ご連絡」という言葉はこの「一報・ご一報」の代わりの言葉として使われる際にかなり頻繁に使われる表現となります。「一報・ご一報」の言葉の代わりに覚えておく表現としては、この「ご連絡」という言葉をインプットしておくとよいでしょう。
・その件につきまして、どうぞご連絡をください。
・今週末までにご連絡いただけるとありがたいです。
・ぜひ、本日中にご連絡を入れてください。
お知らせ
「お知らせください」という表現も先述の「ご連絡」の場合と同じく、どんな場面で使われやすい語調の緩やかな表現として認められます。
・ぜひその件についてお知らせください。
・その後の展開がどうなったかについてお知らせください。
・今週末のご予定をお知らせください。
お教え
「お教えください」という表現も先述しました「お知らせください」と同じく非常に多くの場面で使われる慣用句的な表現として認められます。
・その件についてお教えください。
・ぜひ、ご予定をお教えください。
・できましたら、あなたのご経験談をお教えください。
ご提示
「ご提示ください」という表現はその言葉のとおりに、「何らかの情報を相手に指し示すこと」を前提とするため、提出物を相手に示す際などに使われます。
・どうぞ免許証のご提示をお願いします。
・この契約を継続される際には、必要提出書類のご提示をお願いします。
・受験票を提示してください。
ご提出
「ご提出」と言う場合も先述の「ご提示」の場合と同じく、「何らかの特定の情報を差し出す・指し示す際に使われる慣用句的な表現」として認められます。
・書類をご提出ください。
・この期限までに、必要物品をご提出ください。
・住民票のコピーをご提出ください。
「一報」の類語
日本語を1つ1つ覚えていく際にはその覚えるべき言葉の関連語をワンセットで覚えることが効果的です。そうすることによって、さまざまな場面で適切な言葉をスムーズにチョイスすることができ、間違った表現をすることもなく、いろいろな言葉を使いこなすことができるようになるでしょう。この「一報」の類語もぜひインプットしておきましょう。
連絡/インフォメーション/情報/提示/情報提示/案内/通知/通告/通達/電話/伝言/通報/報知/報告/報道/ニュース/広報/布教/伝播/教える/伝える/便り/電報
上記の言葉が「一報」の一般的な類語としてピックアップされますが、どの言葉にも「何らかの意味・情報を相手に伝える」という姿勢・意味合いが含まれます。
「一報」と「二報」の違い
「二報」というのはこの場合、「第二報告」などの特定の情報提示の順番・順位を決める際に使われる言葉として認められ、「一報」の意味合いとは大きく違ってきます。「一報」の基本的な意味合いは「知らせる」ということがその根底にあるため、特に情報提示の際の順番・順序を決めるような働きはありません。
しかしこの「二報」というのは上記のとおり「第二報」や、「第一報」が来てからその次の情報という意味合いが含まれる以外に用途を持たないため、「一報」そのものの意味合い・用途とは大きく違ってきます。
「一報」の英語表記と意味
「一報」という言葉を英語に直す場合、それぞれの英単語の意味合い・用法に配慮した上で以下のようにピックアップされます。
・letter(手紙、文書、一報)
・epistle(書簡、手紙、一報)
・note(ノート、注意事項、一報)
・document(書面、書類、文書、一報)
・sentence(文章、一文、一報)
・personal correspondence(信書、個別連絡、一報)
・writing(手記、文書、一報)
・one report(1つの報せ、一報)
・notify(知らせる、一報する)
・contact(連絡、一報、接触)
・one word(1つの言葉、一報)
・touch(接触、接点、一報)
「一報」の英語表現と意味(1)
先でご紹介しました「一報」の英語表記を参考にして、「一報」の意味合いを含めた英語の例文をいくつかご紹介します。
・Well then, please do not hesitate to contact me by next week.
「それでは、来週までにぜひ一報ください。」
・For that matter, please contact us today.
「その件につきまして、本日中にご一報ください。」
・It will be appreciated if you inform us about the business plan.
「事業計画についてご一報くださると助かります。」
「一報」の英語表現と意味(2)
先述しました「一報」の英語表現に引き続き、さらに具体的な「一報」の例文をご紹介します。
・For the time being we plan to work on this business plan, but if any circumstances change beyond this point, please let us know as soon as possible.
「当面はこの事業計画案で業務を進めていくつもりですが、もしこの先に何らかの事情の変更があった場合には、できるだけ早期にご一報ください。」
・If it seems impossible for us to notify you today, I would appreciate your favor tomorrow.
「本日にもしご一報いただくことがご無理なようでしたら、明日中によろしくお願いいたします。」
「一報」の英語表現と意味(3)
先述の具体的な「一報」の英語表現に引き続き、今度はいろいろな場面で使われる「一報」の例文をご紹介します。
・Basically, the word “one report” is to “communicate some information to the other party”, so it is used in conjunction with the expression “contact”.
「「一報」という言葉は基本的に「何らかの情報を相手に伝えること」であるため、「ご連絡」という表現と併用されます。」
・The word “one word” is frequently used in business scenes and daily life.
「「一報」という言葉はビジネスシーンでも日常生活でも頻繁に使われています。」
「一報」の正確な意味と用法を覚えましょう
いかがでしたか。今回は「一報」の例文・使い方・類語・二報との違い|メール/敬語と題して、「一報」の例文・使い方・類語・二報との違い|メール/敬語についての詳細情報のご紹介をはじめ、さまざまな場面で使われる「一報」の用例についてご紹介しました。
「一報」という言葉は主にビジネスシーンでも日常生活でも頻繁に使われている慣用句的な表現として認められているため、その使われる場面は非常に多くの状況において認められます。
そのため、間違って「一報」の意味・用法を使ってしまう場合が出てくるため、日頃から十分配慮して「一報」の根本的な用法をインプットしておき、その上で相手に対して失礼のない表現を身に付けておくことが大切です。