「感心」の類語の使い方・敬語・「関心」との違い|相手別/ビジネス

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相手別「感心」の類語の使い方

「感心」には、「心に深く感ずること」「物事に感服して、ほめるべきだと思うこと」「ほめるべきであるさま」という意味があります。「感心」には、多くの類語がありますが、「感心」がどのような意味で使われているかによって、言い換え可能な意味の近い類語と、言い換えができない、使われている意味と異なるニュアンスを持つ類語があります。

その他、何に感心しているか、誰に感心しているかによっても、相応しい類語が異なります。ここでは、使う相手によって感心の類語として相応しい言葉をご紹介します。

目上

目上の人の行動などに感心したとき、「感心しました」とストレートに伝えると、なんだか上から目線の発言に聞こえます。感心の意味に含まれる「ほめる」という行為が、本来は目上の人が目下の人に向かって行うことであるので、「感心」も目上から目下へ使う言葉であるためです。

目上の人に「感心した」という内容を伝えたい場合は、「心酔」「憬れ」「尊敬」 などの類語がおすすめです。堅い文章の中で使う場合は、「傾倒」「讚美」「尊崇」「恭敬」「崇拝」「欽慕」なども類語として用いることができますが、堅い文章を書きなれていないと文章に組み込むのは、簡単ではありません。

目上の人に「感心した」と伝えたいときは

「〇〇さんのプレゼンにはとっても感心しました」とストレートに感心した旨を伝えると、相手の人は、ちょっと馬鹿にされたような気分になることがあります。それに対し、上司に、「君のスピーチは素晴らしかったよ。感心した」と言われれば、「ほめられた」と感じ、嬉しくなるのではないでしょうか。

では、上司の行為に感心したときは、どのように伝えれば、相手にもその気持ちが伝わるでしょう。類語の中から「尊敬」を選んで使ってみましょう。「○○さんのプレゼンは素晴らしくて、尊敬する思いが強くなりました」のように使うことができます。

また、無理に「感心する」の類語を用いなくても、感じたままを「素晴らしい」「素敵だ」「勉強になった」などと伝えれば、感心している気持ちを伝えることができます。

敬語での「感心」の類語

「感心する」という感情はポジティブなものですが、目上の人に使う言葉としては、評価的な見方が含まれてしまうため、相応しくありません。そのため、目上の人に対し「感心する」という感情を抱いた場合でも、そのまま伝えると失礼にあたります。別の言葉を使って、気持ちを伝えるようにしましょう。

目上の人に対しては、「感心する」ではなく、「感服する」「感銘を受ける」という類語を使った方が相応しいといえます。

感心しました

「社長のスピーチには大変感心しました」などという発言を聞いたら、なんだかとても偉そうなことをいう人間だと感じてしまいます。上から目線で、「社長もなかなかやるな」と言っているのと変わらないからです。このような場合は、「社長のスピーチには感服いたしました」と言えば、正しい日本語を使える人間として、周囲の人にも認知してもらえるでしょう。

なによりも、その発言を聞いた社長は喜んでくれることでしょう。「社長のスピーチに感銘いたしました」でも、相手を不快にすることなく伝えることができます。

「感心」の類語・関連語・連想語

「感心」には、先にもご紹介したように多くの類語があります。同じく「関連語・連想語」と言われる言葉もたくさんあります。先にもご紹介した「感服する」「感銘する」のほかにも、以下のような関連語や連想後があります。使う相手や状況に応じて、「感心する」の代わりに使用することができます。

・感に堪えない 
・自分が恥ずかしい 
・敬服する 
・すばらしい 
・舌を巻く 
・頼もしい 
・たいしたもの 
・一目おく
・高く評価する 
・まねのできない

「感心」の類語を使った例文

ここでは、「感心」の類語や関連語などを使った例文をご紹介します。ご紹介する類語を「感心」に置き換えてみると、全く同じ文として通じるか、どこかニュアンスが異なるのかなどを感じ取ることができます。

目上の人に使える類語

先にご紹介した「感服する」「感銘を受ける」のほかにも、「驚嘆する」「感に堪えない」なども目上の人に尊敬の念を込めて使うことができます。

・課長のスピーチには「敬服」いたしました
・部長の思いやりある行動は「感に堪えません」
・あまりの素晴らしさに「驚嘆」してしまいました
・社長のお言葉を感慨深く拝聴いたしました

目上の人に使うのは好ましくない類語

「感心」と同じように、ポジティブな気持ちを表現する言葉ながら、目上の人に対して使うと失礼にあたる類語もあります。ここでは、後輩や身内などに対して使えるものの、目上の人に対しては相応しくない「感心」の類語をご紹介します。

・あの身の振る舞いは、「見上げたもの」だよ
・あの発表内容は、「ただ者じゃない」と思ったよ
・短い間の成長に、「目を見張る」ものがあった

「感心」と「関心」の類語の違い

「感心」と「関心」は、同音異義語なので、発音はおなじ「かんしん」でも、意味はそれぞれ異なります。「関心」は、「心にかけること」「気がかり」「興味をもって、注意すること」という意味を持ちます。「感心」が「ほめる気持ち」の表れであるのに対し、「関心」は「興味がある気持ち」の表れです。

「感心」と「関心」では、文の中での使い方にも違いがあります。「〇〇さんに”かんしん”がある」と言えば、「関心」があてはまります。「感心がある」という言い方はしないからです。「〇〇さんに”かんしん”した」という場合は、「感心」があてはまります。「関心した」という日本語はないためです。

読み方は同じでも、意味も使い方も異なるので、当然類語として使える言葉も「感心」と「関心」では異なります。

「関心」の類語

「関心」の類語には「配慮」「気配り」「考慮」「心遣い」「留意」「興味」などがあります。「感心」の類語が「ほめる」という意味やニュアンスを持つ言葉であるのに対し、「関心」の類語は、心配りや興味に関する言葉になります。

「感心」の類語の使い方

「感心」に関しては、「この言葉が”感心”の類語だ」と知らなかったとしても、ほめる意味を持つ言葉であれば、類語として使うことができます。ただし、「ほめる」という意味には幾分でも「評価」に関する意味も含まれるので、目上の人に使う場合は、「評価」に関する意味が弱い言葉か、全く評価に触れない言葉を選択するようにします。

類語を選ぶときは、「感心」よりは「感動」に近い言葉を選択すると、目上の人に対して使える類語となります。

ビジネス

ビジネスでは、目上の人とそうではない人を明確に区別して、言葉を使う必要があります。短絡的に「よくわからないから、誰にでも敬語使っておけば無難」と考えるのは間違いです。

正確には、ビジネス上は目下の人に敬語の中の「丁寧語」を使うのは、問題ありません。むしろ、上品な社会人という印象を受けます。しかしながら、誰にでも「尊敬語」を使って話したり、「謙譲語」ばかり使っているのでは、「日本語をきちんと理解していない人」という烙印を押されてしまいます。

「感心」という一言を取ってみても、目上の人には「感服」「感銘」などの類語を使った方が相応しく、後輩などにはそのまま「感心」を使った方が、心が伝わります。

プライベート

プライベートの場でも、正式には目上の人とそれ以外の人とでは、言葉の選び方を変えるべきです。

しかしながら、目上の人にあたる人が「親しい先輩」のように気心が知れていて、ほとんど友だちのような関係であったり、自分の親だったりする場合は、「感心した」と伝えても、相手も失礼だとは感じず、純粋にそうした評価を嬉しく感じることでしょう。

「感心」が使えないときは類語をうまく使おう

ここまでご紹介してきたように、「感心」はポジティブな言葉であるにも関わらず、目上の人に対して使うのは相応しくない言葉です。それでも「感心した」と伝えたいときには、目上の人に対して使える類語で言い換えるようにしましょう。気持ちも伝わり、相手が不快な思いをすることもないのでおすすめです。

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