「送る」の謙譲語・尊敬語・丁寧語
物を届けるお仕事をしている皆さんが一番よく使う言葉は「送る」でしょう。正しい言葉遣いは取引先との信頼を築く上でとても重要です。どんなにプロフェッショナルであっても、言葉遣いが悪ければ周りから認められません。
今回は、プロフェッショナルの皆さんを完璧に近づけるために「送る」の謙譲語、尊敬語、そして丁寧語について説明します。
「送る」の謙譲語
「送る」の謙譲語は「送らせていただく」「お送りする」です。謙譲語は、自分の立場を下げることで、相手を高めて尊敬を表現する敬語です。なので、お客様や取引先の人と会話するときに絶対に使いたい敬語です。
謙譲語は自分を下げる表現なので、正しく使うととても謙虚に見えます。謙虚で勤勉に働く姿は、同僚から十分な信頼を得ることもできるでしょう。周囲の信頼を勝ち取って、キャリアアップにもつなげましょう。
「送る」の尊敬語
「送る」の尊敬語は「お送りになる」「送られる」です。尊敬語は相手の立場を上げて、尊敬を表現する敬語です。また、相手の動作に対して使う敬語なので、自分が「送る」場合には言いません。
尊敬語を正しく使えると、お客様や取引先の人はあなたにとても丁寧に接してもらえていると感じます。それが安心感につながり、あなたへの信頼感がぐっとあがるでしょう。
「送る」の丁寧語
「送る」の丁寧語は「送ります」です。丁寧語は、言葉を丁寧にする表現なので、誰にでも使えます。丁寧語は語尾に「です」「ます」を付けるだけなので、とても簡単です。謙譲語や尊敬語の使い分けがイマイチわからない人は、丁寧語を使いましょう。
ただ丁寧語は簡単に誰にでも使えるので、謙譲語や尊敬語に比べて尊敬の気持ちが薄くなってしまいます。丁寧語をマスターしたら、どんどん謙譲語や尊敬語にも挑戦してみてください。
「荷物を送る」の謙譲語
普段の生活の中で「送る」場面はたくさんあります。その中でも「荷物を送る」をピックアップして、謙譲語の使い方を説明します。
正しい謙譲語を使って、荷物を受け取った人を笑顔にできるようにしましょう。お客様の笑顔が仕事をする上で一番のモチベーションになります。
発送させていただきます
「荷物を送る」の謙譲語の一つ目は「発送させていただきます」です。「いただきます」というのが謙譲語の重要なキーワードです。
使い方としては、荷物を預かったときに「今日中に発送させていただきます。」とか「責任もって発送させていただきます。」という言い方があります。
送らせていただきます
「荷物を送る」の謙譲語の二つ目は「送らせていただきます」です。「発送させていただきます」は荷物に特化した言葉であったのに対して、「送らせていただきます」は荷物以外でも送るときに使えます。
使い方としては、「段ボール3箱送らせていただきます。」とか「書類を1通送らせていただきます。」です。
「送る」の謙譲語の使い方
「送る」の謙譲語を二つ紹介しました。これから、「送る」の謙譲語を三つのシーン別「ビジネス」「手紙」「メール」に分けて、さらに詳しく使い方を紹介します。
敬語は種類と使い分ける場面がたくさんあって、覚える気がうせてしまいます。ですが、難しくないので少しずつ覚えていきましょう。
ビジネス
ビジネスシーンでは、円滑なコミュニケーションが重要です。同僚ともスムーズにコミュニケーションをとるために、敬語を正しく使いこなしましょう。
職場で新人なら謙譲語で同僚に話すのはもちろんですが、他部署の人にお願いするときにも謙譲語で話しかけましょう。謙虚な言葉遣いは、話しかけやすい印象になります。普段から良いコミュニケーションを取っておくことで、急な事態が発生したときにでも全力で協力してもらえます。
- 私が現場まで送らせていただきます。
- 先日お預かりした商品をお送りいたしました。
- 会議の資料を送っていただけませんか?
手紙
重要な内容は文書として残して手紙などで送る場合があります。手紙で送る場合は、送ることを相手に知らせる必要があります。そのときに、適切な敬語を使って伝えるととても良いでしょう。
手紙を送る場合は、「郵送する」という言葉使えます。「郵送する」の謙譲語は「郵送いたします」です。使い方については以下にまとめたので、参考にしてください。
- 手紙をお送りします。
- A社に手紙を送っていただけますか?
- 書類を郵送いたします。
メール
相手にすぐに知らせたい内容がある場合は、メールを使います。メールは会話の内容が記録にも残るので、後から見直すことができて便利です。
メールでは相手の顔が見えない分、直接会話するときよりも言葉遣いに慎重にならなければなりません。ちょっとした間違いから大きな誤解を生んでしまうことがあります。なので、より丁寧な謙譲語であなたの誠意を見せましょう。
- 契約書のコピーをメールにて送らせていただきます。
- 目的地までの地図の詳細を送付いたします。
「送る」の謙譲語の例文
では、次に「送る」の謙譲語の例文について説明します。「送る」の謙譲語のうち「お送りいたします」と「お送りします」について紹介します。
仕事上、荷物を「送る」だけでなく、資料や手紙、メールなどたくさんのものを「送る」機会があります。じっくりと謙譲語の例文を見てみてください。
お送りいたします
「送る」の謙譲語の例文の一つ目は「お送りいたします」です。「お送りいたします」は次に説明する「お送りします」よりも丁寧な表現です。なので、上司や取引先、あるいはお客様に対して使うのがいいでしょう。
- イベントの出欠のリストをお送りいたします。
- A駅までお送りいたします。
お送りします
「送る」の謙譲語の例文の二つ目は「お送りします」です。「お送りします」は「お送りいたします」よりも弱めの謙譲語です。
「お送りいたします」が目上の人やお客様に対して使いたい謙譲語であったのに対して、「お送りします」はそこまでかしこまった表現を使わなくてもいい相手に使います。例えば、同期や年齢の近い先輩社員に対しては「お送りします」を使いましょう。
- 先ほどメールをお送りしたので、確認をお願いいたします。
- B社にサンプルをお送りしました。
「送る」の類語
「送る」の謙譲語は場面によって色んなバリエーションがありました。さらに普段、たくさんのものを「送る」機会もあります。「送る」ものによって他の言い方もできるので、これから「送る」の類語について紹介します。
納める
「送る」の類語の一つ目は「納める」です。「納める」はお金や物を相手に送るときに使います。
例えば「商品をお納めする」「代金をお納めする」です。いつも「送る」だけを使うより、他の言い方にしてみると、語彙力が豊かで知的な感じに聞こえます。単調な仕事でも、言葉遣いにバリエーションを加えるだけで、小さな変化が生まれてモチベーションが上がるでしょう。
運ぶ
「送る」の類語の二つ目は「運ぶ」です。「運ぶ」は自分や誰かが何かを動かすときに使います。
例えば「お荷物をお運びする」「食事を運んでいただく」です。誰かのために運ぶときに謙譲語の「運ぶ」を使う機会が多いです。重いものを持っているときに、誰かに運ぶのを手伝ってもらうととても嬉しいです。困っている人がいたら、丁寧な言葉遣いとともに優しい手を差し伸べましょう。
「送る」の敬語をうまく使いこなそう
今回は「送る」の敬語の種類から、シーン別での使い方と例文について説明しました。日常生活だけでなく、仕事をする上で「送る」を言う機会はたくさんあります。
「送る」の謙譲語の使い方をマスターすれば、いろんな場面で使うことができるので、ぜひ身に着けてください。最初はうまく言えなくても、コツコツ努力すれば必ず報われます。