「なるほど」の意味と使い方・敬語・失礼なのか・口癖の人の心理

ビジネススキル

「なるほど」の意味と使い方

「なるほど」という言葉は非常によく使われる言葉であり、ビジネスシーンでも日常生活でもとても多くの場面で普通に使われている慣用句的な表現として認められます。

「なるほど」という言葉の基本的な意味は、「相手の話に納得するとき・自分の考え方と同意であるとき」などに用いる、「相手の意見に賛同する表現・受容する言葉」として使われます。

「なるほど」の敬語

ビジネスシーンではいろいろな言葉を使う際でも、この敬語表現に置き換えて相手に伝える必要が出てくる場合があります。

この「なるほど」という言葉は一般的に敬語表現ではないため、相手や場面によっては適切な敬語表現に置き換えておき、相手に対して失礼のない適切な敬語表現として相手に伝える必要が出てきます。

おっしゃるとおりでございます

まず「なるほど」という言葉の代わりに非常に多く使われる敬語表現として、この「おっしゃるとおりでございます」という表現があります。

これはその言葉どおりに「相手の言うことに100%賛同する際に使われる表現」となり、どんな場面でも普通に使われる敬語表現として認められます。

・○○さまのおっしゃるとおりでございます。
・その件につきましては佐藤さまのおっしゃるとおりで、わたくしには何の異論もございません。
・おっしゃるとおりでございましたら、この件につきましては来週末に片付くはずでございます。

まったく同感です

「まったく同感です」という言葉もその表現どおりに、「相手の言うこと・考え方に対して何の異論もないこと」を示す、「100%合意する場合の表現」として認められます。この表現も「なるほど」と併用されて使われます。

・おっしゃられることにはまったく同感です。
・先日に承りました内容には、わたくしども、まったく同感でございます。
・まったく同感でございます上に、異論を唱える余地もございません。

同意させていただきます

「同意させていただきます」という表現も先述しました「まったく同感です」の場合と同じく、「相手の言うことに100%同意する・賛同できる際に使われる表現」となり、「なるほど」と言う場合に併用される言葉となります。

・その件につきましては、まったく同意させていただきます。
・先日に承りました件に同意させていただきました上は、今季の事業プランの見直しを計らせていただきます。
・受験制度の抜本的改革にはまったく同意させていただきます。

さようでございます

「さようでございます」という表現は「左様」という言葉の意味合いが活用され、「先に言われた内容にまったく同意です」という、この場合も「相手の言うことに100%同意・賛同する場合の表現」として扱われます。「なるほど」と言う場合とほぼ同じ意味合いになります。

・「この件につきましては、もう解決したはずです。」「さようでございます。」
・「○○さまでございますか。」「さようでございますが。」
・「わたしの役目はこれで完了しましたか。」「さようでございます。」

いかにもそのとおりです

「いかにもそのとおりです」という言葉の意味は基本的に「まったくそのとおりです」という内容を指し、この場合の「いかにも」という言葉の意味には「どのように考えても」という内容が含まれます。この「いかにもそのとおりです」という言葉も「なるほど」と言われる際に併用されやすい言葉であり、さらに賛同の意を強める働きを持ち合わせます。

・「資金援助はこれ以上続けられないのですか。」「いかにもそのとおりです。」
・「この事業プランにはこれらの資材が必要です。」「いかにもそのとおりです。」
・あなたの言われることはいかにもそのとおりですが、その前に、こちらのプランの検討と見直しが必要です。

丁寧語

一般的に丁寧語表現というのは「です・ます調」を接尾辞に付けた敬語表現として知られており、「なるほど」という言葉を使う際にも、主にその語尾に「です・ます」を付けて当たり障りのない表現に置き換える場合に使われています。

・なるほど、そうでございます。
・なるほど、おっしゃるとおりです。
・なるほど、そういうことですか。

丁寧語表現は基本的に「です・ます」を接尾辞に付けるだけでOKとなるため、謙譲語表現や尊敬語表現などと比べる際には、比較的、簡単な表現方法となるでしょう。

「なるほど」とは失礼なのか

場合によってはこの「なるほど」の活用は失礼になることがあると言われます。

その場合というのは基本的に、「なるほど」という言葉を連発し、相手の言うことをあまり聞いていない場合や、特にわかっていない(理解していない)のにわかった振りをして「なるほど」という言葉を多用してしまう場合を言います。

「なるほど」の例文

先述でも「なるほど」の例文をいつくかご紹介しましたが、一般的に日本語を覚える際にはこのように「例文や会話表現などにおいて、その覚えるべき言葉や表現を実際に使って覚える・学習する」という方法が最も効果的です。

・なるほどわかった、そのようにしてくれたまえ。
・なるほど、そういうことだったか。
・なるほどね、キミが言うとおりだよ。
・それは確かに、なるほど、と言えることだ。
・なるほど、それはごもっともだ。
・なるほど、そんな方法があったんですね。

このように、「なるほど」という言葉はお堅い表現から柔軟な表現まで隈なく使える言葉・表現として有名であるため、実にいろいろな場面でこの「なるほど」やそれに代わる表現が見られる(聞かれる)でしょう。

「なるほど」の類語

日本語でも外国語でも、それぞれの言葉を覚える際にはその言葉の関連語をワンセットで覚えることが重要で、それによっていろいろな場面で適切なボキャブラリーを増やしておくことができます。

そのために/確かに/見込みどおりに/納得/得心/想像どおりに/期待どおりに/想定どおりに/思ったとおりに/考えていたとおりに/間違いなく/道理で/どおりで/

「なるほど」の類語は一般的に上記の言葉や表現がピックアップされますが、それぞれの言葉・表現には「相手の言うことや特定のできごとに対して、自分が考えていたとおりの内容があった場合や、納得できる内容を見付けた場合」に示される同意の姿勢・意味合いが含まれます。

「なるほど」が口癖の人の心理

さて、先述では「なるほど」という言葉・表現そのものの意味や用法などについてご紹介してきましたが、ここからは「なるほど」とすぐ言う人の心理状態・心理的傾向についてご紹介します。

特に「なるほど」とすぐに言ってしまう人、状況によって「なるほど」と言う回数が増えてしまう人などは、この「なるほど」と言わせる心理的傾向をしっかり把握してみましょう。

相手の話を親身に聞いている

「なるほど」という言葉の基本的な意味合いには「相手の言うことに納得した際に使う言葉・表現」という意味的側面があります。

特に「相手の言った内容を親身になって聞き入れ、それに納得を得ようとしている場合」に使われる言葉として認められます。

この場合は特に失礼な態度は見られず、とにかく相手の話を真面目に聴く姿勢がきちんと備わっているため、その相手にとっても非常に気持ちよく会話をすることができるでしょう。

相手の言うことに納得したい

この場合も先述と同じく、「なるほど」の意味合いに基本的に含まれる「相手の話を親身になって聴こうとする真面目な姿勢」が含まれます。

とにかく「相手が何を話しているか」を真剣に聴こうとするあまり、「なるほど」と相槌を打って、さらに「相手の話から深い内容(骨子の内容)を得よう」とする際に見られる「なるほど」の使われ方になります。

相手との会話を早く終わらせたい

この場合はやや「なるほど」という言葉を(適時に)連発してしまう人の心理状態のご紹介になりますが、適当な箇所で「なるほど」をやや連発してしまう人の心理的傾向というのは、「相手との会話を早く終わらせたい」という、その場しのぎ的な「なるほど」の応用が見られます。

この場合は当然「相手に対して失礼な態度」となるため、その魂胆(暗黙の姿勢)が相手に伝わってしまった場合には、その相手はイヤな気持ちになってしまうことでしょう。

八方美人に見られたい

この場合も先述の「相手との会話を早く終わらせたい」場合に見られる失礼な「なるほど」の使い方になります。とにかく「なるほど」と言っておけば相手もその周囲にいる人に対しても、それなりの印象の良さを伝えることができると踏み、その上で「なるほど」を適時・適所に入れる形で使い分けます。

この際には、さらに「自分を良く見せよう」とする八方美人タイプの体裁繕いが目立つ傾向があり、「あなたの話をわたしはちゃんと聞いてますよ」という意識を常に「なるほど」という言葉によって相手に伝える仕草を見せています。

物事を無難に終わらせたい

この場合は「相手との会話を早く終わらせたい」場合と、「八方美人に見られたい」場合の「なるほど」の使い方がミッスクされた形になります。とにかく相手の話に興味がなく、その場しのぎ的な感じで「なるほど」をやや連発しておき、相手が「自分の話を聞いてくれている」と納得してくれる形にしておき会話を終らせようとします。

相手の話に興味がないため「早く会話を終らせよう」とする意思が働く傾向と、その上で「早く会話を終らせることによって自分の方もボロも出さずに体裁を繕える」という二重の暗算がその心理的傾向に生きていることになります。

何でも適当にしたい

この場合は「相手の話に興味がない」という心理的傾向はもとより、その他のことにもいまいち興味を持つことができない「散漫的な心境にある(心理的傾向にある)場合」の「なるほど」の使い方になります。

特にピックアップされるのは、ずっと心の中に別の悩み事がある場合に、その悩み事の方に気が取られる形で、それ以上の面倒くさいこと・対応しなければならないことをすべて排除したい心理的傾向が見られます。

連発するほど相手の話に興味がない

これは誰の言動にも見られる「なるほど」を使う場合の心理的傾向になりますが、「なるほど」を連発すればするほど、その相手の話に興味がない場合の特徴として見ることができる場合があります。

自分ではそれほど「なるほど」と言っていないつもりでも、周りから見ればかなりの頻度で「なるほど」を使っており、その会話に適当な見切りを付けて早くその場から立ち去ろうとする、きわめて強い「会話の打ち切り」を願う心理的傾向が表れています。

「なるほど」は失礼に当たることがある

先述では「なるほど」の意味・用法や、その使い方の心理的傾向などについてご紹介してきましたが、場合によってはこの「なるほど」の使い方がきわめて相手に対して失礼になることがあります。

この場合は主に、「なるほど」を連発して「相手の話に興味がないこと」を伝えてしまった場合があげられ、相手とのコミュニケーションを大事にしていない場合の「なるほど」の使い方がピックアップされます。

そのため「なるほど」という言葉をビジネスシーンで使う場合には、特に「なるほど」という言葉を使う頻度をあらかじめ抑えておき、必要なタイミングで使い分ける工夫をしておくことが大切になります。

「なるほど」の英語表記と意味

「なるほど」という言葉を英語に直す場合、それぞれの英単語の意味合い・用法に配慮した上で以下のようにピックアップされます。

・I see(なるほど、わかりました)
・understood(理解した、わかりました、なるほど)
・on the contrary(どおりで、それだから、なるほど)
・that is why(そうであるから、どおりで、なるほど)
・I feel like understanding(わかる気がします、なるほど)
・exactly(まさしく、そのとおりです、なるほど)
・indeed(確かに、正しく、なるほど)
・well(では、ああ、さて、なるほど)
・that’s right(そのとおりです、なるほど)
・I understand(理解します、わかります、なるほど)

「なるほど」の英語表現と意味(1)

先でご紹介しました「なるほど」の英語表記を参考にして、「なるほど」の意味合いを含めた英語の例文をいくつかご紹介します。

・Well, was that something like this?
「なるほど、それはこういうことだったのか。」
・As you are, you will not carry that baggage.
「なるほど(どおりで)君はその荷物を担げないわけだ。」
・Indeed, that is not appropriate.
「なるほど、それはふさわしくない。」

「なるほど」の英語表現と意味(2)

先述しました「なるほど」の英語表現に引き続き、さらに具体的な「なるほど」の例文をご紹介します。

・Indeed, I can understand what is said to be said, but such an idealism does not apply when looking over the business project this season.
「なるほど、そのように言われる内容は理解できますが、しかし今季の事業プロジェクトを俯瞰する場合、そのような理想論は通用しません。」
・Do you mean that you said “expected” about the matter, that is, need economic support?
「君がその件について「なるほど」と言ったのは、つまり経済的支援が必要ということですか。」

「なるほど」の英語表現と意味(3)

先述の具体的な「なるほど」の英語表現に引き続き、今度はいろいろな場面で使われる「なるほど」の例文をご紹介します。

・The word “I see” may be rude to the opponent if it occurs too frequently.
「「なるほど」という言葉は連発しすぎると、相手に対して失礼になる場合があります。」
・The word “I see” must be used in the appropriate scene.
「「なるほど」という言葉は適切な場面で使われる必要があります。」
・The succession of words “I see,” indicates a psychological tendency not interested in the other’s story.
「「なるほど」という言葉の連発は、相手の話に興味がない心理的傾向を示します。」

「なるほど」の正確な意味と用法を覚えましょう

いかがでしたか。今回は「なるほど」の意味と使い方・敬語・失礼なのか・口癖の人の心理と題して、「なるほど」の意味と使い方・敬語・失礼なのか・口癖の人の心理についての詳細情報のご紹介をはじめ、いろいろな場面で使われる「なるほど」の用例をご紹介しました。

「なるほど」という言葉は実に多くの場面で使われる言葉・表現として認められますが、しかしその頻度や場面のセレクトなどを誤ると、とたんに相手に対して失礼な言葉の使い方に変わることがあります。

特にビジネスシーンで「なるほど」という言葉を使い分ける場合には、「なるほど」と言う頻度をまず抑えておく形で、適切な場面で適度なタイミングを計る形で使うように心掛けておきましょう。

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