「ネゴシエーション」とは?
「ネゴシエーション」とは、英語の「negotiation」のことで、「交渉・折衝・通り抜け・切り抜け・(手形などの)譲渡・流通」を意味します。ビジネスシーンにおける「ネゴシエーション」とは、違う立場や役・利害関係にある双方が、共に納得できるゴールを目指して話し合うことです。
この記事では、「ネゴシエーション」の意味や効果を正しく理解し、様々なビジネスシーンで活用する方法をご紹介します。
相手の心理を読む力
「ネゴシエーション能力」を身につけることは「相手の心理を読む力」を身につけるということです。「ネゴシエーション」ではお互いに公平なメリットをもたらすことがゴールですが、交渉時において、お互いの心理状況は敏感なものになっています。
そのため、適切な言葉選び、表現、ジェスチャーなどにも十分に気を配らなければなりません。その上で、相手の要望や条件をよく聞きいて、相手の立場に立って話の要点を捉えることは、とても重要で解決の近道になります。
ネゴシエーションの目的と必要性
「ネゴシエーション」の目的と必要性を正しく理解し、ビジネスシーンに積極的に取り入れることで、交渉がスムーズに進み、より多くのメリットが見込めます。「ネゴシエーション」の目的として、相手の声をしっかり聞くことによって、交渉において最重要視している要望や条件がどこであるかを見極め、その内容について折衝し、自身の重要視している要望や条件を受け入れてもらうことです。
利害が対立する相手企業との折衝や、取引先との取引条件をめぐっての「ネゴシエーション」は必要不可欠なものになります。
ビジネスシーンにおける利害の衝突
ビジネスにおいて利害の衝突が生じた場合には、「ネゴシエーション」によって解決を図る必要があります。利益と損害が生じる場合、利害の衝突が起こる可能性があり、利害の衝突が起こる関係として、企業であれば取引先や顧客、従業員なども利害のある関係と言えます。
問題の解決方法が不明確なとき
ビジネスシーンでは問題解決方法が不明確であれば、お互いの主張をぶつけ合うだけになってしまい、信頼関係が崩れてしまうこともあります。そのような状況を避けるため、「ネゴシエーション」では、最終的にお互いに納得のできる取引ができるように「妥協点」を定め、どこまでそれぞれの要望に近づくことができるのかを見極めながら、時間をかけて話し合いを進めていかなくてはなりません。
ネゴシエーションで必要なステップ5つ
「ネゴシエーション」をする時のステップを5つ紹介します。効果的に話し合いを進めるためにも、どれも大切なステップですので、5つの項目を確認し、入念に取り組んでいきましょう。
ネゴシエーションで必要なステップ1:事前準備は完璧に行う
ネゴシエーションをするにあたり、何が対象なのか、問題点は何かを明確にし、それに対する完璧な準備をしましょう。準備もなく「ネゴシエーション」に挑むということは、武器を持たず、戦場に行くようなもの。
たとえば、交渉の場に一人で挑むのではなく、パートナーをつけることで、感情的になることを防ぐこともでき、「交渉人」と「決定権持つ人」で役割分担することで、交渉がスムーズに進むこともあります。
ネゴシエーションで必要なステップ2:条件と目的を相手にうまく伝える
「ネゴシエーション」が円滑に進まない理由の一つとして「条件と目的が相手にうまく伝えることができない」ことが挙げられます。相手に求める条件とその目的が不明確であったり、内容が噛み合わないと要点が伝わらず、相手を困惑させてしまうこともあります。
「ネゴシエーション」に挑む前には、相手に求める条件とその目的をまとめておきましょう。
ネゴシエーションで必要なステップ3:自分の主張ばかりを通さない
「ネゴシエーション」において、自分の要望や主張ばかりを押し付けないようにしましょう。「ネゴシエーション」をする時は相手との話し合いの中で「どこまで妥協できるか」「どこまで許せるのか」を把握しておく必要があります。
相手に妥協してほしいならば、こちらも妥協点の提案をするなど、「WIN-WIN」な関係を主張し、相手との信頼関係を崩さないように上手に折衝していくことが大切です。
ネゴシエーションで必要なステップ4:相手への敵対心を鎮める
「ネゴシエーション」の場には必ず平常心で挑み、相手への敵対心を鎮めましょう。「ネゴシエーション」において「勝ち負け」の意識が先行してしまうと、どうしても攻めの姿勢で交渉に挑むことになってしまいます。
ネゴシエーションとは本来、お互いが歩み寄って納得する解決手段のため、敵対心が効果的に働くことはありません。
ネゴシエーションで必要なステップ5:相手の意図を正確に理解する
「ネゴシエーション」では、とにかく相手の要望や条件をよく聞くようにしましょう。「ネゴシエーション」を成功させるには、相手が求める条件や目的を正確に理解することが大切であり、相手の立場に立って話の要点を捉えることは、なによりも重要なことです。
「じっくり話を聞く」というスタンスは「ネゴシエーション」には必要不可欠なもので、くれぐれも相手の話の腰をを折るようなことはせずに、時間をかけて話し合い、よりよい解決を目指しましょう。
ネゴシエーションについて学べるおすすめの本3選
私たちはビジネスシーンだけでなく、あらゆる生活の場面でネゴシエーションをしますが、お互いの利益がより多く引き出せるような結果を出せれば最高です。
業種や年齢を問わず「ビジネスや人間関係をを円滑に進めたい」と願う、すべての方にお勧めしたいネゴシエーションを学ぶための本3冊をご紹介します。
ネゴシエーションについて学べるお勧めの本1:ビジネス・ネゴシエーション入門
ネゴシエーション(交渉)があまり得意でない人や、どうしても好きになれない人でも、いつのまにかネゴシエーションが好きになり、能力が向上するよう基本的な考え方を解説しています。相手の出方に応じて対応する、日本的な交渉術を身につけることができる一冊です。
ネゴシエーションについて学べるお勧めの本2:プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中
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ネゴシエーションについて学べるお勧めの本3:相手から「必ずYESを引き出す」無敵の交渉術
かの有名な心理学者アドラーは「人の幸福度は9割人間関係で決まる」と言ったように、人生の成功者は良好な人間関係を築けているということです。交渉術を身につけて上手く活用すれば良好な人間関係を築くことはそれほど難しいことではありません。
交渉術を知り、使っていけば、あなたの人生は間違いなく変わるでしょう。人生を変えたいと願っているあなたに交渉術を教えてくれる一冊です。
ネゴシエーションのスキルの身につけ方を学ぼう
ネゴシエーションスキルを身につける方法として、3冊の参考になる本をご紹介しましたが、ネゴシエーションスキル習得のためには、実践も必要になってきます。ネゴシエーションにおいて「相手の話を聞く」が一番重要だと頭ではわかっていても、相手の話から、相手の正確なニーズをつかむのは難しいもので、双方が納得する解決が難しいこともあります。
しかし、失敗を恐れずに意思の疎通を図ろうと努力し、もしも失敗した場合には原因を考え、振り返ることが重要です。そうすることで、あなたのネゴシエーションスキルはより高くなり、良い交渉結果を得られるようになるでしょう。