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2019年09月25日

のれん償却・のれん非償却における仕訳メリット・デメリット8つ

のれんとは何なのか、のれんの償却は行うべきか否か、のれんの償却を行うことのメリットとデメリット、会計基準や税務上の処理を行う際に必要になる処理を説明しました。のれんの償却を行う場合メリット・デメリットを正しく理解しましょう。

のれん償却・のれん非償却における仕訳メリット・デメリット8つ

のれんとは

皆さんは、M&A取引を行う際に生じるのれんについてご存じでしょうか。M&Aにおいて発生するのれんとは、被買収企業の厚生純資産額と買収価格の差額の事を指します。

のれんには、通常ののれんのほかに正ののれん、負ののれんがあり、買収した企業の純資産額と被買収企業の資産額の差によって発生し、負ののれんが発生することは非常にまれです。

のれん償却の仕訳

のれんの償却とは、企業の連結決算書などでよく目にする勘定科目です。ではのれん賞与とは一体何なのか。一言でいえばのれんの持つ付加価値を消費することで事業展開した結果の事です。

計上した固定資産を費用化することで資産を適正評価する減価評価ですが、のれんという資産が持つ付加価値を資することで初めて会社利益に貢献するという使命を果たします。

のれんの計上

通常ののれんと正ののれんの会計処理は、貸借対照表では無形固定資産として計上され、経理処理することとされています。現在の日本の会計基準では、のれんを20年以内の期間で均等に償却するように定めています。

負ののれんの場合には生じた事業年度の利益として計上され、原則として特別利益として計上されます。

たとえば、A社が純資産200億円のB社を180億円で買収したとします。この場合、A社は200億円の価値があるB社を、20億円多く支払って購入したことになります。この差額である20億円がのれんです。

この場合A社の貸借対照表には20億円ののれんが無形固定資産として計上されます。こののれんを20年で償却する場合には毎年1億えんののれん償却を計上して、のれんを1億円ずつ減らします。

のれん償却の算出

のれんの算定と償却について、投資額と、投資時点の子会社の純資産の差額はのれんとして計上されますが、のれんは規則的に償却を行う必要があるとご紹介しました。

会計では減価償却と言って徐々に価値の差合っていくものはバランスシートからも利益からも差し引かれて行きます。これと同じようにのれん代も日本会計基準でのみ償却していきます。具体的に言うと、将来の利益アップを望める子会社という資産が減るということです。

例えばA社ののれんの償却を、のれんの計上額を100とします。償却期間を5年とするとのれんの経常額を100、1年目の償却費が20の場合は2年目の計上額は80、2年目の償却費が20だと3年目ののれん計上額が60、3年目の償却費が20の場合は4年目の計上額は40、4年目の償却費が20の場合は5年目の計上額は20、5年目の償却費が20で0にあるという計算です。

毎年償却費を算出して均等に償却して減らします。

のれん償却・のれん非償却における仕訳メリット・デメリット8つ

のれんの償却のメカニズムについて詳しくご説明してきました。では、のれんの償却・非償却のメリットやデメリットはどういったものなのか、M&A取引を行う場合には非常に重要なポイントとなります。

のれん償却と非償却の違いについてのあらかじめよく理解して行ってください。

のれん償却におけるメリット・デメリット4つ

のれんは毎期償却するのではなく、のれんの価値が毀損した場合にのみ減損処理が必要となります。現在の日本ではIFRSでものれんの償却の検討が進み、のれんの会計処理を巡っては今後も変化があると見られます。

まずは一般的に指摘されるのれん償却のメリットとデメリットについてそれぞれ4つずつご説明します。

のれん償却におけるメリット1:非永続性を反映

のれんの消却を行うことのメリットとしてまず挙げられるのが、のれんの非永続性が反映されえることです。

のれんを償却することで、のれんの価値があらかじめ価値が下がるものに対して利益が減少することが分かっているので、悪いサプライズのない経営に役立ちます。しかし減損の判断に経営者の恣意が介入する可能性もあります。

のれん償却におけるメリット2:減損時の影響を抑制

のれんの償却を行うことで減損時の影響を抑制できるというメリットもあります。のれんの償却をしていない場合に、万が一のれんの価値が大幅に下がってしまったとき、のれんの価値が既存していないかのテストをされたタイミングで大幅な減損損失が計上されてしまいます。

のれんの償却を行い、あらかじめ価値の減損に備えておくことで予想外の発生によって、予想から大きく乖離した損失が発生するリスクを回避することができます。

のれん償却におけるデメリット1:償却期間は利益が圧迫される

大型のM&A取引を行い、多額ののれんが発生した場合には、現行の日本基準にのっとれば、のれんの償却期間が最長でで20年間生じることになります。そして生じたのれんの償却期間中には営業利益が常に圧迫されることになります。

毎期の決算報告で償却費負担が起こるので、のれんの償却費は販売および一般管理費に計上され、営業利益が減少し、利益率が悪化してしまう可能性があります。

のれん償却におけるデメリット2:自分勝手な判断

のれんの償却におけるデメリットの一つとして自分勝手な判断が行われる可能性があります。のれんの耐用年数や消費のパターンについて、信頼性を持って決定することが難しいため、日本基準の20年以内などのある特定の期間にわたって行う償却では単なる恣意的な見積もりになってしまうということです。

そのことを危惧して、以前に国際会計基準審議会では減損と償却のアプローチを棄却し、減損のみアプローチへとシフトした経緯があります。

のれん非償却におけるメリット・デメリット4つ

ここまででのれんの償却を行うことのメリットとデメリットを理解していただけたでしょう。のれんの償却を行わないことで得られるメリットとデメリットもご紹介します。

のれんの償却を行う場合と行わない場合、両者の特徴をよく理解した上で比較して、のれんの償却を行うか行わないかの判断を下すときの参考にしてください。

のれん非償却におけるメリット1:M&Aの活発化

大型のM&Aを行ったことによって多額ののれんが発生し、償却を行う場合には、現行の日本基準ではその償却費の負担が最大で20年間生じることになってしまいます。のれんの償却を行うことになると、営業利益がのれんの償却期間にわたって圧迫され続けてしまいます。

のれんの償却を行わない場合には、のれん償却費に営業利益が圧迫されないのでM&Aが活発化します。のれんの償却を行わないことの最大のメリットはM&Aの活発化にあります。

のれん非償却におけるメリット2:会計処理の簡素化

のれん償却が発生しないため、会計処理が簡素化するメリットもあります。のれんの償却を行う場合には、買い手側の企業がのれんを計上する必要があります。資産の計上をしたのれんは、一定期間内に減価償却を完了する必要があり、のれんの償却費の算出など、その期間は会計の処理が非常に煩雑になります。

のれんの償却を行わない場合には複雑な会計処理を行う必要がなくなります。

のれん非償却におけるデメリット1:減損発生時のダメージ

のれんの非償却の最大のデメリットは、何といっても減損が発生した際のダメージの大きさです。のれんの非償却の場合のれんの償却をしていない分も減少してしますので、もし仮に減損処理が発生した場合のダメージが非常に大きくなってしまいます。

のれんを償却していると、あらかじめ期間を決めて一定の量で少しずつ償却することになるので、非償却で減損処理が発生した時ほどのダメージはありません。

のれん非償却におけるデメリット2:無形固定資産との区別

また、M&A取引を行い、買収した後に発生する自社の無形固定資産と区別できなくなってしまうことものれんの非償却のデメリットの一つです。

企業買収後にのれんの価値が下がらなかったとしないとしても、買収後に自社で構築した別ののれんが加わったことが背景にある可能性があります。それほど買収後ののれんと買収した側の自社の無形固定資産との区別がつきにくく、混同しやすくなってしまいます。

のれんの償却期間

のれんの償却の仕訳や計上、償却の算出などの方法など、のれんに関して詳しく説明してきました。のれんの償却にかかる期間は最長で20年とお伝えしましたが、企業やのれんの額によって設定年数は大きく異なります。

それでは実際にのれんの償却を行う場合にかかるのれんの償却期間はどれくらいなのか、会計基準における償却期間と税務における償却期間の違いについてご説明します。

会計基準におけるのれん償却期間

のれんは一体どのように償却するのかというと、会計基準では20年以内でのれんの効果が及ぶ期間中に定額法などの合理的な方法によって償却することになっていて、定額法は一定期間にわたって毎期に均等期間ずつ償却する方法ですので、同じ金額ずつのれんの価値が安定して減少します。

のれんの減少する方法は定額法以外に定率法や級数法などありますが、ほとんどの場合定額法が採用されています。のれんの償却期間は20年以内であれば自由に設定することができます。

税務におけるのれんの償却期間

次に、税務におけるのれんの償却期間に関して解説します。のれんの取り扱いについて、税務におけるのれんの償却期間と会計基準における償却期間は異なってきます。一切に納税する際の勢計算では税務の法則によってのれんの処理を行う必要があります。

税務ではのれんを資産調整勘定として定義しており、会計基準では最長20年間以内で自由にのれんの償却期間を設定することができます。税務では償却期間は5年と決められていて、この期間は自由に設定することはできません。

IFRS

IFRSは国際財務報告基準のことで、IFRSのルールは国際的な基準ですので会計基準の共通ルールといえます。会計処理を行うにあたっては基本的に日本の会計基準に基づいて行うことが求められていますが、上場企業などではIFRS基準の適用も認められています。

IFRS基準ではのれんの償却は行なわず、のれんが貸借対照表に計上されたままとなってしまうので、のれんの価値が大幅に下降した際に減損処理を行います。

投資額の回収が見込めなくなった場合に帳簿価額を減額処理することを減損処理といいます。

のれんの償却については税務上のルールに基づいて処理する必要がある

M&A取引において発生するのれんとは何か、のれんの償却を行うメリットやデメリット、それぞれののれんの会計処理方法などについて詳しく解説してきました。近年IFRS基準を採用する企業も増加傾向にありますが、どちらにせよ税務上の処理について知っておく必要があります。

のれんの償却を行う際には必ず税務上のルールに従って処理を行わなければなりません。必要な処理について正しく理解し、適切な処理を行いましょう。

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