1フレームとは?
1フレームには意味が2つあります。
動画は、連続して変化する静止画を速く切り替え続けると動いているように見える、人間の視覚の錯覚を利用したものです。動画を構成する1枚の静止画像を1フレームといいます。
フレームは英語で”frame”と綴り、「枠」を意味します。しかし、動画における「フレーム」は2つの意味があります。1フレームは何秒かという時間的概念があるものとないもの、2つの意味について説明します。
1フレームなどに何秒という時間的概念はない?
時間的概念のない1フレームは、映画フィルムの1コマと同じです。
映画フィルムやアニメにおいて、連続して変化する1枚の静止画の区画を”コマ”と言いますが、英語では”frame”と言います。
その後、テレビの動画技術が発展すると、英語の”frame”が使われて、日本語でも”フレーム”と言うようになりました。”1フレーム”の1つ目の意味は、連続して変化する静止画の1枚を表すので、何秒という時間的概念はないです。
時間概念があるもの
動画のフレームを処理する時間です。
動画は1フレームの枚数が多いほど、滑らかな動きに見えてきますが、動画を表示するディスプレイや規格・データ量に左右されます。
動画を編集する場合、データ量を考慮しながらフレーム数や時間を計算して調整するので、1フレームの表示時間は何秒かという時間概念が出てきます。フレームの時間概念を構成するのに、ディスプレイの更新レートの性能やフレームレートの値が関係してきます。
フレームレート・更新レート
どちら滑らかな動きを決める要素です。
フレームレートは1秒間の動画を再生するのに必要な静止画(フレーム)の枚数を意味し、単位はfpsで表します。fps値が小さいと何秒かカクカクした動きになり、逆に大きくなると滑らかな動きになります。
更新レートは1秒間にディスプレイの走査線を書き換える頻度を表し、Hzという単位で表します。Hzが小さいとディスプレイは何秒かチラつきやすく、逆に大きくなるとチラつかずに動画が滑らかになります。
フレームは単位時間あたりに処理させる数
単位時間あたりに処理させるフレームの数が多い程、動画は滑らかな動きになります。
フレームレートや更新レートは値の高いと、1秒間に処理するフレームの数が多くなり、動画は滑らかになります。しかしフレームの数が多い分、データ量は大きくなります。
その影響で、ディスプレイの性能、テレビの転送規格やプロセッサのハード・ソフトの性能に左右され、劣ったものでは何秒かカクカクした遅い映像になります。
1フレームについて学ぶ!さまざまな種類とフレーム数
動画の1フレームを表示するのに、インターレースとプログレッシブの2通りの方法があります。
ブラウン管テレビには走査線という横線があり、走査線の読み方で動画を映していました。これに対して、現在主流の液晶ディスプレイは走査線がありません。
1ピクセルずつ左から右へ描いた際の残像が走査線に相当します。動画の1フレームを表示するのにインターレースとプログレッシブがあり、走査線の読み方に違いがあります。
インターレース(飛び越し走査)
1フレームを2回走査して表示します。
インターレースは走査線の読み方を変えて動きを表現します。動画の1フレームをディスプレイに表示するのに、走査線を1本ごとに飛ばし、横線が入って抜けた映像を描画します。
次に前回読み飛ばした走査線に描画して、読み飛ばした部分と合わせて映像を描画します。横線が入った2つのフレームを組み合わせて描画すると、人間の目は違和感なく動いているように見えます。
インターレースを使用しているもの
日本のテレビのアナログ・地上デジタル放送で使われています。
テレビがブラウン管の時代に1フレーム全てを送りながら映像を表示すると、データ量が大きすぎて送れなくなる問題と、フレームレートを下げると映像が点滅する違和感を生じる問題がありました。
問題を解決するため、テレビ放送はインターレースで映像を表示して、データ量を抑えながら滑らかな動きを実現しています。インターレースは地上デジタル放送でも使われています。
プログレッシブ
1フレームを上から順番にスキャンして送って表示します。
プログレッシブは、毎回1枚の静止画(フレーム)に対し、走査線を上から順番に全て読み込んで描画していくのを繰り返して、動いている映像を表します。
プログレッシブはディスプレイが大きくなっても、プログレッシブは、チラつく不快感がなくかつ解像度の高い滑らかな映像を表示可能な利点があります。
プログレッシブを使用しているもの
ブルーレイレコーダーや家庭用ゲーム機、動画配信に使われています。
プログレッシブは、ブルーレイレコーダーや家庭用ゲーム機、YouTubeなどの動画配信に使われています。現在主流となっている液晶ディスプレイは、画面全体の映像を同時に表示できるので、プログレッシブで解像度の高い滑らかな動きを表現しやすいです。
基本的には違い(切り替え速度)は何秒かなどはあまりわからない
動画の滑らかさでは見分けがつきにくいです。
フレームレートが60fpsの動画を表示するとき、インターレースは30fpsの奇数行のみの走査線と30fpsの偶数行のみの走査線を交互に送りながら、60fpsの動画を表示します。これに対してプログレッシブは60fps分のフレームを切り替えつつ表示します。
どちらも60fpsの動きを表しますが、切替速度が何秒要するかはわかりににくいので、どちらも滑らかな動きに見えます。
表記内容に注意する
インターレースとプログレッシブを区別するために”i”と”p”がつきます。
動画を編集するのに、インターレースかプログレッシブで制作したか区分けする必要があります。インターレースの”i”またはプログレッシブの”p”をつけます。
例えば、”480p”と表記があれば解像度640×480のプログレッシブ動画、”480i”と表記があれば解像度640×480のインターレース動画を表します。
1フレームを使用するときって?
外部からの信号をディスプレイに表すのに何秒要するかで使います。
液晶ディスプレイは外部から入力した信号を内部で画像処理を行い、画像を書き換えながら表示します。そのため、信号を受けてから表示するまでに遅延が発生します。
標準的な使い方において何秒かかるかというと、60fps動画では1フレーム分の時間と言われています。
しかし、対戦型ゲームは1フレーム分による何秒かの遅延で勝負の差がつくといわれています。
1フレームと5フレームだとどちらがいいの?
プログレッシブ動画は、1フレームのほうが滑らかに表示されます。
プログレッシブ動画を表示する場合、ディスプレイ内で処理してから表示を書き換えていくのに、何秒かのタイムラグが発生します。この場合は、フレーム値が小さいディスプレイがよいです。
しかし、遅延時間が短いとインターレース形式で作られた動画を再生する場合はちらつく場合があるので、逆に何秒か遅くして、フレーム値を大きくする必要があります。
フレームの単位
フレームの単位は”F”で表します。
動画の1フレームを表示する時間が何秒であるかは、フレームレート(fps)に依存します。1フレームをフレームレートで割った時間がフレーム値となり、”F”という単位で表します。
例えばプログレッシブで作られた動画が60fpsの場合、1フレームの表示時間は1/60=約0.016秒となります。約0.016秒の倍数ごとに1Fや2Fと表記します。
1フレームが何秒かを正しく理解しましょう!
フレームの表示方法やフレームレートによって、1フレーム何秒かは変わります。
動画は殆ど60fpsのプログレッシブで制作します。1フレームが何秒かに対しては約0.016秒で正しいです。地上デジタル放送はインタレースで制作しているので、1フレームは約半分の29.97fpsとなり、何秒かに対しては0.033秒となります。
このように、表示方法やフレームレートを考慮して、1フレーム何秒かを理解する必要があります。