ベベルとは
今回、ご紹介する「ベベル」という言葉には多様な意味があり、場面ごとに最適な使い方があります。
一般的には、聞き馴染みの薄い専門的なワードではありますが、把握しておくことで知識として活用できます。日本で使うベベル・海外で使うベベルがありますので、それぞれの意味もご覧いただきます。
ベベルという言葉を初めて聞く方をはじめ、すでに知っていた方も再度の認識をしておきましょう。それでは早速、ベベルという言葉について見て行きます。
ベベルの意味を用語ごとに3種紹介
「デザイン用語でのベベル」「GIMP用語でのベベル」「ナイフ用語でのベベル」という3種類のベベルについて見て行きます。
同じベベルという言葉でも、それぞれの意味合い・使い方が異なります。どのような違いがあるのかをご紹介していますので、ぜひ正しい使い方を知っておいて言葉の利便性を高めておくことをおすすめします。
形状的な意味合いが強く使う場面は限られがちな言葉ですが、有効な場面もあるでしょう。
紹介1|デザイン用語でのベベル
用いられる頻度が高いデザイン関連でのベベルとは、形状を表わします。
「3DCGのベベル」「レイヤースタイルのベベルとエンボス」「角の形状のベベル結合」という3つの形状の意味について見て行きます。それぞれどのような意味があるのでしょうか、早速ご覧いただきましょう。
デザイン用語でのベベル:3DCGの「ベベル」
3DでのCGデザインでエッジの角を落とし、滑らかにすることを指す言葉がベベルです。鋭角さを軽減し、デザイン性を上げる意味合いで使われています。
工業製品などでもベベルが多用されていて、ベベルを行いデザイン性アップをして3DCGのスタイルを上品にすることが可能です。見栄えに大きな影響を与えるのが3DCGで行うベベルですので、頻繁に用いられています。
デザイン用語でのベベル:レイヤースタイルの「ベベルとエンボス」
WEB上でのデザイン性を高める作業を指す言葉がベベルです。例えば、角形の画像・ボタンなどを配置する際、角張った部分を落としたデザインにすることを指します。
レイヤースタイルの中から「ベベルとエンボス」という項目を選択することで平面的であったデザインが立体化して、なおかつ角を丸める作業です。印象が柔らかくなる効果があるため、WEB上で頻繁に活用されている手法でもあります。
デザイン用語でのベベル:角の形状の「ベベル結合」
イラストレーターなどのデザインソフトにおいて活用する表現方法が「ベベル結合」です。
角張った先端のデザインを水平にカットして生み出す、ベベル結合という作業を表します。形状が大きく異なり、印象を変化させたデザインで図形をつくる際に用いられています。
また、結合方法にはラウンド、マイターという他のデザインもあり、好みによって使いわけられている手法です。
紹介2|GIMP用語でのベベル
「隆起」という意味のあるベベルによって、WEB上での図形デザインを立体化させることが可能です。
レイヤー・トーンカーブ・ヒストグラム・切り抜き・ブラシエディタ・モザイク編集・アニメーション合成といった作業が無料で行えるソフトがGIMPです。ソフト内にて平面のデザインを隆起させ、動きを出して印象深いデザインにすることができ、それをベベルと呼んでいます。
味気ないデザインをグレードアップして、閲覧者に見やすい印象で表現できるでしょう。
GIMPでのベベル:ベベルボタン
フリーソフトGIMPを使って、立体感のあるベベルボタンをWEB上につくることができます。
2Dとして画像や図形を貼り付けた際、臨場感がなくなることがあります。そのため、立体的に隆起させることで、閲覧者が興味を抱きやすい形状となります。
一辺へ陰影をつけたり、上下左右のいずれかにベベル表現をすることで、より印象深いデザインを生み出すことができるでしょう。
紹介3|ナイフ用語でのベベル
「ナイフの刃の傾斜」という角度がついた状態を示すのがベベルです。
シングルベベルという言葉があり、それは段差がなく一直線の刃という意味を指しています。ナイフの用途やデザイン性を高める意味合いのベベルですので、ユーザーのお好みで使い分けることが可能です。
ナイフ用語でのベベル:セカンダリーベベル
ナイフの刃に段差をつけているものを「セカンダリーベベル」と呼んでいます。
シングルベベルとは異なり、一直線ではない刃の形状を指しています。つまり、刃先が短いナイフですので、用途やデザイン性がシングルベベルとは違い、扱い方も異なります。
見た目の雰囲気も大きく変わるのがセカンダリベベルです。ナイフを用いるシーンでは、ユーザーこだわりのアイテムとなるでしょう。
ナイフにセカンダリーベベルをつける意味
ナイフの耐久性を上げて長持ちさせたり、刃先の研ぎ直しが行いやすいのが「セカンダリーベベルをつける」ということです。
ナイフの刃先に段差がついて短い形状となるため、切るときの力が分散して耐久性が上がります。また、手入れの刃研ぎにおいても刃先が短いので時間がかからずに研ぐことが可能です。
つまり、効率的な形状という利便性あるのがセカンダリーベベルです。そして、見た目のデザイン性にも一役買っています。
一般的なベベルの意味とは
ベベルとは、一般的にも使いやすい意味がある言葉ですので見て行きましょう。
これまで見てきたベベルの意味とは少し捉え方が異なりますが、すべて把握しておくことでシーンに合った使い方ができます。それでは、一般的なシーンでも関わってくるベベルの意味を把握しておきましょう。
一般的なベベルとは:「面取り」を指す
ベベルの一般的な意味合いでは、「面取り」を指しています。
製品の面出しという意味もあり、機械で行う作業や人の手によって行われることもある作業です。世に出回っている製品には非常に多く用いられていますので、日常内でも頻繁に目にすることができます。
デザイン性を上げるための作業を指すのがベベルという言葉です。見た目の雰囲気を変えるのが面取りですが、実際はどのような事柄なのか次項にて見て行きましょう。
面取りとは:角を丸める事
面取りとは、「製品の角張った箇所の鋭利感をなくし、滑らかな面や平面をつくる」という作業です。
金属製品や木工品においても面取りがされている製品が多いです。高いデザイン性はさることながら、安全面にも配慮された作業が面取りです。各種製品を見ていただくと、その意味がご理解いただけます。
作りたての角張った箇所を滑らかな形へ変える意味のある行程ですので、丸みを帯びて柔らかい印象の製品になります。
英和辞典に載るベベルの意味とは
ベベルという言葉ですが、本来は英語ですので日本語での意味を見て行きます。
ベベルは、英和辞典に掲載されている正式な英語でもあります。和製英語ではありませんので、本来の外国語としての正しい意味を把握しておくと非常に便利です。ベベルは日本でも多様なシーンで用いられる言葉ですので、併せて英語での本来の意味合いも把握しておきましょう。
英和辞典に載るベベルの意味:斜面・斜角
ベベルの英語としての意味は「斜面」や「斜角」という日本語が当てはまります。
「Bevel」と書く英語で「角度」の意味を表わす言葉です。先にもあったように、ナイフの傾斜として使われるベベルは非常にわかりやすいでしょう。そして、他にも角度に関する製品などへ頻繁に使う言葉でもあります。または、WEB上でのデザインをつくる際ににも当てはまります。
ベベルとは様々な場面で使われ意味が変わる
ご覧いただいてきたように「ベベル」は、実に多彩な意味のある言葉です。様々な場面で用いられる言葉でしたが、ご理解いただけましたか。
対象物によっても意味合いが異なるのがベベルです。とくにデザイン関係の作業や、ものづくりにおける現場で使われることが多い言葉・作業・仕上がりです。
それぞれの用途を把握して、最適な用途を理解しておくと非常に便利です。また、海外で使う際でもシーンごとに使い別けるとよい言葉でしょう。