英語でのプレゼン方法|作り方・注意点とコツ・おすすめの本

ビジネススキル

相手に物事を伝える時に大事な『3つのC』

プレゼンの場に限らず、「相手に物事を伝える時に大事なのは『3つのC』である」と言われています。
この『3つのC』とは、「Correct」「Clear」「Concise」のこと。
これらの頭文字を取って『3つのC』と呼ばれています。
つまり、人に何かを伝える時は「正しく」「明確で」「簡潔」でなければならないのです。
特に曖昧さを嫌う英語ではこの『3つのC 』が重要なポイントになってきます。

Correct 正確に

この中で最も大事なのは言うまでもないですが「Correct」、つまり正確に伝えることです。
誤った情報を相手に伝えることは、相手からの信頼を失うことになりかねません。
これは日本語でプレゼンをする場合情報源をよく調べるだけで済みますが、英語でプレゼンする場合はそれだけでは不十分です。
なぜなら、文法の違いによって誤った情報を与えてしまうことがあるから。
そのためにも、Correctを常に意識し正しい文法を使用する必要があります。

Clear 明確に

次に重要なのが「Clear」です。
相手に考える手間をかけさせないように、伝える事柄は明確である必要があります。
例えば明日の会議はいつからなのかと聞かれた時に「朝」とだけ答えると相手は困惑してしまうでしょう。
「会社の始業時間が9時だから、9時ぴったりの開始だろうか。それとも普段の会議は10時から始まることが多いから10時からだろうか・・・」
曖昧な伝え方をすると相手はこのように混乱してしまうでしょう。
これはプレゼンにも当てはまります。
曖昧な言い方は相手によって様々な受け取られ方をするので、自分が意図して伝えようとしていたことと違うことを受け取られてしまう可能性があります。
そのためにも、明確な言い方を心掛けていきましょう。

Concise 簡潔に

そして「正しく」「明確な」情報を「簡潔に」伝えなければなりません。
ここがプレゼンのキモとなります。
本番の時間は限られており、全ての情報を伝えることはできません。
したがって、余計な情報は省いていく必要があります。
しかし簡潔になりすぎて逆に曖昧になってもいけません。

英語のプレゼンを作成するには

3つのCに基づいた英語スライドと資料作成

では、英語で『3つのC』を具体的にイメージしてみましょう。
 

まずは「Correct」から。
当たり前ですが正しく情報を伝えるためには正しく言葉を使うことが大切です。
ですが、中には勘違いして使っている言葉もあるのではないのでしょうか。
例えば「クレーム」という言葉がありますよね。
これを英語に直すと、claimとなります。
ですが、英語におけるclaimは日本におけるクレームと意味が違います。
英語では「要求する」「請求する」などの意味になります。
つまり英語ではclaimに「苦情」の意味はないのです。
苦情という意味を表したいのであればcomplaintを使用するのが正解です。
このように、カタカナ英語は英文を書く際に意味を違えてしまう大きな原因となります。
今一度このような単語を使っていないかチェックしてみましょう。

次に「Clear」。
明確に書くということは、曖昧な表現を入れないということです。
そのための一つの方法として、抽象的な表現をしないという方法があります。
例えば、例文1のような文があったとします。

例文1: The new machine is effective for improving production cost.
(その新しい機械は生産コストを改善するのに効果的だ)

この文だと語数が多く冗長ですよね。
そこで、例文2のようにしてみました。
 
例文2: The new machine decreases production cost.
(その新しい機械は生産コストを減らす)

元の文と比べてより具体的で明確になりました。
このように書くことで聞き手(資料・スライドの読み手)に具体的なイメージを与えることができます。
また、英語では受動態よりも能動態の方が語数は少なくはっきりしたイメージを与えます。
次の例文3を見てください。

例文3: The gains of sales was concluded to have been caused by the popularity of the new products.
(売り上げの増加は新製品の人気によって起こったと結論付けられた)

この文は文法的には受動態でも問題ありません。
ですが、試しに能動態にしてみましょう。例文4を見てください。

例文4: We concluded that the popularity of the new product have caused the gains of sales.
(私たちは新商品の人気が売り上げ増加を発生させたと結論付けた)

このように能動態にすることで、より語数が少なくなり明快になりました。
英語では能動態を使うと語数の節約になり明確なイメージを与えられることを覚えておきましょう。
ただし主語がどうしても思いつかない場合や明らかに受動態でなければおかしい場合は無理に使う必要はありません。

最後に「Concise」です。
より簡潔なプレゼンにするためには、簡単な言葉を使うことがポイントです。
そのポイントの一つとして、熟語より単語を使うことが挙げられます。
例えばmake outという熟語。
これは「理解する」という意味があります。
ですが、understandも同じ意味ですしこちらの方が簡単ですよね。
だからunderstandを使うのです。

このようにして3つのCを意識しながら英語プレゼンを作成しましょう。

デザインの力に頼る

英語でプレゼンをするのであれば、スライドや資料の文章に気をつけるだけではなくデザインにも重点を置かなければなりません。
例えばスライド内の文章を読む順番はぱっと見てわかるようにするべきです。
パワーポイントを使用する場合スマートアートを使うことで相手を視覚的に誘導することができます。

発音よりもはっきりしゃべることを念頭に!

ここで大切なポイントは3つ―すなわち「息を吸うタイミングを考えること」「流れを理解すること」「聴衆に意識を向けること」です。

最初から最後まで息継ぎせず話すわけにはいきませんから、歌と同じようにどこで息を吸うべきかを考える必要があります。
英語であればなおさら適切な場所で息を吸わなければなりません。
台本ができあがっているなら、どこで息を吸うかあらかじめ決めておきましょう。
漠然と1文1文で息継ぎしようと考えていると、中途半端な単語と単語の間で止まってしまったりどもってしまったりする可能性があります。
 
もちろん、流れを理解することも大切です。
ですが、これを日本語ではなく英語で理解しているということがキモになります。
当日英語で流れを理解できていないと頭の中で毎回日本語と英語を行ったり来たりせねばならず混乱してしまいます。
この流れを理解するコツは、ずばりフローチャートを作ること。
簡単なキーワードをピックアップしフローチャートに英語でまとめておくと、プレゼンの流れをスムーズに理解できるでしょう。

そして聴衆に意識を向けること。
これは場数がものをいう部分もありますが、初心者でも気をつけられるコツはあります。
それはゆっくり話す、ということです。
慣れない英語で早口でしゃべると、ネイティブはネイティブで話者の訛りに気を取られますし、ノンネイティブで英語のヒアリング能力がそこまで高くない人は聞き取れません。
また時間内に説明できそうにないときは潔く切ることも大切です。
質問されたときにしっかり答えられるようにしておきましょう。

効果的なプレゼンの練習方法は?

まず、流れを紙に書きだします。
上で説明した英語のフローチャートですね。
これを殴り書きでいいのですらすらと書けるようになるまで書きましょう。
ここで要点をおさえ、これも紙に書きだせるようにしておくと良いです。
英語の発音を鍛えるため音読するのも効果的でしょう。
その後に台本を書きます。
いきなり書こうとすると挫折したり余計な話を盛り込んでしまったりするので、必ずフローチャートと要点を理解してから開始しましょう。
そしてこの台本を覚えるのですが、そのまま暗記する必要はありません。
説明したいことを説明できていれば良いのですから。
スマホなどで録音しながら練習すると後で何を言い忘れたのかチェックすることができます。
ワンポイントアドバイスとして、夜布団に入ってから頭の中でフローチャートをシミュレーションすると記憶に残りやすくなります。
イメージトレーニングは思いのほか大切です。

おすすめのプレゼン動画

以下にプレゼンの良い例として英語のスピーチの動画を紹介します。
いずれもTEDで行われたプレゼンで、内容としゃべり方どちらも参考になります。

英語プレゼンの際の注意点

英語の文法は大丈夫?

口頭ではそこまで神経質にならなくてもよいのですが、スライドと資料では文法のミスをしないようにしましょう。
これは一番大切なCorrect(正確さ)を欠くことにもつながりかねません。
特に間違えることが多いのは「aとtheの違い」「カンマ、コロン、セミコロンの使い方」などです。
aとtheの違いは学校でも習ったはずですが、うやむやになっている人は多いと思います。
これは「その名詞が特定できるかどうか」によって変わります。
例を挙げて考えてみましょう。
会社のプリンターの話題になったとします。
この時the machine と a machine では、前者が「(その会社内にある)プリンター」を指すのに対し、後者は「(世間一般で言う)プリンター(という概念)」について言及しているのです。
このようにa とtheがかなりの違いを与えていることがありますので、十分に注意しましょう。

カンマは例えば関係代名詞の制限用法だとか非制限用法で扱ったと思います。
セミコロン、コロンにいたっては学校で習っていない人も多いのではないでしょうか。
これは日本になく英語圏独特の記号なので、しっかり押さえておく必要があります。

ちなみに、少し時間をおくと客観的に読むことができるようになるので、見直しは直後にやるだけではなく数時間経ってからチェックすると良いでしょう。

本番の環境は?

プレゼンの内容だけでなく環境もきっちり把握しておくことは大事です。
特に慣れない英語でプレゼンをする場合、ただでさえ緊張しているのに想定外のトラブルはなおのこと避けたいですよね。
そこで、プレゼンに必要なものは何かをあらかじめピックアップしておきます。
さらにそれらをどこに配置するかも考えておきましょう。
プレゼンで用意するべき道具はだいたいパソコン、配布資料に絞られますが、何時間も話すのであれば飲み物が必要になりますし、あるいは商品説明であれば実際の商品を見せる時もあるでしょう。
これらのものをどこに置くか?
パソコンであれば話者がスライドの切り替えをするのか、相方に合図するのか?
飲み物はどこに置いておくか?
小道具を置く場所はあるか?
場所を決めておくと慌てて探す手間が省け、よりスマートなプレゼンにすることができるでしょう。

本番の設備も確かめなければいけません。
まずスライドを映せるかどうかは必ずチェックしておきましょう。プレゼン当日にスライドが映らないなんてことになると大変な時間のロスになります。

そして最も重要であるのがデータのバックアップを取っておくことです。
プレゼン前日にスライドのデータが吹き飛ぶことはあります。
また、厄介なのがスライドを作るための情報が吹き飛ぶことです。これは自分の頭でひねり出せるようなものではないので、データが壊れてしまうと一から収集しなおすことになります。

英語でプレゼンするあなたにおすすめな本

 以上、英語のプレゼン作成方法をまとめました。より詳しく、専門的なプレゼン作成には次の本がおすすめです。

技術系英文ライティング教本

技術系英文とは銘打っていますが、その内容は技術系でなくとも十分プレゼンに応用することができます。
第1~4章で構成されており、練習問題つきです。
第1章ではそもそも英文を書くための心構えとは何かを説明しています。
おそらく、ただの文法は習っていてもライティングの心構えを教わった人は少ないのではないでしょうか。
また、第2~3章では簡潔な文章を書くという視点で重要である文法を説明しています。
カンマやコロン、セミコロンについての記述もあり、かゆいところに手が届く構成になっています。

たった一日で声まで良くなる話し方の教科書

論理が伝わる世界標準のプレゼン術:一生モノの「説得技法」

実践で役立つ!!英語プレゼンテクニック

ずばり、英語でプレゼンをするときに大切なことは?

正確に、明確に、簡潔に。英語だからこそ重要なプレゼンのポイント

以上から、プレゼンのコツは次の3つへ集約することができます。

・3つのC
冒頭でお伝えした『3つのC 』、覚えていますか?
そう、「Correct」「Clear」「Concise」の3つです。
伝える基本としてまずこのコツを覚えましょう。

・視覚、聴覚を頼る。
まずデザインへ気を配ること。
文字だけがプレゼン資料ではありません。
常に見やすい資料やスライドを心掛けましょう。
また、どれだけ良いスライドを作れたとしてもそれを音声として伝えられなければ意味がありません。
せめて声を出す練習はしましょう。

・不安要素はなくす
プレゼンの環境は整っているか?
スペルミスはないか?
伝えたいことで見落としていることはないか?
最後まで詰めが甘くならないよう注意しましょう。

英語プレゼンのポイントは地道な努力

以上が英語でのプレゼン方法です。いきなり習得を目指すのではなく、地道な努力を続けてくださいね!

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