論理的に話す方法とコツ・論理的に話したい人におすすめの本

ビジネススキル

「伝えたいこと」が伝わらないとき

私の話、伝わっていますか?

「あれ、俺の話伝わった?」

就活の面接や会社のプレゼンで、このような思いをしたことはありませんか?「もう二度とこんな思いはしたくない!」と思い、面接やプレゼンを繰り返し練習している就活生やビジネスマンは多くいると思います。

しかし、どれだけ練習しても、自分の言葉が相手にバッチリ伝わった!という「手応え」を掴むのってなかなか難しいはず。この「手応え」を掴めない人の多くが、「論理的に話す」というスキルが欠けています。この「論理的に話す」スキルが欠けていると、どれだけ練習しても、自分の伝えたいことを相手に伝わえることは難しいです。

「論理的に話す」ってなに?

「論理的に話す」とは、自分の伝えたいことに道筋を立て、客観的な視点を加え、相手に納得してもらうスキルのことです。

「筋道立てて、客観的な視点を持つくらい、意識してやってるよ」という人もいると思います。
しかし、この「論理的に話す」ということを、ちゃんと理解している人は少ないように思えます。「筋道を立てて、客観的な視点を持つ」ということなんとなく知っている。だけど、ただそのルールになんとなく沿っているだけになってませんか?

ですが、「論理的に話す」こととはなにかをちゃんと理解すれば、自分の伝えたいことは相手に伝わるようになります。

「論理的に話す」=「説得力が増す」。そのワケは?

論理的に話すことで、最も大切なことは「いかに主観を消して、客観的に話す」ことです。

人と話す際、私たちはどうしても主観的に話してしまいます。「自分はこう考えるから、相手も同じようにこう考えるだろう」ということを無意識的に期待しています。ですが、自分と相手の考えが同じであることは圧倒的に少ないです。

この無意識的な主観の呪縛を解く方法が論理です。論理的に話すことができれば、この呪縛は解け、自分の話に客観的視点を加えることができます。論理的に話すことは、徹底的に主観をそぎ落とし、誰もが納得する客観的な意見を追及することです。そして、誰が相手でも伝えたいことが伝わるようになるのです。

日本人は論理が苦手?

日本人は論理的に話すことが苦手だと言われています。日本では、論理的に物事を判断するより、空気を読んで物事を判断する傾向があります。このことが、論理的に物事を考える機会を奪っているのが大きな原因です。

しかし、空気を読んだ結果での失敗は、周囲の責任にもできるので、そこまで自分を責めずにすみます。このような心理も働いて、論理的に考える機会が少ないのではないでしょうか。

多くの日本人が論理的に話すことが苦手ということは、論理的に話すスキルを獲得すれば、周囲の人よりも一歩前に出ることができます。なので、是非「論理的に話す」ことを習得してほしいです。

論理的に話すことができない人の特徴

自分の利益を追求している

利益追求は純粋な「主観」でしかなく、論理の妨げになります。相手にも相手の利益があるので、そこを理解することが、論理的に話すことの大前提になります。

自分の利益だけが見えてくるような話では、相手は取り合ってくれません。取り合ってくれなければ、どれだけ論理的に話すスキルが高くても意味がありません。むしろ、相手が何を求め、どうすれば相手の利益になるのかを考えるくらいの心持ちだと、丁度良いバランスで話せると思います。

冷静さが欠けている

面接中やプレゼン中は、緊張して冷静さを失ってしまいやすいです。緊張すると、早口になったり、滑舌がはっきりしないなど、話しの内容が聞き手に入りにくくなります。これでは、どれだけ論理的な話しをしても空振りに終わってしまいます。

話し手が明らかに緊張していると、「おいおい、緊張しすぎじゃないか」「大丈夫だから落ち着いて」という気持ちに聞き手はなってしまいます。この気持ちが生まれると、話しを理解する際にノイズとなってしまうのです。

「熱意があれば伝わるはず」と心のどこかで期待している

上述しましたが、主観は論理のノイズになります。熱意は清々しいほど主観です。このように考える人は、単に論理的に考えるのが面倒な人が多いです。確かに、論理的に話すためには、情報収集などの面倒な事前準備が必要不可欠です。

しかも、その集めた情報が無駄になってしまうことも多々あります。それでも、面倒なことにも積極的に取り組むという適切な熱意を持つことが大切です。

論理にを支える3要素

論理をわかりやすくする「三角ロジック」

三角ロジックとは、「主張」「データ」「論拠」の3つを意識すれば、論理的に物事を考えられるという概念です。「主張」「データ」「論拠」ごとに、適切な内容を当てはめれば、あなたの主張に「論理」を加えられます。その結果、相手に十分伝わる話しができるようになります。

まずは、「主張」「データ」「論拠」とはどういうものか説明していきます。

主張

主張とは、提案や意見のことです。主張があいまいだと、完璧なデータを示しても、相手に伝わりません。論理的に話すためには、この主張を明確にする必要があります。就活であれば「志望動機」「自分の長所」などです。プレゼンであれば「どういうメリットがあるか」「どれだけコストが抑えられるか」などです。

主張は自分の最も伝えたいことです。しかし、主張したいことを主張しただけで、相手が納得してくれることは無いでしょう。そのため、この「主張」が、相手を納得させる後押しをしてくれるのが「データ」と「論拠」になります。

データ

データとは、主張を裏付ける過去の経験や実績などの説得材料のことです。「英語力に自信がある」ことを主張したいとしましょう。この場合のデータは、「TOEICで800点取った」「半年間、アメリカに留学した」などが挙げられます。この「データ」だけでも、「主張」を支えるには十分です。

しかし、「TOEICで800点取れても、日常会話できない人って結構いるよ?」「留学中に現地の人とちゃんと交流したの?」と思う人も中にはいます。なので、論理的に話すということに関して、この時点では不十分です。そこで、この「データ」を支える「論拠」が必要になります。

論拠

論拠とは一般的な傾向や常識、法律などの説得理由のことです。「英語力がある」という「主張」を、「TOEICで800点取った」という「データ」を示したとします。この場合の「論拠」は、「外国人の友達がいる」や「塾講師のアルバイトをしており、そこで大学受験を控えた高校生に英語を教えている」などが挙げられます。

ここまでくれば、これ以上深堀してくる面接官は少ないと思います。「主張」「データ」「論拠」を意識すれば、論理的に話すことは可能になります。

やはり熱意は効果的?

「データ」や「論拠」を示しても、「主張」に対して疑問を持つ人はいます。むしろ、当たり前です。「これだけ言ってもまだ納得してくれないのか」「データも論拠もこれ以上用意できない」と心が折れてしまいそうになるかもしれません。

もし、そうなってしまったなら開き直って「熱意」で押してみるのも良いかもしれません。「論理に熱意はノイズになる」と書きましたが、自分が「これ以上手はない」と思えるまで自分を追い込んだのであれば、熱意に手を出すしかありません。

理路整然と話していた人が感情を向きだす姿は、ある意味最も相手に説得力を与えるのではないでしょうか。

伝わりやすさを高めるテクニック

1センテンス・1メッセージ

一度にあいろいろな内容を盛り込まれて言われてしまうと、何を言ったか覚えきれません。そのため、1センテンス・1メッセージ」を心がけましょう。

「私の長所は、高校時代はテニス部でインターハイに出場したことがあり、また、負けず嫌いな性格で、現在所属しているテニスサークルでは、サークルであっても・・・」
と、このように一度に多くのことを言われても、情報処理はできません。

また、そのような話し方では、内容を聞ききることが面倒になってきます。「私の長所は、体力に自信があることです。高校時代には所属していたテニス部で、インターハイに出場した経験があります。また、私は負けず嫌いでもあります。現在はテニスサークルに所属しています。しかし、サークル活動であっても試合に負けることが嫌なので、毎日ランニングをしています。」

このように、1センテンスに対して、1つの情報(メッセージ)を心がけましょう。区切りながら話すと、話しの内容が入ってきやすいです。

結論は先に言う

「主張」した後に、「データ」や「論拠」という流れで話しましょう。先に主張を伝えることで、話し手がこれから何を話したいのか、聞き手が理解しやすくなります。「高校時代にテニス部でインターハイに出場したことがあり、私の長所は体力に自信があることです。」

このような言い順では、「つまり何が言いたいんだ?」と思われてしまいます。「私は体力に自信があります。高校時代はテニス部でインターハイに出場した経験もあります。」

というように、まず「主張」を先に伝えましょう。そうしないと、せっかくの「データ」や「論拠」は生きてきません。

論理的に話すためのトレーニング

「誰が言うか」ではなく「何を言うか」に注目する

相手の話が論理的かどうか意識して聴くことを心がけましょう。「論理的な話」は、「論理的に聞く」ことで養われていきます。話を論理的に聞くことで重要なのは、「話の内容」と「話し手」を引き離すことです。もし、帰宅部の人が「運動をするのは心身ともに素晴らしい影響がある!」と言っていたとします。こんなことを聞くと「いや、運動部に入ってから言えよ」とツッコミたくなる方も少なくないでしょう。

しかし、論理という点で見るなら、「言っていることに矛盾はないか」「筋は通っているか」が大切です。そのため「誰が言っているか」はいったん置いておき、「何を言っているか」に注目するようにしましょう。

話している時、自分を上から観察する

「感情論」や「先入観」は客観性を破綻させます。人は話す際、「感情論」や「先入観」を無意識的に含んで話します。無意識故に強く意識しないと、自分の発言が「感情論」や「先入観」に侵され、客観性を失っていることに気付きません。

なので、話している時は、常に自分の発言が客観的かどうかを意識しましょう。また、自分が聞き手の時には、話し手の発言に「感情論」や「先入観」が入ってないかも気にしながら聞いてみると、さらに論理的に話すスキルが高まります。

論理的に話すための本

一瞬で大切なことを伝える技術

とにかく「相手に伝える」ということが書かれた本です。

「言いたいことを1つに絞る」
「段落ごとに区切って話す」
「短く言う。言い直さない」

この3つを意識することで、自分の言いたいことを相手に伝えることができます。
また、話す内容は、「量より質」を意識することで、論理的に話すことが容易になります。

論理的に話すための基本的な知識が多く書かれています。
「論理的に話す」ことの導入になる本ですので、是非チェックしてみてください。

論理的な文章の書き方が面白いほど身につく本

主に「論理」という概念の基礎が、丁寧に書かれている本です。
「文章の書き方」とタイトルに入っていますが、論理的に話すよりも論理的な文章を書くことに主眼を置いています。

しかし、就職面接や会社のプレゼンはあらかじめ原稿を作っておくことが多いと思います。
原稿の段階で、論理的に穴がある場合も多いのではないでしょうか。完璧な原稿を仕上げるが、論理的な話すことを作ります。

決して遠回りになるような内容ではないので、是非チェックしてみてください。

家族はなぜうまくいかないのか 論理的思考で考える

さまざまな人間関係を論理的に考察するという本です。

論理と聞くと、冷たく、温かみのないような印象を受けますよね。その論理で人間関係を考察すると、なにか機械的なことのように思えます。

しかし、論理を人間関係に加えることで、喧嘩やすれ違いをなくすことが出来るかもしれません。人間関係は常に感情のぶつかり合いです。そのため、なかなかお互いが納得する選択をするのが難しいように思えます。

ですが、優しさや怒りといった感情に、論理という客観的な視点を加えることで、長い関係性を気付くヒントになるのではないでしょうか。そんな人間関係の新たな視点を加えてくれる本だと思います。

論理的に話す必要性を今こそ

論理的に話すことを面倒くさいと感じてしまう人も少なくないでしょう。

しかし、相手に自分の考えを伝える能力は、ビジネスシーンだけでなくプライベートでも活躍するスキルです。「上司と話すとき」「家族と話すとき」、誰かと話すときに自分の考えをしっかりと伝えられるようにしましょう。

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