複式簿記とは
どんな簿記?
複式簿記というのは、簿記の一つの帳面のつけ方になります。基本的にこうした書き方でないと税金的な最も高い優遇を受けることができないようになっています。そもそも簿記には複式簿記と単式簿記というのがあるのですが、原則時に全ての簿記的取引というのは二面性があり、それを両方も記録しておくことによって、よりわかりやすく、そして正確に把握できるような帳面のつけ方をすることができるのが複式簿記になります。
貸借平均の原理に基づいて、記録することを複式簿記と呼び、多くの場合、キチンと帳簿をつけるといいますとこの複式簿記といいます。複式簿記において取引の二面性があるのは、原因が発生して、そのために結果が発生する、という要素があるからです。
例えば現金で建物を購入しますとまず建物を購入することによる資産の増加があります。そして、その反面、現金が減少する、ということになります。この資産の増加と資産の減少という二面性こそが複式簿記のとても大事な要素になります。複式簿記においては、資産、負債、資本、費用又は収益のいずれかに属する勘定科目を用いることによって、『借方と貸方に同じ金額』を記入するわけです。これによって、左右の数字が必ず同じになり、そうでないのであれば記帳ミスが起きている、と判断できるようになっています。また、総勘定元帳があるので個別の科目ごとのお金の流れを把握しやすい、というメリットもあります。
複式簿記の書き方
まずは仕訳から
複式簿記はまずは仕訳という行為をすることになります。起きた行為によって、その仕訳を変えていく、ということになります。
例えば複式簿記の場合は現金で消耗品を買うのであれば、借方に消耗品費と書きます。そして、貸方は現金、となります。金額は同じになります。そして、ここからが問題になります。それが転記をしていくことです。この場合は総勘定元帳の消耗品費の欄に書いていくことになります。もちろん、現金の欄もありますから、そこに書いていくわけです。
流れとしてはこれの繰り返し、ということになります。例えば現金が今度は入った場合、これは現金は資産になりますから増えるのは借り方になります。
つまりは、借方に現金と書いて、入った理由が売り上げであれば売上は貸方に書くことになります。
こうしたことを日々の商行為として記入しておき、どんどんやっていくことになります。
最終的には締め、と呼ばれる行為をしていき、損益計算書、貸借対照表などを作っていき、それを税務署に提出する、ということになります。これが複式簿記の書き方です。難しい、とされているのがポイントとして転記のことをよく理解しておけば基本的には問題はなくなります。要するに仕訳をして、それがどの帳簿に転記されるのかを理解しておけば複式簿記はそこまで難しいことではないのです。
簡単に書きたい
最近では帳簿というのは今ではコンピュータでやっている人が非常に多くなっています。ですから、基本的にはコンピュータを使ってやれば意外と簡単にできるようになっているのです。
何故簡単にできるのか、といいますと少なくとも難しい部分となるのがまずは転記であるからです。転記は仕訳ができるのであればそこからコンピュータが自動的にやってくれるようになりますから、誰でもできるようになります。
例えば有名なところといえば『勘定奉行』などがあります。かなり有名なソフトであり、価格もお手ごろであり、まずはお勧めできます。加えて、会計ソフト『弥生』などもあります。大体、10000円を少し超えるくらいで十分に買うことができます。ほかにも、MFクラウド確定申告というのもあります。これはクラウド型のソフトであり、フリープランであれば0円で活用することができます。ベーシックプランでも月に792円~で利用することができます。何より、スマホからでも利用することができます。
『みんなの青色申告2018 消費税改正対応版』というのもあります。これは国内99%の金融機関の利用明細を直接取り込めるようになっており、入力のミスや漏れがない機能を搭載しています。また、科目を自動で提案してくれる、という機能もあります。明細を勘定科目に自動で変換してくれるところも有難いポイントでしょう。内容を確認してボタンを押すことによって、まさにすぐに仕訳が完了することになります。
このようにたくさんの複式簿記を作ることができるソフトやアプリなどがあるのですが大事なところはなんといっても、簡単に仕訳ができるのかどうか、という点にあります。これによって複式簿記であろうとも簡単に作り上げることができるようになるわけです。
エクセルでの複式簿記
エクセルの活用
今はエクセルをかなりしっかりと使うことができる人も増えています。このエクセルでも十分に複式簿記の帳簿を作り上げることができるようになっています。
まず、大事なことは自分で作るのか、それともソフトを使うのか、ということになります。世の中にはエクセルで自分で作ったで複式簿記ソフトを無料で公開していることがあるのです。或いは自分で打ち込んでいくことも不可能ではないです。ここにこの数字を入力すればこちらに転記する、と作ることができるのであればそれこそ自分で簡単に転記までさせることができるソフトをエクセルで作ることができます。はじめから簿記の知識がある人においてはこうした方法もある、ということです。
複式簿記と単式簿記の違い
どんな違いが
複式簿記ではなく、単式簿記というのもあるわけですが、この明確な違いというのは一つの取引に絞るかどうかということになります。「単式」とあるのは、要するに取引をする記録に関しては科目が一つである、ということからそう呼ばれているわけです。例えば『売上』の場合、単式簿記の場合は、「12/25 売上 150000」と書くだけなのです。
備考欄に取引先なり、或いはそもそも何を売ったのか具体的な物品名などは書くのですが帳簿としてはこれだけになります。最終的には『売上』となる数字の総計を計算はしますが、あくまでこの帳面の書き方というのは何か商行為が発生しても単一の科目でのみ、記帳をする、ということになります。複式簿記の場合は前述の通り、○○ 10000/ ×× 10000 といったような形で仕訳をしていきます。その上、転記もしていくことになりますし、損益計算書や貸借対照表も作ることになります。
これが複式簿記と単式簿記の大きな違いになります。簡単にいってしまうと複式簿記のほうが、細かい部分を見るときにわかりやすい、ということになります。単式はどうしても取引に関する記録が一直線で個別に判断がしにくいわけです。複式簿記にして青色申告をしますと65万円の控除を受けることができます。これは税務署側もそのほうがわかりやすいから、という側面が確実にあることです。
できれば複式簿記
自営業などをする場合、自分で帳簿を書く必要性があるのですが、その際には間違いなく、複式簿記を選択できるようにしておいたほうがよいでしょう。そうすることによって、税金的に優遇されることはもちろんのこと、自社の経営状況も把握しやすくなる、というメリットがあるからです。どうしても複式簿記は難しいというイメージを持っている人がいるのですが実際にやってみれば何十時間かあれば十分に原理原則自体は理解できることでしょう。税金的な優遇もあるわけですから、しっかりと複式簿記で帳簿を作ることができるようになっておいたほうが自分のためになります。最近はコンピュータソフト、アプリで殆ど機械が勝手に複式簿記で帳簿をつけてくれるような時代になっているのですから、少し学ぶだけで複式簿記はできるようになっています。
複式簿記を活用しよう
以上で述べた通り、自営業などをする人には複式簿記がおすすめされます。また、簿記アプリも増えてきていますので、活用能力を十分に理解した上で使ってみてください。