マーケティングにおけるオピニオンリーダー|具体例とデメリット

ビジネススキル

オピニオンリーダーとは?

学問的な意味

広義では、社会全体に問題を喚起し、意見形成に影響を与え、世論を動かす人物のことを指します。狭義では、周りと同程度の存在であるにも関わらず、それらの集団の意見や行動に影響力を持つ人物のことをいいます。つまりは人々に問題提起を行い、世論を動かす人のことを指します。しかしビジネスでは別の意味を指すことが多いです。

マーケティングにおけるオピニオンリーダー

ビジネスにおけるオピニオンリーダーとは、一般消費者の消費行動に大きな影響を与えることのできる人物をいいます。ひと昔前はテレビタレントや著名人を指すことが多かったです。

SNSが広まってからは、オピニオンリーダーはテレビタレントだけではなくなりました。

例えば、
YouTubeで一般人が商品を宣伝する。
ツイッターでシャープの公式広報がケンタッキーの宣伝をする。
ビューティーアドバイザーがブログでプチプラコスメを宣伝する。

といったように、小さなコミュニティにもオピニオンリーダーが発生するようになりました。

アフィリエイト収入狙いのブログもオピニオンリーダーに含まれるか

宣伝記事のみ書かれたブログはオピニオンリーダーとは言えません。なぜならブログに載ったからといって、消費者がその商品を購入するわけではないからです。しかし、閲覧者を増やすためにブログ記事に工夫を凝らし、結果消費者に支持を受けているブログはオピニオンリーダーである可能性があります。商品の記事を載せることが消費者の行動に結び付いているのであれば、そのブログはオピニオンリーダーと呼べるでしょう。

オピニオンリーダーの例

有名人のオピニオンリーダー

先ほどあげたマツコ・デラックスは、代表的なオピニオンリーダーの例です。
TBSの番組「マツコの知らない世界」で宣伝された「できたてポテトチップ」。
消費者が一斉に動き出した結果、紹介された商品のホームページが一時ダウンする事態になりました。
次の日には工場の売店でさえ売り切れたといいます。
マツコ・デラックスが出演する番組「月曜から夜更かし」では「マツコ・デラックスの経済効果は8億円」と発表されました。
8億円かは不明ですが、大きな経済効果がマツコ・デラックスにあることは確かでしょう。
この他にも同番組で紹介された「ラムレーズンサンド」や「ロイズアイスデザートサンド」などのアイスクリームも話題になりました。
マツコ・デラックスは独特のトークセンスと毒舌キャラがうけているタレントです。
番組内で取り上げた商品すべてをおいしいとは言わず、好きになれないものは「好きじゃない」とはっきりと述べます。
その飾らない話し方ゆえに、番組内で取り扱った商品も「本音」でおいしいと言っていると消費者たちが信じたのでしょう。

オピニオンリーダー的なサイト

オピニオンリーダーとは何も人物だけではありません。
一般消費者の口コミなども、オピニオンリーダーと言えます。
しかし一人だけが宣伝をしたとしても、大量の消費者は動きません。
ここで消費者を動かすために必要になってくるのは、「口コミが投稿ができるコンテンツ」です。
料理サイトでいえば「食べログ」や「ぐるなび」。
化粧品サイトでいえば「@コスメ」などがあげられます。
すでにご存じでしょうが「食べログ」や「ぐるなび」は、料理店を一般人が評価できるサイトです。
見も知らずの土地を訪れても、土地名を入力すればすぐに付近の料理店を検索することができます。
おまけに実際に食べた人たちの感想も聞くことができます。
このサイトのおかげで、優柔不断な筆者もはじめての土地で料理店を探すことができるのでとても助かっています。
面倒くさがりの筆者ですので、もしこれらのサイトがなければファミリーレストランやチェーン店など面白みもない食事を食べていたことでしょう。
「食べログ」については評価の信憑性がニュースにもなりました。
けれどもその便利さから、それでも使用者がいまだに多いサイトです。
「@コスメ」は口コミで化粧品を評価できるサイトです。
肌質や年齢も考慮してのランキングも発表されており、薬局などでもランキング上位の化粧品は店頭の1番目立つところに並んでいたりします。
現代では、大衆が大衆を動かすという図式が出来上がっているのです。

SNS上のオピニオンリーダー

有名人であげればカナダの人気歌手ジャスティン・ビーバーがあげられます。
彼がツイッターで「ピコ太郎」の「PPAP」を紹介したところ、爆発的に広まりました。
今までメディアを通しての宣伝が当たり前でしたが、SNSが広まってからはオピニオンリーダーと消費者がダイレクトに繋がるようになったのです。

新しいタイプのオピニオンリーダー

また小型コミュニティ内にオピニオンリーダーが誕生するケースもあります。
ツイッターでは、「家電製品のシャープ」が「チェーン店のケンタッキー」を宣伝していました。
文章だけではわけが分からない内容なので、詳しく説明します。
シャープのツイッター担当者がツイッターで人気者になりました。
宣伝とは関係のない「つぶやき」がうけ、現在では約37万人がシャープの「つぶやき」を見ています。
体重計で有名なタニタの担当者との掛け合いなどもうけ、「シャープさんとタニタくん」という漫画まで販売されています。
そのシャープのツイッター担当者がケンタッキーの「さくさくチキン」を宣伝したところ、それを見た多数の消費者が「さくさくチキン」を購入しました。
世界規模よりはるかに小さいコミュニティですが、それでも消費者に影響を与えているところを見るとオピニオンリーダーともいえなくはないでしょう。
このようにインターネットが発達してからオピニオンリーダーも多様化してきています。

オピニオンリーダーのデメリット

オピニオンリーダーを使った広告のメリット

最大のメリットとしては費用が掛からないことがあげられます。
オピニオンリーダーが勝手に商品をアピールしてくれるので、商品開発会社で広告費用など発生しません。
一度オピニオンリーダーがアピールしてくれれば、SNS上を経由し人から人へ口コミが広まっていきます。
一度の効果であっという間に遠くまで浸透していく宣伝力も魅力的です。
しかしオピニオンリーダーの宣伝にはデメリットも存在します。

オピニオンリーダーを使った広告のデメリット

オピニオンリーダーの宣伝効果は爆発的ですが、その分収束するのも早いです。
話題になったときは需要過多になり供給が追い付かなかったが、供給が追い付くころになると飽きられいて赤字になることも起こり得ます。
オピニオンリーダーの宣伝能力は大衆との「信頼」の上に成り立っています。
つまり「本当に良いと思ったものしか宣伝しないという信頼」です。
その信頼を崩さないために、オピニオンリーダーも「自身が良いと思った商品」しかアピールしない傾向があります。
そのためオピニオンリーダー発の流行は予測できません。
そしてオピニオンリーダーは専門家ではありません。
商品について嘘を述べ、嘘が世間に広まってしまう可能性もあります。
また自社でオピニオンリーダー作り商品を宣伝するという方法もありますが、時間がかかり上手くいくかも不明です。
先ほども述べた通りオピニオンリーダーは「信頼」によって成り立ってます。
信頼を勝ち取るためには長いスパンがかかります。
まずは消費者の話題を集め、消費者に受ける話題を提供し、消費者に娯楽を提供する。
それらを繰り返すことによりオピニオンリーダーと消費者との「信頼」が高められ、オピニオンリーダー発のマーケティングが成功するのです。
この信頼がどのような方法でどれくらいの時間をかけて形成されるかは、残念ながらはっきりとした数値がありません。

オピニオンリーダーをうまく利用するために

ネット上のコンテンツの発展とともにオピニオンリーダーは多様化しています。
いつどこにチャンスが隠されているか予測が難しく、自社の製品が大ヒットするか分からない時代です。
逆に言えばネット上のSNSコンテンツには敏感になっておけば、商品のヒットを予測できる時代ともいえます。
また自らがオピニオンリーダーになることも可能な時代です。
オピニオンリーダーになるためには長い時間をかけて消費者ニーズにこたえる広告をする必要があります。
しかしオピニオンリーダーになった暁には、新たなビジネスのチャンスなど相応の報酬が返ってくるでしょう。

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