パッケージ開発と受託開発それぞれの特徴と違い|パッケージ開発と受託開発どちらで仕事を受ける?

ビジネススキル

パッケージ開発と受託開発それぞれの特徴と違い

パッケージ開発

パッケージ開発は文字通り、市販ソフトウェアソフトを開発することです。代表的なものとしては、会計ソフトERP業種・規模を問わず多数の企業・組織で共通するビジネスで使うパッケージソフト、業種内(製造業、卸売業、小売業、不動産業、自治体、学校、病院などです。

さらに「自動車製造業の試作・設計」「建設業の進捗管理」「金融業の与信管理」などで使うビジネスソフトなどがあります。それに加えて、ワード・エクセルなどの統合環境など、パッケージ開発はこれからも需要が伸びていく方向になります。

パッケージ開発は、受託開発と違い汎用性があるので、インストールすれば直ぐに使えます。また、パッケージ開発で作られたソフトは大量生産できるので、1パッケージの値段は受託システム(同等の機能を持つ)に比べて格段に安くなっています。

しかし、パッケージ開発者は多くの人にあらゆる用途で使ってもらいたいがためオーバースペックなものもあり、必要ない機能が付いてくることもあります。パケッージ開発で作られたパッケージソフトは、売れると利益は爆発的に上がりますが、売れなったら今まで投入したパッケージ開発の投資は無駄になります。

受託開発

受託開発は、クライアントのシステムの開発において、クライアントのコンサルティングから設計、開発、運用・保守・管理までを一括請負うことです。カスタムメイドの受託開発が圧倒的に多く、下請け(協力会社)を組み合わせて1から作るのが日本のスタイルになっています。

受託開発の企業の種類

受託開発の企業は、メーカー系、ユーザー系、独立系、その他があります。クライアントはどの企業に受託開発を依頼するか参考にしてください。

メーカー系

いわゆる、メーカー系の受託開発は、システムにおけるハードウェアと抱き合わせで行い、メーカーから独立した子会社のIT部門がシステムを受託開発します。

公官庁のシステムの一次請けや、民間でもほぼ公共性の高い企業の一次請けになることがあります。ハードの導入もそのメーカーのそれを使うので、メーカー製品と組み合わせたソリューションの提案に強みがあります。

例えば、ソフトの導入を検討し、某メーカー系の製品をDELLのLinux上で構築する予定だったが、親会社のメーカーが自社のサーバーを抱き合わせて買ってもらえば、格安にすると言って売り込んできたことがあります。

ユーザー系

ユーザー系の受託開発は、いわゆる情報システム子会社です。商社や金融会社などの情報システム部門が、独立する目的で独立した主にグループ企業の案件を受注してシステム構築を行います。しかし、親会社の案件への依存度が低く、他の顧客の案件を積極的に受注する企業もあります。

商社や金融会社は数が増えて新機能を付加するため、ユーザー系のシステム開発会社は、クライアントとは長い付き合いになります。

独立系

親会社を持たない、資本的に独立した受託開発の会社のことです。独立系の会社の子会社もこちらに分類されます。メーカーや他のシステムインテグレータからの下請け業務を行うこともあります。機材やソフトを使う際何を採用するかが重要な為、方針や有数ダウンである事が重要視されます。

日本の受託システムの特徴

日本の受託開発は、日本のユーザー企業はクライアントとしてシステム開発を外注・丸投げする傾向が強く、特に政府調達においては丸投げは顕著で、一部のシステムインテグレーターがITゼネコン化する弊害が出ています。

また民間でも、情報システム部門の弱体化による企画力や発注能力の低下が問題になっています。2009年4月1日から強制適用される工事進行基準や政府調達制度の改革により、過度の丸投げを抑制しようという動きが進んでいます。

受託開発は、一旦受託したらその企業が運用・保守、マイナーチェンジまで行うので仕事が切れることがありません。また、システムをリニューアルする場合もクライアントは、今まで受託した企業を実績のある企業を得てして選ぶことになります。

何故なら、システムはクライアントのためにカスタムメイドされたシステムであり、他のシステムでは同等の機能を持つことが難しいからです。

また受託開発は、大多数がウォーターホールモデルを使っているので、一番人を掛けなければならなないプログラム作成には2次請け3次請けを使います。彼らは設計を行わないので単価が安く、低賃金にあるので業界離れが大きい傾向にあります。

パッケージ開発と受託開発どちらで仕事を受ける?

パッケージ開発と受託開発の大きな違いは、マーケティング戦略をするかしないか納期厳守かどうかです。

受託開発で受ける

受託開発では、クライアントの意向が大事で、システムを分かっていないクライアントは好き勝手注文を付けたり、開発の途中で仕様変更を要求してきたりしています。その度、納期が遅れるか、要員を増やさなければなりません。更に「社外秘」「機密事項」などの情報を扱う事が多いので、外部の人には話せません。

また、現地調整と言って開発マシンで作ったシステムを本番のマシーンに移植する必要があります。受託開発で自分が作ったソフトの著作権はクライアントに属しますので、流用できないというボトルネックがあります。

しかしながら、著作権に関してもクライアントはコードをいちいち確認することができないし、別の用途に転用するなど何かしらの抜け道があります。また、受託開発は自分一人ではできない大規模なプラント等、制御システムを構築して、動かすことができるという達成感があります。

パッケージソフトで受ける

それに対して、パッケージ開発は汎用ソフトですから、しっかりマーケットを抑えておけば1度ヒットすると爆発的なシェアを持つことになります。また、使い勝手が良ければ、年賀状を初めとするハガキを作成するパッケージ開発は、必ず毎年の利益が見込めます。

勿論、会計ソフトERPパッケージなどのはパッケージ開発もマイナンバー制度の導入やクラウドのため、バージョンアップしたソフトをクライアントは必然的に導入することになります。パッケージ開発は、幾つかのOSで動作確認するだけで、現地調整の必要はありません。

しかし、不要な機能がある反面、足りない機能があれば別途料金を払って貰い、機能を付けるというクライアント側に思わぬ出費があります。

システム開発の将来の展望

最近、受託開発でも、相手の要件仕様をアジャイルと言う手法でクライアント先でプロトタイプを提示して、クライアントとの認識の違いを無くす事ができ、フレームワークのお陰でソフトエア開発の手間大幅に削減できるなど、大きく変わってきました。

また、パッケージ開発側でもパッケージソフトを個人で使いたいが高価で買えないという人のために、学生なら大幅な学割を設定したり、バージョンが上がるたびに買いなおさなければならないというわずらわしさから解放されるため、レンタルで貸し出すパッケージ開発も導入しようとする傾向も増えてきています。

「〇〇〇.org」などで作られたフリーのソフトウェアが広く普及したため、ビジネスソフトでもプラグインできるようになりました。パッケージ開発によってもアクティブユーザーのために、プラグイン機能を備えた設計に変わりつつあります。

また、スマホのアプリなのどのようにお試し期間は無料ですが、それから300円以下の課金が発生するパッケージ開発もあります。値段が安いうえ、ユーザは思わず払ってしまいますが、現在のスマホのユーザーがかなりの数に増えていることを考えるとパッケージ開発の費用を回収してしまいます。

そのうち、人口知能(AI)が自動的にバグのないプログラムを指数的に増やして作る時代が来るでしょう。更にAIは最適化も行い、システムを軽くすることもできるでしょう。人間は、INとOUTと目的を入力すればできてしまう未来が来るでしょう。

あなたどちらの開発者になりたい?

あなたはパッケージ開発者になりたいですですか。それとも受託開発者になりたいですか。もし、人との折衝が好きで技術力もあり、開発メンバーのリーダーに向いているという人は、受託開発に向いているでしょう。良いものを大量生産し利益を上げたい、かつ開発を滞りなくと考えている人ならば、パッケージ開発が向いています。

いずれにせよ、プログラミングの最新技術を持っていることが望まれます。

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