健康管理システムとは
事業者が従業員の健康に関するデータを一括に管理できるシステムを健康管理システムといいます。
事業者には従業員の健康診断を行い、労働基準監督署に報告書を提出する義務が法令で定められています。従来、手作業で行われていた作業を近年はクラウドやソフトを使って管理できるようになってきました。
現在では、クラウド型とパッケージ型の2種類があります。
健康管理システムの目的
健康管理システムの目的は、従業員の適切な健康管理と労務管理です。
事業者は、従業員が健康診断の検査結果を踏まえた受診や再検査などの適切な行動をとったか確認し、従業員の健康管理を事業者が行うことが義務付けられています。
2015年から50人以上の従業員のいる事業者に義務化されたストレスチェックも大きな注目を集めています。
クラウド型とパッケージ型の違い
クラウド型はクラウド上で管理し、パッケージ型は自社ネットワークを利用します。
クラウド型は、システムをクラウド上で管理し運営することができます。アクセスのしやすさとコストが比較的抑えられるのが特徴です。導入までの期間も短くてすみます。
パッケージ型は、自社のネットワークを利用し、自社に必要な機能を選んでカスタマイズできるのが特徴です。業者やソフトウェア選びでコストに大きな違いが生じます。
おすすめの健康管理システム8選
健康管理システムには、健康診断、ストレスチェックがあります。この2つを一元化した健康管理システムも多く、事業者の規模や業種、業態によってふさわしいものを選びましょう。
労働基準監督署への報告が簡便なことはもちろん、従業員に健康管理の自覚を促し、異常があった場合の受診を促せるようなものが良いでしょう。
また、導入のための初期費用、ランニングコストやセキュリティーの強固さも考慮する必要があります。
1:Wellness Eye
Wellness Eyeは、使いやすさと診断結果の見易さにこだわったストレスチェックサービスです。
健康管理システムの中でも、ストレスチェックは特に重要視されています。Wellness Eyeは、シンプルで個人にも組織にも有益な設問を選りすぐっているので、業務の合間の短い時間でもさっと受けられます。
ソフトバンクのグループ会社SBアットワークが展開しているシステムなのでセキュリティーも万全です。
2:CARNAS
CARNASは、診療所やクリニック向けの健康管理システムです。
普段の診療だけでなく、定期健診、特定健診や人間ドック、ストレスチェックなどにも幅広く対応しています。一目でわかるアラートなど、普段の診療にも生かせる機能が人気です。
高度なセキュリティーで安全性を高めたクラウド型健康管理システムは、現在利用しているパソコンで使えるので導入もスムーズです。
3:ストレスチェックシステム
ストレスチェックシステムは、2015年12月に施行されたストレスチェック制度により、職場でのストレスをチェックする心の健康管理システムです。
事業者向けの「労働省版ストレスチェック実施プログラム」は、厚生労働省の専用サイトから無料でダウンロード可能です。ストレスチェックを行い、結果を出力して分析までできるプログラムです。
4:HM-neo
HM-neoは、健康診断、ストレスチェックなど、すべての検診結果を一元管理できる健康管理システムです。
問題があった場合の受診履歴や指導履歴、長時間の勤務や特殊な勤務への従事など、勤務状況も併せて管理できます。
事業者の業務内容や業態によって機能をカスタマイズすることも可能なので、無駄な機能を省き、必要な情報だけ得ればデータ管理も必要なものだけですみます。
5:H.S.S
H.S.Sは、健康診断、ストレスチェック、就業状況の3つをひとまとめにしてクラウド上で行う健康管理システムです。
インターネット上のデータに、産業医や保険指導員、従業員がアクセスできるので自分の状況をチェックしながら産業医のアドバイスも受けることができます。
健康診断やストレスチェックで問題が見つかった場合のフォローまでできるので、従業員の未受診に悩む企業におすすめです。
6:エヌ・エイ・シー「Lite」
エヌ・エイ・シー「Lite」は、必要な機能だけパッケージできる健康管理システムです。多機能なシステムは必要がない事業者やまずは基本的な機能だけ導入してみたい事業者に向いています。
基本機能は、検診データ、判定基準統一、検針結果参照などの6つです。検診の結果を保存し、労働基準監督署への報告書を作成するところまで過不足なく行えます。
オプション機能やカスタマイズ機能も充実しており必要な機能だけ選べます。
7:iビジネスパートナーズ「おまかせ健康管理」
iビジネスパートナーズ「おまかせ健康管理」は、健康診断、ストレスチェック、長時間労働対策の3つがパッケージされた健康管理システムです。
安心のセキュリティーシステムは、閲覧者の選定も簡単にできるので大規模事業者に向いているシステムです。
産業保険スタッフや人事総務部向け、従業員向けの2種類の画面で閲覧できます。それぞれに必要なデータをさっと閲覧できるので普段の健康管理にも役立ちます。
8:TOHMAS-i
TOHMAS-iは、健康診断の受診から診断、指導まで管理できる総合健康管理システムです。
多種多彩な機能の中からふさわしいものを選ぶことで、住民検診や各種団体の検診にも利用できる汎用性の高いシステムです。
検査結果を入力すればすぐに結果を出してくれる自動判定機能には、標準判定だけでなく事業者ごと、施設ごとの判定を盛り込むこともでき、どのような業態、業務にも個別に対応できるのが魅力です。
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健康管理システムの市場規模
健康管理システムの市場規模は、2017年には2055億円と言われており、2019年の働き方改革後はより一層規模が拡大し、2022年には3000億円を突破すると見込まれています。
大規模事業者はもちろん、ストレスチェックを義務付けられていない従業員50人未満の事業者も従業員の健康管理には積極的な傾向が続いています。
今後もアプリやIoTなどITを利用した健康管理システムの市場は拡大していくでしょう。
市場規模拡大の背景
2015年のストレスチェックの導入、2019年の働き改革により、働く人の身体と心の健康に関する事業は今後ますます大きくなっていくと考えられています。
少子高齢化によって人手不足が深刻な事業者では、従業員の健康管理システムを構築することは法令順守の観点からはもちろん、福利厚生の一環としても必要不可欠です。
法人向けの健康管理システムを含むヘルスケア事業は、ますます注目される分野となります。
健康管理システム導入によるメリット
ITを利用した健康管理システムを導入するメリットは、煩雑な事務作業の軽減と個人情報の保護にあります。
健康診断の結果を紙媒体に記入、保存、管理すると膨大な量の手作業が必要になります。それを労働基準監督署に報告するためにまとめる手間も必要です。
健康管理システムを利用すれば、結果を入力するだけで従業員へのフィードバックから労働基準監督署への報告まですべて自動でできます。手間と人員の削減が可能です。
従業員のストレスチェックを行える
健康管理システムは、ストレスチェックも簡単に行うことができます。
ストレスチェックは、専用の質問紙の設問に対して現在の自分に合った回答をします。健康管理システムを使えば、質問紙を手に入れて回答するための時間を特に取る必要もなく、空いた時間にアクセス画面上でチェックを受けることができます。
従業員のプライバシーを重視したシステムは、特にストレスチェックに向いていると言えるでしょう。
従業員一人ひとりの健康状況を把握しよう
健康管理システムを利用することで、従業員の身体と心の健康を客観的に把握し、適切な労務管理を行うことができます。
事業者が従業員の健康状態を把握することは、従業員の健康を守り働きやすさやモチベーションを維持し改善するだけでなく、企業全体の生産性を向上させることにもつながります。