原価管理システムとは?
原価計算や原価変動に関わる予測処理を行うためのシステムが「原価管理システム」です。原価のみ表示するだけでなく、他の会計データと連動した情報を使用し、生産管理の現場に役立てます。
主な機能としては「実際原価計算」「標準原価計算」「原価再分析」「予算管理」「配賦率」などがあります。最近ではERPパッケージ(統合基幹業務システム)に組み込まれる機能として、原価管理が提供される場合が一般的です。
おすすめの原価管理システム17選
おすすめ原価管理システムを紹介します。
どの原価管理システムもERPの一機能として含まれており、企業活動を生産処理から会計処理までトータルで管理する事ができる点が魅力です。
ERPでは経営者が経営状態を一元管理できるよう、必要なデータが集約されます。導入の検討を行う時には、自分の経営状態と結びつくシステムを選ぶのがポイントです。どのような原価管理システムがあるのか、まずは比較からはじめてみましょう。
1:ProjectViz(プロジェクトヴィズ)
富士通の流通業向け原価管理システムが「ProjectViz」です。計画、見積り、受注から請求など、プロジェクトのすべての工程を一元管理可能です。
予算や今後の業績予測、あるいは実績として算出した数値入力で損益に関するデータを見える化し、タイムリーな経営判断の支援ができます。
管理コストの削減、ワークフロー管理など業務効率化に特化しており、豊富な機能と共に流通現場の原価管理を強力にサポートします。
2:クラウドERP ZAC
クラウドでERPを管理する事ができるZACは、リアルタイムに原価管理されたデータが集約される経営モニタリング機能を備えています。
クラウド型ERPのメリットは新消費税率や下請法など、最新の法改正にも迅速な適応が可能となるのが特徴で、わざわざシステムの更新作業がスピーディに行われるのが特徴です。
原価計算システムを自動化し、プロジェクト別や部門別など、綿密な原価管理や予測、仕掛計算を行う事ができます。
3:Reforma PSA(レフォルマ ピーエスエー)
「間接業務ばかりが増えて、本業へ携わる時間が少なくなってしまう」という悩みを解消するために活躍したいのが「Reforma PSA」です。
Reforma PSAはクリエイティブ業のための案件管理システムを搭載しており、成長企業のために便利な機能を搭載しているクラウドパッケージシステムです。
プロジェクトの収支管理を行いやすく、必要な機能を組み込みコスパ改善に役立てる事ができるのも利点となっています。
4:e2-movE 工事管理
e2-movEは、建設業者の日常タスクに柔軟なカスタマイズで対応する事ができる建設業向けのERPパッケージです。
現場や、事務や会計によるタスク管理で書類が煩雑になりやすい建設会社や、大手企業でも導入されている実績があり、信頼できるカスタマイズ性が魅力です。
グループ会社でも並列して導入しやすいのもメリットで、導入実績紹介ページでも、グループ会社と一緒に活用している会社も紹介されています。
5:MCFream原価管理
MCFreamの原価管理パッケージは「利用者を意識した意味がある原価情報を提供できる仕組み」と、「SCM・PLMを通して発生する原価情報をタイムリーに提供できる仕組み」とを考慮して作られた製品で、生産・販売・原価管理までをトータルで管理する事ができるシステムです。
生産管理と一体でも原価管理単独でも導入できる、多様な製造業において適用可能で、250社を越える製造業に導入事例があります。
6:工事部長
工事部長3は、工事別の原価管理や予算実績管理を中心として、見積書の作成を行う事ができます。
他にも見積書の作成、工事受注から請求・回収管理、業者へ注文、支払管理、労務管理、損料管理、資機材の管理といった作業の他にも、工事業に最適な業務を、IoTを活用して広範囲で支援する事ができるパッケージシステムです。
タッチパネルに対応したシステム構成で、分析や帳票管理もわかりやすいのが特徴です。
7:財務大将
全社的なデータ集積を行う事を得意とした「財務大将」は、経営戦略に欠かすことができないシステムのコアパッケージとして、高度な経営と判断をサポートするソフトです。主要機能を挙げると、勘定科目体系を自由に設計する事ができ、柔軟なマスタ体系が特徴です。
他にもデータ検証やスピーディな伝票入力など、業務効率改善に役立つ機能が豊富に収録されており、さまざまな体系での会計管理を行う能力に優れています。
8:OBIC(オービック)
オービック7はERP累計導入社数有数の実績を持っている、ERPソリューションシステムです。1997年に登場して以降、累計20,000社を越える企業に導入されてきており、長年培った信頼と実績を持ったパッケージシステムです。
豊富なERPソリューションをラインナップしているのが特徴となっており、会計情報システムとしての役割だけでなく、経営の要となる現場の情報を一元管理することをサポートします。
9:FutureStage
日立システムズが開発した「FutureStage」は、製造業・流通業向けの基幹業務ソリューションの統一ブランド名です。
日系コンピューター2018年9月号において、顧客満足度調査2018-2019/ERPパッケージ部門で第一位に選ばれた受賞実績があります。
販売開始からおよそ30年間、多様なERPパッケージを構築してきた実績があり導入数は4000システム以上と、信頼や実績面での高い評価があります。
10:Project-Space
Project-Spaceは、電気や管工事、プラントなどの設備工事、建設や造船など、現場作業を伴う製造業に特化したERPパッケージです。
現場作業を柔軟にサポートするパッケージで、ベースの国産ERPを基準として、業界特有の機能を実装させることで、複雑なカスタマイズが不要となっている点が特徴です。
プロジェクト(工事番号・製造番号)単位でわかりやすく損益管理が可能な原価管理システムとなっています。
11:J-CCOREs(ジェー・シー・コアーズ)
「J-CCOREs」は、JFEシステムズが開発する原価管理システムです。
大企業を中心に導入実績がある事が特徴で、単純な原価計算・損益計算のみに止まらず、新製品原価価格、原料単価の変動を伴ったシュミレーションに対応しており、高速かつ緻密な業績予測判断に優れています。
製造コストや収益の「見える化」を実現し、具体的な原価改善や利益改善に繋げるために必要な原価計算システムを搭載しています。
12:レッツ原価管理Go
「レッツ原価管理Go」は、どの部門でも違和感を感じる事なく、活用しやすい共通のわかりやすさに配慮されたシンプルなメニュー構成で画面が配慮されているのが特徴です。また多様なニーズに対応する柔軟な伝票処理機能や、豊富な集計資料を備えています。
ホームページもシンプルでわかりやすく、イラストを交えた製品紹介がなされているのが特徴で、総合工事業から各種製造業の業務一元管理に最適なシステムと言えるでしょう。
13:PROCES.S
建設工事のERPシステムである「PROCES.S」(プロセス)は、業務ごとの多様なモジュールをラインナップして、日常の業務サポートを改善するERPシステムです。
原価管理システムは基幹系モジュールに含まれ、建設業や工事業の業務に携わる現場で必要となる作業をトータルでカバーする事ができるようになっています。全国およそ300社において導入・稼働実績があり、主に総合建設業の事業者で活用されています。
14:BB Job
BB Jobは、プロジェクトごとの収支管理をメインとしているクラウド型のERPパッケージです。
主に広告・Web業界、制作会社、コンサルティング会社などに向いているシステムで、プロジェクトごとの収支管理を行う業界向けにパフォーマンスを発揮するシステムです。
プロジェクトごとの月次収支明確化や、各担当毎の収益の明確化など、プロジェクトに追従する形で各種データを集約し一元管理を行います。
15:AMMIC(アミック)
中小企業向けのERPシステムを提供しているAMMICコーポレーションでは、原価管理システムのAMMIC/NetCタイプと、生産管理システムのAMMIC/NetPタイプとを作成しています。
製造業に特化したシステムで、AMMICが開発した独自の計算手法により、実作業に応じた経費の配賦を何階層分も綿密に計算可能です。設定した予定計画に基づき、データをシュミレーションする機能も搭載されています。
16:GRANDIT(グランディット)
航空会社のANAや、大手商社の双日といった、著名な会社が導入しているパッケージを開発するGRANDITでは、「複数の企業が叡智を出し合って製品とサービスを成長させてゆこう」との理念をテーマとして、ユーザー視点のERPパッケージ開発を行っているのが特徴です。
原価管理システムはもちろんのこと、カスタマイズ次第ではグループ企業との連携を大切にした大規模なERPの導入にも対応する事ができる点が魅力です。
17:FA-CUBE個別原価管理システム
ネクスタ社が開発するFA-CUBEは、インストールしてデータベースへとアクセスを行うタイプのERPパッケージです。
クラウドの利点も兼ね備えており、クラウドサーバへデータを保管する事で、保守性を大幅に向上できるバックアップ機能を備え、独自のセミオーダリングシステムが人気のポイントです。
自社の経営方針に沿って最適な原価管理システムをパッケージング可能となっており、システムのコストダウン化も図れます。
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原価管理システムの4つの基本機能
原価管理システムが持っている基本機能を、4つのカテゴリに分けて解説します。
「原価シュミレーション機能」「多段階の配賦を可能にする機能」「製品別の収益性判断機能」「内部統制対応機能」の4種類の機能です。
これらの機能は、原価管理システムを管理しているERPパッケージの中でも、それぞれ重要な機能となっています。ここでは特に原価管理システムでどう役立てられているか、具体的に説明します。
1:原価シミュレーション
原価管理システムが持っている機能の中で、大切な機能のひとつがこの「原価シュミレーション」機能です。原価シュミレーションの機能は、ERPの原価管理システムの中に含まれる一機能となっており、多くの企業ではカスタマイズされた状態で使用されるのが一般的です。
シュミレーションとしての機能ですので理想と現実とがかけ離れる事もありますが、こうしたデータを補正し、柔軟に対応できる機能を備えているのも特徴です。
2:多段階の配賦を可能にする
部門別に配賦を計算したり、製品別に分けて配賦を計算する場合など、細かい配賦処理を設定する事ができます。この機能により、より複雑で正確に原価計算の精度をあげる事ができるようになっています。
複雑な配賦計算に対応しているのが特徴ともいえ、部門別や製品別に配賦したり、品群ごとに配賦方法を設定するといった機能で、計算パターンを定義し、原価計算に役立てる計算機能を備えているものもあります。
3:製品別の収益性判断
製品毎に目標の利益や目標の原価を前提し、収益性を判断するといった計算機能を備えています。これは設定した販売目標や利益計画に対して、どれくらい収益性を上げる事ができるのか、相関関係を分析する機能です。
原価管理システムを継続運用すると、集積データを加え、さらに正しく補正した収益判断を行えるようになります。例えば製造変動費や販売変動費などのデータを加え、より正確な予測判断が行える機能もあります。
4:内部統制対応
内部統制機能とは、大切なデータを保護する役割を担う機能です。経営者・営業・会計などの部門ごとに、あるいは業務レベルごとにアクセス管理を設定し、閲覧制限を行う事ができます。
データを閲覧したり出力した場合に、操作した履歴や、データの更新履歴を確認する事も可能です。他にも不正な改ざんを防ぐ機能や、原価管理システムから大切なデータを保護する機能など、内部統制に役立てられる機能を備えています。
原価管理システムを導入して業務の効率化を計ろう
原価管理システムは原価シュミレーションや管理を担うシステムということで、特に製造業では非常に重要な役割を担っているのが特徴です。
原価管理システムへ目標を適切に設定する事で生産管理から予測収益へ反映され、また日常的な業務でも原価管理システムを管理する事で、情報管理の内部統制にも役立ちます。
経営状態をわかりやすく一元管理するために、欠かせないシステムです。経営スタイルに合った導入を検討してみましょう。