工数管理とは?
工数という言葉(概念)は「人数×時間」で表わしますが、原価計算において製品の労務費を構成する要素の1つとして使われます。
工数を表わす時間の単位は、一般的に分・時間・日・週などが用いられます。なお、工数管理において単位時間当たりの作業量の指標として使いますが、作業人数(工数÷時間)に変換したり、所要時間(工数÷人)に変換して使うことがあります。
工数管理の重要性
工数管理の目的は、単に1日の製品の出来高や生産効率の目安にしている訳ではなく、製造原価に直結する重要な管理指標として活用しています。
製造工程における工数の変動要因は、一般的に人(man)・機械(machine)・物(material)・作業方法(method)の「4M」といわれています。そのことから工数管理は、現場マンにとって原価低減の鍵を握っている4Mの最適化の活動に他なりません。
従業員のモチベーションにもつながる
企業の儲けを「利益」といいますが、ごく簡単にいえば「利益=売上ー費用」で表わされるように、利益の最大化にとって売上拡大と費用削減が不可欠な要素といえます。
企業活動に必要な費用(人件費や経費など)は、大きく製造部門の「売上原価」と営業や事務部門の「販売費・一般管理費」の2つがあります。従って、従業員にとって工数管理は、昇給はもちろん仕事の創意工夫や改善などのモチベーションにもつながっています。
おすすめの工数管理に使えるツール8選
工数管理とは、業務における仕事量と投入人員の最適化を図るための管理手法をいい、専ら工数管理を行うための業務システムを「工数管理ツール」と呼んでいます。
工数管理ツールは、一般的に製造部門における原価管理に必要な工数計算は当然として、プロジェクト活動などの不定形業務の効率化を図るため、仕事量や人員数の最適化のための工数計算を行います。ここでは、市販の工数管理ツール8選について特徴をご紹介します。
1:タスクワールド(Taskworld)
工数管理ツールの「タスクワールド」は、世界中のさまざまな企業やプロジェクト活動のコア業務用のメインツールとして本格導入されています。
タスクワールドの工数管理ツールは、プロジェクトの全貌を視覚的に捉えて工数管理が行えるため、メンバー相互の情報共有によって生産性や効率性に大きく寄与できます。システムファイルのアップロードやタスクカードの移動などの操作は、マウス1つで行えるのが大きな特徴です。
2:follow(SaaS版)
工数管理ツールの「follow(SaaS版)」は、工数管理と勤怠管理を同時に行うNTTコムウェアが提供するクラウド型のシステムです。
followの工数管理システムは、工数管理・勤怠管理・出張旅費管理などの機能を有していますが、必要な機能のみを選択して利用できるのでランニングコストの無駄を省けます。その上、クラウド型のサービスであるため、サーバー設置などの初期費用が不要のため経済的です。
3:AppSuite(アップスイート)
工数管理ツールの「AppSuite(アップスイート)」は、自社の業務運用に沿ったカスタマイズが可能であり、表計算ソフトを利用した管理台帳などもアプリとしてそのまま利用できます。
紙・電子メール・表計算ソフトを使った従来の工数管理業務は、AppSuiteの原価管理ツール使うことによってデータベースの構築・関数計算・アクセス制御などの機能を備えた、新たな全社的システムの構築につながります。
4:Zoho Projects
工数管理ツールの「Zoho Projects」は、シンプルで使いやすいインターフェイスを備えたクラウド型のプロジェクト管理ツールです。
Zoho Projects工数管理ツールを導入することによって、プロジェクト活動の進捗把握・共同作業・工数記録へのアップロードが可能となります。また、リアルタイムでアイディアの議論やコメントの投稿が効率的に可能となるため、合理的なプロジェクト計画の設計が可能です。
5:賢人ワークフロー
工数管理ツールの「賢人ワークフロー」は、クラウド上のワークフローシステムでありインターネットへの接続環境があれば、どこでもアプリケーションソフトの使用が可能です。
賢人ワークフローの工数管理システムは、サーバーを設置する初期費用が不要であり短期間の運用開始が可能です。ちなみに、アイフォンなどからのアクセスが可能であり、社外クレームの処理業務や修理点検業務に特化したワークフローも提供しています。
6:TimeCrowd(タイムクラウド)
工数管理ツールの「Time Crowd(タイムクラウド)」は、リアルタイムでかつ文字入力することなく、社員相互のスケジュール・タスク・活動状況などの情報共有が可能なコミュニーケーションツールです。
チームメンバー相互で時間軸に沿った活動状況を把握できるため、チーム全体でより効率的にクリエイティブな時間創出を実現することができます。
7:Jooto(ジョート)
タスク管理ツールの「Jooto(ジョート)」は、タスクごとにカードを使って作るカンバン方式のタスク管理ツールであり、あたかも紙にポストイット(付箋)を貼ったり剥がしたりするようなイメージで使えます。
Jootoタスク管理ツールは、専門知識を必要としないため導入時の学習コストを低廉に抑えることができます。また、スマホからアクセス可能なため、移動中でもタスク更新状況がリアルタイムで確認できます。
8:クラウドERP ZAC
工数管理ツールの「ZAC クラウド型ERP」は、企業の中核的な業務機能をベースにした、管理会計や経営モニタリングの機能を持った全社統合システムです。
ZACクラウド型ERPの工数管理ツールは、プロジェクト管理に必要な経費・勤怠・工数・原価・仕掛りなどの管理も行います。また、請求や支払管理などもシステム化することによって、二重入力や請求漏れなどの防止が可能です。
「業種別」工数管理のポイント3つ
大きなプロジェクト活動を推進するためには、マスタープランに沿ったスケジュール管理や進捗管理が重要です。
大きなプロジェクト活動になるほど、日々のスケジュール管理や進捗管理に少しでも手違いが生じると大幅な納期遅れや過大な予算超過に陥ります。企業経営者は、自社のリスクマネジメントの一環として、工数管理ツールの導入の検討が
ポイント1:ソフトウェア開発の場合
ソフトウェア-開発のプロジェクトは、システム全体を統合・調整する基幹システムの下に、複数のサブシステムを構築する必要があります。
開発業務に先だって、「メンバー調達」「役割分担」「工数設計」に基づいた原価予算を策定し、スケジュールや進捗などの実績管理を行います。
ポイント2:士業・コンサルティングの場合
士業とは、弁護士・税理士・行政書士などの国家資格を有した人たちを指し、専ら「高度な専門知識を売ること」を生業としています。
専門知識のアウトプット量は、士業としての評価に大きなウェイト占めるので、士業としての金銭価値を高めるための工数管理は大きな意味があります。
また、複数のメンバーで共同経営している場合は、ことさら士業の生産性を上げる手段として工数計算ツールを活用することが望まれます。
ポイント3:製造業の場合
製造業の利益は、一般的に「利益=売上高ー費用」の計算式で求められますが、企業の目的ともいえる「利益の最大化」にとって、工数管理は重要な役割を果たしています。
ごく大雑把にいうと、製造原価は「工数×工賃」で求められますが、工賃を一定とすると工数が少ないほど利益の拡大に貢献できます。その意味で取り分け間接部門の「工数を見える化する」ことは、モチベーションを高めるために必要不可欠です。
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工数管理やプロジェクト管理ツールの選び方3つ
原価計算において、直接労務費は品目や行程ごとの「実績工数」で捕捉しますが、事務・管理などの間接労務費は全分纏めて捕捉しているので、見方によっては「どんぶり勘定」ともいえます。
工数管理ツールの導入によって間接業務の分析が可能になれば、仕事のやり方を見直すきっかけになることが期待されます。また、従業員のモチベーションが向上し責任感が増すと、経営体質の改善や意思決定のスピードアップにつながります。
1:セキュリティはしっかりしているか
プロジェクト管理ツールのセキュリティー対策は、初期費用や機能によって大きく変動しますが、初期費用に拘ったばかりに実効性に掛けることがあっては本末転倒です。
そのため、セキュリティー対策ソフトの導入に当たっては、実績がある信頼できる企業を選択することが何より重要です。セキュリティー対策ソフトは、定期的なメンテナンスが不可欠であり、サポート体制が整っている業者を選定することも重要です。
2:使いやすいインターフェースか
コンピュータのシステムに使われるインターフェイスには、大きくハードウェア-インターフェイス・ソフトウェア-インターフェイス・ユーザーインターフェイスの3つがあります。
ユーザーインターフェイスとは、コンピュータと人のやり取りに介在するものでり、別に「マン・マシンインターフェイス」とも呼ばれますが、コンピュータの入力方法や画面表示の仕方などを決める大きな要素であり導入時に作業者の意見集約が大切です。
3:コストパフォーマンスが出来ているか
プロジェクト管理ツールに限らず、どんなシステムを導入しても日常業務の中で使いこなさなければ何の価値も生み出しません。
業務管理ツールの導入に際し、初期費用が安いからといって安易にオープンソース型を選択すると、運用ルールや使い勝手に関するマニュアル整備を自社で行う必要があります。また、マニュアル整備に多大な時間を費やしても、有効活用できなければコストパフォーマンスが向上することなどありません。
工数管理をすることでパフォーマンスがあがる
企業活動においては、「パフォーマンスを上げること(利益の最大化)」が目的であり、パフォーマンスを上げるための手段が「工数管理ツールを導入すること」です。
工数管理ツールを導入する場合は、まずは仕事の現状把握と問題点を「見える化」し、徹底的に「ムダ」「ムラ」「ムリ」を排除することが先決です。その上で自社の仕事のやり方に最適で使い勝手の良いシステム選定が、満足なコストパフォーマンスを得る秘訣です。