情報資産とは
「情報資産」とは、文字通り「資産」としての価値が認められる情報のことです。一般的に情報資産と呼ばれる情報は、企業活動によって収集した情報のことを指すことが多く、技術情報やマーケティングの情報などが挙げられます。
だからといって、技術情報など商売がらみの情報ばかりを指すわけではなく、企業の財務情報や人事情報なども資産として認められ、情報資産として扱われています。
情報資産管理は重要
企業の基本要素として、「人」「物」「金」という3つが挙げられていましたが、現在ではこれら3つの要素は「経営資源」と呼ばれています。現在では、「情報」のことも第4の経営資源とも呼ばれています。
企業の経営は、多くの情報によって企画運営されています。具体的には、顧客情報や市場情報、仕入れ情報、生産管理情報、在庫情報など、企業活動のあらゆる面の情報を的確に管理できてこそ、正しい経営ができるといえるでしょう。
情報資産管理の重要性3つ
情報資産管理の重要性として、具体的に次の3つが挙げられています。企業内の情報を「資産」として意識したうえで、それぞれの重要性を考えながら適切な管理をしていくよう策定します。
【情報資産管理の重要性】
1:企業を活性化させ競争力を上げる
2:情報共有を行うことで企業の業績が上がる
3:セキュリティ意識が上がる
ここでは、情報資産管理のそれぞれの重要性について具体的にご紹介します。
1:企業を活性化させ競争力を上げる
企業活動の重要な目的は、企業利益を確保することです。安定した利益を確保するために、企業としての競争力を上げ、他の企業よりも優位に立つことが必要です。
企業の経営者は、競争力を上げ、優位に立つために、多角的な情報に基づいて経営判断を行っています。
情報資産を的確に管理・活用することが、企業経営の根幹を成す重要な経営資源として位置付けられています。いかにうまく情報を管理するかが経営の命題ともいえるでしょう。
2:情報共有を行うことで企業の業績が上がる
情報資産は、どこかにひっそりと保管されているよりも、その情報を必要とする人たちに共有されてこそ意味のあるものです。
セキュリティ面に配慮したうえで、必要と考えられる人たちの間で情報が共有できていれば、情報活用のパフォーマンスが上がります。
例えば、重要な情報を1人の取締役だけが知っていても、有効に活かせていることになりません。取締役の間で共有することで、経営企画に活用できる可能性をみいだせます。
3:セキュリティ意識が上がる
情報資産の管理は、セキュリティ向上の面からも強く求められています。情報資産の共有とは、多数の人が情報資産にアクセス可能となるため、不正アクセスなどのセキュリティリスクが潜んでいます。
情報資産の共有には、セキュリティリスクも含まれることから、情報資産管理の仕組みに情報漏洩防止施策などが必要になります。
システム的な仕組みだけでなく、情報資産の利用者のセキュリティ意識を向上させることも不可欠となります。
情報資産の脅威4つ
企業が保持する情報資産がさらされている「脅威」には、どのようなものがあるかご存知でしょうか。
情報資産の抱えるセキュリティリスクには、たびたびニュースなどでも話題にのぼる以下の4つのリスクがあります。情報資産がさらされている脅威は、情報資産の管理方法によって、軽減することが可能です。
【情報資産の脅威】
1:情報の漏えい
2:情報の暴露
3:情報の改ざん
4:情報の破壊
これらの脅威について内容をご紹介します。
1:情報の漏えい
情報の漏えいとは、本来限られた人々の間のみで共有すべき情報資産が、意図しない人にも知られてしまうこと、利用可能となってしまうことです。
もっとも身近な例が「個人情報の流出」です。個人情報でも、企業機密でも、情報漏えいが明らかになると、その企業の信用は失墜します。
漏えいの原因がミスという過失によるものであれ、ウィルスなどの悪意に基づくものであれ、企業としては防御するための対策に取り組む必要があります。
内部からの情報漏えい
情報資産を管理するシステムなどの操作ミスや、悪意による持ち出しなど、情報資産を管理している企業内部の人間による情報漏えいは、企業として徹底的に防止対策を検討すべきです。
内部から情報資産を持ち出す手段としては、メール、USBメモリなどの外部媒体、紙媒体などが考えられます。
内部からの情報漏えいを防ぐ情報資産管理として、外部へのメール送信に制限をかける、外部媒体を利用不可にする、という企業もあります。
2:情報の暴露
「情報の暴露」と呼ばれる脅威は、ネットワーク上の通信内容を第三者が取得し、情報資産を保持する者が意図しないところで公開されることです。
第三者に盗み聞きをされるといえば、一昔前であれば電話の盗聴や、壁伝いの盗み聞きでしたが、現在ではネットワーク越しの盗聴が一般的です。
情報資産の盗聴を避けるためには、ネットワークのセキュリティ設定を見直し、管理強化することが近道です。
ネットワークの盗聴
ネットワークそのものの設定を見直し、第三者が企業内のネットワークにアクセスできないよう「ファイヤーウォール」と呼ばれる情報の壁を強固に構築することが必要となります。
ネットワークへのアクセス方法としても、近年主流となっている無線LANによる場合は、ネットワークを流れる情報が「無線」という形で飛び交うため、セキュリティ設定をきちんとしていないと、簡単に盗聴されてしまいます。
3:情報の改ざん
ネットワーク経由で情報資産の盗聴が行われた場合、そのままその情報資産をさらされることが「情報の暴露」ですが、盗聴した情報資産に手を加えてさらされたり、もとあった場所に戻されたりすることを「情報の改ざん」と呼んでいます。
「情報の改ざん」は、ネットワークでの通信内容を盗まれ、内容を書き換えられてしまうことを指します。情報の改ざんも、ネットワークに不正アクセスされてしまうことが根本原因といえます。
不正アクセス
情報資産への不正アクセスとは、アクセス権限を持たない者が情報資産にアクセスすることです。具体的には、企業内のサーバーで管理されている情報資産をアクセス権限のない者が参照することなどがあります。
不正アクセスは盗聴と同様に、管理者が意図していない人が情報を入手し、利用されてしまう危険性があります。情報を利用するだけでなく、システムダウンなどを起こし、企業活動を停止させる危険性もあります。
4:情報の破壊
情報の破壊とは、管理されている情報資産のデータを物理的に破壊するなど、利用不能な状態にしてしまうことを指します。
パソコンウィルスは、多くが情報漏えいを起こすタイプですが、最近では内部データをすべて破壊し、利用不能としてしまうマルウェアが増えています。
マルウェア
マルウェアは、コンピュータウイルスやスパイウェアなどの不正プログラムの総称です。「不正かつ有害に動作させる意図で作成された悪意のあるソフトウェア」のことを指します。
マルウェアに感染すると、パソコンの内部を巣くわれ、ファイルを破壊されてしまったり、メモリやCPUに過剰な負荷をかけられたりします。
マルウェアの中には、パソコン内部に保有する情報を収集し、外部へと送信するといった動きをするものもあります。
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情報資産管理を安全に行うには
ご紹介してきたように、多くの脅威にさらされている情報資産をより安全に管理するためには、検討すべきポイントがあります。
大まかにいえば、「現状を知る」「対策を立てる」「定期的に対策の有効性をチェックする」ということになります。具体的な情報資産管理強化の施策とし4つほどご紹介します。
1:情報資産管理台帳を作成する
情報資産を運用・管理するためには、情報資産の棚卸を定期的に実施する必要があります。棚卸で確認するためには、情報資産を台帳化して管理しておくことが必要です。
情報資産の管理台帳は、すべて手作業で行う必要はなく、情報資産管理ツールを使って、稼働状況や使用状況などに関してはツールの管理ファイルを台帳として代用できます。
情報資産管理ツールを導入していない場合も、コマンドにより情報収集できる内容もあります。
2:リスクの高いサービスは検討する
情報資産をセキュリティ脅威から守るためには、セキュリティ脅威にさらされるリスクを把握し、リスクを極力排除することが必要になります。
リスクの中には、完全に排除できる内容もあれば、完全に排除できず可能性として残ってしまうものもあります。
こうしたリスクを、発生頻度や発生時の費用負担などで評価し、リスクの高いサービスから優先して対策を検討します。リスクが高すぎるサービスに関しては、撤退も検討しましょう。
3:不要なデータを作成しない・消去する
情報資産の管理を徹底するため、不要なデータは作成しないということも大切です。必要に応じて作成したデータであっても、不要になったら速やかに消去するということも重要です。
不要になったデータは、管理が甘くなりがちです。データの管理期限を設けて、不要となったら時間をおかずに消去できるような仕組みなども検討しましょう。
情報資産の棚卸を行い、情報資産の要・不要を切り分けて、管理を徹底することをおすすめします。
4:資産管理ツールを適用する
情報資産を適切に管理するためには、情報資産管理ツールを検討してみてはいかがでしょうか。企業の情報の大半が電子化されることで、情報セキュリティに関しても電子情報の管理に重点が置かれるようになりました。
電子化された情報資産の管理には、IT資産(情報資産)管理ツールの導入が不可欠となってきています。自社の環境にあったIT資産管理ツールを選定し、活用を検討してみましょう。
情報資産管理をしっかりと行おう
情報資産の管理は、さまざまな脅威を知れば知るほど難しく、100%の管理は難しいといえます。情報資産管理はツール化もされており、どう管理するか、脅威からどう防御するか、情報をどう活用するか、といった提示もされています。
情報資産管理については各企業の取り組みを参照したり、ITベンダが提示する管理手法を検討したりし、自社としての対応をイメージしたうえで管理を徹底していきましょう。